機関紙「自治労府職」
2000年7月21日号
公務員連絡会人勧交渉
「一時金の状況厳しい」と人事院
27日の全国統一行動を背景に交渉強める
公務員連絡会は7月17日、人事院と交渉し人勧に向けた今日的な作業状況など6月20日に提出した人勧期要求全般に対する見解を質した。
はじめに山本事務局次長が「6月20日に人勧期要求を提出したが、公務を取り巻く状況は厳しさを増している。7月27日の書記長クラス交渉に向けて、人事院の現段階の検討状況を伺いたい」と見解を求めた。
これに対し、人事院の佐久間職員団体課審議官は賃金、労働時間、休暇、休業、男女共同参画等に対して回答を示した。
とくに賃金では「ベアは、較差の結果がまだ出ておらず、今、具体的なことは言える状況ではない。一時金についても、まだ結果は出ていない。民間機関の調査が目安になるが、一昨年に比べて下がっており、厳しい状況といわざるを得ない」と答えた。
この見解に連絡会は「いくら状況が厳しいと言っても国営企業では369円という数字が出ている。較差があればきちんと勧告をする姿勢で進めて欲しい」と追及、さらに具体的な課題では「俸給体系の見直しでは前広に協議しての合意が必要だ。総合的な休業制度の確立では、バックギアが入ったのではないか。能力、実績評価では十分な協議を求める。また、総務庁との関係で一定の方向があるのか」など、さらに人事院の見解を質した。
また、男女共同参画では「春の段階では前向きだったが、本日の見解は採用枠の拡大に焦点が絞られている。登用などの計画や目標を定めてもらいたい」と見解を求めた。
これについて審議官は「勧告の判断の目安だが、ベアを実施した事業所の割合等について関心を持っている。しかし較差が出てきていないので、それを踏まえての判断となる。俸給体系の見直しや能力、実績評価制度について皆さんと十分話し合っていくことは当然だ」と回答した。
総合休暇制度では「決して後ろ向きという意味ではなく、中身で連絡会と詰めないといけないという意味。家庭生活と職業生活の調和という観点からの制度化などでは既存の育児休業制度や介護休暇制度などがあり検討をすすめているが、自己啓発と同じ枠組みの制度でいいのかという問題もある、ということを申し上げた」さらに男女共同参画では「消極的な立場ではなく、ここ数年採用拡大を呼びかけており、その流れが途絶えないよう着実に前進させることが必要だ」との考え方を示した。
この回答に連絡会は、@たとえベア勧告の判断がぎりぎりとなっても、配分などについて一方的に行うことなく、公務員連絡会と交渉・協議を行ったうえで勧告すること、A総合的休業制度では今年の勧告は困難としても来年、勧告することを目標に着実に検討作業をすすめること、などを強く求めるとともに、27日の書記長クラスの交渉では勧告の全体像を示すことを求めた。
「太田房江知事と府政を語る女性懇談会」
女性パワーで府政を支え
全国初の女性知事として、太田府政がスタートしてほぼ半年を迎えた7月1日、太田房江知事の誕生に力を結集した各界の女性がアートコーポレーション寺田千代乃社長の呼びかけで大阪第一ホテルに集まり、「太田房江知事と府政を語る女性懇談会」を開いた。
はじめに赤松良子WINWIN代表(元文部大臣)と下村満代同副代表から、知事と大阪の女性に対する辛口まじりの期待のエールが送られた。
WINWIN(Women in New World, International Network=ウィンウィン)はアメリカの「エミーズ・リスト」を参考に、女性の政治参画を進めるために活動している。具体的には国政、知事選挙などで会が推薦候補を決め、そのリストを会員に送付。会員はリストの中から支持する候補者を選び献金し支援していく。推薦候補者は女性の権利と地位の向上、男女共同参画社会の実現に熱意があり、専門分野を持っている人が選ばれる。太田知事は、このWINWINが初めて支援した候補者だった。先の衆議院選挙では4人を支援し3人が当選した。
太田知事は「知事に就任して半年、やっと府政全体が理解できてきたところで1日も早く府政に太田カラーが出せるよう努力しています」と語り、府財政・教育・男女共同参画についての問題点と現状を報告した。
最後に参加者からの発言では、さまざまな立場から活動の紹介と知事への提言が寄せられ、太田府政を支える女性パワーが会場に満ちあふれ、参加者が元気になる集いだった。
【女性部・阪田淑子】
自治労府職組織整備案(府部局再編に伴う関係支部)討議資料
次代に向けて職場から運動進める組織づくり
自治労府職は昨年開いた第80回定期大会で「組織強化拡大方針」を提起し、国費職員の身分が国へ移管される状況や府の部局再編に伴い組織整備を行うことを示しました。
関係支部や組織財政強化対策委員会での議論を経て3月には第81回臨時大会を開き、恒久的に国費の仲間と自治労運動を推進する組識として「自治労大阪府職員関係労働組合」を設置し、本年10月から本格的に新たな「関係労組」としての活動が始まります。
また、府の部局再編に伴う支部のあり方についても検討を進め、現時点での組織整備案を提起することとなりました。
21世紀に向かって、職場から自治労府職運動を推進する組識体制を組合員皆さんの総意でつくり上げましょう。
府の部局再編で支部組織を整備
この間、関係各支部・本部との間で協議を進め、本年10月から新しい支部体制とするための職場議論・機関手続を行います。
なお、商工支部と労働支部間で協議を進めている「商工労働部」に対応する組織整備については、引き続き精力的に協議を推進します。
自治労大阪府職員関係労働組合設置の諸課題
社会保険支部は、今までの運動を継承発展させ「関係労組」の構成員として、ともに自治労運動を推進する組識として「大阪社会保険職員労働組合」(仮称)を設置します。
自治労府職は、社会保険支部から「大阪社会保険職員労働組合」(仮称)への移行手続にかかる諸課題について、8月中旬に開催予定の中央委員会で確認します。
関係支部組織整備案と機関手続き
1 組織整備案
@ 健康福祉部(成人病センター・がん検診センター・健康化学センター=来年新設・母子保健センター・公衆衛生研究所除く)と病院事業局経営管理課と業務指導課を支部組織とし、健康福祉支部(仮称)を設置する。
A 成人病センター・がん検診センター・健康化学センター・公衆衛生研究所・母子保健センターを支部組織とし、センター病院支部(仮称)を設置する。
B 当局としての「事業局」との労使交渉問題に対応する組織として、本部内に病院関係支部(健康福祉・センター病院・中宮病院・府立病院・羽曳野病院)協議組織として病院協議会(仮称、各支部交渉担当で構成)を確立していく。
C 衛生医療評議会との関係について
・衛医評は、保健医療関係職場(本庁各課・保健所・各病院・研究所など)を網羅したいわば「職場代表者会議」ともいえ、職能組織や業務課題を整理する「自治研」活動が主体である。
・「協議組織」は、労使関係に係わる「賃金・労働条件」を中心課題とする組織とする。
2 機関手続き
8月中旬…本部中央委員会
8月末又は9月初…福祉支部、保健医療支部臨時大会(解散を確認)、健康福祉支部(仮称)、センター病院支部(仮称)結成大会
原水禁世界大会の成功に向け府内6コースで非核平和行進
「子ども達に核のない未来を」をスローガンに、8月に開かれる被爆55周年原水爆禁止世界大会の成功に向けた2000年非核平和行進が7月11日から13日にかけて府内6コースで行われた。
自治労府職も中央地区評本庁ブロックを中心に、鶴見区役所から府庁までのコースに参加するとともに、府庁前の大手前遊歩道で市内3コースから合流した行進団に冷たい飲み物をふるまうなど、暑い中、平和を願い力強く行進してきた参加者を迎え入れた。
集約集会では、府の人権室倉田課長が行進団の労をねぎらい、太田知事のメッセージを読み上げ、原水禁世界大会に向けた平和のメッセージを送った。
沖縄では米軍基地包囲行動
7月20日、沖縄では21日から開かれるG8サミットに合わせ、核も戦争もない21世紀をめざす沖縄のこころをアピールするため、「基地はいらない人間の鎖県民大行動」が行われ、自治労府職からも労働支部の池口さんが参加。沖縄を「アジア・太平洋の軍事拠点の島」から「平和拠点の島」にとの強い行動になった。
沖縄平和行進「沖縄が、世界が平和になるため運動に参加し続けていきたい」
参加者の声・最終回 中宮病院支部 寺田克彦
灼熱の太陽が照りつく、2000年の5月。沖縄は復帰して、28年の歳月を迎えた。
いまだに広大な米軍基地と演習、爆音、事件、事故が後を絶たず米兵による犯罪も県民の怒りをかっている。復帰後も何も変わらないままの沖縄。
「基地の島」沖縄ではなく、基地のない平和な沖縄をめざして今回も沖縄平和行進に参加した。わたしたちが歩いた西海岸沿いは沖縄を代表する観光リゾート地で、多くのホテルが建ち並び晴れた日には、海の色が7色に変化するなど風光明媚なコース。
しかし基地の割合が83%も占める嘉手納町に入ると、有刺鉄線のフェンスが張りめぐらされた広大な基地がわたしたちを威嚇している。
平日は戦闘機がこの頭上で凄まじい爆音をあげて、離着陸を繰り返している。また米軍機の墜落事故がしばしば起こっている。
この町で暮らしている住民は安心して眠れる日はあるのだろうか。沖縄にまだ平和は訪れていない。基地がある以上、住民は安心して暮らしていけないと思った。
しかし一方で基地で働く人、基地に土地を貸してその地代で生活を営んでいる人などの問題もある。基地をなくす運動だけではなく、基地で働いている人たちの雇用問題、地代に代わる新たな収入なども考えていかなければならないと思う。
大阪に帰ってこの問題についてみんなと話し合い、沖縄から基地がなくなるまで平和運動に参加し続けていき、そして沖縄だけでなく世界の平和にも目を向けていきたい。
平和行進に参加させていただきありがとうございました。
大阪の棚田とその保全
棚田とは、山地の傾斜部に階段状に連なった田んぼのことです。大阪府内には、棚田が約1000ヘクタールあります。中でも能勢町の長谷地区、千早赤阪村の下赤阪地区は日本の棚田百選として認定されるほどの美しい景観を有しており、やすらぎを求めて多くの人が訪れるようになっています。
また棚田は、降った雨を貯え、ゆっくり下流に流す洪水調節や多様な生態系保全など大きな役割を果たしています。これらは農業の営みによって代々守られてきた歴史的・文化的価値を持つ貴重な財産といえましょう。
しかし、急傾斜地にある棚田は営農・維持管理に多くの手間がかかり、農家の高齢化が進んでいることもあって、近年特に耕作放棄地が増えるなど、荒廃が目立ってきました。今、その保全・活用が必要となっています。
大阪府では、一億円の保全基金を造成し、地域農家のみならず府民の幅広い参加の下で棚田を守り活かす活動を支援しています。その一つとして、府民が会員の「棚田・ふるさとファンクラブ」(現在会員数約250人)を運営し、会員と棚田地域農家が協力して保全活動を行っています。(今年は千早赤阪村で今までに2回実施)
棚田の保全には、多くの府民の方々の理解と協力が必要です。皆様のご協力をお願いします。
なお、ファンクラブは現在も会員を募集中です。お問い合わせは大阪府土地改良事業団体連合会まで。
(TEL06―6941―4897)
大阪府環境農林水産部 農政室 馬場とも子
自治労府職も棚田を支援 能勢みくさ山に田んぼを借りて
自治労府職は本年も、能勢みくさ山棚田府民農園で区画を借り、田植えから稲刈り、収穫祭と年間を通じて米づくりを行っている。
田植えは5月21日に行い、自然に育まれた棚田に集まった参加者は、手で1本1本ていねいに植え付けた。田の周囲は機械植えで苗が整然と並んでいたが、手植えはやっぱりむずかしく、植えたあとは右へ左へクネクネと……。
これもだいご味。秋の収穫には皆さんもぜひご参加を。
自治労府職ダイビングツアー
奄美の自然に大感激
7月6日から9日まで本年もダイビングツアーが行われた。
奄美大島行きの直行便で伊丹空港を飛び立った参加者は13人。ダイビング歴10年のベテランを筆頭に経験者が8人、昨年ライセンスを取得した初心者が2人、まったく初めての体験ダイビング組が3人の面々。
レベルの差はあるものの宿泊先民宿「おれんち」のオーナーでガイド兼インストラクターの横山さんの手にかかれば全員が満足できるポイントへ確実に案内してくれる。
初日の夜、満天の星を見に海辺へ。大阪の空とは雲泥の差で天の川まではっきり見える。見える星の数が多すぎて星座がよくわからない。「おれんち」特製の海上ハンモックに寝そべり七夕の星空を楽しんだ。船のライトをつけると、きびなご、しらうおが寄ってきた。すくってその場で踊り食い。うまい。大きなイカも寄ってきた。水中銃でしとめて、そのままさばいてかじりつく。大阪ではなかなか口にできない生イカの刺身に大満足した。
台風3号の影響が残る2日目、海はうねりがあったが「テノヒシ」「嘉鉄西」の両ポイントでダイビングを開始。気温29度、水温26度透明度は25メートルとまずまずの状況で、最大水深21メートルまで潜り、奄美の海を存分に楽しんだ。
3日目は「実久」「江仁屋離」のポイントで潜行。透明度は35メートルと前日のコンディションをしのぐ状況で最大水深30メートルまで潜った。
両日とも海の中では、それはもう数え切れないほどの色鮮やかな魚にみとれ、珊瑚の美しさに感動。また奄美の海でしか見れない貴重な数種も見ることができた。えび、はぜ類も豊富におり、共生の珍しい瞬間も見つけることができた。
カメラ持参の参加者は目当ての魚にそっと忍び寄ってシャッターを押す。
海の中では陸上と違い不安定でうまく撮れない。水の屈折率もあり思ったとおりの写真を撮るのが非常に難しい。これがまた水中写真の醍醐味だと参加者の1人は語ってくれた。
わたしは昨年ライセンスを取ったばかりで水中では全然余裕がなく、魚をじっくり見ることも、ちょっと戸惑ったが奄美のすばらしい海を堪能することができた。初心者でも十分に楽しめるダイビング。
この感動を少しでも皆さんに伝えられたら幸いです。
【保健医療支部 小田晃之】