機関紙「自治労府職」

 2001年1月1日号


組織拡大に新たな決意で ともに進める自治労運動
 創造の21世紀へ 次代に広がるネットワーク


 新年を迎え組合員の皆様にごあいさつを申し上げます。
 昨年も大変慌ただしく多難な一年でしたが、自治労府職運動に暖かいご理解とご協力をいただきましたことに深く感謝いたします。
 昨年は、懸案となっていました国費職員の身分切り替えにともなう組織問題について、府職員の「自治労大阪府職員労働組合」と、社会保険職員で結成した「大阪社会保険職員労働組合」及び、大阪労働局で結成された「大阪労働局職業安定行政職員労働組合」の3単組の連合体として、「自治労大阪府職員関係労働組合」を創立し、所属組合に関わらず、ともに自治労運動を推進していくことを12月の定期大会で確認しました。今後、「新たな身分移管闘争」を全力で闘い、再び一つの単組として活動する日をめざして運動を進めたいと思います。
 21世紀がスタートしましたが、高水準の失業率、2年連続のマイナス勧告など、私たちを取り巻く環境は依然として厳しい状況が続いています。これを克服するため、どのような運動を展開するのかが労働組合に問われています。
 職場組合員1人ひとりの要求を集約し、その要求を実現するため組合員全体の力を結集して闘う。そして、その運動を通して労働組合の輪をさらに大きくしていくという、当たり前の労働組合運動を確立することが求められています。
 ただ、このことは言うのはたやすいことですが、これを実践することは多くの困難をともないます。しかし、何もせずに労働組合の衰退を眺めている訳にはいきません。本部・支部・分会が現状を踏まえ、何をしなければならないのか、何ができるのかを明らかにしながら活動していく以外に道はないと確信します。
 役員を担っていただいている皆さんには、ご苦労をお掛けすることになりますが、余り肩を張らず、楽しくできることから始めようという気持ちで一つ一つの課題の解決に向け取り組みを進めて行きたいと思います。
 また、数年後には団塊の世代の退職を向かえることになりますが、その後の労働組合運動を担っていただく人材を育成することも重要な課題です。後に続く皆さんが旧来の発想にこだわらず、自由な発想で組合運動を進められる環境作りを急がなければならないと思います。そのため、青年部はもちろんのこと、自治労府職全体として、ともに努力を積み重ねて行きます。
 最後に、定昇24月延伸の復元、労働時間の短縮、職場環境改善、職場からの政策提言活動の強化など、重要な課題が山積しており、今年も多難な一年になると思いますが、自治労府職組合員の知恵と力を結集し諸課題の解決に向け前進して行こうではありませんか。
 
                                                                                                                    執行委員長
                                                                                                  大橋 敏博


地球温暖化や環境に配慮して
     エコ・ユニオンの実現を

地球温暖化対策COP6結論出せず


 地球温暖化対策について話し合うため、2000年11月にオランダのハーグで開かれた第6回気候変動枠組み条約締約国会議(COP6)。COP3で確認された「京都議定書」の発効が期待されていましたが、具体的な実施策をめぐり米欧が対立し、結論がでないまま閉会となりました。
 温暖化対策に消極的な米国だけでなく、温室効果ガスの削減目標6%のかなりの部分を森林吸収に期待していた日本政府の姿勢もNGOから批判がなされました。

大阪府の地球温暖化対策

 大阪府は、2000年3月府域の温室効果ガス対策を進めるために、「大阪府地球温暖化地域推進計画」を改定するとともに、府の事務事業に関する「大阪府温室効果ガス排出抑制等実行計画」を策定しました。また、太陽光発電や新エネルギーや工場排熱などの未利用エネルギーの導入を促進するため、「エコエネルギー都市・大阪計画」を策定しました。
 このうち、実行計画ではCOP3の結果を受けて制定された「地球温暖化対策の推進に関する法律」に基づくもので、大阪府自身が一事業者として温室効果ガスの排出量を具体的な目標(2004年までに5%削減)を掲げて削減しようというものです。

環境ISOの取り組み

 大阪府は1999年2月、都道府県としては3番目に本庁舎において環境ISO(ISO14001)の認証をうけました。
 環境ISOの取り組みについては、自治労府職としても、全国自治研などの場で報告してきましたが、地球温暖化についての法制化もあり、現在、全国の自治体で大きな関心を集めています。
 ちなみに、2000年9月現在で自治体の107機関が認証を取得しています。大阪府関係では、本庁舎以外に村野浄水場や湾岸南部流域下水道組合が取得しています。
 府本庁舎の環境ISOの取り組みでは省エネ、省資源、リサイクル、グリーン購入などについて毎年、具体的に目標を掲げて取り組んでいます。
 省エネ、グリーン購入などについては、順調に目標を達成できていますが、コピー用紙の購入量と廃棄物量の削減については、ここ2年間目標を達成できませんでした。
 目標達成にむけて「コピーの両面化の徹底」、「片面コピーの裏面利用」、「不要な紙はリサイクルボックスへ」、「資料の共有化」など職場での取り組みが重要です。

労働組合活動も例外ではない

 豊中市は、現在環境ISOの認証を取得していませんが、市全体で環境マネジメントに取り組んでいます。豊中市で特にユニークなのが、労働組合も巻き込んで環境マネジメントに取り組んでいることです。
 府庁の環境ISOには、労働組合の活動は含まれていませんが、紙の使用量など環境に与える影響は決して小さくありません。
 私たちも、環境自治体の実現を求めると共に、自らエコ・ユニオンの取り組みを始めなければならないのではないでしょうか。
 まず、読んだ機関紙は必ず、リサイクルボックスに入れるようお願いします。


地球にやさしい21世紀に

ライフサイクル革命の世紀へ
    資源効率を高め、製品寿命を延ばす

 「消費は美徳」を超えて

 1920年代アメリカ合衆国で消費を大衆化する社会経済の準備が整い、フォード自動車が普及する時代を迎えた。大不況と世界大戦をあいだに挟んで、1950年代には、家庭電化製品を含めた「大量生産・大衆消費」時代が本格化する。アメリカン・ライフスタイルが日本、西欧へと普及していった。
 こうして、先進諸国では工業産業の拡大とともに、衣食住の質と量が大きく変化した。環境汚染が顕著に現われ「成長の限界」というローマクラブのレポートが発表された72年、日本では経済成長を謳歌していた。「消費は美徳」というスローガンは、もう意識されることなく、ライフスタイルとして大量消費と使い捨てが定着していた。
 大量生産・消費・廃棄の社会システムから脱却しなければならないと考え、研究、提案、規制政策等がなされているが、まだ数値上では明確な成果は上がっていない。21世紀には大量生産の仕組みから脱却できるのだろうか。豊かさを維持しながら、消費と廃棄を削減できるのだろうか。

 ヴァイオリンのように

 ヴァイオリンという楽器は50年、100年の寿命をもつことが普通だ。骨董的な価値を除いても、古楽器には価値がある。それは有能な職人の製作した楽器は、歳月を経るほどに良い音と響きを奏でるからだ。楽器木質が経年変化して、作製時よりも音がより良く響くことは多くの人が認めている事実。ストラディバリウスやガルネリなど名器は250年以上も使われている。有能な職人は自身よりも長い寿命をもち、使われつづけられる楽器作りに精魂込めて取り組んできた。私たちの家に五十年の歳月を経てなお現役で使われている物品はどれほどあるだろうか。

 「ファクター4」という方向

 2分の1の原料・エネルギーで2倍の寿命をもつ製品を生産する。資源効率を4倍に高める。これによって廃棄物の量は4分の1になる。さらに、効果のある領域から再利用、再製品化のデザインとシステムをつくる。E・ロビンスらは、こうした効率的な製品生産と利用は現在の技術水準でも十分可能と具体的提案をしている。このシンプルな方向を支えるのに必要なことは、消費者のライフスタイルだ。
 白熱電灯が多いアメリカでは、高性能長寿命型の蛍光燈に切り替えることで発電所が120基分不用になると計算されている。自動車の軽量化とエンジン等の改良でリッター当たりの走行距離が50¥外字(8042)の車も現にある。エアコン、冷蔵庫、テレビ…はすべて省資源化、長寿命化、エネルギー効率改善でファクター4が可能なものだ。
 いくら燃費が2倍で有害排気ガスが2分の1の自動車でも、台数が増え、それぞれの走行距離が増えれば、廃棄物の総量は減少しないこともよくある話だ。私たちの商品の使い方とは、ライフスタイルそのものと密着している。快適さ、利便性を極度に求めることを中止し、資源効率を高め、製品寿命を延ばすことは、エコロジーな生活の基本となるだろう。このライフスタイルの方向転換には、支出の負担増は何もない。あなたも自分の知恵で21世紀らしいライフスタイルをつくりませんか。

〈参考〉耐久消費財の使用年数しらべ(出典:平成12年度家計消費の動向)
世帯区分別主要耐久消費財等の買い替え状況(11年4〜6月)
電気冷蔵庫11・5年
電気洗濯機8・6年
電気掃除機8・3年
ルームエアコン13・5年
カラーテレビ10・0年
VTR8・3年
ビデオカメラ6・2年
ワープロ5・8年
乗用車(新車)7・3年
乗用車(中古)5・9年


環境にやさしい乗り物・自転車「究極の形が折りたたみ」
     究極の形が折りたたみ

 エコロジーな乗り物として日常化している電車やハイブリッド自動車(内燃機関と電気モーターを併用した車)。開発が進んでいる、電気や有害物質の排出が少ない燃料で走る自動車など大量輸送に欠かせない乗り物が注目される21世紀。一方、古くから人力で人・物を運ぶ道具として発展してきた自転車。最近はその機能性と利便性が注目されて、MTB(マウンテンバイク)やロードサイクル車なども通勤・通学・ビジネス・スポーツと幅広く活躍している。
 その機能や快適性、利便性を追求した究極の形とも言える『折りたたみ自転車』が昨年から大ブレーク。おしゃれで小粋な自転車が街中で多く見られるようになった。そんな折りたたみ自転車を専門に扱うお店を天王寺区上本町で発見。突撃取材にも快く応じていただいた「ローロ・サイクル・ワークス」小林宏治店長にその魅力をうかがった。
 99年4月にオープンした同店は国内で数少ない折りたたみ自転車専門店。店内に並ぶ自転車は国内外合わせて10〜15ブランドの選りすぐりのモデル。価格は1万円台後半から数十万円の限定モデルまでと多種多様で用途に合わせて選べるのも魅力。自動車メーカー「プジョー」の人気モデルなど、環境対策に先進的なヨーロッパ諸国のモデルが目立つ。小林店長は「折りたたみ自転車も歴史的に100年を超えています。軍事用として開発されたことからも機能・利便性は昔から注目されていました。昨年、専門誌が発刊されるなどして今まで一部のマニア的な存在だったのが、実用的な乗り物として認知されるようになりました」とその人気の一端を語る。
 折りたたむことを優先するためタイヤの径も当然、小径になる。それでも20インチのものもあり、折りたたみ方も随所に工夫が見られ作業も意外に簡単。
 小径ゆえに「こぐのがしんどい?」という疑問にも「ギア比の調整(ペダル側とタイヤ側)が行き届いているので、普通の自転車と変わりませんよ」と小林店長。「通勤・通学やレジャーなど、その目的に応じて最適な自転車を提供しています」と心強い。
 また、折りたたみ自転車を購入するときの目安としては重量が12¥外字(8042)¥外字(8046)以下の物が持ち運びなどで最適という。現在、最軽量のものは国内メーカー産で6・5¥外字(8042)¥外字(8046)。平均は10〜13¥外字(8042)¥外字(8046)前後のものが主流だ。環境にやさしく軽くて丈夫、しかもコンパクトになる折りたたみ自転車はまさに自転車の究極の形に違いない。
 「ローロ・サイクル・ワークス」は専門店だけに商品を通じたお客さんとのコミュニケーションや、アフターケアーに気をつけていると語る小林店長に折りたたみ自転車の将来像を聞いてみた。
 「折りたたみ自転車と呼ばれるのではなく、この形が自転車という時代になってほしいと思います。折りたたんで持ち運べるという利便性は、家のなかに入れれば盗難防止になるし駅前などの駐輪対策でもスペースが少なくて済むことにつながります。そういう意味では国や自治体でも、この自転車の普及をもっと推奨してほしい。購入量が増えれば生産コストも下がり、もっと身近な存在になるのは間違いないです。個人のライフスタイルでも車利用を少なくするため電車に折りたたみ自転車を積んで移動する。移動先では自転車でというような環境にやさしい生活・レジャー様式の一助になると思っています」小林店長の言葉に、どこを取り上げても非の打ち所の無い究極の形『折りたたみ自転車』の可能性を再認識した。
 組合員の皆さんも、環境に配慮した自転車に注目し、まずは実際に目にして乗ってみて、その快適さを実感してみませんか。
【ローロ・サイクル・ワークス】大阪市天王寺区上本町8―3―3TEL06―6773―8908。営業時間10時半〜19時半。無休。
 ホームページアドレス http://www.page.sannet.ne.jp/loro/通販も可。

自転車プレゼント
     クイズに答えて
 「ローロ・サイクル・ワークス」で見つけた上の写真の自転車を組合員1人の方にプレゼント。応募は8面のクイズに答えて応募方法のとおり本部まで送って下さい。自転車はアメリカのメーカー、DAHON(ダホーン)の製品。タイヤ径は16インチで重量が11・6キログラムと手頃なサイズ。もちろん、お店のアフターケアも万全です。ぜひ、ご応募を。


21世紀は男女共同参画の時代・次代の府庁をともに展望する
    女性部・青年部、知事と語る

 21世紀の幕開けにあたり、自治労府職女性部・青年部三役は「21世紀は男女共同参画の時代、次代の府庁をともに展望する」と題して、太田房江知事と座談会を行った。21世紀の社会を決定する男女共同参画社会の実現に向けては、法の整備も進み、その取り組みが重要になってきた。府でも同法をうけた条例づくりをはじめ男女協働・共生社会の実現に向けて動き出した。また、国・地方財政の悪化が懸念される現状のなか、地方分権に沿ったこれからの自治体・大阪府を担う青年層の活躍は次代の府庁の原動力だ。
 女性部・青年部はその先頭に立って活動を強めていく。その思いを胸に、府の先頭で日夜、激務をこなしておられる太田知事に、率直な意見を求めた。

■知事に意見を求めた内容
 @ 知事が通産省に在職中、女性だから「得」をした、「損」をしたという経験の有無
 A 庁内に見える、男女で仕事の役割が区分されている状況について
 B 若年層が減少する庁内の現状をふまえて、組織の将来について

 上野 知事は選挙のときに職業生活を始めたのは国際婦人年の年だったということで「私は世界の女性の歩みといっしょに職業生活をしてきました」とおっしゃっていたのが印象に残ってるんですが、私たちから見ると通産省というところはやっぱり「男社会」というふうにみてしまいますが、知事が在職中には、女だから「得」をしただとか「損」だと感じたことがありますか。

知事 自分の甘えを実感したことも
 知事 そうですね。確かに私が入った頃は、まだ、本省では女性は課長になれないと言われた時代でしたね。私は組織の良さを計る一つの物差しは、女性がちゃんと昇任していけるかどうかということがあると思っています。なぜかというと、まだまだ女性が少ない現状においては度量の大きな男性がいる組織でないと女性を上に引き上げられないと思っているから。私が在職していた通産省はそういう意味では男性上司の感覚が新しかったのでしょう。だんだん改善されてきて、まず、私の先輩が本省の課長になられて、私が課長になった頃はもう女性が課長になるというのは当然のことだったから、短い期間で本当に大きく変わりましたよ。そういう意味ではとても感謝しています。
 『損』をしたっていったら、なんだろうな。自分に甘えがあったかなあと思うことはありました。入省して最初の頃ね、国家公務員というのは人事院規則とかで民間の労働者とは違うから労働基準法が適用されないんですよね。でも、夜10時頃になったら一応、上司が気を使って「帰りなさい」と声をかけてくれて、最初はそれを真に受けて帰ってたんだけど。これは、あんまり自慢になる話じゃないんだけど……。
 上野 帰ってたら仕事にならない?
 知事 そう、帰ってたら仕事にならないわけ。それに気づくのに1週間ぐらいかかったかな、次の日、出勤したらぜんぜん話が先に進んじゃってるわけですよね。で、男性の人たちは新しいポイントから話を進めるんだけど、私は過去のポイントしか知らないから、これはまずいと思いましたね。これは働きやすい職場という視点からはあまり良くない例ですけどね。本当は男性も早く帰えれればいいと思いますけど。
 それと、あまり損したっていう実感ではないけど、ポストによって男性のポスト、女性のポストっていうのがなんとなくあるような気がしますね。特に通産省も府庁もそうだけど、非常にスケールが大きいでしょ。スケールが大きくなれば大きくなるほどそういう色を付けられるポストが多くなっちゃうんですよね。これは良くないなと思います。
 池口 それは府庁にも言えると思います。
 知事 もちろん、『得』したことも多いですよ。私なんかは名刺を出せば必ず覚えてもらいましたから。普通、係長1、2年生くらいで社長とかエライ人と電話で調整したりすることはなかなかできなかったのですが、私はよくしました。1回で覚えてもらいましたから非常にやりやすかったんです。そういう意味では『得』をしたでしょうね。

知事 人材の育成が大切
 池口 今のお話に関連しますが、私は商工労働部の出先で庶務も担当していて、先日、年末調整の取り扱いで給与担当者会議に出席しました。部内の本庁・出先の担当者が集まったんですが、その会議には男が私しかいなかったんです。まわりは女性ばかりという状況でした。どうもその男女の役割というなかで、どうしても女性に偏ってしまってる仕事があって、役所ということで男女の差というのは基本的にはないわけですが、仕事の中には組み込まれてしまっている男女差というのがあって、それが男女協働社会をつくっていくことの妨げになってる一つの要因のような気がして、違和感を感じました。そういう状況は無くさないといけないと思っていますが、知事はその状況をどう思われますか。
 知事 それはいっぺんにというわけにはいかないけれど、少しずつ変わってきていませんか。私の経験からいきましてもね。通産省でも例えば女性で最初に課長になった人は日用品課長です。要するに物資を所管するのでも自動車課とか、鉄鋼業務課とか花形の課があるんだけども、そういうところには行けないわけ。私の時でやっと住宅産業課に配属になったけど、それでもまだ、女性にやらせてほしいと思う課はたくさんあった。女性の数が少ないから仕方ない面もありますけどね。徐々には進んできました。だけどまだ、さっきの鉄鋼業務課長とか科技化学課長とかには女性は行っていませんよ。でも、多分そろそろ行くでしょう。人事面で少しずつでもいいけど、徐々に徐々に意識が伴う形で「男性も女性もないんだ」っていう人をつくりあげていく必要があると思う。それは自分も体験してきたことだから強く感じています。だから逆に女性のポストと決めつけているような仕事、例えば今、お話のあった給与担当もそうかもしれませんが、今まで女性がずっとやっているような仕事があれば、それを男性の職員がやってもいいわけで、私はそうなってはじめて男女協働につながることだと思うし、そういうことがこれから人事面でも反映できたらと思っています。

知事 若年層のやる気を削がない組織に
 黒田 人事面のお話がありましたが、最近は若い人が採用という面からもすごく少なくなっていますよね。自分達はこれから永く府で働いていきますが、団塊の世代の先輩達が退職されたあとの職員の数とか状況を考えると、その後を担ううえで少なからずプレッシャーを感じています。私の事務所でも職員100人中、20代は7人という状況です。この先、「府はどうなっていくのか」と将来に不安を感じている若い人もいます。知事は組織の未来像とか展望をどのようにお考えですか。
 知事 確かに府の年齢層のグラフを見ると、どうしても若年層のウェイトが低いんですよね。特に高度成長期にたくさんの職員を採用されて、その人たちの退職期も近づいてきているのと、厳しい財政状況で新規採用を抑えているから、どうしてもいびつな年齢構成にならざるをえないのも事実で、私も非常に心配しています。今、新人事評価もトライをはじめてますけども、若い方々が士気を失わず、しかも能力を発揮してそれが成果として仕事に取り入れられるような、そういう仕組みを人事制度に埋め込んでいかないといけないだろうと思っています。ただね、皆さんプレッシャーとおっしゃるけども、ポストが人間をつくるというところもあって、私自身も環境の激変に耐えながら知事という要職を務めてるわけで(笑)、自分で実験台に乗ってるようなもんなんですけども、これは何とかなります。それぞれのところで皆さんのような優秀な方々が、人間だから「どうしよう」となることは確かにある。ありますけど、その場その場でやっぱり大阪を良くしたいという気持ちと府庁で仕事をしたいんだという初心を持っててもらえれば、絶対何とかなります。それは私は信頼しています。また、そういう信頼によって人材育成につながる場面もたくさんあると思う。常にチャレンジ精神を持ち続けてほしいと思っています。大丈夫です。何とかなります(笑)。そういう意味でのチャレンジはみんなが助けてくれるし、府の組織のいいところは、もちろん競争もあるんだけど助け合うっていうところがすごくあると思うんですよ。そういう面は心配してない。ただ、若い人たちの士気が失われないように、いびつな年齢構成になるときに年齢的にバランスのとれた発想がこの組織から生まれるようにという配慮は相当していかなければいけないと思っています。いっしょにがんばりましょう。
 激務が続き疲労がピークと思える状況だったが、参加者の質問に真摯に対応いただいた太田知事。御自身の経験と知事としての考え方を織り交ぜて、大いに語っていただいた。また、人なつっこいその人柄は知事との対談という参加者には緊張する場面を和やかな雰囲気に変えていただき、参加者も知事であることをひと時忘れ、行政の先輩との有意義な座談会に満足げな様子だった。
 対談を終えて、太田知事と女性部・青年部三役は記念撮影。撮影時にも、前に座るのは「一応、年功序列だから」と周りを沸かすし、「やっぱり若い人たちと話すと元気になる」と言った後には「キムタクは結婚するね」と寂しそうな言葉も。最後まで明るく元気な知事を印象付けた。(11月28日、知事公館にて)
 太田知事は同日、自治労本部報道局の取材にも応じ「自治労通信」新年号のなかで、「自治体職員に一言」として次のように述べられている。
チャレンジ精神で21世紀にふさわしい自治体づくりを
自治労通信新年号 自治体職員に一言

(自治労通信・抜粋)
 一つは、昨日の延長線上に明日があるわけではないということ。これまで右肩上がりの経済とか社会とかを前提につくってきた仕組みや制度そのものを見直す、勇気あるチャレンジ精神を持とうということです。これからはとにかく過去のしがらみとか、慣行とかにとらわれず、常に新しい発想をしていくことが重要です。社会全般に言えることですが、なかんずく自治体職員は、これから地域を変えていかなければならないわけですから、その先頭に立って様々な仕事をこなしていただきたい。そのベースにはみんなが共有する危機感がないとうまくいかないと思います。
 そういう観点から経営感覚とコスト意識をもってほしい。「何とかなるだろう」という意識がどこにも蔓延していましたが、いま厳しい経営状況にある民間企業では「何とかなるだろう」という気持ちはもはや無いでしょう。ところが自治体の職員にはいまだに、これだけ危機的な状況だと言っても、どっかで「何とかなるだろう」という意識があるんですよ。もう染みついています。具体的な経営感覚とコスト感覚を持ってほしい。
 もう一つ大切なことは「素人の感覚」を大切に考えてほしい。特に新しい時代の制度とかシステムを作ろうというときには、素人が見て「なぜ」と思うことを大切にしなくてはいけないと思います。政党に属さないで最近無党派層の支持を受けて当選される様々な政治家がおられますが、支持される理由は、行政のプロではないけれど、住民のレベルで、つまり良い意味での素人の発想を忘れていないからだと思います。これまで当然であったことに「疑問を持つ」人たちが増えていることに目を向けてほしい。自治体職員の方々は非常に能力も高く、まじめです。でもそれがかえって、これまでの慣行に固執してしまうことになってないでしょうか。
 最後に住民や民間との信頼関係を大切にするということです。大阪では前知事さんのこともあり、府民との関係、あるいは全国的にも世界的にも大阪のイメージを挽回する必要があります。多少時間がかかるかもしれません。でもこれをきっかけに、良きも悪しきもさらけだし、新しく自治体が変わろうとしている姿を理解してもらうことが大切なことだと思うのです。21世紀にふさわしい自治体像をともにつくり上げていきましょう。

自治労府職 出席者
【女性部】
 部 長 上野万里子
 副部長 西村 明子
  同  渡辺 和美
 書記長 阪田 淑子

【青年部】
 部 長 黒田 真吏
 副部長 裏野 真也
 書記長 池口 忠史
文責 自治労府職教宣部

知事の素顔に近づこう質問コーナー

Q1 忙しい中でのストレス発散方法は?
A これまでは、日常の買い物やバーゲンに行くことがストレス解消でしたが、今はどこへ行っても注目されてしまうので(これはありがたいことではあるんですけども)、なかなか思うように行けなくなってしまいました。ですから、今のストレス解消と言えば、家に帰って缶ビールを飲むことと、テレビでスポーツを観戦することぐらいかな?

Q2 休みの過ごし方、夫婦で出かけるお気に入りの場所は?
A 知事に就任してからはなかなか休みも取れないので、たまにお休みとなると、家でゆっくり料理を作ったり、趣味のピアノを弾いたりしていることが多いですね。プライベートで出かける機会も減ってしまいましたが、クラシックのコンサートには夫婦でよく出かけています。

Q3 お酒をよく飲みにいくスポットは?
A 行事などでお酒をいただく機会を除くと、外でお酒を飲むことは少なくなってしまいました。ミナミなどにはお酒もお料理もおしいくて値段もリーズナブルなお店がたくさんあるから、もっと行きたいんですけれどね。

Q4 好きな歌・曲・歌手、思い出の歌・曲とエピソードは?
A 音楽はだいたいどんなジャンルでも好きですが、やはりクラシックが一番好きですね。カラオケではテレサテンや山口百恵などをよく歌います。「雨の御堂筋」も十八番の1つです。中学では楽器部、高校ではアマチュアオーケストラに所属していたので、コンクールやコンサートで演奏した曲など思い出の曲を挙げればきりがないくらい。強いて1曲挙げるとしたら、中学2年のときにエレクトーンコンサートで演奏して入賞した「亡き王女のためのパヴァーヌ」でしょうか。大会では日楽(現ヤマハ)の社長さんだけは私を1位と採点してくれて、近くだからとご自宅に招かれて演奏したことを今でもよく覚えています。

Q5 洋服の探し方は?
A 大阪ではなかなか買い物に行けないのですが、東京にいた時によく利用していたお店があって、私の好みもわかってくれているので、上京したときに時間があれば寄ったりしています。もっとも、たいていはトンボ返りなので、滅多に立ち寄れることはないのですが……。また、比較的海外ブランドでは私のサイズが豊富なので、海外に出かけた時にまとめ買いすることもあります。

Q6 職業生活と家庭生活のバランス、夫との役割分担は?
A 私は料理を作るのが好きなので、できるだけ食事は自分で作るようにしています。この頃は帰りが遅くなることも多いですし、どうしてもスピード料理が中心になってしまうけど、献立を考えたり料理を作りながら、自然と仕事モードから家庭モードへの切り替えができているという感じですね。夫には日常の買い物やゴミ出しなどを分担してもらっています。


参院選比例区へダッシュ!

自治労組織内議員
    民主党・参議院(比例区)

    朝日俊弘

   先送りの政治にNo!
        安心のセーフティネットをめざします


 本年7月に参議院選挙が行われる。この選挙は政権交代へのステップ、21世紀の方向を指し示していくための重要な選挙。自治労も民主党をはじめ民主・リベラル政治勢力の前進により、新しい世紀にふさわしい政治的民主主義の前進と民主党を中心とする政権交代への展望を切り拓くことを基本目標に、取り組んでいくこととしている。
 この選挙では、自治労組織内議員で民主党の朝日俊弘さんの改選を迎える。公職選挙法の「改正」で今回から「非拘束名簿方式比例代表制」が導入され個人名投票も政党票として扱われる。まさに自治労組織の力量が問われる選挙となる。すでに朝日さんは再選に向けて全国を駆け回っており、自治労府職にも訪れ支援を訴えた。
 朝日さんは兵庫県豊岡病院で精神科医として働きながら、豊岡病院労組委員長としても活動。自治労衛生医療評議会の事務局長として全国医療の結成に尽力し、前回1995年の参議院選挙で初当選を果たした。
 朝日さんが医師になろうと思ったのは、高校1年の時の伊勢湾台風での体験がキッカケ。数千人が亡くなった大災害で、救援隊に参加した朝日さんは、荷物を運んだり、時には死体を運んだりしたが、その中に同級生がいた。そのことは当時、高校生の朝日さんには大きな衝撃で、医師への道をめざす原体験になったと話す。医師を経て参議院議員となった朝日さんは、保健・医療の改革、セーフティネットの再構築にむけ奮闘しています。

新年のごあいさつ
 いよいよ21世紀の扉が開きましたが、社会保障制度や財政構造改革など多くの課題を先送りし、大きな社会不安を抱えたまま新世紀を迎えることとなりました。
 市民の暮らしを顧みず、既得権益にしがみつく無責任な永田町政治を変えるために、責任の重大さをあらためて噛みしめています。
 今年は、政権交代に向けたステップを大きく踏み出すために、また新しい地方自治の時代を見据えた安心のセーフティネットの再構築に取り組むために、自治労の全国の仲間の皆さんに改革への決意を訴えていきたいと思っています。
 引き続いてのご支援・ご協力をよろしくお願いいたしますとともに、皆様のご健康とご活躍を心からお祈り申し上げます。

朝日俊弘さんのプロフィール
参議院議員/参議院地方行政・警察委員会委員長/民主党社会保障制度調査会長/自治労特別中央執行委員/自治労協力国会議員団幹事長/1943年 愛知県名古屋市生まれ/1970年京都大学医学部卒業、医師免許取得、兵庫県公立豊岡病院精神科に勤務/1975年豊岡病院労組委員長に就任/1984年自治労本部中央執行委員(衛生医療評議会事務局長)に就任/1989年全国医療の結成に参加、事務局長を担う/1995年参議院議員(比例代表)選挙で初当選


参議院大阪選挙区(予定候補)
      連合大阪推せん・民主党

     山本たかし

         3つの約束を実現します
             ・くらしの安心
             ・バリアフリー社会
             ・市民主役の日本


 連合大阪・府本部の決定を受け、自治労府職も今夏の参議院大阪選挙区候補者に「山本たかし」さんを推薦することを決定した。
 山本さんは交通遺児家庭への支援を一生の仕事にと、交通遺児育英会に入局し事務局長を務めた。93年の衆議院選挙に立候補し、金のかからない選挙を訴え初当選。96年選挙で再選を果たしたが、前回選挙で惜敗。再び国政への参画をめざす。
新年のごあいさつ
 あけましておめでとうございます。
 さて、新世紀を迎えましたが、日本社会は日増しに閉塞感が深まっています。その原因は、「改革先送りとバラまきの政治」を続ける自民党政治にあることは明白です。雇用や老後への不安を一層強め、将来世代には大きな負担を押しつけています。
 私は7年間の衆議院議員活動を通じて「財政再建と社会保障制度の再構築」に真っ正面から向かい合ってきました。しかし難題は未解決のままです。一刻も早く国政に参画し、「暮らしの安心保障」を求める皆さんのご期待や「何でやねん?」の声に応えていきたいと考えています。
 さらなるご支援をよろしくお願いいたします。

山本たかしさんプロフィール
1949年7月7日生まれ。51歳。/立命館大学産業社会学部卒業。米国ミシガン州立大学大学院修士課程修了。交通遺児家庭への支援を一生の仕事にと、財団法人交通遺児育英会に入局。事務局長を務める/1993年、旧大阪4区から衆議院議員選挙に立候補。ボランティア選挙、金のかからない選挙を展開し初当選。1996年再選(近畿比例区)。/民主党厚生部会長、民主党政策調査会副会長を務めた。特に年金、臓器移植、薬害エイズ、介護、公務員倫理、NPO法案等では、国会論戦をリードした。2000年6月、衆議院大阪第14区で惜敗。
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「なんでやねん!」に応えます

自治労の底力をみせるとき


 2001年「見上げれば豪華絢爛な星空」宇宙の旅

 1960年代末、スタンリー・キューブリック監督のSF映画「2001年宇宙の旅」やアメリカのアポロ計画による人類初の月面着陸など時は宇宙時代、今にも宇宙旅行ができそうに思えたものです。
 ところが、30年経った今、有人宇宙船は地球を周回するにとどまり、とても木星などの惑星へ旅するどころではないのです。
 2001年1月1日午後9時、夜空を見上げてみませんか? 頭の真上まで。そこには「2001年宇宙の旅」でめざした太陽系最大の惑星「木星」がひときわ明るく輝いています。
 正確に言えば、木星は南の空、高度75度です。天体の高さは地平線からの角度で呼び、頭の真上(天頂)は90度になります。木星の高さ75度は、立って見上げるとほぼ真上に感じます。この時刻に輝く星の中で、一番明るいのが木星です。
 頭上の星空は建造物の多い街でも視界を確保することができ、また、街灯などの多いところでも木星の明るさがあれば見つけることができるでしょう。
 もちろん、空の暗いところでは星の図で表している星たちのすべてが見えるはずです。
 冬の星空には明るい星が多く、これでも間違うかも知れませんから、惑星と星座を作る星「恒星」を見分ける方法をお伝えしましょう。
 私たちの住む地球は大気が取り巻いており、星を見るときは大気の底から見上げています。大気には流れがあって、その流れにはムラがあり、星からやってきた光を不規則に揺らします。その揺れが星のまたたき、つまり「きらきら星」になるのです。
 恒星は遙か遠くにあって、望遠鏡で見ても点にしか見えないので、わずかな光の揺れでも「きらきら星」になりますが、惑星はわずかながらも面積を持っているので、わずかな光の揺れは大きな光に吸収されてしまい、惑星がまたたくことはあまりないのです。
 単純に考えて、「きらきら星」は恒星、またたかない星は惑星と見ることができます。
 今年は木星の近くに環のある惑星「土星」や、オレンジ色の1等星「アルデバラン」、古来から知られている星団「すばる星」も見つかります。これほど簡単に多くの星を見つけるチャンスはそうはありません。
 ここは「おうし座」です。おうし座は星座物語では大神ゼウスがエウロペをさらいに行くとき、牛に変身した姿です。
 星座絵では牛の上半身が描かれており、アルデバランは牛の右目に輝いています。
 アルデバランからV字形に並ぶ星たちは、「ヒヤデス星団」と呼ばれて牛の顔を形作り、すばる星はおうしの背中に輝きます。
 木星と土星が、このおうし座でそろって輝くのは、今回を見逃すと60年ほど待たなくてはならないのです。
 木星は12年、土星は30年で太陽を中心として回っています。次回おうし座付近で、このふたつの惑星が接近して輝くのは、2060年から2061年にかけてです。
 そうそう、木星と土星の接近と言えば、2000年ほど前、キリスト生誕の時に輝いたと言われる「ベツレヘムの星」の推定候補のひとつに、木星と土星の接近があげられています。
 しかし、この現象は紀元前7年にうお座で起こっており、ベツレヘムの星ではないのかも知れませんが、惑星の位置を計算することでいろいろな想いを巡らすことができます。
 「私が初めて星を見たころ、すばる星と木星がそろって輝いていた」など、昔話をすれば、それがいつの時代かわかってしまうことになります。
 木星旅行はまだまだ遠い未来の話ですが、21世紀の初めに頭上を見上げれば木星・土星が輝き、そこには宇宙が広がっているのです。
 遙かなる星たちに想いをはせてみてはいかがでしょうか? そう、これこそ2001年宇宙の旅の始まりなのです。


 「奥が深い太刀魚釣り」
        ストレス発散に一役

 ウキを眺めて3時間、さざ波の上に漂うばかり、決して沈まず、今日で3日目か。シーズン当初の太刀魚釣りはこんなものです。それでも延べ4Kmにも及ぶ長い波止を見渡せば、よくもこんなに人が集まるものなのか、釣れないから余計に別のことを考えます。まわりをよく見ると、もちろん「釣り」のイメージそのままの人、つまり、小さめの折りたたみ椅子に座り、足を正確に90度広げ、じっと前を見つめる人がいますが、それは少数派です。まず目に付くのは家族連れ、お父さんとお子さんが熱心にサビキ釣りをするのは当たり前ですが、ここではお母さんの性格がでます。無関心で退屈そうに座っている人と、お父さん以上に気合いの入っている人とにきれいに分かれます。あとは、グループで来る人と1人で黙々と竿をにぎる人。のみと思いきや、実はカップルが相当数います。私は釣りを始めて12年くらいですが、年々その数が増えていることに最近気がつきました。何もこんなところでとも思うのですが、これも釣りがメジャーとなった象徴と我慢しています。
 ところでこの太刀魚釣り、なかなか奥が深く、釣れる魚が波止で釣れる最大の魚だそうですから人気があります。私はウキ釣りしかやりませんが、太刀魚専用の仕掛に餌のキビナゴ(イワシ科)をつけ、ケミホタルという発光体をオモリの上にセット、それから3mほど離し電気ウキをつけ放り込みます。
 そのうち『たっちゃん』が食いつきますが、その食べ方が慎重きわまりない。まず、スッとくわえます。その時ウキは一瞬直立不動の姿勢をとり、やがてジワッと沈んで見えなくなっていきます。たっちゃんがくわえたまま海底に向け移動しているのです。このとき合わせを入れても針掛かりしません。一方人間もその時動きが止まり、頭の中は真っ白。仕事のことも、家庭のことも、財布の中身も、今何をしているのかも吹っ飛び、すべてのストレスから解放され、たっちゃんの次の行動を待ちます。
 たっちゃんはある程度(季節、時間、気象条件、群の大きさ、魚の性格により違います)潜るといよいよ食事に取り掛かります。糸を張ってその瞬間を待ちます。グガブッ(表現できません)とくれば餌が歯の奥に入ったメッセージです。その瞬間、合わせを入れます。魚がかかれば地球を釣ったような感触の後、魚が横走りし抵抗しますが、委細かまわずリールを巻くと目をクリクリさせ銀色に光る魚体が上がり、周りから歓声と拍手、そして羨望の眼差しをいただけます。
 シイラもそうですが、釣りたての魚の魚体は実に鮮やかです。以上は理想の型であり、実際はくわえたまま5分も10分もウロウロするヤツ(なんで魚と綱引きをして遊ばなければならないのか)とか、糸を張りすぎたため見破られさよならされたり、理想型に完璧に仕上げたにもかかわらず魚がいないなど3回のあたりで1回成功すれば上出来の釣りが太刀魚釣りです。
 私が釣りを始めたのは、おいしい魚を食べたいからです。機会があり、和歌山の田辺で遊漁船に乗り、イサキ釣りに連れていっていただいた時のことです。イサキはそのあたりでは最もポピュラーな釣用の魚で、普通は苦もなく釣れます。釣れたイサキを船の生け簀に放り込み、上陸時に1匹ずつ丁寧に「締め」、たっぷりの海水にギンギンに凍った氷を入れたクーラーで持ち帰りました。
 造り、塩焼き、煮付けにしましたが、これが実においしい。もしかしてと思い、魚嫌いの下の子どもに食べさせたところ、全部平らげてしまいました。ちなみにスーパーで売っているイサキは依然として食べません。釣りたての魚をしかるべき方法で持ち帰り食べるとおいしいのです。他にもイワシ、アジ、太刀魚等ためしてみましたが、この説は間違いありませんでした。
 時代の変化は急激に進んでいます。そこそこの年代を生き、深く物事を考えなければならない立場になったとき、考え、悩む自分にストレスがかかっていることを感じます。このストレスと上手に付き合っていくには何か好きなことをすることが必要なのでは。釣りだけが趣味ではありませんがぜひ皆さん、頭が真っ白になる感覚を味わって下さい。


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■代金振込 商品代金は申し込みと同時に次の口座に振り込んで下さい。
 【近畿労働金庫本店(普)5863943】または【大和銀行大手支店(普)884793】まで。口座名義はどちらも自治労大阪府職員労働組合
■申込締切 2001年2月23日(金)、その間、申し込みは随時受付中。
■配送可能日 2001年1月3日(水)〜2月28日(水)まで。申込書の配送希望日は申込日から5日以上あけて下さい。