機関紙「自治労府職」

 2001年7月1日号

公務員制度改革 行革推進本部「基本設計」発表
石原大臣 労使合意の制度改革を確約


 公務員制度改革「基本設計」の取りまとめが大詰めの6月26日、連合官公部門連絡会は第3次中央行動を取り組み中央集会の前段で石原行革担当大臣と交渉。14日交渉時の要請に基づき、改革にかかる「職員団体との交渉・協議による取りまとめ」の確約を求めた。
 これに対し石原大臣は「基本設計は制度の具体的内容を決定するものではなく、基本設計後も関係職員団体と幅広く誠意ある交渉・協議を行っていく。職員団体と合意した事項について互いに履行すべく力を尽くすのは当然のこと」との見解を示した。

 12月目途に「大綱」まとめ

 行政改革推進本部は29日、予定どおり「公務員制度改革の基本設計」を発表。今後、12月を目途に「公務員制度改革大綱」を取りまとめ、2005年までの法改正を表明した。
 連合官公部門連絡会は「基本設計」発表をうけて対策本部会議を開き、7月以降の取り組み方針を次のとおり確認した。
 @12月目途の「公務員制度改革大綱」策定に焦点を合わせ取り組みを継続するため対策本部を存続する、A「基本設計」は使用者たる政府から正式に提案をうけ、内閣官房に対しILOでの日本政府見解に基づき「合意」をめざす交渉・協議の誠実な履行を求める、B「公務員労働者の労働基本権確立」に向けた政党対策に取り組む、C「私たちの提言」の組合員理解を深めるため各県本部・単組での学習会・集会を連合官公部門レベルで開催、D「基本設計の問題点と解説」「ILOの見解」などの討議資料の作成、「対策本部ニュース」発行、ホームページ公開などの情報提供 など。


都道府県立精神医療職場交流集会
医療現場の改善求め

十分な人的配置と公費投入求め精神医療の抜本的改革も視野に

 6月29〜30日の2日間、大阪市内で都道府県立精神医療職場交流集会が開かれ全国から55人が参加した。集会は精神単科の病院職場で働く組合員が集まり、精神医療が直面する課題や各職場が抱える問題などで意見交流するため3年前から開かれている。
 本年は自治労府職中宮病院支部が幹事。集会は先の「池田小学校事件」の衝撃が覚めやらぬ状況の中、犠牲となった児童の冥福を祈る黙祷を捧げて始まった。
 主催者あいさつした山中支部長は「今回の事件はあまりにも悲惨で衝撃的であったため、マスコミにより『精神障害者の犯罪』という図式が作られた。事件と精神障害との関係が明らかでない段階で『精神障害者は危険』という偏見・差別を助長させることが懸念される。今の精神医療では、重大な事件を起こした触法精神障害者と、そうではない精神障害者が同じ病棟に入院しているのが実情で、何らかの区別と体制を支える人員配置の拡充が必要だ」と現場の問題を指摘。
 集会を後援する府本部の橋本書記長も「刑法改正など政府による安易な法改正の動きには注意が必要で、治療と患者の人権に配慮した精神医療職場の改善に向かうものでなければならない」と強調。また、自治労府職の大橋委員長も「地方財政危機で自治体病院の独立行政法人化などが取りざたされているが、安易な人員削減を許さない取り組みを強める」と述べた。
 講演では、名越クリニックの名越院長から「池田小学校事件を精神医療の現場はどう捉えるべきか」をテーマに精神医療の根元的な問題などが語られた。特に政府が提起する「特定専門病院」は、患者にとって身近な地域・医療・福祉との関係を希薄にし、帰るべきところを無くすもので作るべきではない、などのほか医療と司法の関係など幅広い内容となった。
 集会アピールでは、精神医療職場への十分な人的配置と公費投入、精神障害者が地域社会の中で自立生活できる支援体制の確立に向けた取り組みを確認した。


あさひ俊弘さん中宮病院を訪問
全国を回り現場の声を聞く


 自治労の代表として、7月29日に予定されている参議院選挙に立候補予定の朝日俊弘さん(現参院議員)は6月21日、再選に向け全国を駆け回るなか大阪を訪れ中宮病院を視察した。
 精神科医として兵庫県立豊岡病院に勤務していた朝日さんは、立花院長などと懇談。真っ先に、大教大付属池田小学校で起きた事件にふれ、自治体の精神病院としての対応や、精神病患者への多大な影響と被害者の心のケアなどで、院長から説明を受けた。
 朝日さんは精神保健医療のエキスパートとして院長らと積極的に意見交換し、法整備の重要性や自治体病院の責務ときめ細かい治療の重要性を強調し、現場の貴重な意見を党内、国政の場で反映したいと話し、懇談後は病棟を視察した。


精神医療の抜本的改革に向けて
朝日さん再選に期待


 2日目は、朝日俊弘参議院議員秘書から事件とその後の国の動向についての特別報告、自治労衛生医療評議会の米田事務局長から衛生医療職場を取り巻く諸情勢が報告され、最後に精神医療のあり方を抜本的に改革するため、精神科医で自治労組織内予定候補の朝日さんの再選に向け全力で支援することも確認した。


自治労府職青年部本庁ブロック会議
本庁組合活動の原動力に

第2回総会で方針確立

 自治労府職青年部本庁ブロック会議は6月29日夜、第2回の総会を開き、この間の運動経過を確認し新年度の活動方針を確立した。
 あいさつした上杉議長は「本庁職場の横のつながりを広げようと組織を立ち上げ、地道に活動を積み上げてきた。青年が少なくなる中で、組合を通して顔なじみになり仕事でも役に立てる組織だと思う。今回で役員は退任するが、今後も本庁の組合活動の原動力として、楽しく元気な本庁ブロック会議の活動を支えたい」と語った。
 議事では、1年間の経過報告を全体の拍手で確認。新年度の活動方針では、ビアパーティーや屋内スポーツ大会、競馬観戦ツアーやボーリング大会などの文厚行事をはじめ、さらなる組織化への取り組みとして情報伝達網の整備(青年組合員の連絡先一覧作成)やランチタイム交流会の定期開催、本庁青年組合員の意識や職場実態のアンケート調査など、具体的な取り組みを全体の拍手で確認した。また、上杉議長(建設)・裏野副議長(労働)が退任し、次のとおり新年度の役員体制も確認され、3年目の活動をスタートした。
議 長 山崎健史(健福)
副議長 津田 誠(健福)
副議長 亀坂雄一(税務)
事務局長
高橋淳一郎(総務)
事務局次長
松山俊也(労働)
幹 事 池田 周(教委)
幹 事 長谷川裕樹(税務)
幹 事 池田眞章(環農)


労働基本権は先送りの基本設計
自治労は国公準拠の枠組みを許さず
分権型公務員制度の確立を求める


連合官公部門連絡会
「基本設計」厳しく批判

 連合官公部門連絡会は「基本設計」に対する見解として、@人事院など現行の人事行政の枠組みを根本から見直す方向を提起しながら、労働基本権問題の解決を先送りしたこと、推進事務局が現行法制度の枠組を実質的に超えた作業を進め、交渉事項である賃金・労働条件に関わる制度内容を一方的に盛り込んだことは極めて遺憾、A「入り口選別主義」を温存したまま評価に昇進や処遇を直結させる人事制度、理念なき能力等級・給与制度への切り替え、「天下り」容認の制度見直しなど一部特権官僚の処遇改善を意図したもの、など厳しく批判した。
 3月に公務員制度改革の『大枠』が示されて以降、労働組合の関与を拒否して一方的に作業を進めてきた政府・行政改革推進本部の姿勢と手法を労働組合として厳しく追及。
 連合官公部門連絡会・公務員連絡会・自治労が連携し、「労働基本権の確立」と「民主的な公務員制度改革」の実現を求めた取り組みの結果、政府のスケジュールや「基本設計」が決定事項ではなく検討課題を示すものと後退させたこと、労使合意に基づく制度の具体化を確約させたことなど構成組織の総力をあげた取り組みを評価した。


公務員制度改革の基本設計(ポイント)

1、基本設計の性格

(1)「基本設計」は、「公務員制度改革の大枠」(本年3月27日)に則って進めてきた検討を踏まえ、国家公務員のうち主に一般の行政職員を念頭に置いて、「新たな公務員制度の骨格」とこれを具体化するに当たっての「検討課題」を政府行政改革推進本部として示すもの(本年6月29日に同本部で決定予定)。
(2)今後、この「基本設計」に従って政府部内において検討を進め、改革を具体化。

2、基本設計の概要

(1)新たな人事管理システムの確立
@能力等級制度の導入
 ○新たに能力等級制度を導入し、役職段階ごとに必要とされる能力(職務遂行能力)の基準を明らかにし、任用・給与の基準として活用。
 ・全ての官職を職務の遂行に当たって必要とされる能力の程度に基づいて一定の役職段階に区分し、それに応じた等級体系を構築。
 ・能力基準を任用の基準として活用することにより、T・U・V種等の採用試験区分、事務官・技官の別や採用年次に基づく現行の硬直的な人事管理を改革。
 ・上位の役職段階への任用は当該役職段階に相当する等級の能力基準に照らし最適者を選抜する一方、現に任用されている役職段階の等級の能力基準を満たさない職員は下位の役職段階に任用するなどにより、能力本位の任用を実現。
 ・現行の俸給を能力等級制度に基づいて再構築し、能力本位の給与を実現。
A給与制度の改革
 ○職員の多面的な貢献度を適切に反映した給与を実現するため、給与体系を「職務遂行能力に対する給与」、「職責に対する給与」及び「業績に対する給与」に分割し、それらを一般職層、管理職層及び指定職ごとの役職段階の特性に応じて適切に組み合わせることにより、新たな給与制度を構築。
 ・能力給は、能力等級に応じた「定額部分」と業績評価に応じて昇給する「加算部分」からなる基本的な給与。一般職層及び管理職層に対して支給。
 ・職責給は、官職の職責に適切に報いるための給与。管理職層のほか、一般職層のうち職務負荷が特に大きい職員に対しても支給。
 ・業績給は賞与とし、賞与は月例給与に応じた「安定的支給部分」と業績評価に応じた「業績反映部分」とで構成。一般職層及び管理職層に対して支給。
 ・指定職には、職責に対する給与を基本に業績反映を含めた年俸制を導入。
B新たな評価制度の導入
 ○任用・給与等の人事管理システム全体を能力・実績に基づくトータルシステムとして機能させるため、「能力評価」と「業績評価」からなる公正で納得性の高い新たな評価制度を導入。
 ・能力評価は、能力等級ごとの能力基準に照らし、一定期間の職務を通じた能力発揮の程度を定期的に評価。任用及び能力等級の格付けの重要な参考資料。
 ・業績評価は、職員の業務目標の困難度・達成度等に基づき、一定期間内の業績を定期的に評価。能力給及び業績給の決定の重要な参考資料。
 ○複数の評価者の関与による評価の決定、評価者訓練、評価結果のフィードバック、評価に対する苦情相談などにより、制度の適正な運用を確保。
 ○試行期間を設けるなどにより、新たな評価制度を円滑に導入。

(2)人材の計画的育成・能力開発の推進
@人材育成コース及び育成計画の活用
 ○職員の主体的な能力開発を推進するため、職員に対し長期的に活躍していくことが期待される職務分野等(人材育成コース)を明らかにするとともに、伸ばしていくべき能力の方向性や中期的に予定される研修等を内容とする育成計画を明示。
A職員の自主性に配慮した能力開発の展開
 ○民間企業等への派遣や海外留学など職員の能力開発の機会を大幅に拡充。
 ○一方で、留学後早期に退職する職員に対し、留学費用の返還を法的に義務付け。
 ○内外の大学院等への進学など、職員が自主的に自らの能力開発に取り組む場合に、一定期間休業することができる制度を創設。
B女性の採用・登用の拡大
 ○女性の採用・登用の拡大のための取組、休暇・休業制度の拡充等の勤務環境の整備を推進するなどにより、男女共同参画社会にふさわしい公務員制度を実現。

(3)多様な人材の確保
@採用試験制度の見直し
 ○公務を志す者に対し公務員への門戸を広く開放し、各府省が業務の実態に即して真に必要な人材を人物本位で採用できるよう、採用試験制度を抜本的に見直し。
 ○当面、T種試験について、筆記試験段階での合格者数を大幅に増加させ、各府省が合格者の中から採用面接を行い、総合的な人物評価に基づき採用者を決定。
A民間からの人材の確保
 ○積極的に官民交流を行い得るよう、行政の公正性の確保にも配慮しつつ、厳格な官民の区分の考え方に根ざした規制を見直すとともに、給与格付け等を見直し。
B公募制の積極的活用
 ○民間からの人材登用において公募を一層活用。
 ○府省内及び府省の枠を超えた適材適所の人事配置等により公務部内の人的資源を最大限活用する観点から、公務部内における公募制の具体的枠組みを整備。

(4)適正な退職管理・再就職ルールの確立
@営利企業への再就職
 ○事前規制に重点を置いた現在の仕組みから、大臣による再就職の直接承認、再就職後の行為規制の導入等、事前・事後のチェックを通じた総合的な適正化のための仕組みに転換。なお、承認基準等についての第三者の立場からの関与の在り方を検討。
 ○在職していた機関と密接な関係のある営利企業の地位への再就職は大臣が直接承認。
 ・権限・予算等を背景とした「押し付け型の天下り」として承認してはならない類型を法令上明確化するなど、厳格かつ合理的な承認基準を設定。
 ・中立公正で客観的な判断を担保するため、各府省共通の承認基準を法令で定めるとともに、所管行政の実態に応じて各府省が定める運用基準を公表。
 ○承認された全ての案件について、再就職先の地位、職務内容、再就職先の企業との契約関係等を詳細に公表するとともに、内閣全体の承認状況を国会に報告。
 ○営利企業に再就職した退職公務員が出身府省の職員に働きかける行為について一定の規制を行うための法的措置を実施。
A特殊法人等及び公益法人へ再再就職
 ○特殊法人等及び公益法人の事業・組織の徹底的な見直しに併せ、これらの法人への再就職についても厳格かつ明確なルールの下で実施。当面、特殊法人等及び公益法人の役員に関する累次の閣議決定を遵守し、特殊法人等相互間の「わたり」の抑制等を徹底。
 ○特殊法人等の役職員の給与・退職金の見直しを踏まえ、公務員出身者の退職金について厳格に見直し。
B再就職状況の公表
 ○大臣の直接の承認の対象とならない公務員の再就職についても公正性、透明性を確保するため、再就職状況全般に関する情報の公表を積極的に推進。
C退職手当制度の見直し
 ○退職手当について、長期勤続者に過度に有利となっている現状を是正する方向で、算定方式を含めて制度を見直し。

(5)超過勤務の縮減などによる勤務環境の改善
 ○国会関係、法令審査、予算折衝、各省協議など、恒常的な長時間の超過勤務の要因となっていると思われる業務を徹底的に見直し。
 ○管理職員に対し勤務時間管理のよリー層の徹底や年次休暇・代休を取得しやすい環境作りを促した上で、適正な管理がなされているか実態把握を実施。
 ○管理職員の評価に当たり、超過勤務縮減への取組みや縮減成果等を勘案。

(6)組織のパフォーマンスの向上
@機動的・弾力的な組織・定員管理
 ○内外の環境の変化に即応し、政府全体のパフォーマンスの最大化を図るため、各府省の判断と責任で組織・定員管理を機動的・弾力的に行える仕組みを構築。
 ・本省庁内部部局の課・室等の改編について、各府省ごとの課・室等の総数及び職責給総額の範囲内であれば、局・部の改編に伴うものを除き、各府省の判断と責任で実施可能。
 ・各府省内の定員移動について、内部部局の範囲内であれば、各府省の判断と責任で実施可能。
 ○特定分野の機能強化が必要な場合に、府省の枠を超えて当該分野への人員の再配置を行わせる新たな仕組み(インナーソーシング制度)を創設。
A目標に基づく業務推進(業務遂行規範の明示)
 ○職員が組織の方針、組織内での自らの役割等を明確に意識しつつ業務に当たれるよう、「組織の目標と職員の行動基準」(業務遂行規範)を職員に明示。
 ○組織の目標に基づき、上司との話合いの上で職員が一定期間ごとに主体的に自らの業務目標を設定し、期間終了後に業務目標の困難度・達成度等を評価。
 B企画立案と執行それぞれの機能強化
 ○各府省が自らの判断と責任において組織管理を行える仕組みを整備するなど、企画立案と執行それぞれの機能を強化する仕組みを通じ、各府省による自主的な企画立案と執行の分離を推進。

(7)国家戦略スタッフの創設
 ○国政全体を見渡した総合的、戦略的な政策判断と機動的な意思決定の必要性の増大に鑑み、内閣総理大臣が、自らの判断に基づき、行政内外から内閣の重要政策の企画立案等に従事する職員を国家戦略スタッフとして機動的かつ柔軟に任用、配置できる仕組みを導入。
 ○官房審議官の活用等により、各大臣の企画立案を直接補佐する大臣スタッフを充実。

(8)政府全体としての適切な人事・組織マネジメントの実現
 ○各府省が自主的に人事・組織制度を設計・運用できることとした上で、各府省における責任ある人事管理体制を確立し、大臣を「人事管理権者」として明確化。
○内閣は、国家公務員制度の企画立案や統一保持上必要な総合調整を行うなど、公務員制度の在り方に責任を持った取組みを実施。
○人事院など中央人事行政機関等について、それぞれの在り方を明確化した上で、組織、役割を抜本的に見直し。その際、中央人事行政機関等の役割を、事前かつ個別・詳細なチェックから、あらかじめ定めた明確な基準の下での遵守の事後チェックに転換。

(9)改革に向けた今後の取組み
 ○内閣官房主導の下での改革の取組みをより強固なものとするため、行政改革推進事務局における専門的な検討体制を強化。
 ○「基本設計」に基づき更に詳細な検討を行い、本年12月を目途に「公務員制度改革大綱(仮称)」を策定。その中で、改革に向けた法制化等の具体的な内容、平成17年度までの集中改革期間におけるスケジュール等を明確化。
 ○基本設計に基づき、勤務条件に関する制度改革の具体化に向けた更に詳細な検討を進める中で、引き続き労動基本権の制約の在り方との関係を十分検討。
 ○一般の行政職員以外の職員について、引き続きその職種の特性に応じて検討。
 ○地方公務員制度の改革について、地方自治の本旨に基づき、地方公務員の実情を十分勘案しつつ、国家公務員制度の抜本的改革に準じて検討。


「公務員制度改革の基本設計」に対する自治労見解

@ 政府・行革推進本部は、本日、公務員制度改革にかかわる「基本設計」を決定した。今回の「基本設計」は、新たな公務員制度の骨格とこれを具体化するにあたっての検討課題を示すもので、今後、政府部内で検討を行い、本年12月を目途に法制化等の具体的内容や平成17年度までの集中改革期間のスケジュールを盛り込んだ「公務員制度改革大綱(仮称)」を策定するとしている。すでに、昨年12月1日に「行政改革大綱」が閣議決定され、本年3月27日には「大枠」が取りまとめられているが、今回の「基本設計」の性格は、政府部内の考え方を整理し、「使用者側」として今後取り組むべき具体化作業の内容を明らかにしたものと位置づけられる。
A 自治労は、「基本設計」が提示される6月末までを集中取り組み期間とし、労働基本権の確立、分権型社会に相応しい民主的な地方公務員制度の確立等を基本目標とし、連合官公部門連絡会「労働基本権確立・公務員制度改革対策本部」に結集するとともに、官民総がかりの運動とするため連合総体の枠組みとして取り組みを行った。そして、さまざまな教宣物を活用した中央・地方を通じての総決起集会・シンポジウム・学習会の実施、職場集会を中心とした全国統一行動、本部街宣車をリレーする全国連鎖行動、行革推進事務局のメールボックスへの意見集中など多様な行動に取り組んだ。また、連合官公部門が提起する内閣総理大臣あての緊急個人署名活動では、実質3週間の取り組み期間で78万余(公務員連絡会全体で約170万)の署名を集めるとともに、連合加盟全民間組織からも支持署名を集め政府・行革推進本部に提出した。
  さらに、今回の公務員制度改革が地方公務員制度への影響は必至であるという認識に基づき、公務員連絡会地公部会と連携のもと地方3団体への申し入れ行動を実施した。これらの取り組みの一環として、全国消防職員協議会も団結権を求める内閣総理大臣宛の署名活動を展開した。
  これらの運動と併行し、ILO総会・条約勧告適用委員会で、今回の政府の公務員制度改革の進め方が87号条約に違反している点を追求した。
B これらの取り組みの結果、政府・行革推進事務局が当初想定した「基本設計」の性格やスケジュールを大幅に変更させ、拙速な結論を出させないこととなった。さらに、「大枠」公表当初、われわれとの交渉について「国公法上の交渉当事者に該当するか疑問」という政府・行政改革推進本部の見解を覆し、ILO総会においては日本政府から「制度の具体的な内容は交渉・協議を通じて決定していく」ことを公約させるとともに、石原担当大臣からも、「政府が誠意をもって交渉・協議を行う」という回答を引き出したことは、われわれのたたかいの成果であり、今後の交渉の足がかりとして確認できるものである。
C 一方、本来、労働組合との交渉で決着すべき賃金・労働条件について、一方的に検討を進めたことは極めて遺憾である。同時に労働基本権問題について結論を先送りし、検討の前提条件となるべき労働基本権について、個別検討課題としたことは容認することはできない。さらに、地方公務員制度についても「地方公務員の実情を十分勘案しながら、国家公務員制度の抜本的改革に準じて検討を行う」とし、われわれが要求する分権型公務員制度からみても国公準拠の枠組みを抜け出ておらず、極めて不満である。
 個別課題については、天下り規制を緩和し、採用試験改革を唱えながら特権的なT種キャリア制度を温存し、かつ、彼らにこそ有利に作用する人事制度を構想するなど、今回の「基本設計」は、国民の期待に何ら応えるものではなく、現行公務員制度を民主的なものにしようとする意志さえみられない小手先の改革に過ぎないものと断じざるを得ない。
D 「大枠」公表時から一貫して、政府は、国公法上の制度的枠組みを踏み出し、公務員制度を見直そうとしている。そうであるからこそ、我々も現行制度の枠組みを超えて、早急に政府との間の実体的な交渉当事者としての体制づくりを進めていかなければならない。そして、政府との交渉の積み重ねにより、労働基本権を確立するという正念場のたたかいを進めていかなければならない。
  3月の大枠発表から今日まで、中央・地方・職場・単組が一体となって取り組んできた。このたたかいのエネルギーを、当面する参議院選挙における比例区「あさひ俊弘」の再選はじめ、選挙区における組織内協力候補の必勝および推薦全候補の勝利を目指すたたかいに結集するとともに、2001人事院勧告に向けた取り組みとあわせ、労働基本権の確立を前提とした民主的公務員制度の実現にむけ、たたたかいを継続して行くことを決意する。
2001年6月29日
全日本自治団体労働組合中央執行委員会


ダイビングクラブ
和歌山南部で水深20メートルの海中散歩
一緒に楽しく潜れる仲間を随時募集中

 自治労府職ダイビングクラブは結成を機に6月24日、和歌山南部ツアーを開いた。当日の天候はくもり、水温は22度とまずまずのコンディション。クラブ貸切のボートで「イーストリーチ」「ミサチ」という2つのポイントへ。少々うねりのある海中だったが、水深20bまで潜り海中散策を十分に楽しみ、色とりどりの魚やエビ・海藻類を眺めながらあっという間に2本のダイビングを終えた。
 参加した西本香里さん(北河内府税)は「ぜひ、ダイビングのすばらしさをみんなに知って欲しい。一緒に潜る仲間が増えたらいいのにね」と満面の笑みで語ってくれた。できたてホヤホヤのクラブだが、メンバーの意気込みは熱い。これからの活動にご期待を。

体験ダイブから始めよう
プールダイブ無料券進呈


 今回お世話になった、堺市北花田のダイビングショップ「日本マリン」さんから、クラブに無料体験ダイブ券20枚をいただきました。水深5bの自社プールでの安心ダイビング。スキューバダイビングを体験したい方におすすめです。クラブの会員もまだまだ募集中です。ダイビングに興味のある方はぜひどうぞ。
 詳しくはクラブ会長の桂(堀江社保・電話06―6531―5241)、または本部の小田・下川まで。


ロボフェスタ関西2001入場券当たる
組合員10人にペアで応募方法を参照ください


 世界で初めてのロボットを主題とするイベント「ロボット創造国際競技大会関西2001」が7月20日(金)〜29日(日)の間、大阪国際会議場(グランキューブ大阪)で開かれる。「ロボットとあそぼ」をテーマに自律型ロボットのサッカー対決など各種競技や、テレビでおなじみの2足歩行ロボットの展示、最新おもちゃロボットの販売など内容盛りだくさん。
 自治労府職は組合員10人に限り、抽選で入場券をプレゼント。次の応募方法で自治労府職本部教宣部まで。

 応募方法
 はがきまたはEメールに@氏名A支部・分会名Bロボットが自分の身近にいればやってほしいことを必ず書いて、〒540―8570 大阪市中央区大手前2―1―22、大阪府庁内自治労府職教宣部まで、または欄外のアドレスで本部にEメールを送って下さい。厳正な抽選で10人の方々に入場券を送ります。締切は7月16日必着、入場券の発送は20日までに、当選者は21日号に掲載します。


自治労 団体生命共済・長期共済・学資共済
新規・継続加入募集中

7月13日まで

問い合せは自治労府職福利厚生部
〒540―8570 大阪市中央区大手前2―1―22 大阪府庁内
TEL.(06)6945―4056(直通)
府庁内線 3781〜3786
FAX.(06)6947―1500

家族も安心の自治労共済
※継続の方は変更の有無にかかわらず
 継続用紙を必ず提出してください。
◎詳しくはパンフレットをご覧ください。

効力発効日
2001年10月1日