機関紙「自治労府職」

 2000年8月11日号

 

人勧「ベア無・一時金削減、較差は0.1%台」
公務員連絡会、人事院と交渉・勧告ギリギリまでの努力を要請
給与局長・勧告は15日めどに、較差配分は扶養手当の一部に

8月2日の交渉で本年の給与勧告が14日の週にずれ込んだことや勧告の具体的な内容を確認するため公務員連絡会は8月9日、書記長クラス交渉委員が人事院の大村給与局長と再度交渉し、勧告日やその内容を示すよう求めた。
  給与局長は「@勧告日は15日をめどに作業中、A給与較差は昨年をさらに下回る極めて小さいもので昨年の半分もないが勧告は行いたい、B配分は俸給表の改定と手当の改定という二通りがあり、俸給表改定は従来から俸給カーブの早期立ち上がりによる中堅層の改善を行ってきたが、本年の極少較差ではその方法に限界がある。本年も一時金の削減があり、一番生活が厳しい層は中堅層であるとの点を考慮の上、扶養手当の一部を改定したい。C一時金は昨年の月数より下回るが引き下げを行う。その割り振りは本年12月で行いたい」と答えた。
  公務員連絡会は、@十分な交渉や協議なく俸給表改定が行われず扶養手当の一部改定に止まることは遺憾。ギリギリまで要求に沿った努力をすること、A一時金削減は民間実勢を反映したものとはいえ生活を守る観点から見て極めて厳しく、期末手当の削減幅は極力小さくすべき、として局長の見解を再度求めたが進展する回答は得られなかった。
  公務員連絡会は今後の対応で、勧告内容は極めて厳しく不満であるが「マイナス較差、勧告」が危惧される中で較差を埋める勧告が行われることと、要求実現に向けたギリギリまでの折衝などを進め、11日の人事院総裁交渉に臨むことを確認。今後の態度や政府への要求内容を協議することとしている。

箕面市長選挙に出馬
平野クニ子さんを推薦8月20日告示、27日投票

8月20日告示、27日投票で行われる箕面市長選挙で自治労府職は立候補を表明した平野クニ子さん(前府議会議員)の推薦を決定。自治労大阪府本部も平野さんを推薦し必勝に向けて取り組むことを決めた。
 平野クニ子さんは1972年に箕面市議会議員に初当選して以降3期を務め、83年には府議会議員となって4期を務めた。
 出馬にあたり平野さんは「27年間の議会経験を生かして、また市民としての経験も生かして、愛するまち「みのお」が個性あふれ、だれもがあこがれるまちとしてよりいっそう発展するよう全力を尽くします」と決意を語っている。
 自治労府職は、府議会議員時代からともに奮闘した平野クニ子さんを引き続き支援し、市長選挙の必勝に向けた取り組みを進めていく。

原水禁世界大会
 核も戦争もない21世紀を
  国際会議参加の末田さんから報告
 21世紀を直前にひかえ今世紀の「核と戦争」という負の遺産を持ち越さず、「核も戦争もない21世紀」をめざして、被爆55周年原水禁世界大会・広島大会が8月4日から6日にかけて広島で開かれた。同大会の国際会議に参加して、日本の高レベル放射性廃棄物の処分政策の問題点を報告した、環境農林水産支部の末田一秀さんの投稿を掲載する。

被爆55周年、今世紀最後の節目の大会となる原水禁世界大会・広島大会に参加してきました。
 1945年8月6日の広島への原爆投下以来、人類は愚かな核軍拡の時代を経験してきました。冷戦終了後もインド、パキスタンが核実験を強行し、現在も3万2000発もの核兵器が存在するなど、世界の核をめぐる状況は楽観できるものではありません。
 また、昨年の東海村臨界事故で2人の方がお亡くなりになるなど、被曝者をこれ以上生み出さないでという願いも、硬直した原子力政策により踏みにじられています。
 わたしの原水禁大会参加は十数年ぶり。今回は国際会議の参加者として、各国からの海外ゲストと議論する機会に恵まれました。
 国際会議は8月4日から2日間の日程で、初日にはアメリカが進めようとしているミサイル防衛構想などを議論。日本が開発に技術協力を約束しているにもかかわらず、問題点についてこれまであまり議論が行われていない現状を踏まえて、どう対処すべきかとの議論になりました。
 2日目には原子力の商業利用をめぐる問題点が議論され、日本の原発から生み出される核物質プルトニウムが余剰になり、世界の平和の障害になっていることが各報告者から語られました。わたしは、日本の高レベル放射性廃棄物の処分政策をめぐる問題点を報告し議論に参加しました。
 原水禁大会は、世界規模での「こども原水禁大会」の開催などを提起し、核も戦争もない21世紀をと呼びかけて閉幕しました。

女性部取り組み・映画と講演会

自治労府職女性部は学習会の一環として、高齢社会をよくする女性の会・大阪が主催する映画と講演会に組合員30人を招待中。
 映画は介護保険施行に向けて共に取り組む鷹巣町の住民と行政の姿が生き生きと描かれた、続「住民が選択した町の福祉」〜問題はこれからです〜。
 また介護保険や市民福祉について行政、各分野でホットに発言を続ける関西学院大学の大谷強教授による「私たちが創る、市民福祉が息づくまち」と題した講演会。
 希望の方は本部女性部まで連絡を
(tel06―6945―4056)
【日時】8月19日(土)
映画/@12時30分〜14時35分、A16時10分〜18時15分の2回上映で20日(日)も同時間で上映。
講演/19日のみで14時45分〜15時45分。
【場所】ドーンセンター7Fホール


和気あいあいと暑気払い
  青年部・本庁B会議

8月2日夜、自治労府職青年部本庁ブロック会議が中心となって、恒例の「ビアパーティー」を以和貴荘で開いた。
 はじめに上杉議長(直属支部)は「多くの仲間に集まっていただいて感謝。今後も本庁職場を中心に仲間を増やしていく取り組みを進め、組合員同士のつながりを大切にしていこう」とあいさつ。
 乾杯の掛け声で会場では、本庁の各職場から集まった参加者がそれぞれで交流を深めたり、「はじめまして」と自己紹介して友だちの和を広げるなど、わいわいとにぎやかな集いになった。
 また、この間の精力的な取り組みで、本庁職場の青年が自治労府職に加入したことも報告され、一段と盛り上がった。
 短い時間の交流だったが、今後の積極的な活動をお互いが確認し合う貴重な場となって、連日の猛暑を吹き飛ばす勢いで大いに盛り上がり、本庁の青年パワーが爆発した。

言葉はいらない心の交流
 自治労大阪府本部が国際協力活動として取り組んでいるスタディツアーは本年度で5年目の最終年度を迎えた。フィリピン・シルーマ町との協力活動では小学校の校舎修復や発電機の設置などに取り組んでいる。自治労府職からも本年の活動に建設支部の村田一さん(岸和田土木)が参加して、活動の一翼を担った。現地の人々との交流や感想などを2回に分けて伝えてもらう。
子ども達の願いかなえたい

フィリピンスタディツアーは、シルーマ町の保育・教育・健康・衛生・環境の分野を中心に町の人々の自立に向けた活動を支援し持続可能な発展をめざすことを目的として、96年から自治労大阪府本部が国際協力活動として取り組んでおり、5年間の成果が町のあちこちで見受けられました。
 まだまだ人々の自立や持続発展などを考えると十分とは言えませんが、5年前と比較すれば格段に良くなっていると思います。
 96年の生活協同組合の店舗兼事務所・倉庫建設に始まり、コミュニティセンター建設、図書室の設置や図書の充実、離島の発電設備建設やセラミック技術研修など数々のプロジェクトを行っています。
 今回、特にプロジェクトの提案書を協議してシルーマ町から強い要望があったのは、子ども達の大学進学に関する奨学金プログラムです。大学に行きたくても経済的に余裕がないとの家庭の事情で止むなく諦めなければならないというのが、今の町の現実で大学に進学できる割合は町全体の1%にも満たないとのことでした。子ども達も含めて一緒に話し合った中で「わたし達を大学に行かせて下さい」という気持ちが痛いほど伝わってきました。
 しかし、奨学金プログラムは持続可能な発展をめざすという自治労大阪府本部の活動支援の目的からすると、単年度のみのプログラムというもことあり支援することは難しいと思われますが、何とか方法を変えて実現できればと思います。
 シルーマ町にとって、子ども達の教育問題は重要な課題であり、町全体の教育水準が向上すれば町も発展すると思われますが、現在の教育現場を見学して感じたことは日本でいう小・中学校の義務教育レベルでの教育水準の底上げをしていくことのほうが大切ではないかということでした。
 また、衛生・環境面ではシルーマ町には水道がないので、水は町の所々にある井戸水を汲み置きして使っていますが水質は非常に悪く、飲めば鉄臭い味がして色も茶色く濁っていました。そのような水でも町の人達が生活していく上で欠かせない水ですから、今回のプロジェクトの一つとして、ビト・ポンプステーションを設置することで水質が良くなり、特に子ども達の健康面でも改善されると思われます。
 その他にも、図書館建設や発電機を設置しますが、この5年間の自治労大阪府本部が行ってきた支援はシルーマ町の自立・発展に向けて大きく役立ったことは町や町の人達を見れば明らかです。また、顔と顔が見え、お互いの持てるものを出し合って交流・協力していくことを考えると、わたしはむしろ自治労大阪府本部やスタディツアーの参加者の方がより多くの事を学ばせていただいたのではないかと強く感じました。
 特に、子ども達はとても素直で好奇心も旺盛だし、何よりも目がまぶしいくらい輝いていたことが、一番強く印象に残っています。可能性を十二分に秘めた子ども達の未来のためにも、シルーマ町が今後ますます自立し発展していって欲しいと思います。
 そのためには、まだまだ道のりは長いと思いますがスタディツアーで勉強させていただいた恩返しを少しかもしれませんが、今後も継続的に何らかの形で返していきたいと思います。
 わたしにとって初めての海外が今回のスタディツアーとなりました。ホームステイ先でも非常に温かく迎えて頂きましたが、最初の頃は言葉の壁がありコミュニケーションがうまく図れませんでした。でも、お互いがその人の気持ちになって考えれば、言葉は分からなくても気持ちが伝わるんだということも再認識できました。