機関紙「自治労府職」

 2001年8月21日号

自治労大会28〜31日、旭川市で
2年間の運動方針を討論


 自治労は8月28日から4日間、旭川市の大雪アリーナをメイン会場に第71回定期大会を開き、2002年度から向こう2年間の運動方針を議論する。
 自治労府職は22日に中央委員会を開いて自治労大会に臨む態度を決定し、産別運動強化に向けた討論に積極的に参加する。
 自治労は、日本経済の低迷と高失業率を抱える現状や、公務員制度改革の進行、依然として続く自治体財政の危機と「骨太の方針」による行財政改革などの公務員に対する厳しい情勢のもと、自らの運動と改革を進めるとして、労働基本権の確立、地方分権の実践、政治改革の実施、社会的セーフティーネットの構築、多様な労働における権利保障と男女平等参画の推進、地球環境重視の政策への転換などの課題で討論を進める。
【運動方針の主な基本目標】
 1 公務員制度の民主的・抜本的改革を求め、労働基本権の確立と分権型の地方公務員制度への転換をめざすと同時に組合員の職場と生活の改善を図る。
 2 地域社会に責任を持つ自治体・公共サービス労働者として、市民との協働による効果的で質の高いサービスをめざす分権・自治体改革を推進する。
 3 社会保障制度の総合的な改革、環境政策の確立、男女平等参画の推進、人権を守る共生社会の実現を通じ、公正な社会とセーフティーネットの構築をめざす。
 4 対話と協調に基づく国内外での平和と民主主義を確立し、市民が主体の政治を実現する。
 5 単組・県本部・本部が一体となって組織拡大と強化を進め、公共サービスの担い手の総結集をめざす。

行財政計画(素案)見解

 3日に示された行財政計画(素案)に対し、自治労府職は新行財政計画検討委員会での議論や各支部の意見をふまえ、下記の見解をまとめた。27日に府労連が行う当局への申し入れに、自治労府職の意見として反映させる。

 行財政計画(素案)に対する見解

自治労府職 アウトソーシング独立行政法人化等 問題を指摘
 
  自治労大阪府職員関係労働組合
 行財政計画(素案)が8月3日に取りまとめられ、公表された。自治労府職は、真に府民のためになる行財政改革を求めて、骨子案公表の前に「基本的考え方」を示し、「新行財政計画検討委員会」で議論を重ねて意見反映を行うなど様々な取り組みを重ねてきた。公表された素案は、評価できる点もあるものの主として次の問題がある。今後も、府労連の仲間とともに対府申し入れ、シンポジウムの開催などの取り組み、自治労府本部、連合大阪に結集しての取り組みを進める。

 改革のめざすもの
 「財政再建団体転落」を回避することは、労働組合としても異論はない。
 一方、大阪府が今日のような財政危機に陥ったことに対する責任の明確化が必要である。また、累計として8000億円の減債基金からの借り入れが生じるが、その処理策等が依然として不明確である。
 「行政主導の社会システムに限界が見えはじめた」という情勢認識や、「右肩上がりの意識・体質からの決別」など改革の理念や自治体がこれから果たすべき役割の方向性を示そうという姿勢は評価できる。しかしながら、示された将来像が府と市町村の役割を明確に区分していないなどの問題がある。理念や将来像については、特に十分な議論を行い、府民合意を前提とすべきである。

 スリムな組織づくり
○ 「全国一、スリムな組織づくり」では、3000人削減が打ち出されている。これは、2月議会で意見表明されたことに端を発する「政治的な人員削減攻撃」である。そもそも、組織定数は業務量に応じて適正に配置されるべきであり、断じて容認できない。3000人削減の内訳として示されているアウトソーシングは、特に現業職場を狙い撃ちするもので、きわめて問題が大きい。直営で行うことで維持してきたサービス水準や蓄積してきたノウハウは財産である。
○ 試験研究機関、大学、病院等の地方独立行政法人化の検討を進めるとしているが、試験研究の活性化など制度の本来の狙いとは離れて、人員削減の手法として考えられており問題である。フォローアップ型のサービス業務が中心である本府の対象機関で、公的機関としての役割を果たしながら独立採算性が成り立つか疑問であるなど、地方独立法人の制度化自体、課題が多く慎重な検討が必要である。
○ 出資法人の削減等によりプロパー職員の一方的解雇や賃金・労働条件の改悪が行われないようにすべきである。
○ 能力主義・成績主義に基づく人事・給与制度は、公務労働になじまないものであり反対する。
○ 職員宅舎の廃止等、労働条件に関するものは、労使合意、居住者自治会等の当事者合意を前提とし、一方的実施を行わないこと。

 「負の遺産」の整理
○ 負の遺産の整理に取り組むとし、一定の役割を果たした企業局の廃止を打ち出した点は評価できる。しかし、企業局出資法人の財産活用が具体的に何をさすのか、住宅供給公社等の負債の額がこの程度で済むのかなど説明責任が果たされていない。素案が公表されたのと同日に土地価格の下落が公表されたが、条件によっては負の遺産の実態は素案より大きいとも考えられる。収支見通しを検証できるデータを示すべきである。
○ 水と緑の健康都市の会計移管が処理策としてあげられているが、一般会計に移し財政難の折に税金を投入してまで実施しなければならない事業なのか。行財政計画骨子案で示された事業縮小案は街作りとして問題がある旨、指摘してきたが、われわれの指摘どおり縮小案は地元の理解を得られていない。環境保全策を講じた上で事業を中止すべきである。

 新しい行政システム「大阪モデル」づくり
○ パブリックコメント手続、行政評価システム等、これまで自治労府職が実施を提言してきた施策を位置付けている点を評価する。今後とも、透明でわかりやすい行政を府民合意のもとに推進していくべきである。

 施策の再構築
○ 再生戦略会議については、メンバー構成はじめ具体的な提案を示すべきである。
○ 府立5病院のあり方検討にあたっては、いかに府民の命と健康を守るのか、そのために大阪府が何をすべきかを明確にした上で行うこと。「運営形態の変更をも視野に」と書かれているが、「経営」のみを念頭に置いた予断を持ち込まずに議論すべきである。
○ 身体障害者福祉センターについては、障害者のみならず幼児から高齢者まで一貫したリハビリを行なう府域での中心的なリハビリセンターに再整備し、附属病院については、府立のリハビリテーション病院として再編すべきである。砂川厚生福祉センターについては、廃止や全面的な民営化を行わず、府立直営を堅持すること。
○ 「文化の振興なくして大阪の再生はありえません。」としながら、施策の後退姿勢が目立つ。特に、旧大阪府音楽団を発展させて大阪府が設立した「大阪センチュリー交響楽団」への補助の見直しは不当である。他の在阪オーケストラとセンチュリー交響楽団の性格の違いについて何の説明も付さずに「公的助成」の表を載せる(具体的取組編P44)のは府民をミスリードするものである。
○ 大阪は全国でも最も厳しい雇用・失業情勢にあり、府には労働者のセーフティネットを図る施策が求められる。特にこれらを必要とする中小零細企業の労使にとっては身近にあって気軽に活用できる労働行政機関が有効であり、労働事務所の一元化はこれに逆行するものである。

 NPO・府民との協働
○ NPOの活躍の場を広げることに異存はないが、NPOは財政再建のための安価な労働力ではない。特定課題に取り組む人の集まりというNPO・NGOの長所と限界を理解しておく必要がある。

 主要プロジェクトの点検
○ 厳しく点検・評価を行い、適切な見直しを行うとしているが、各プロジェクトごとに収支見通しを明らかにし、より具体的に示すべきである。

 大阪を再生するための制度改革
○ 関西国際空港の問題処理は国の責任において実行すべきであり、「国の責任において機能強化のための抜本的な方策を講ずるべき」という立場にとどまらず、大阪府負担の直接的軽減要求に踏み込むべきである。また、国に対して「透明性の高いシステム」を求めるとともに、大阪府として直接府民に対して情報を開示し、その意見を十分に聞くシステムを確立しなければならない。


チケットあっせん
大阪センチュリー交響楽団
第71回定期演奏会

9月8日(土)


申込締切 8月30日(木)

A席 4500円→3600円
B席 3500円→2800円()
申し込みは電話で自治労府職教宣部まで
TEL06−6945−4056か府庁06−6941−0351(内)3781

◆プログラム:
 ☆10人のフランス作曲家の合作 バレエ音楽「ジャンヌの扇」☆ラヴェル 歌劇「スペインの時」(全1幕―演奏会形式による)
◆指揮:高関健(当団常任指揮者)
 ソプラノ:雑賀美可 テノール:清水光彦
 テノール:西垣俊朗 バリトン:米田哲二
 バ  ス:松下雅人

「これが、フランスのエスプリ?」
 今回のプログラムは、まるでフランス風幕の内弁当!? 前半は、ラヴェルを始めとする10人の作曲家による合作、バレエ音楽「ジャンヌの扇」。後半は、ラヴェルの一幕もののオペラ「スペインの時」。演奏会形式で、5人の歌手とオーケストラの共演です。2曲とも、めったに演奏されることの無い、珍しい曲で、それに取り組む私たちも、わくわくしています。秋間近のひととき、一度ザ・シンフォニーホールに足を運んでみませんか。

指揮:高関 健


シネマはやっぱりおもしろい
8月公開の映画


「ジターノ」
 アンドレが出所した。彼はかつてデビュー寸前までいったフラメンコ・ミュージシャンだ。美しい妻ルシアと幸せの絶頂にいた時、アンドレは無実の罪で捕られたのだ。新しい暮らしを願うアンドレを待っていたのは音楽プロデューサーの愛人になるため町を出たルシアのこと、彼女を止めようとした従弟の死、そして酒におぼれた親友ペケの姿だった。そんな中、ルシアの姉で歌手のロラだけは、ペケの妻でありながらもアンドレに深い愛情を抱いている。しかし彼女も町を離れようとしていた。ルシアに裏切られ傷ついたアンドレは、ロラのように故郷を捨てたいと願うのだが、ジプシーという民族の血と古い掟がそれを許さない。ファミリー間の抗争も終結を迎え平和が訪れた。そんな時、アンドレの前に姿を現したのはルシアだ。熱い思いで一夜を過ごす2人だったが、翌朝アンドレが目にしたのはルシアではなく、アンドレを陥れた2人の汚職警官の姿だった。
 2人の女性の愛情と裏切りに揺れ動くアンドレを演じるのはフラメンコ界のスパースター、ホアキン・コルテスだ。
▼8月11日(土)ロードショー(京都は近日、神戸は9月上旬公開予定)▼2000年スペイン・ドイツ合作映画/監督=マヌエル・パラシオス/出演=ホアキン・コルテス(アンドレ)、レティシア・カスタ(ルシア)、マルタ・ベラウステギ(ロラ)▼上映館/(大阪)心斎橋パラダイスシネマTEL06―6282―1460、(京都)京都朝日シネマTEL075―255―6760、(神戸)三宮アサヒシネマTEL078―221―5588

2人の女性の愛情と裏切りに揺れ動く男を待っていたものは

お知らせ
青年部「女性労働問題連続講座」第2講
〜セクシュアルハラスメントが与える影響と防止に向けて〜
8/21(火)、台風の影響で順延。9/11(火)に
ドーンセンターセミナー室1で、18時45分〜は変更なし