機関紙「自治労府職」

 2000年12月1日号


府労連秋季年末闘争
    到達点を確認し闘争終結、中央委

 府労連は11月24日、職員会館分館で第3回中央委員会を開き秋季年末闘争の妥結を全会一致で確認した。
 田渕委員長はあいさつで「府の財政事情から給与面で不満の残る回答しか得られなかったが、昇給復元がない限り続く公民格差の問題は今後も厳しく追及したい。調整手当や任用・休暇制度などで一定の前進回答もあり今季闘争の終結を判断したが、近年は府労連課題が通年化する状況であり今後も各単組の結集をお願いしたい」と訴えた。
 議事では1号議案として今季闘争の経過、扶養手当・調整手当・一時金などの取り扱いとリフレッシュ休暇の拡充などの到達点、継続課題を大橋書記長が報告。また、府が来年度に予定している新行財政計画の策定の動きを警戒し、引き続き、取り組みを強めていくと提起した。
 質疑応答では自治労府職の西浦中央委員が発言。各支部からの意見として、特勤手当の改善を求める声や職員全員に平等に与えられる休暇制度の改善などの切実な声を府労連の場でも反映するよう要請した。
 議案の採決は議長判断のうえ全体の拍手で行われ、全会一致で今季闘争の妥結を決定した。


動物愛護法で提案
  食品衛生課が所管

 当局は11月18日、自治労府職に「動物愛護法業務の所管」について提案した。
 提案は、12月1日の法施行にあわせ健康福祉部食品衛生課に1グループを増設(当面6人体制、うち3人は兼務)。執務室は日赤会館5階で当面の動物取扱業届出の受付業務に対応(窓口は新別館南館9階の1区画を確保)する、との内容で次年度以降の体制は今後の協議にゆだねられる。
 自治労府職では、春の段階から健康福祉支部(旧保健医療支部)や環境農林水産支部で学習会を開き、所属部局に対して業務執行体制の確立と検討すべき課題の整理を早期に行うよう申し入れてきた。
 同法の取り扱いについては9月府議会でも大きく取り上げられ、府としての対応の遅さなどもマスコミで大きく報道された。
 自治労府職は、今後も健康福祉支部など関係支部と連携して、適正な業務執行体制が確立できる組織や人員の確保を要求し、賃金労働条件の細部についての協議を申し入れていく。


中央地区評本庁ブロック学習会
  沖縄米軍基地撤去の闘いと現状「基地の中にある沖縄」を訴え
  沖縄県職副委員長・真喜志 功さんを招いて

 自治労府職中央地区評本庁ブロックは11月24日、沖縄県職の真喜志功副委員長を招いて沖縄反基地・反戦学習会を開き、仕事を終えた組合員32人が職員会館に集まった。
 沖縄米軍基地撤去の闘いと現状と題した講演で真喜志副委員長は、在日米軍専用施設の75lが県内に存在する現状をたとえ「基地のなかにある沖縄」と表現して、基地があるために起こる事件・事故の実態を報告。県道104号線をまたぐ実弾砲撃演習は射程距離の狂いが生じれば民家に落ちる危険性がある、米軍機の事故も後を絶たず昨年も2回発生した、など基地ととなり合わせの生活の危険な状況を訴えた。
 また、95年におきた米兵による少女暴行事件をきっかけに、県民8万人が超党派で集会を開くなどして県民投票を実施させ「日米地位協定の見直しと県内米軍基地の整理縮小」に賛成と投票した県民が投票数の89lを占めた、また、名護市の米軍ヘリポート基地建設の是非を問う市民投票でも反対票が得票率52lで賛成の8lを大きく上回ったことは記憶に新しい県民・市民の意思表示だと強調された。
 一方で名護市民投票では、地元の土建業者に本土から厳しい締め付けが行われ「基地を受け入れれば名護市はうるおう」と防衛施設局職員がゼネコン社員を使って説得するなど、是が非でも建設を進めようとする政府の妨害もあったと報告。沖縄サミットでもその成功を優先する政府は基地の課題をそらし、県民が反対を強調する雰囲気をつぶしにかかったという現地の実情も語られた。
 真喜志副委員長は最後に「軍用地主など基地から利益を得る県民もおり、一筋縄ではいかないこの問題だが、県民の多くが望む基地撤去の思いをご理解いただきたい。幸いにしてというか基地に関連した事件・事故の発生が後を絶たないことや基地予定地にジュゴンの生息が確認されて建設が進まないなど好条件も後押ししている。県職労としても独自の嘉手納ピースウォークの取り組みや、若年層の意識啓発のため本土に分散化した米軍演習への反対運動に参加させるなど、反基地・反戦運動をさらに進めていきたい」と決意を述べて講演を締め括った。
 参加者からは、すでに基地の返還があった地域でのその後についての質問があり、真喜志副委員長は北谷町の成功例と新都心が野放しになった失敗例をあげ、返還後の計画・構想・ビジョンを常日頃から自治体が持つことが重要だと強調。
 参加者も現地の詳しい報告で反基地・反戦運動の重要性を再認識していた。


原子力防災計画の改訂に意見書提出
  自治研議論をふまえて 防災業務の安全求め

 JCO臨界事故以降、原子力防災体制の見直しが進んでいる。原子力災害対策特別措置法が6月に施行され、国の防災基本計画原子力災害対策編も改訂された。この結果、熊取町に京大原子炉と核燃料加工工場、東大阪市に近大原子炉を持つ大阪府でも従来の原子力防災計画の見直しを迫られ、改訂作業が進められている。
 自治労では、従来から原子力施設周辺の住民の身体・生命・財産を守るとともに防災業務関係者の労働条件問題として原子力防災問題に取り組んできた。
 自治労府職も自治研での議論をふまえ知事あてに下記の意見書を提出。防災業務従事者の防護対策など申し入れを行っている。


【意見書内容】11月17日提出

1 当面の体制整備について
@防災対策を重点的に充実すべき地域の範囲EPZ(EMERGENCY PLANNING ZONE) 国のマニュアルの災害想定にとらわれることなく対策を検討すること。
A緊急事態応急対策拠点施設(オフサイトセンター) 立地場所の再検討、センター機能・人員への配慮、事前の組合協議を行うこと、など。
 @Aは要旨のみ掲載。
2 大阪府地域防災計画の改訂にあたって
@災害想定について 福井県に立地する原子力施設にかかる災害想定を行うこと。また、兵庫県で検討が進められているように核燃料輸送についても災害想定を行うこと。
A広域対策について 大阪府域外からの避難者を考慮した広域原子力災害対策を周辺府県と共同で検討すること。また、広域原子力災害を想定してヨウ素剤の備蓄を進めること。
B対応基準 災対本部等設置基準、避難等指標、飲食物摂取制限指標については、国のマニュアルにとらわれることなく、府民の被曝を可能な限り低く押さえる観点から設定すること。
C待避・避難の措置について 昨年の茨城県の対応を精査して国、府、市町村の役割分担を見直すこと。
D緊急時医療 原子力災害時の緊急時医療は地震災害時とは異なるので、現行防災計画での他の災害の準用規定を改め、2次被曝の防止を含めた独自計画を策定すること。
E知識の普及 原子力災害に関する知識について平常時の広報を行うこと。
F情報公開 放射性物質の移動等に関する情報公開を促進すること。
3 原子力災害時の災害応急対策等放射線障害になる恐れのある業務に関わる職員の安全を確保するため次の事項について措置すること。
@災害応急対策に従事する大阪府職員等の数及び関連施設の位置を考慮してヨウ素剤を配備すること。
A防護服、モニター機器等の個人用防護資器材を災害応急対策の実施に必要な数を考慮して整備すること。
B防災業務従事者の許容被曝線量を男女別に設定すること。
C妊娠中の女性は被曝の可能性がある災害応急対策に従事させないこと。
D府立医療機関に除染室を設置すること。
E被曝の可能性が高い災害応急対策に従事する部局の職員に対して原子力災害に関する研修を実施すること。
F上記の項目については、周辺府県の災害応急対策の応援に従事する者についても適用すること。
4 防災訓練のありかたについて、住民避難訓練の実施や訓練結果の評価システムなどを中心に検討すること。


創造の21世紀へ
自治労府職第82回定期大会

12月12日(火)
次代に広がるネットワーク