機関紙「自治労府職」
2000年9月1日号
自治労・中間年大会に全国6000人
分科委員会で議論深め運動方針を補強
自治労の第70回定期大会は8月23日から25日にかけて、長野市のビッグハット(冬季オリンピックアイスホッケー会場)をメイン会場に開かれ、全国から6000人の組合員が参加した。
大会初日、中央執行委員会を代表してあいさつした榎本委員長は2度目となる中間年大会の意義や課題についての所信を明らかにした。また、来賓からは連合の鷲尾会長、民主党の鳩山代表、社民党の土井党首がそれぞれあいさつし、来年行なわれる参議院議員選挙の重要性を訴えた。
続いて新規加盟組合の承認では、新たに22単組960人の仲間が加盟したことが提案され全体の拍手で承認された。これにより自治労は47県本部1直属支部、3285単組・102万4210人の組織となった。
午後からは1年間の経過報告、会計報告などの報告を満場の拍手で承認し「中間総括案」、「当面の闘争方針」などを本部が提案し、討論がスタートした。
当面の闘争方針では、「能力・実績を重視した人事制度と人事評価に関わる取り組み」について青森県本部以下13県本部提出の補強修正案が出された。
大会2日目は中間年大会の特徴でもある課題別の分科委員会方式で討論が深められ、「労働」「政治政策」「組織」「予算・規約」の各分科委員会で活発な議論が交わされた。
労働分科委員会では、人事制度や能力・実績人事評価制度などに議論が集中。政治政策分科委員会では、地方分権と自治体改革、政治活動の推進などで議論が行われた。組織分科委員会では介護関係労働者の組織化、男女共同参画推進、自治労連との組織競合などで議論が行われ、予算・規約小委員会では本部・事業部予算、規約改定などを審議し圧倒的多数の賛成で本部案を承認した。
大会3日目は7県本部から意見・報告があり、本部答弁をうけたあと各議案の採決を行い、すべての議案を圧倒的多数の賛成で承認し、今後1年間の闘争方針が決定した。
府労連・新再任用制度55歳昇給停止で全職場代表者会議
55歳昇給停止の撤回求める決議も手交
府労連は「新再任用制度」と「55歳定期昇給停止」提案についての第1回交渉を経て、その経過報告と意見集約のため8月21日に大阪赤十字会館で全職場代表者会議を開いた。
田渕委員長はあいさつで「本年の人勧はまたもや年収マイナスの勧告だが、府では定昇・特昇停止中であり、較差は国の比ではない。府人勧ではこのことがどう判断されるのかが焦点だ」と述べ、「年金受給開始年齢の引き上げに沿った新再任用制度だが希望者全員が採用されない矛盾を追及し、55歳定昇停止の撤回を強く求めたい。厳しい状況があるがさらに運動を強めていきたい」と語った。
第1回交渉の経過では植本書記長が府労連の主張と当局回答の詳細を報告し今後の交渉に向けた問題点を提起。質疑討論では各単組から職場・組合員の率直な意見が出された。
集会後には各単組の代表者が、各職場から寄せられた55歳定期昇給停止提案の撤回を求める職場決議を人事室長に手交して、組合員の怒りの声を伝えた。
府労連・人事委に人勧で要請書提出
生活改善への勧告と調手10%支給堅持を
8月15日に出された2000人事院勧告をうけ、府労連は21日、府人事委員会に対し、@定昇・特昇が停止中の府では公民較差を反映した国を上回る勧告とすること、A一時金の現行水準維持、B調整手当の府域10%支給堅持、C成績主義拡大反対、D夏期休暇・リフレッシュ休暇等の拡充など15項目を要請した。
今堀人事委員長は府労連の要請に対し、今後の勧告作業では要請の趣旨も勘案しながら慎重な検討・作業を行いたいと表明した。
府労連は9月4日に各人事委員との意見交換を予定しており、引き続き府の職・従業員の生活改善に結びつく府人事委勧告に向けた取り組みを強めていく。
府労連三役・知事と政策懇談会
府政推進で率直な意見交換
府労連三役は8月21日、太田知事と政策懇談会を行った。日頃の「賃金・労働条件」にかかる労使関係とは別に、日々、府民サービスの最前線で府政を推進している立場から、府政のあるべき姿や改革の方策などについて積極的に問題提起し、知事の意見を求めた。
府労連の問題提起は、@パブリックコメントの制度化や行政評価システムの拡充、Aビッグプロジェクト見直しの際の手法の確立、B戦略アセスメントの検討、C男女共同参画に向けた取り組み、D雇用対策での大阪労働局との連携強化など労働行政の拡充、E中宮病院の建て替え問題、F教育問題への知事の取り組み姿勢、G土木施設の維持管理にかかる諸課題、H今後の水道行政のあり方などで、知事もそれぞれの問題について意見を述べた。
有意義な意見交換が行えたことから、今後とも両者でこのような話し合いの場を持つことを確認した。
時短リフレ研専門部会・超勤縮減に向け議論
府労連 当年度毎月ごと資料議論を要請
8月11日・21日の両日、総合的労働時間短縮等研究会(略称・時短リフレ研)の専門部会が開かれた。
今回の専門部会では、時間外勤務実績の報告や「ゆとりの日」の実施状況などの報告を受け、時間外勤務縮減の具体策、超過勤務が月45時間・年間360時間を超える職員や所属の状況を的確に把握し、改善していく方策の具体案の検討を行った。
また、9月11日開催予定の「総合的労働時間短縮問題等研究会」での議題について意見交換を行った。
平成11年度時間外勤務実績について
四半期ごと・月別の1人1月当たりの時間外勤務実績(平成11年度)は別表1のとおりであるが、各部局別にみると18部局中3部(総務部・福祉部・保健衛生部)の本庁職場で年間1人平均が20時間を超えている。理由としては、事務事業評価・組織再編・予算・個別事業集中などであるとの報告があった。
また月別でみると、3・6・10月が多くなっており理由として、3月は年度末・2月議会・組織の統廃合関係業務の集中、6月は事務事業評価、10月は9月議会・予算関係業務となっている。
次に、1人1月当たりの平均時間外勤務時間数は別表2のとおりだが、特に41時間超の3所属は、前記にもある総務部・福祉部・保健衛生部それぞれの1所属であり、業務集中の度合いが伺える。
また、各月ごとの45時間超の職員数は別表3のとおりで、年間360時間を超えて超過勤務を行っている職員数が全庁で8・2%(本庁17・4%、出先4・2%)という結果となっている。
次に昨年のゆとり推進月間(平成11年11月)中の深夜(午後10時〜翌午前)にかかる時間外勤務の状況は別表4のとおりで、予算関係や議会関係などを原因とする深夜に及ぶ時間外勤務が数多く発生している状況が伺える。
「ゆとりの日」の実施状況について
ゆとりの日の実施状況については別表5のとおりであるが、昨年に一定の改善をみた年度平均の実施率が本年は低下傾向で、一昨年の平均実施率87・5%をも下回る86・6%にとどまる結果となった。特に本庁職場を中心として実施率の低下が顕著であり、超過勤務の縮減とあわせて実施率向上に向けた取り組みを強める必要がある。
次回時短リフレ研での議題について
次回9月11日開催予定の「総合的労働時間短縮問題等研究会」での議題については、時間外勤務縮減方策の具体的方策を議論することとなっているが、府労連側委員からは、1日の勤務時間の短縮に向け、他府県・民間状況も含めた資料提示を求めるとともに、議論促進を要請した。また、前年度資料での議論ではなく毎月ごとの資料提供とそれに基づく超勤発生の原因究明・改善策の議論を進める体制を強く求めた。
職員宅舎入居申込9月18日から受付
本年度の職員宅舎入居申し込みが次の要領ではじまる。受付は人事室厚生課(府庁新別館南館9階/内線4155・2154)
1 受付期間
平成12年9月18日(月)から9月29日(金)まで
2 申込資格
次の(1)から(3)の要件を満たし、住宅に困窮している者であること。
(1) 大阪府に勤務する職員。ただし、次に掲げる者を除く。
ア 臨時に雇用されている者
イ 常時勤務に服しない者
ウ 教職員
エ 警察職員
オ 知事が職務上公舎に居住する必要があると認めた者
(2) 同居する親族または同居しようとする親族(事実上婚姻の関係と同様の事情にある者及び婚約者を含む)があり、主として本人の収入により生計を営む40歳未満の者
(3) 婚姻の予定者については、平成13年4月末日までに婚姻または挙式し、入居できる者
※申込資格を有する者が複数名あるときは、年齢の上の者が申し込みするものとする。
3 募集戸数
42戸(予定)
4 入居可能日
平成12年11月1日から
ホームステイ・シルーマ町スタディツアー
建設支部 村田 一
互いの協力これからも
町の発展願い貴重な体験に感謝
シルーマの人々に負けない力強い運動続けていきたい
熱帯のギラギラ輝く太陽に抱かれた島フィリピンは、大阪から3時間20分で行けるという日本から最も近い東南アジアのひとつ。時差も首都メトロ・マニラとは1時間しかなく、距離的にも身近にありながら、その実情はあまり知られていない現状があります。
さらにシルーマという今まで一度も聞いたことがない、とある町に行くわけですから全く未知の世界へ行くようなもので、初めての海外旅行ということもあり、期待と不安が交錯するスタディーツアーでした。
さて、フィリピン最大のルソン島南東部の半島部に位置するシルーマ町は、22の村があり人口1万3326人、2332世帯、面積1億4000万平方bの広さがあります。
主な産業は漁業・農業で、毎月一定の賃金を受けることができる人は全体の5%だというくらい安定している産業はないとのことです。
教育面では、小学校16校(教師94人)、中等学校4校(教師27人)があり、平均入学率は50〜60%で中等学校への進学率は80%、大学の進学率は1%です。しかし、広大な敷地に22の村が点在しているため、子どもが学校に通うのにわざわざ家を引っ越さないといけないことがあるくらいに学校が不足しているのが現状です。
通信手段にしても、郵便局が1カ所ありますが電話がなく、無線が唯一の手段です。また、電気の供給は不規則で、たびたび停電したりと普及率は極わずかですが、この5年間の自治労大阪府本部の支援で電気が供給されていない数カ所の村にジェネレーターを設置することができたことは、シルーマ町全体が発展していくうえで非常に重要なことだと思います。
水道設備はまったく無く、水はすべて井戸か泉から自分達で調達し、家に汲み置きしなければなりません。もちろんお風呂やシャワーといったものは無く、体を洗うのも水を体にかける程度です。生水を飲むこともあまりなく、飲めばあたる人もいるくらい水質は悪いそうです。
医療面は、年間10万ペソ(約30万円)が医療費(薬代)として町の予算に計上されていて、これを22の村に分配するそうです。主な疾病は下痢・コレラ・発熱・風邪といったものが多く、病院も州立病院が1つあるだけで、医者などのスタッフの人数や医療機器が不足し、老朽化も進んでおり、限られた予算の中で運営せざるを得ないのが現状です。
このような状況ですが、96年からのこの5年間、自治労大阪府本部が国際協力活動として支援してきたことは、シルーマ町の自立・発展に向けて大きく役立ったことはいうまでもありませんが、シルーマ町の人々の自立や持続的発展などを考えますと、まだまだ十分ではありません。
また、今までスタディツアーに参加した人や自治労大阪府本部にとっても、多くを学び、教えていただいたことが数多くあると思います。今回で支援できる最後の年となりますが、お互いが色々な意味で発展できたフィリピンシルーマ町スタディツアーでしたが、大いなる可能性を秘めた子ども達や自治労組合員のためにも、今後もお互いが進歩・発展できる現在の良好な関係を続けていって欲しいです。
いつの日かシルーマ町の皆さんが力を合わせて、自立や持続的発展が達成できることを願いながら、また自治労もシルーマの皆さんに負けないよう今後も組合員みんなで力を合わせてがんばっていきましょう。
最後になりましたが、このような素晴らしいツアーに参加させていただいた皆さん、本当にありがとうございました。