機関紙「自治労府職」

 2001年8月8日号外

人事院勧告特集号

俸給表・手当の改定行わず
年末一時金0.05月を削減


 人事院は八月八日、国会と内閣に対して官民給与の較差を解消する暫定的措置や、三年連続の一時金削減を含む国家公務員の給与勧告を行った。勧告では官民較差について三百十三円(〇・〇八%)の較差があるとしたが、配分については二年連続で俸給表改定を行わない制度史上異例の内容で、諸手当の改正も見送られた。焦点であった一時金は、十二月期に期末手当を〇・〇五月削減し、年間で四・七〇月(現行四・七五月)とした。また、公務員給与水準のあり方について民間給与の実態把握、公務部内の給与配分のあり方などを速やかに検討するとしている。勧告ではさらに職業生活と家庭生活の両立支援のための育児休業・介護休暇の期間延長が意見の申出として示された。公務員連絡会は、生活防衛の側面から見て給与改定の内容が極めて厳しいものではあるが、政府が労働基本権の代償措置としての人勧制度を尊重する姿勢にたって対処することは当然のこととする声明を出した。今後は早期完全実施に全力を挙げるとともに、職業生活と家庭生活の両立支援のための具体策で積み残された課題や政府が十二月策定を進める「公務員制度改革大綱」への交渉などを本格化し、労働基本権の確立を前提とした民主的・抜本的な公務員制度改革の実現に向け、国民的な運動を大きく前進させていくとしている。以下は勧告と報告の全文。


育児休業、介護休暇 延長に向け意見
官民較差解消へ暫定的措置



 平成十三年八月八日
衆議院議長 綿貫 民輔殿
参議院議長 井上  裕殿
内閣総理大臣 小泉純一郎殿
                   人事院総裁 中島 忠能

 人事院は、国家公務員法、一般職の職員の給与に関する法律等の規定に基づき、一般職の職員の給与について別紙第一のとおり報告し、併せて給与の改定について別紙第二のとおり勧告するとともに、公務員人事管理について別紙第三のとおり報告する。
 この勧告に対し、国会及び内閣が、その実現のため、速やかに所要の措置をとられるよう切望する。

別紙第一
職員の給与に関する報告
 我が国の社会経済システムが大きな転換期を迎える中で、新しい世紀を切り拓くため、あらゆる領域において、本格的な構造改革に向けての取組が始まっている。公務員給与についても、国民の目から見て適正・妥当であるとともに、職員が高い倫理観と士気の下で職務に精励することができるよう、これまでのシステムにとらわれることなく、個人の能力・実績をより的確に反映させるなど、職員が活き活きと働けるよう、新たな時代に相応した給与制度の構築に取り組んでいくことが求められている。
 人事院の給与勧告は、国家公務員の労働基本権が制約されており、民間企業の従業員のように、労使交渉等を通じて自らの勤務条件の決定に参画することができないことの代償措置として設けられているものである。本院は、従来から、国家公務員法の定めるところにより、公務員の給与等の勤務条件について社会一般の情勢に適応させるよう、公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させること(民間準拠)を基本に、勧告を行ってきている。
 民間企業従業員の給与水準は、労使交渉等により、その時々の経済・雇用情勢を反映して決定されているものである。人事院勧告に基づく公務員給与も、従来は、順調な経済成長を反映した毎年の民間給与水準の上昇により、結果として毎年増加が図られてきた。
 しかしながら、近年、民間企業においては、厳しい経営状況等を反映して月例給のベースアップが極めて低率・低額となるとともに、特別給(ボーナス)の支給額の対前年比がマイナスとなるという状況がみられるようになっている。
 本院は、このような状況下において、情勢適応の原則に基づき、一昨年及び昨年と二年連続で、職員の年間給与が減少する内容の給与改定勧告を行い、これらは勧告どおり実施された。特に、昨年は、現行の勧告方式となった昭和三五年以降初めて、俸給表の改定を見送り、子等に係る扶養手当について改定を行うという内容の勧告を行い、実施されたところである。
 本院は、本年の給与勧告に当たり、厳しい経済・雇用情勢の下にある民間企業の実態について、ベースアップ中止や賃金カット等を含めた給与改定状況をはじめ、雇用調整等の合理化努力についても幅広く調査を行い、これらの的確な把握に努めた。さらに、有識者、企業経営者や国民から、公務員や公務員給与に対する意見を広く聴取し、経済・雇用情勢等諸情勢も踏まえつつ、本年の給与改定について様々な角度から慎重に検討を行った。
 その結果、本年は、特別給については、公務の支給月数を民間の支給月数に合わせる必要があることから、〇・〇五月分削減し、月例給与については、官民較差が認められるものの、昨年に引き続き俸給表の改定は行わず、暫定的な一時金を支給することとした。
 これにより、職員の年間給与は三年連続で減少することとなり、また、俸給表は、二年連続で改定見送りとなる。

T 給与勧告の基本的考え方
 給与勧告は、労働基本権制約の代償措置として、職員に対し、社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保する機能を有するものである。勧告が実施され、適正な処遇を確保することは、労使関係の安定を図り、能率的な行政運営を維持する上での基盤である。
 本院は、国家公務員の給与水準を民間企業従業員の給与水準と均衡させること(民間準拠)を基本に、単純な官民給与の平均値によるのではなく、主な給与決定要素である職種、役職段階、年齢などを同じくする者同士を対比させ、精密に比較(ラスパイレス方式)を行った上で、社会経済情勢全般の動向等を踏まえながら勧告を行ってきている。
 民間準拠を基本に勧告を行う理由は、@国は民間企業と異なり、市場原理による給与決定が困難であること、A職員も勤労者であり、社会一般の情勢に適応した適正な給与の確保が必要であること、B職員の給与は国民の負担で賄われていることなどから、失業率を含めてその時々の雇用情勢をも反映している民間企業従業員の給与に公務員給与を合わせていくことが最も合理的であり、職員をはじめ広く国民の理解を得られる方法であると考えられるからである。

U 官民の給与の比較
 本院は、毎年、「国家公務員給与等実態調査」及び「職種別民間給与実態調査」を実施し、その結果に基づき、公務においては行政職、民間においては公務の行政職と類似すると認められる職種の者について、給与決定要素を同じくすると認められる者同士の四月分の給与額を対比させて、精密に比較(ラスパイレス方式)を行い、官民の給与水準を均衡させることを基本に勧告を行っている。
 この職種別民間給与実態調査は、給与改定や賃金カット等の有無にかかわらず実施しており、ベースアップの中止、ベースダウン、定期昇給の停止、賃金カットなど給与抑制措置を行った事業所の給与の状況も、官民の給与較差に反映されることとなる。
1 職員の給与の状況(国家公務員給与等実態調査)
 本院は、平成十三年国家公務員給与等実態調査を実施し、給与法(「一般職の職員の給与に関する法律」)適用の常勤職員の給与の支給状況等について全数調査を行った。その結果、民間給与との比較を行っている行政職の職員(行政職俸給表¥外字(8871)・¥外字(8872)の適用者二二七、二五〇人、平均年齢四〇・七歳)の本年四月における平均給与月額は三七九、八三六円となっており、大学教授、医師等を含めた職員全体(四六六、六七九人、平均年齢四一・一歳)では四一五、〇七八円であった。

2 民間給与の調査

(1) 職種別民間給与実態調査
 本院は、企業規模一〇〇人以上で、かつ、事業所規模五〇人以上の全国の民間事業所約三四、〇〇〇のうちから、層化無作為抽出法によって抽出した約七、五〇〇の事業所を対象に、平成十三年職種別民間給与実態調査を実施し、公務の行政職と類似すると認められる事務・技術及び技能・労務関係四四職種の約三八万人並びに研究員、医師等五〇職種の約七万人について、本年四月分として個々の従業員に実際に支払われた給与月額等を実地に詳細に調査した。
 また、本年も、引き続き厳しい経済・雇用情勢等をふまえ、給与の抑制措置の状況や、各企業における雇用調整等の実施状況等についても調査を行った。
 職種別民間給与実態調査の調査完了率は、民間の経営環境が厳しい中においても、各民間事業所の協力を得て、本年も九四・〇%と極めて高く、調査結果には、企業業績や給与改定状況のいかんにかかわらず、広く民間事業所の状況が反映されている。
(2) 調査の実施結果等
 本年の職種別民間給与実態調査の主な調査結果は次のとおりである。
ア 本年の給与改定の状況
 別表第一に示すとおり、ベースアップを実施した事業所は、一般の従業員でみると五二・三%であり、このうち定期昇給の停止を行った事業所(〇・七%)や賃金カットを行った事業所(〇・二%)を除くと、五一・四%と昨年(五一・五%)とほぼ同じ割合であり、概ね半数となっている。また、ベースアップを中止した事業所は三四・七%、ベースダウンを実施した事業所は一・一%であった。
 一方、管理職(課長級)についてみると、ベースアップを実施した事業所は四八・一%であり、このうち定期昇給の停止を行った事業所(一・〇%)や賃金カットを行った事業所(〇・三%)を除くと、四六・八%と、昨年と同じ割合となっている。また、ベースアップを中止した事業所は三七・九%、ベースダウンを実施した事業所は一・二%であった。
イ 過去一年間の雇用調整等の実施状況
 別表第二に示すとおり、民間事業所における過去一年間の雇用調整等の実施状況をみると、厳しい経営環境を背景として、雇用調整等を実施した事業所の割合は五四・二%となっているが、昨年の結果六七・七%と比べると一〇ポイント以上低くなっている。雇用調整等の内容としては、採用の停止・抑制(三一・二%)、部門の整理・部門間の配転(二一・四%)、残業の規制(一八・三%)などが依然として多く、また、希望退職者の募集(五・九%)、正社員の解雇(二・五%)、一時帰休・休業(一・三%)などの厳しい措置も実施されているが、その割合は、昨年よりも減少している。
 このように、民間企業においては、引き続き人員の縮小、経費の縮減、残業の抑制等様々な取組を行いつつ、約半数の事業所では、低率・低額ではあってもベースアップを行い、従業員の給与処遇の維持・改善に努めていることが明らかになった。

3 官民給与の比較
(1) 月例給
 本院は、国家公務員給与等実態調査及び職種別民間給与実態調査の結果に基づき、本年四月分の官民の給与額を前記ラスパイレス方式により比較したところ、別表第三に示すとおり、官民給与の較差は三〇五円(〇・〇八%)となった。さらに、全事業所の二一・〇七%に当たる事業所において、支払は終わっていないが本年四月に遡って定期昇給分を含め平均一・九一%の給与の引上げが実施されているが、昇給率を勘案するとその影響は八円と算定される。このため、これを加えた官民給与の較差は三一三円(〇・〇八%)となる。
 民間における家族手当(世帯手当等これに類するものを含む。)、住宅手当及び通勤手当の支給状況を調査した結果をみると、それらの手当は職員の扶養手当、住居手当及び通勤手当の現行支給状況とほぼ見合うものとなっている。
(2) 特別給
 本院は、職種別民間給与実態調査により民間の特別給(ボーナス)の過去一年間の支給実績を精確に把握し、これに職員の特別給(期末手当・勤勉手当)の年間支給月数を合わせることを基本に勧告を行っている。この方式は、民間の特別給の支給状況が職員の特別給の支給月数に反映されるまでに一年以上の遅れを伴うものであるが、精確性や信頼性の点で評価されている。
 本年の職種別民間給与実態調査の結果、昨年五月から本年四月までの一年間において、民間事業所で支払われた賞与等の特別給は、別表第四に示すとおり、所定内給与月額の四・六九月分に相当しており、職員の期末手当・勤勉手当の年間の平均支給月数(四・七五月)を下回っている。

V 経済・雇用情勢等
1 最近の経済・雇用情勢
(1) 民間賃金指標等の動向
 「毎月勤労統計調査」(厚生労働省)によると、本年四月の所定内給与(事業所規模三〇人以上)は、昨年四月に比べ〇・三%増加したものの、所定外給与は所定外労働時間の減少を反映して〇・九%の減少となり、これらを合わせた「きまって支給する給与」は〇・二%の増加となっている。なお、パートタイム労働者を除く一般労働者では、所定内給与は〇・六%、きまって支給する給与は〇・五%の増加となっている。
 また、「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」(同省)によると、本年の平均賃上げ率(定昇込み)は二・〇一%となっている。これを産業別にみると、新聞・印刷(二・五四%)、電気機器(二・四九%)、建設(二・三七%)などが高く、電力(一・三二%)、ガス(一・四五%)、鉄鋼(一・四六%)などが低くなっている。
(2) 物価・生計費
 本年四月の「消費者物価指数」(総務省)は、昨年四月に比べ全国で〇・四%下落している。
 全国勤労者世帯の消費支出(総務省「家計調査」)は、概ね横ばいの状態が続いているが、本年四月は昨年四月に比べ名目五・〇%減となった。
 また、本院が家計調査を基礎に算定した本年四月における全国の二人世帯、三人世帯及び四人世帯の標準生計費は、それぞれ一七五、八八〇円、二〇六、六二〇円及び二三七、三六〇円となった。
(3) 雇用情勢
 完全失業率(総務省「労働力調査」)は、高い水準で推移しており、本年四月は、昨年四月と同じ四・八%(季節調整値)となっている。
 また、本年四月の有効求人倍率及び新規求人倍率(厚生労働省「一般職業紹介状況」)は、昨年四月に比べると、それぞれ〇・〇七ポイント、〇・〇六ポイント改善して〇・六二倍(季節調整値)、一・〇五倍(同)となっている。

2 各方面の意見等
 本院は、公務員給与の改定を検討するに当たって、厳しい諸情勢を踏まえ、東京のほか全国三三都市において、有識者、中小企業経営者等広く各界との意見交換を行ったほか、「国家公務員に関するモニター」(五〇〇人)を通じて、広く国民の意見の聴取に努めた。
 各界との意見交換においては、給与勧告制度の役割や官民比較方法については、概ね理解を得られ、妥当とする意見が多数みられたが、中小企業の実態をより反映すべきであるとの意見もあった。また、各地域に勤務する公務員の給与がその地域の民間給与と比較して高すぎるとの批判も出された。このほか、公務員給与は、能力・実績の要素を重視して決めるべきとする意見が大勢であったが、実際の評価が難しいのではないかという意見もみられた。
 また、前記モニターにおいては、公務員給与の決定方法として、民間準拠方式が妥当とする意見が約六割を占めたほか、公務員給与の制度とその運用について職員本人の能力・実績を重視すべきとする意見が九割以上を占めた。

W 本年の給与の改定等
1 改定の必要性
 本院は、本年の給与改定の検討に当たっては、以下のような事情を考慮することが必要であると考える。
(公務員給与の適正な水準の維持・確保)
 労働基本権制約の代償措置としての給与勧告の意義等から、官民給与の精確な比較による公務員給与の適正な水準の維持・確保が、昨年の給与法改正法案に対する国会の附帯決議をはじめ、各方面から強く求められている。
(民間事業所における給与改定状況)
 前記のとおり、民間事業所においては、厳しい雇用調整等の措置を行い、総額人件費の抑制に努めながら、約半数の事業所では、極めて低率・低額であってもベースアップを行い、従業員の給与処遇の維持・改善に努めていることが認められた。
(四現業職員の賃金改定)
 一般職の国家公務員約七九万人の約四割を占め、給与法適用職員と同じ公務組織で働く郵政、林野等四現業の職員約三一万人については、本年四月、当局側より〇・〇三%(平均九〇円)の賃金引上げの有額回答がなされた後、中央労働委員会により「〇・〇五%プラス六〇円」(平均〇・〇七%、二一〇円)の原資による基準内賃金の引上げの仲裁裁定が行われ、本年六月二十九日の閣議で仲裁裁定どおりの実施が了解されている。
(公務における効率化の努力)
 公務においては、行政需要が多様化し、業務が増大する中、これまでも累次の定員削減計画の実施等を通じて効率化の努力がなされてきた。さらに、本年一月の中央省庁の一府十二省庁体制への再編(官房・局や課等の総数の削減等)、本年四月からの八三事務・事業の独立行政法人への移行が行われたところであり、今後、行政組織の整理・合理化(課室の総数の削減、独立行政法人への更なる移行等)、定員の削減(一〇年間で二五%)など、一層の効率化が進められることとなっている。
 以上を総合的に勘案すると、ベースアップ中止やベースダウン、賃金カットを行っている事業所を含めた民間企業の四月分給与と精確に比較し算出された較差については、これを埋める形で均衡を図るよう所要の改定を行う必要がある。
 本年の官民給与の較差は昨年よりも更に小さく、世代間配分の適正化に留意しつつ、従来どおり配分にめりはりをつけた俸給表の改定を行うことは困難であり、また、諸手当についても、民間の各手当の支給状況と均衡していることから、改定の必要はないと判断した。
 また、特別給については、職種別民間給与実態調査の結果にもとづき、民間の特別給の支給月数に見合うよう、引き下げる必要があると判断した。
 本年の官民給与の較差については、俸給表や手当の改定等の措置をとることは適当ではないが、他方において、昨年の国会における附帯決議、四現業の賃金改定の状況や連年の特別給引下げに配慮すれば、来年以降生ずる官民給与の較差と合わせて俸給表や手当の改定等の措置をとることを前提に、その年額相当額を暫定的な一時金として支給することが適当と考える。

2 改定すべき事項
(1) 暫定的な一時金の支給
 行政職の職員の給与については、前記の官民給与の較差に相応する引上げを、暫定的な一時金の支給により行うものとする。当該一時金は、各職員とも原則同額とし、三月に支給するものとする。
 給与法に基づく他の俸給表の適用を受ける職員の給与についてもこれに準じて措置するものとする。なお、指定職俸給表の適用を受ける職員の給与については、民間企業との間に差が認められるものの、本年における事情等も勘案し、措置しないものとする。
(2) 期末手当・勤勉手当等の支給月数の引下げ
 期末手当・勤勉手当については、本年四月までの一年間における民間の特別給の支給割合との均衡を図るため、支給月数を引き下げる必要がある。
 また、指定職俸給表の適用を受ける職員に支給される期末特別手当については、期末手当を引き下げることとの均衡等を考慮し、支給月数の引下げを行うこととする。

3 公務員給与水準の在り方の検討
 先に述べたとおり、国家公務員給与の決定に当たって、企業規模一〇〇人以上、事業所規模五〇人以上の民間事業所の従業員給与と比較するという現行の官民比較方式は、民間給与の水準を適切に公務員給与に反映させるものとして、国民の理解と納得を得て定着してきたところである。
 公務員の給与は、全国の民間事業所に勤務する従業員の給与を基に、その水準を決定しているが、近年、各地域に勤務する公務員の給与をみると、その水準がその地域の民間給与に比べて高い場合があるのではないかとの指摘がなされている。その中には、調査対象となる民間事業所の従業員の給与がその地域の民間給与の実態を必ずしも的確に反映していないとの疑問から生じているものもある。
 公務員給与は国民の負担により賄われるものであり、特に、近時の民間の厳しい経済・雇用情勢を踏まえれば、指摘を受けるような地域の公務員給与の在り方については、実情を把握し、必要な是正に取組ことにより国民の理解を得ていく必要があると考えられる。
 国家公務員の場合は、都道府県を超えた異動も多く、円滑な人事異動を確保するためには、統一的な給与体系の下で、その水準を調整していくことが必要と考えられるが、その際、各地域の民間給与をより反映した給与水準とすることにも配慮していく必要がある。このため、民間給与の実態把握及び公務部内の給与配分の在り方について幅広く見直しを行い、こうした課題について、速やかに検討を進めることとしたい。

X 給与勧告実施の要請
 人事院勧告制度は、労働基本権を制約されている公務員の適正な処遇を確保することを目的とするものであり、マイナス方向の調整を含め、情勢適応の原則に則ったものとして、長年の経緯を経て国民の理解と支持を得ながら公務員給与の決定方法として定着し、行政運営の安定に寄与してきている。
 国会及び内閣におかれては、人事院勧告制度が公務の運営や労使関係の安定に果たしている役割や、給与勧告の内容が一般職国家公務員の給与を民間給与の水準に均衡させるものであることにも深い理解を示され、別紙第二の勧告どおり実施されるよう要請する。
(別表第1から第4は3めんに掲載)
別紙第二

 勧 告
 次の事項を実現するため、一般職の職員の給与に関する法律(昭和二十五年法律第九五号)を改正することを勧告する。

1 改定の内容
(1) 暫定的な一時金について
 ア 当分の間、三月一日(以下「基準日」という。)に在職する職員(指定職俸給表の適用を受ける職員、一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律第三条第一項第一号又は第二号の規定により任期を定めて採用された職員及び一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律第三条第一項の規定により任期を定めて採用された職員並びに一般職の職員の給与に関する法律第二二条第一項又は第二項の非常勤職員を除く。)に対し、同月の人事院規則で定める日において、基準日の属する年の前年四月一日から基準日までの期間におけるその者の在職期間等に応じて人事院規則で定める基準に従い、三、七五六円を超えない範囲内の額の一時金を支給すること。
 イ 基準日に休職されている職員、育児休業をしている職員等に対するアの一時金の支給について所要の措置を講ずることその他同一時金の支給に関し必要な措置を講ずること。
(2) 期末手当及び期末特別手当について
 十二月に支給される期末手当の支給割合を一・五五月分(特定幹部職員にあたっては、一・三五月分)とし、十二月に支給される期末特別手当の支給割合を一・五五月分とすること。

2 改定の実施時期
 この改定は、平成十三年四月一日から実施すること。

別紙第三
公務員人事管理について
1 公務員人事管理をめぐる動き
(1) 新たな行政システムの整備
 我が国の行政システムは、二十一世紀のスタートに合わせて大きく転換しつつある。本年一月から一府十二省庁へと中央省庁が再編成され、政治主導による行政運営を目指して、内閣機能の強化が図られるとともに、各府省に副大臣、大臣政務官制が導入されたほか、四月には、行政のスリム化、効率化に向けて多くの国立試験研究機関等が独立行政法人に移行した。
 また、行政運営の透明化と国民に対する説明責任の観点から、情報公開法が施行され、併せて各府省の政策評価の仕組みも整えられるなど、中央省庁体制の整備とあいまって、効率的で透明な国民本位の行政への転換が進められている。
(2) 厳しい社会経済情勢
 我が国の社会経済情勢の動向をみると、グローバリゼーションなどに伴う厳しい市場の競争に勝ち抜くため、民間企業は事業の再構築や従業員の削減などによる大胆なコスト管理の徹底等の経営努力を強めている。
 企業経営をめぐる環境変化は、民間企業の人事制度に大きな変革をもたらし、成果・業績を重視した賃金・人事体系への転換、流動性の拡大を視野に入れた雇用形態の多様化や自発的な能力開発の重視など、激しい変化に迅速・的確に対応できる人事マネジメントへの改革が進められている。
(3) 公務員人事管理に対する国民の声
 公務員の人事管理は、これまで、我が国の雇用風土の下で、新規学卒者の採用とその部内育成、終身雇用を基本に行われてきた。この枠組みを支えるものとして、採用試験の種類や年次を基礎に職員間の均衡を重視して昇進管理や処遇がなされ、その中で幹部への登用や人事配置は、T種試験採用職員を中心に行われてきた。
 こうした人事慣行は、閉鎖的な公務社会を維持し、国民の感覚から乖離した公務員を生む土壌となり、度重なる不祥事の要因となっているとの声が強くなっている。また、社会経済環境が厳しさを増す中、再就職について権限を背景とした「天下り」が行われているとの指摘や、公務員が身分保障に安住し、民間企業の従業員に比べて働き方に厳しさを欠いているとの批判が強まっている。
 急速な時代状況の変化の下、採用試験の別が将来の進路を左右しているとして採用試験やその後の選抜の在り方を見直すべきとの声や、官民間の人的交流の促進を通じ公務員の意識改革と公務社会におけるダイナミズムを求める声も高まっている。
(4) 人事院におけるこれまでの取り組み
 年次主義を基調とする固定的で閉鎖的な公務員人事管理をめぐる様々な歪みやこれらへの批判が強まる中で、人事院は、能力・実績を基本に据えた開放的な公務員人事管理への転換を目指し、次のような取り組みを行ってきた。
 すなわち、官民人事交流制度や任期付職員制度の導入を通じて官民間の人的交流の促進を図るとともに、多様な有為の人材の確保という視点から、専門的能力に着目した中途採用制度の導入やU種・V種等採用職員の登用の推進などの施策を講じてきた。
 また、「早期立ち上がり型」給与カーブへの修正や特別給(ボーナス)における査定部分の拡大などの能力・実績を重視した給与制度の推進を図ってきたほか、セクショナリズムの弊害を是正し、広い視野と柔軟な発想を持った人材を育成する観点から、全府省職員を対象とした合同研修の充実、海外留学の機会の拡大等に努めてきた。
 このほか、各府省に対する懲戒処分の指針の発出や公務員倫理法の適正な運用により服務規律の徹底を図るとともに、再就職規制の強化や在職期間の長期化の推進等による退職管理の見直し、苦情相談体制の整備やセクシュアル・ハラスメント防止対策の推進による職場環境の改善、女性国家公務員の採用・登用の拡大に向けての指針の発出等の取組を行ってきている。
(5)内閣官房における検討
 新たな府省体制の整備に併せ、行政を支える公務員の意識・行動原理を変革し、中央省庁等改革の成果をより確実なものにすることを目的として、内閣は公務員制度の改革に着手している。
 昨年十二月「行政改革大綱」が閣議決定され、本年一月には、内閣総理大臣を本部長とする行政改革推進本部が発足すると同時に、内閣官房に行政改革推進事務局が設けられた。三月二十七日に公務員制度改革に向けた内閣官房の方針として「公務員制度改革の大枠」が示され、六月二十九日には新たな公務員制度の骨格と検討課題を示す「公務員制度改革の基本設計」が、行政改革推進本部決定として取りまとめられている。
2 今後の公務員制度改革の視点
(1) 公務員制度の基本原理
 ア 公務員の中立・公正性
 公務員を国民全体の奉仕者とする憲法の基本理念の下で、現行の公務員制度においては、行政が特定の利益や勢力、情実に影響されることなく中立公正に行われるよう、成績主義に基づく採用及び昇進、各府省職員に対する統一的な養成研修、政治的中立性の保持等の厳正な服務規律など、公務員人事の中立性、公正性の確保が図られている。これを担保するため、中立第三者機関である人事院が客観的、統一的な基準の定立やその遵守の監視、事後審査等に当たるとともに、その内容に応じ自ら実施する役割を担っている。
 今日、閉鎖的な公務組織の打破を目指し、官民間の垣根を低くして流動性の拡大を図ることが要請されており、また、機動的、弾力的な人事管理の実現に向けて、各府省の主体性を高めていくことが求められている。こうした要請にこたえた人事管理を目指すに当たっては、公務員の中立性、公正性の視点に留意し、「国民全体の奉仕者」という公務員の基本理念と調和した制度としていく必要がある。
 同時に、新たな公務員制度においては、公務員が中立公正にその使命を全うするために設けられている身分保障に安住することなく、真に国民全体の奉仕者として、自己規律と研さんに努め、使命感と誇りを持って積極的に職責を果たすことを促がす仕組みとしていくことが重要である。
 イ 基本的人権たる労働基本権の制約
 現在の公務員制度の枠組みにおいては、国家公務員はその地位の特殊性及び職務の公共性にかんがみ労働基本権が制約されており、その代償措置として、人事院が労使の間に立って給与勧告や意見の申し出を行うとともに、職員の勤務条件に関わる各般の基準を設定する仕組みとなっている。労働基本権が国民の基本的人権として位置付けられている中で、公務員についてはこの代償措置が適正に発揮されることで、労働基本権を制約することの合憲性が維持されているところである。
 代償機能の発揮については、公務の特性を踏まえつつ公務員の勤務条件を社会一般の情勢に適応させることを基本としており、労使関係の安定と士気の維持に寄与するとともに納税者である国民の理解と納得を得ているものと考えている。
(2) 公務員制度改革の具体化に向けた協力
 今般の「公務員制度改革の基本設計」において、今後の改革の具体化に向けての協力が人事院に要請されている。国民が求める公務員人事管理システムへの転換を実現するため、人事院が担う立場を踏まえつつ、これまでに培ってきた専門的知識やノウハウ、問題意識を生かしながら、的確な協力を行っていくこととしたい。
 今回の公務員制度改革については、その要である能力・実績主義の人事管理の実現に向けて、全国に勤務官署を持つ公務組織において実質的に機能し得る評価システムと給与制度の設計が重要である。民間企業においても、新たな評価システムや給与制度を導入する場合には、従業員の理解と納得を得る努力がなされており、公務においても、関係当事者との間で十分な意思疎通を図り、評価の先行試行も含め適切なプロセスを経て、着実に検討が進められていく必要があると考えている。また、これらの新たな制度の導入に際しては、現在の制度の下で意図された能力・実績重視の理念が、各府省の人事管理の運用において十分に生かされなかった原因を分析し、その結果を踏まえて、制度とその運用があいまって現実に機能し得るものとしていくことが重要である。
 民間企業等への再就職規制の在り方については、国民の批判が寄せられている事項であり、国民の理解と納得の得られる仕組みとして設計される必要がある。また、退職管理については、高齢社会における公務組織の在り方の視点から、社会全体としての人材の有効活用も視野に入れつつ、各府省における人事管理の実情に応じ、能力・適性に基づく複線的な昇進管理を進め、幹部公務員の早期退職慣行の是正に向けて計画的に取り組む必要があると考えている。
 行政の複雑・高度化の下で、国民の期待にこたえる質の高い行政を実現するためには、専門性や独創性に富んだ人材の確保・育成が重要な課題となってきている。加えて、司法制度改革の一環として平成十六年四月にも法科大学院が設置されることとされており、これまで行政を目指した人材の多くが法曹を選好することも見込まれる。
 このような状況の下、学部卒の有為な人材を幹部要員として引き続き行政に確保できるよう、これらの者に対する人材養成の機会の充実策を含めてその誘致策を検討する必要が生じている。同時に、法科大学院をはじめ幅広い分野の大学院教育の修了者を行政に確保していくことも必須であり、これらの観点を踏まえ、採用試験の在り方を抜本的に見直すことが求められている。
 これらの検討に当たっては、新たな時代の要請にこたえ得る行政官として必要な基礎的能力・資質について改めて検証し、求める人材を確保するにふさわしい採用試験の位置付けや試験の内容、方法等について幅広い視点から検討を進める必要がある。
 人事管理システムは、職員一人一人の生き方、働き方を直接律するものであり、その改革を実現するためには、職員と人事管理当局の双方が、現状を改める必要性を深く認識し、強い決意でこれに臨むことが不可欠である。関係者は、共通の理解と納得の下に、国民から信頼される公務員制度を構築すべく、改革に精力的に取り組んでいくことが求められている。
(3) 環境変化の急速化等に対応した人事管理の推進
 ア 流動化等を踏まえた柔軟で開放的な人事管理
 我が国の社会経済構造が急速に変化する中で、環境変化への適応性を高めることが組織にとっての重要な課題となっている。公務員人事管理においても、変化の時代に対応した良質な行政サービスを提供していく観点から、行政環境の変化や労働市場の流動化、就業者の意識変化等への適応性を高めていくことが求められている。
 このような要請にこたえるためには、採用試験の種類や年次、事務官・技官の別によるのではなく、個々人の能力・実績と適性を的確に評価し、それに基づいた弾力的な人材活用や昇進管理、給与処遇等を一段と推進するとともに、最先端の専門知識や経営的感覚を持った民間の人材が広く公務の世界に入る一方、公務員が公務組織を離れて知識、経験を広げるなど、官民間の人的交流を促進していくことが重要である。柔軟で開放的な公務組織へ移行することにより、公務で働くことの魅力が高まり、有為な人材の確保に資するとともに、若手をはじめとする職員の閉塞感の払拭、士気の高揚が図られるものと考える。
 イ 各府省の主体的・機動的な人事管理
 社会経済の変化が加速する中で、企業活動の自由度を高める観点から、行政システム全体について事前規制から事後チェックへの転換が勧められている。公務における人事管理システムの在り方についても、公務員制度の基本原理に則りつつ、明確な基準の下で各府省が主体的・機動的に人事管理を行う方向に改めていく必要があると考えている。
 人事院としては、「行政改革大綱」及び「公務員制度改革の基本設計」を踏まえ、機動的、弾力的な行政運営を可能にする観点から、個別制度の趣旨を勘案しながら、事前に個別・詳細にチェックすることから明確な基準の設定とその遵守をチェックすることに移行することを基本として、適切に見直すこととしている。また、各種の人事管理事務の簡素化、合理化についても適切に進めていくこととしている。


3 喫緊の課題
 公務員制度改革全体の取り組みが進行している中で、行政をめぐる諸情勢の変化を踏まえ、その改革の理念に齟齬しない範囲において速やかな対応が必要な課題も生じている。
(1) 倫理研修の充実
 近時、公務員の倫理観を問われる不祥事が相次ぎ、国民の公務員に対する信頼が損なわれており、公務員の倫理観のかん養が一層強く求められている。
 このような状況にかんがみ、本府省の局長等の幹部公務員が各界の有識者を交えて行政及び行政官の在り方を基本に立ち返って考える機会としてこれまで行ってきた「幹部行政官セミナー」の充実を図る必要がある。
 また、公務員の倫理観のかん養を図る施策として、行政運営の第一線を担う課長補佐・係長クラスの職員を主な対象として、平成十二年度から施行させた国家公務員倫理法及び国家公務員倫理規程を踏まえつつ、個人の倫理観の確立とそれを基礎とした職場規律の保持に向けて、討議式による新たな倫理研修を開発し、これらの施策を通じて、公務の職場風土の改革を目指すことにより、公務に対する国民の信頼の回復に努めていくこととする。
(2) 女性国家公務員の採用・登用の拡大
 公務が女性の採用・登用の拡大に率先して取り組む必要があるとの認識の下に、人事院は本年五月に「女性国家公務員の採用・登用の拡大に関する指針」を発出した。男女共同参画推進本部(本部長・内閣総理大臣)は、本年六月、各府省においてこの指針を踏まえ、女性の採用・登用等の促進に向けた計画を策定するなど、総合的かつ計画的に取り組むことを決定した。
 今後、各府省は現状の把握及び分析を踏まえて、速やかに「女性職員の採用・登用拡大計画」を策定し、取組を推進していくこととなるが、人事院としても、次に述べるように職業生活と家庭生活の両立のための支援策の拡充に努めるほか、女子学生を対象とした募集活動などの取組を一層推進し、採用試験の合格者に占める女性の割合を高めるべく目標を設定することとしている。
 また、女性職員を対象に、その能力を十分に活用し、キャリア・アップが図られるよう、新たな研修を実施することとしている。
(3) 職業生活と家庭生活の両立のための条件整備
 男女共同参画社会の実現に向けては、男女が共に家庭責任を担いつつ、職業生活と家庭生活の両立を図り得るような環境整備を行うことが重要となっている。民間労働者については、育児に関する施策の拡充等を内容とする「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の改正法案が来年四月からの施行を目途として国会に提出されている。公務においても、同法案の施行に併せて両立のための支援策が充実されるよう、育児休業及び部分休業の対象となる子の年齢を三歳に達するまで延長するとともに、育児休業期間を任期の限度とする任期付任用等の代替要員確保策について措置する必要があると考えている。
 また、家族の介護のための休業について民間企業の状況をみると、多くの企業において三月を超える長期の休業を可能としており、公務においても介護休暇の取得可能期間を最大六月に延長することが適切と考えられる。
 このため、人事院は、本日、以上の施策を実施するために必要な法律の改正に関する意見の申出及び勧告を国会及び内閣に対して行う。
 このほか、人事院としては、育児や介護を行う職員の超過勤務の制限の強化について所要の措置を講じるとともに、子どもの看護に係る休暇についても、早期の導入に向けて検討を進めることとしたい。
 なお、「仕事と子育ての両立支援策の方針について」(平成十三年七月六日閣議決定)において、男性の育児休業取得の奨励が指摘されているところであり、人事院としても、公務における男性職員の育児休業取得について積極的な促進が図られるよう努める。
(4) 若手研究員の任期の弾力化
 国の試験研究機関における研究活動の活性化を人事管理面から支援するための方策の一つとして導入された「一般職の任期付研究員の採用、給与及び勤務時間の特例に関する法律」に基づく研究員の任期付採用については、同法の施行後四年が経過し、着実に活用が図られてきている。この任期付研究員制度について、更に弾力的な運用が可能となるよう、関係機関から「若手育成型」の任期の延長等についての要望が出されており、第二期科学技術基本計画(平成十三年三月三十日閣議決定)等において必要な措置を講じることが求められている。
 このような要請を踏まえ、制度の運用の実態も勘案して、研究活動の一層の活性化に資するため、同法に関し次の事項について検討を進めているところであり、成案を得た上で、別途勧告を行うこととする。
@ 「若手育成型」の任期について、現行の原則三年以内を五年以内とすること。また、特に必要があると認められるときは、一定の期間内で延長することができることとすること。
A かつて「若手育成型」として採用された者について、一定の条件の下で再度「若手育成型」として採用することができることとすること。
B 以上の改正に併せて、給与水準の必要な見直しを行うこと。


声明

 1、人事院は本日、政府と国会に対して、官民給与の較差を解消する暫定的措置や一時金を〇・〇五月削減する給与勧告、職業生活と家庭生活の両立支援策に関わる意見の申出と勧告を行った。
 二〇〇一人事院勧告期の取り組みに当たってわれわれは、春闘結果や公務員制度改革をめぐる厳しい情勢を踏まえつつも、@三年連続の年収マイナスを阻止する観点から、生活を維持・防衛するベア勧告を実現し一時金支給水準を確保することA職業生活と家庭生活の両立支援策を確立すること、などを重点課題に据え、公務員制度改革や参議院選挙をめぐる取り組みなどと併行して、ぎりぎりの段階まで要求実現を目指して粘り強い取り組みを組織してきた。
 2、本年の給与勧告は、@官民較差を解消する暫定的措置が行われたとはいえ二年連続で俸給表改定が見送られたことA最小の月数ではあるがまたしても一時金が削減され三年連続の年収マイナスとなったことなど、生活防衛の要求や取り組みの経過に照らして極めて不満であり、遺憾な内容である。また、報告の中で「民間給与実態調査や地域配分のあり方の見直し」を進めるとしているが、このことは単に国家公務員の給与水準・制度の問題に止まらず採用・任用制度のあり方にも関わり、地方公務員にも直接・間接に影響を及ぼす大きな問題である。人事院に対しては、現在検討が進められている公務員制度改革との整合性も含め、慎重かつ、われわれとの十分な交渉・協議と合意に基づく検討作業を強く求めていかなければならない。
 職業生活と家庭生活の両立支援のための育児・介護に関わる具体策が意見の申出・勧告されたことは、取り組みの結果として評価することができる。しかし、子どもの看護休暇など規則改正事項や育児休業の男性取得促進のための具体策等は、秋以降の課題として残された形となっており、改めて取り組みを強化していかなければならない。
 3、本年の勧告の取り扱いをめぐっては、現在、人事院のあり方や賃金・労働条件決定制度のあり方自体の検討が進められている過渡的な状況にあるが、それらの結論が得られるまでは、政府が労働基本権制約の代償措置としての現行の人事院勧告制度を尊重する姿勢にたって対処することは当然のことと考える。また、両立支援策は公務が全体をリードする立場に立って早急に実施すべきものである。
 以上のことからわれわれは、給与改定の内容が生活防衛の側面から見て厳しいものではあるが、政府が本年の勧告・意見の申出通り実施することを求めるものである。
 4、本年の国・地方の確定闘争は、小泉内閣の構造改革路線が具体化される中で極めて不透明な情勢のもとでの取り組みとなることが予想される。われわれは、これから本格化する独立行政法人や政府関係法人等の確定闘争を含め、連合及び連合官公部門連絡会と連携しながら、全力で闘い抜いていかねばならない。
 同時に、公務員制度改革をめぐる取り組みは、本年の秋季年末闘争で重要な局面を迎えることとなる。十二月の「大綱」に向けて、われわれの明確な対案を対置しながら政府との交渉・協議を本格的に進めるとともに、労働基本権の確立と民主的で抜本的な公務員制度改革の実現に向けた国民的な運動を大きく前進させ、連合官公部門の「提言」の実現に向けて連合とともに全力で取り組みを進めていかなければならない。
二〇〇一年八月八日
公務員労働組合連絡会


国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出及び一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の改正についての勧告
  平成十三年八月八日
衆議院議長 綿貫 民輔殿
参議院議長 井上  裕殿
内閣総理大臣 小泉純一郎殿
         人事院総裁 中島 忠能

 男女共同参画社会の実現に向けて、家族を構成する男女が共に家庭生活における責任を担いつつ、職業生活と家庭生活の両立を図り得るような環境の整備が重要な課題となっている。とりわけ、少子・高齢化、核家族化等が進展する中で、職員が仕事と育児・介護を一層容易に両立できるようにすることは大きな課題である。このため、育児や家族の介護を行う職員の負担を軽減するための措置の拡充を図ることによって、職員の継続的な勤務を促進し、もって職員の福祉を増進するとともに、公務の円滑な運営を図る必要がある。
 人事院は、このような観点から、別紙のとおり育児休業等に関する制度及び介護休暇に関する制度を改正することが適当と認めるので、国家公務員法第二三条の規定に基づき、国家公務員の育児休業等に関する法律を改正されるよう意見を申し出るとともに、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律第二条第一号の規定に基づき、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の改正について勧告します。

 この意見の申出及び勧告に対し、国会及び内閣が、その実現のため、速やかに所要の措置をとられるよう切望します。

別紙
 国家公務員の育児休業等に関する法律及び一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律に関する改正要綱

第1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項
1 育児休業の対象となる子の年齢の引上げ
 育児休業の対象となる職員の養育する子の年齢については、三歳未満とすること。
2 代替要員の確保措置
 任命権者は、育児休業の承認又は育児休業の期間の延長の請求があった場合において、当該請求に係る期間について既存の職員の配置換えその他の方法によって当該請求した職員の業務を処理することが困難であると認めるときは、当該請求に係る期間を任用の期間の限度とした人事院規則の定める任期を定めた採用又は当該請求に係る期間のうち一年(当該請求に係る期間が一年に満たないときは当該期間)を任用の期間の限度とした臨時的任用を行うことができるものとすること。
3 部分休業の対象となる子の年齢の引上げ
 部分休業の対象となる職員の養育する子の年齢については、三歳未満とすること。
4 経過措置
 (1) 三歳に満たない子を養育する職員のうち、この改正の実施の日以前に育児休業をした後職務に復帰した者(この改正の実施の際現に育児休業をしている者を除く。)については、任命権者の承認を受けて、当該子(二人以上の子について育児休業をしたことがあるときは、直近の育児休業に係る子に限る。)を養育するため、当該子が三歳に達する日まで、再度の育児休業をすることができるものとすること。
 (2) この改正の実施の日前に育児休業の期間の延長が認められ、この改正の実施の際現に育児休業をしている職員については、任命権者の承認を受けて、当該育児休業の期間について再度の延長をすることができるものとすること。

第2 一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律に関する事項
1 介護休暇の期間の延長
 介護休暇の期間については、要介護状態(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律第二十条第一項に規定する者の各々が同項に規定する介護を必要とする一の継続する状態)ごとに、連続する六月の期間内において必要と認められる期間とすること。
2 経過措置
 一の要介護状態について最初に介護休暇をした日から起算して六月を経過する日(六月経過日)がこの改正の実施の日以後である者については、同日から六月経過日までの期間内において必要と認められる期間を当該要介護状態に係る介護休暇の期間とすること。

第3 実施時期
 この改正は、平成十四年四月一日から実施すること。

国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出及び一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の改正についての勧告の説明
平成十三年八月八日
人事院

 人事院は、育児休業等に関する制度及び介護休暇に関する制度を改正することが適当であると認め、本日、国会及び内閣に対し、国家公務員法第二三条の規定に基づき、国家公務員の育児休業等に関する法律の改正についての意見の申出を行うとともに、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律第二条第一号の規定に基づき、一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の改正についての勧告を行った。

 男女共同参画社会の実現に向けて、家族を構成する男女が共に家庭生活における責任を担いつつ、職業生活と家庭生活の両立を図り得るような環境の整備が重要な課題となっている。とりわけ、少子・高齢化、核家族化等の進展する中で、職員が仕事と育児・介護を一層容易に両立できるようにすることは大きな課題である。このため、育児や家族の介護を行う職員の負担を軽減するための措置の拡充を図ることによって、職員の継続的な勤務を促進し、もって職員の福祉を増進するとともに、公務の円滑な運営を図る必要がある。
 人事院は、昨年八月の給与勧告の際に報告したとおり、介護に専念できる期間の延長等、職員の職業生活と家庭生活の両立を図るための措置について総合的に検討を進めてきたところである。民間労働者について育児に関する措置の拡充等を内容とする「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案」が国会に提出されたこと、民間企業において三月を超える介護休業取得可能期間を有する割合が高まっていること等の状況を踏まえ、今般、育児休業及び部分休業の対象となる子の年齢の引上げ並びに介護休暇の期間の延長を行おうとするものである。
 改正の内容等は、別紙のとおりである。

別紙
 国家公務員の育児休業等に関する法律及び一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の改正に関する説明

第1 国家公務員の育児休業等に関する法律に関する事項
1 育児休業の対象となる子の年齢の引上げ
 育児休業の対象となる職員の養育する子の年齢については、三歳未満とすること。
【説明】
 現在、職員は、任命権者の承認を受けて、当該職員の一歳に満たない子を養育するため、当該子が一歳に達する日まで、育児休業をすることができることとされているが、職員の仕事と育児の両立にかかる負担を軽減し、その勤務の継続を図り、もって職員の福祉を増進するとともに公務の円滑な運営に資するため、育児休業の対象となる子の年齢を三歳未満とし、当該子が三歳に達する日まで、育児休業をすることができることとするものである。

2 代替要員の確保措置
 任命権者は、育児休業の承認又は育児休業の期間の延長の請求があった場合において、当該請求に係る期間について既存の職員の配置換えその他の方法によって当該請求をした職員の業務を処理することが困難であると認めるときは、当該請求に係る期間を任用の期間の限度とした人事院規則の定める任期を定めた採用又は当該請求に係る期間のうち一年(当該請求に係る期間が一年に満たないときは当該期間)を任用の期間の限度とした臨時的任用を行うことができるものとすること。
【説明】
 育児休業の請求をした職員の代替要員の確保措置については、公務の円滑な運営を確保し、職員が育児休業の制度を利用しやすくする観点から、現在、育児休業の期間における臨時的任用が措置されているが、育児休業の対象となる子の年齢を三歳未満に引き上げることに対応した代替要員の確保措置として、当該期間を任用の期間の限度とした人事院規則の定める任期付採用を新たに措置するとともに、従前どおりの臨時的任用も一年を限度として可能とすることとするものである。

3 部分休業の対象となる子の年齢の引上げ
 部分休業の対象となる職員の養育する子の年齢については、三歳未満とすること。
【説明】
 現在、各省各庁の長は、職員が請求した場合において、公務の運営に支障がないと認めるときは、当該職員が一歳に満たない子を養育するため一日の勤務時間の一部について勤務しないこと(部分休業)を承認することができることとされているが、育児休業の対象となる子の年齢の引上げと同様の趣旨から、部分休業の対象となる子の年齢を三歳未満とするものである。

4 経過措置
 (1) 三歳に満たない子を養育する職員のうち、この改正の実施の日以前に育児休業をした後職務に復帰した者(この改正の実施の際現に育児休業をしている者を除く。)については、任命権者の承認を受けて、当該子(二人以上の子について育児休業をしたことがあるときは、直近の育児休業に係る子に限る。)を養育するため、当該子が三歳に達する日まで、再度の育児休業をすることができるものとすること。
【説明】
 育児休業の承認の請求については、同一の子について、既に育児休業をしたことがあるときは、特別な事情がある場合を除き、することができないこととされているが、今般、育児休業の対象となる子の年齢を一歳未満から三歳未満に引き上げることに伴い、既に子が一歳に達する日までの育児休業をした後職務に復帰した者については、当該子について再度の育児休業をすることができるようにするものである。
 (2) この改正の実施の日前に育児休業の期間の延長が認められ、この改正の実施の際現に育児休業をしている職員については、任命権者の承認を受けて、当該育児休業の期間について再度の延長をすることができるものとすること。
【説明】
 育児休業の期間の延長については、特別な事情がある場合を除き、一回に限るものとされているが、今般、育児休業の対象となる子の年齢を一歳未満から三歳未満に引き上げることに伴い、既に育児休業の期間の延長が認められ、この改正の実施の際現に育児休業をしている職員については、当該育児休業の期間について再度の延長をすることができるようにするものである。

第2 一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律に関する事項
1 介護休暇の期間の延長
 介護休暇の期間については、要介護状態(一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律第二十条第一項に規定する者の各々が同項に規定する介護を必要とする一の継続する状態)ごとに、連続する六月の期間内において必要と認められる期間とすること。
【説明】
 現在、介護休暇の期間は、職員の配偶者、父母、子、配偶者の父母等一定の親族の各々が負傷、疾病又は老齢により介護を必要とする一の継続する状態ごとに、連続する三月の期間内において必要と認められる期間とされているが、民間企業における介護休業取得可能期間の状況(六月以上の企業が従業員割合で五六・九%)を踏まえ、職員の仕事と介護の両立にかかる負担を軽減し、その勤務の継続を図り、もって職員の福祉を増進するとともに公務の円滑な運営に資するため、介護休暇の期間を連続する六月の期間内において必要と認められる期間とするものである。

2 経過措置
 一の要介護状態について最初に介護休暇をした日から起算して六月を経過する日(六月経過日)がこの改正の実施の日以後である者については、同日から六月経過日までの期間内において必要と認められる期間を当該要介護状態に係る介護休暇の期間とすること。
【説明】
 今般、介護休暇の取得可能な期間を「三月」から「六月」に延長することに伴い、一の要介護状態について既に「三月」の介護休暇の取得可能な期間が終了した者及び現在当該期間中の者については、この改正の実施の日から六月経過日(最初に当該介護休暇をした日から起算して六月を経過する日)までを当該要介護状態に係る介護休暇の取得可能な期間とするものである。

第3 実施時期
 この改正は、平成十四年四月一日から実施すること。
【説明】
 この改正は、民間労働者についての育児に関する措置の拡充等を内容とする「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律の一部を改正する法律案」の施行期日とされている平成十四年四月一日から実施することとするものである。
以 上


公務員給与改定の勧告に当たって

人事院総裁談話(平成十三年八月八日)

1 本日、人事院は、国会及び内閣に対し、公務員給与の改定を勧告しました。
 本年は、引き続き厳しい経済・雇用情勢の中で、官民の給与較差が昨年を更に下回り、極めて低率となっています。人事院としては、こうした状況の下で、民間企業の給与改定や四現業の賃金改定等の諸事情も踏まえ、とるべき措置について慎重に検討を行いました。
 その結果、特別給(ボーナス)を〇・〇五月分引き下げるとともに、昨年に引き続き基本給(俸給表)の改定を行わず、官民給与較差に見合った年額相当額を暫定的な一時金として支給することとしました。これにより、職員の年間給与は三年連続で減少するという、厳しい勧告内容となっています。
2 人事院の給与勧告は労働基本権制約の代償措置であり、公務員給与については民間給与の動向を的確に反映させることが要請されています。
 完全失業率が過去最悪の水準で推移するなど極めて厳しい経済・雇用情勢の下で、民間企業においては、引き続き給与抑制や雇用調整等の懸命な合理化努力が続けられています。
 公務においても、引き続き行政組織の整理・合理化、定員の削減などに取り組んでいるところですが、職員各自がコスト意識を持ち、勤務能率の向上・業務改善に取り組むなど、業務遂行に当たって今後一層の効率化が求められていると考えられます。
 人事院は、このような状況を踏まえつつ、国会の附帯決議で精確な官民比較による公務員給与の適正な水準の確保が求められていること、郵政等四現業職員については賃金改定の実施が決定していること、約半数の民間企業では低率・低額ではあっても給与改善が行われていることなどを総合的に勘案し、上記のような給与改定を行うことが適当と判断しました。
3 近年、各地域に勤務する公務員の給与水準について、その地域の民間給与の実態を必ずしも的確に反映していないとの指摘があるところです。公務員給与は広く国民の理解が得られるものであることが基本であり、人事院としても、地域における民間給与の実態把握や公務部内の給与配分の在り方について、関係各省等の協力を得て、速やかに検討を進めていくこととしています。
4 また、本年は、職業生活と家庭生活の両立の支援策を充実するため、育児休業等の対象となる子の年齢の引上げ、介護休暇の期間の延長等についても、意見の申出及び勧告を行いました。
5 今日、公務員をめぐる国民の厳しい批判、行政環境の急速な変化等がみられ、これに対応するため、厳正な規律の保持とともに、能力・実績を基礎とした弾力的な人材活用や開放的な公務組織への移行が求められていると考えます。
 現在進められている公務員制度改革の基本設計の具体化については、人事院としての基本的立場を踏まえつつ、これまで培ってきた専門知識等を生かし的確に協力していくこととします。
6 公務員の給与については、人事院勧告により、情勢適応の原則に従い、マイナス方向の調整を含め適切に決定することが、国民の理解を得る上で重要であると確信します。
 公務員諸君においては、三年連続で年間給与マイナスという厳しい内容の勧告となったところですが、厳しい社会情勢の下で、改めて、全体の奉仕者としての使命を自覚し、国民の公務に寄せる期待と要請にこたえるよう、一層職務に精励されることを要望します。
 国民各位におかれては、人事院が行う勧告の意義と公務員が行政各部においてそれぞれの職務を通じ、国民生活を支えている実情について深いご理解をいただきたいと思います。


給与勧告についての説明

本年の給与勧告のポイント

 @民間の動向に合わせ、ボーナス(期末手当・勤勉手当)を〇・〇五月分引き下げます(三年連続引下げ)。
 A昨年に引き続き俸給表(基本給)の改定を行わず、官民給与の較差に見合った年額相当額を暫定的な一時金として平成十四年三月に支給します。
 〜職員の平均年間給与は三年連続で減少【▲一・六万円(▲〇・二%)】

1 官民給与の較差等
 人事院は、毎年、公務と民間において各個人に支給された四月分の給与額を詳細に調査し、職種、役職段階、年齢など主な給与決定要素を同じくする者同士の給与額を対比させ精確に比較(ラスパイレス方式)して、官民の給与較差を算出しています。本年の比較の結果、民間給与が公務員給与(行政職)を一人当たり平均三一三円(〇・〇八%)上回っていることが認められました。なお、この官民較差は、ベースアップの中止やベースダウン、賃金カット等を行っている事業所も含めた民間事業所の従業員の実際の給与との比較で得られたものです。
 一方、民間のボーナス(賞与等の特別給)の年間支給割合は四・六九月であり、公務員のボーナス(期末手当・勤勉手当)の平均支給月数四・七五月を下回っていました。

2 本年の給与改定の考え方
 本年の給与勧告に当たって、人事院は、完全失業率が過去最高水準にあるなど引き続き厳しい経済・雇用情勢の下、職種別民間給与実態調査を通じ、民間の給与改定や雇用調整等の状況について幅広く調査するとともに、有識者や企業経営者等各方面の意見を広く聴取(東京のほか全国三十三都市において意見交換)した上で、様々な角度から検討を重ねました。
 その結果、月例給については、昨年に引き続き俸給表(基本給)の改定を行わず、官民給与の較差に相応する引上げについては、その年額を暫定的な一時金として支給することとしました。
 このような結論に至った考え方のポイントは、次のとおりです。
〈改定の必要性〉
 @公務員給与の適正な水準の確保(国会附帯決議)
 給与勧告は、労働基本権制約の代償措置として、公務員の給与水準を民間の給与水準に合わせることを基本として行われているものです。そこで、官民給与の精確な比較による公務員給与の適正な水準の維持・確保が、昨年の給与法一部改正法案の審議の際の衆議院内閣委員会及び参議院総務委員会の附帯決議をはじめ、各方面から求められています。
 A約半数の民間事業所でベア実施
 職種別民間給与実態調査の結果によると、約半数の民間事業所では、厳しい雇用調整等の措置を行い、総額人件費の抑制に努めながら、極めて低率・低額であってもベースアップを行い、従業員の給与処遇の維持・改善に努めていることが明らかになっています。
 なお、昨年の調査結果と比べて、雇用調整等を実施した事業所の割合は、全般的に減少しています。
 B四現業職員はベア完全実施が決定
 人事院勧告の対象となる給与法適用職員と同じように公務組織で働く、郵政、林野等四現業の職員(約三十一万人)については、本年四月、政府側より〇・〇三%(平均九〇円)の賃金引上げの回答がなされた後、中央労働委員会による仲裁裁定どおり(平均〇・〇七%、二一〇円)の賃金引上げの実施が、本年六月二十九日の閣議で了解されています。
 C公務における効率化の努力
 公務においては、従来より、業務が増大する中で、定員削減計画の実施等により効率化の努力がなされてきたところです。また、本年一月には中央省庁の再編、四月には八十三事務・事業の独立行政法人への移行が行われ、今後も、行政組織の整理・合理化や定員の削減(十年間で二五%)など一層の効率化のための取り組みが進められることとなっています。
 人事院は、以上の事情を総合的に判断して、官民の月例給の精確な比較により算出された較差については、これを埋める形で官民の均衡を図るよう所要の改定を行う必要があると認めました。
〈俸給表、諸手当の改定は見送り〉
 本年の官民給与の較差は昨年よりも更に小さく、世代間配分の適正化に留意しつつ、従来どおり配分にめりはりをつけた俸給表の改定を行うことは困難であり、また、本年は、諸手当についても、民間の各手当の支給状況と均衡していることから、改定の必要性はないと判断しました。
〈暫定的な一時金の支給〉
 このように、俸給表や手当の改定などの措置をとることは適当ではないと判断しましたが、昨年の国会における附帯決議、四現業職員の賃金改定の状況や連年のボーナスの引下げに配慮すれば、官民較差を何らかの形で埋める必要があると認められ、その年額相当額を暫定的な一時金により支給することが適当であると判断しました。なお、この一時金と来年以降生ずる官民給与較差とを合わせて、俸給表や手当の改定等の措置をとることを予定しています。
〈民間ボーナスの支給月数に合わせた特別給の引下げ〉
 職員のボーナスの支給月数については、職種別民間給与実態調査の結果に基づき、民間ボーナスの支給月数に見合うよう、〇・〇五月分引き下げる必要があります(三年連続の引下げ)。

3 給与改定の内容
 @暫定的な一時金の支給
 官民給与の較差に相応する引上げを、暫定的な一時金の支給により行います。この一時金は、各職員とも原則同額とし、三月に三、七五六円を支給するものとします。
 具体的には、指定職俸給表及び各任期付俸給表の適用者、給与法第二二条の非常勤職員を除き、三月一日(基準日)に在職するすべての職員に支給します。
 ただし、無給の休職者等基準日に給与を支給されない者(育児休業者を除く。)に対しては支給しません。育児休業者に対しては、社会的要請等を踏まえ、現に勤務した期間について、支給できるよう措置します。
 中途採用者等については、次のとおり、在職期間等に応じて支給します。
ア 年度内の中途採用者  在職期間の月数に応じて支給します、
イ 基準日に在職する有給の休職者・派遣職員
 休職給等の支給割合に応じて支給します。
ウ 再任用短時間勤務職員 勤務時間比例で支給します。
 なお、基準日までの間に、無給の休職、育児休業等により、月の全日が無給である月がある場合には、当該月は在職期間から除算して支給します。
 A期末手当及び期末特別手当
 本年四月までの一年間における民間ボーナスの支給割合との均衡を図るため、期末手当の支給月数〇・〇五月分を十二月期で引き下げることとします。
 また、本府省局長等の指定職俸給表を適用される職員に支給される期末特別手当についても、期末手当との均衡等を考慮し、十二月期で〇・〇五月分を引き下げ、年間三・五五月とします。

4 給与例
 この勧告が実施されると、職員(行政職)の平均で、勧告前の年間給与六百三十九万一千円が勧告後では六百三十七万六千円となり、約一万六千円(〇・二%)の減となります。
 また、この三年間における給与の減少額は約十八万円となります。
 主な職務段階の給与例は次のとおりです。
5 公務員給与水準のあり方の検討
 公務員の給与は、全国の民間事業所に勤務する従業員の給与を基に決定されていますが、近年、各地域に勤務する公務員の給与水準が、その地域の民間給与に比べて高い場合があるのではないか、職種別民間給与実態調査の対象となる民間事業所の従業員の給与がその地域の民間給与の実態を必ずしも的確に反映していないのではないかとの指摘や疑問等がみられます。
 国家公務員の場合は、都道府県を超えた異動を円滑に行うため、統一的な給与体系の下でその水準を調整していくことが必要と考えられますが、その際、各地域の民間給与をより反映した給与水準とすることにも配慮していく必要があります。人事院では、民間給与の実態把握や公務部内の給与配分の在り方について、関係各省等の協力を得て、速やかに検討を進め、幅広く見直しを行うこととしています。


給与勧告の仕組み等についての説明

Q1 人事院勧告の意義は何か
A 公務員は民間企業の勤労者とは異なり、争議権や団体交渉権など憲法で保障された労働基本権が制約されており、労使交渉等を通じて自らの給与の決定に参画することができないことから、その代償措置として国会と内閣に対する人事院の給与勧告が設けられています。
 この勧告は、従来から公務員の給与を民間の従業員の給与水準に合わせること(民間準拠)を基本として行われてきています。勧告の実施により公務員に対し社会一般の情勢に適応した適正な給与を確保することは、労使関係の安定を図り、公務の円滑な運営を維持する上での基盤となっています。
 また、本年は、昨年に引き続き俸給表の改定を見送りましたが、例年、給与勧告では、民間の状況を参考にして、給与カーブを修正したり、昇給や諸手当などの給与制度を見直ししながら、給与配分の適正化にも努めています。

Q2 なぜ民間準拠方式をとるのか
A 人事院が民間準拠を基本に勧告を行っている理由は、@国は民間企業と異なり、市場原理による給与決定は困難であること、A公務員も勤労者であり、社会一般の情勢に適応した適正な給与の確保が必要であること、B公務員給与は国民の負担で賄われていることなどから、その時々の雇用情勢をも反映している民間企業従業員の給与に公務員給与を合わせていくこと、即ち、「世間相場」により適切に決定するのが最も合理的であり、職員をはじめ広く国民の理解を得られる方法であると考えられることによるものです。
 人事院は本年もこのような民間準拠の考え方に基づき、厳しい民間給与の状況を反映した勧告を行い、その結果、本年の勧告は、公務員の年間給与が三年連続でマイナスとなる勧告となっています。
Q3 給与勧告はどのような職員を対象としているのか
A 人事院の給与勧告は、給与法の適用を受ける非現業の一般職国家公務員約四十九万人が直接の対象となりますが、国会職員、裁判所職員、自衛官などの特別職国家公務員、地方公務員、さらには特殊法人等職員、学校・病院職員などの多くも給与勧告に準じて給与が決められており、多くの雇用者等が給与勧告の影響を受けていると考えられます。
Q4 官民給与の比較はどのように行うのか
A 官民の給与を比較する場合には、単純な平均給与額によるのではなく、官民ともに個々人の主な給与決定要素である職種(仕事の種類)、役職段階、学歴、年齢などを同じくする者同士を対比させることが適切です。
 このため、人事院は、毎年、「国家公務員給与等実態調査」及び「職種別民間給与実態調査」を実施して官民の四月分給与を的確に把握し、給与決定要素を同じくすると認められる者同士の給与額について、精確な比較(ラスパイレス方式)を行い、公務員の給与水準と民間の給与水準の間の較差を算出し、その較差を埋めることを基本に勧告を行っています。
 なお、民間給与の実態については、厚生労働省、国税庁等の機関でそれぞれの行政目的にしたがって調査が行われていますが、これらの調査からは、上記のようなラスパイレス方式による比較に必要なデータが得られないため、人事院として調査を行っています。
Q5 経営環境の厳しい企業の給与も調査しているのか
A 職種別民間給与実態調査は、企業規模百人以上、かつ、事業所規模五十人以上の全国の民間事業所約三万四千のうちから、統計手法に則って無作為抽出した約七千五百の事業所を対象に、人事院の職員等が直接、民間事業所に出向き、実地に調査を行っています。
 職種別民間給与実態調査の対象事業所の規模については、特に地方においては小規模の企業まで含めて調査すべきであるとする意見、国の組織・人員構成等からみて大企業と比較すべきであるとする意見の両方の意見がありますが、現行の調査対象は、会社組織の民間企業の常用雇用従業員の過半数をカバーしており、長年の経緯を経て、定着しているものと考えられます。
 また、給与改定の有無にかかわらず調査を行っており、官民較差には、ベースアップの中止、ベースダウン、定期昇給の停止、賃金カットなどの給与抑制措置が行われた事業所、さらには更正手続中の会社などの状況も反映されています。
 なお、職種別民間給与実態調査の調査完了率は、民間の経営環境が厳しい中においても、各民間事業所の協力を得て、本年も九四・〇%と極めて高く、業績の良い企業や給与改定を行った企業の給与のみが調査結果に反映されているようなことはありません。

Q6 民間企業は厳しい状況であるのに、なぜ例年どおり、調査を行ったのか
A 公務員給与を常に適正な水準に保つためには、好景気の時も不景気の時も民間の給与の実態を精確に把握しておく必要があります。このため、国家公務員法は人事院に対して、毎年、公務員給与が適正かどうか国会・内閣へ報告することを義務付けています。
 本年は、依然として厳しい状況にある各企業の対応を的確に把握するため、ベースアップ中止や賃金カット等を含めた給与改定状況や、採用の停止・抑制や希望退職者の募集など雇用調整等の実施状況について詳細に調査したほか、東京のほか全国三十三都市での有識者、中小企業経営者等との意見交換、「国家公務員に関するモニター」等を通じて、国家公務員の給与等について広く国民の意見の聴取にも努めました。

Q7 給与改定をするには、国は合理化努力が足りないのではないか
A 職種別民間給与実態調査においては、民間企業の雇用調整等の実施状況についても調査しており、その結果からは、多くの民間企業において、厳しい経営環境の下、人員の縮小、経費の縮減等様々な経営努力を行いつつ、従業員の給与処遇の維持・改善に努めていることが明らかになっています。公務においても、行政需要が多様化し、業務が増大する中で、累次の定員削減計画の実施等により効率化の努力がなされています。本年一月には、中央省庁の一府二十二省庁から一府十二省庁への再編(官房・局や課等の総数の削減)が行われ、また、四月には八十三事務・事業の独立行政法人(五十七法人)への移行が行われたところです。
 今後も、行政組織の整理・合理化(課室の総数の削減、独立行政法人への更なる移行等)、定員の削減(平成二十三年三月末までの十年間で二五%の純減)など、一層の効率化への取組が進められることとなっています。


給与勧告の骨子

○本年の給与勧告のポイント
 @期末・勤勉手当(ボーナス)の引下げ(▲0.05月分)
 A俸給表の改定を行わず、官民給与の較差に見合った年額相当額を暫定的な一時金(3,756円)として支給
 〜平均年間給与、3年連続の減少(▲1.6万円(▲0.2%))
 引き続き厳しい諸情勢の下にある民間企業の給与抑制措置・雇用調整等の実施状況について幅広く調査・把握するとともに、有識者、企業経営者等の意見を広く聴取し、公務員の給与改定について検討

1 給与勧告の基本的考え方
 〈給与勧告の意義〉 労働基本権制約の代償措置、労使関係の安定等能率的公務運営の基盤
 〈民間準拠方式〉  市場原理による決定が困難、社会一般の情勢に適応した処遇の確保
           雇用情勢も反映している民間給与に均衡させるのが最も合理的
2 官民給与の比較
  約7,500民間事業所の約44万人の個人別給与を実地調査(完了率94%)
 〈月例給〉  官民の4月分給与を調査(ベア中止、賃金カット等を実施した企業の状況も反映)
        単純な平均値ではなく、職種、役職段階、年齢など給与決定要素の同じ者同士を比較
 〈ボーナス〉 過去1年間の民間の支給実績(支給月数)と公務の年間支給月数を比較
 ○官民較差(月例給)313円 0.08%〔行政職(一)・(二)現行給与379,836円平均年齢40.7歳〕
3 改定の考え方
 ・官民給与の精確な比較による適正な公務員給与水準の維持の要請(昨年の国会附帯決議)
 ・民間の改定状況
  〜約半数(52.3%)の事業所で、雇用調整等を行いつつ、低率であってもベア実施
 ・四現業職員(約31万人)はベア完全実施が決定(0.07%、210円)
 ・行政組織の整理・合理化・定員削減(10年間で25%削減)等公務における業務効率化の努力
 ・連年のボーナスの引下げ
 などを考慮すると、月例給について算出された較差についてはこれを埋める形で均衡を図るよう所要の改定が必要
 〈俸給表、既存の手当の改定は行わず、暫定的な一時金により措置〉
 ・官民給与の較差が昨年よりもさらに小さく、配分にめりはりをつけた俸給表の改定は困難
 ・諸手当についても、民間の支給状況と均衡しており改定は不要
 ・官民較差を埋めるために、来年以降生じる官民給与較差と合わせて俸給表や手当の改定等の措置をとることを前提に、その年額相当額を暫定的な一時金として支給
  暫定的な一時金 年額3,756円(月額313円相当)
 〈ボーナスは民間の支給月数に見合うよう引下げ〉(民間給与実態調査結果:4.69月)
4 改定の内容
 (1) 暫定的な一時金の支給
   ・当分の間、3月1日(基準日)において給与法に基づく俸給表(指定職俸給表を除く。)の適用を受ける職員に対し原則年額3,756円の一時金を支給
   ・なお、基準日に育児休業中の者に対しても、勤務実績に応じて支給するよう措置
 (2) 期末・勤勉手当等の引下げ
   ・年間支給月数 4.75月分→4.7月分(▲0.05月)
    ※12月期の期末手当で引下げ
     一般職員          1.6月分→1.55月分(▲0.05月)
     特定幹部役員        1.4月分→1.35月分(▲0.05月)
     指定職職員(期末特別手当) 1.6月分→1.55月分(▲0.05月)
〔実施時期〕平成13年4月1日

【公務員給与水準の在り方の検討】
  各地域に勤務する公務員の給与水準について、その地域の民間給与に比べて高いのではないかとの指摘もあるところ。指摘を受けるような公務員給与の在り方については、国民の理解を得ていく必要。このため、民間給与の実態把握、公務部内の給与配分の在り方について、関係各省等の協力を得て、速やかに検討


公務員人事管理に関する報告の骨子

 公務員に対する国民の批判や環境変化の急速化等に対応するため、厳正な規律の保持とともに、能力・実績を基礎とした人材活用や開放的な公務組織の実現が重要と認識し、今後の公務員制度改革の具体化に向けて必要な視点に言及するとともに、喫緊の課題を報告

1 今後の公務員制度改革の視点
 (1) 公務員制度の基本原理
  ア 行政が特定の利益や勢力、情実に影響されずに中立公正に行われるよう、公務員制度においては、「国民全体の奉仕者」としての公務員の中立・公正性の視点が重要
  イ 労働基本権制約の下では、人事院が労使の間に立って勤務条件について勧告をし、各般の基準を設定。このような代償機能が適正に発揮される仕組みが不可欠
    今日的要請に対応した制度改革に当たっても、こうした公務員制度の基本原理に留意する必要
 (2) 公務員制度改革の具体化に向けた協力
  ア 中立第三者機関として、これまでに培った専門的知識、ノウハウ、問題意識を生かしながら、公務員制度改革の基本設計の具体化に向けて的確に協力
  イ 国民が求める公務員人事管理システムの構築に向け、以下の視点に留意する必要
   ・評価・給与制度の設計については、関係当事者との十分な意思疎通と評価の試行が必要
   ・再就職規制については、国民の理解と納得が得られる仕組みとしていく必要
   ・採用試験については、行政の複雑・高度化、法科大学院設置の動き等を踏まえ、抜本的な見直しが必要
 (3) 環境変化の急速化等に対応した人事管理の推進
   ・急速化する環境変化への適応性を高めるため、能力・実績を基礎とする弾力的な人材活用、官民双方向の人的交流の促進が重要
   ・人事院は、各府省の主体的、機動的な人事管理に向けて、各制度の趣旨を勘案しつつ、事前関与から明確な基準設定・事後チェックの方向で適切見直し

2 喫緊の課題
  ア 倫理研修の充実
    課長補佐、係長クラスを対象にした新たな倫理研修の開発等を通じ、職員の倫理観をかん養
  イ 女性国家公務員の採用・登用の拡大
    各府省の策定する拡大計画を通じた取組の推進。キャリア・アップのための研修を実施
  ウ 職業生活と家庭生活の両立のための条件整備(別途意見の申出及び勧告)
  エ 若手研究員の任期の弾力化
    研究活動の活性化のため、任期付研究員制度の「若手育成型」の任期等について検討


育児休業制度及び介護休暇制度の改正に関する意見の申出等の概要

1 趣旨
  男女共同参画社会の実現に向けて、職業生活と家庭生活の両立を一層容易にするための環境整備として、育児や家族の介護を行う職員の負担を軽減するための措置を拡充
2 育児休業等の対象となる子の年齢の引上げ(育児休業法の改正)
 (1) 育児休業の対象となる子の年齢の引上げ
   育児休業の対象となる子の年齢を、3歳未満(現行1歳未満)に引上げ
 (2) 代替要員の確保措置
   育児休業をした職員の業務を処理するため、臨時的任用のほか、任期付採用を行うことができるよう措置
 (3) 部分休業の対象となる子の年齢の引上げ
   部分休業(1日2時間の勤務時間短縮)の対象となる子の年齢を、3歳未満(現行1歳未満)に引上げ
3 介護休暇の期間の延長(勤務時間法の改正)
  介護休暇の期間を、連続する6月(現行3月)の期間内に延長
4 実施時期
  平成14年4月1日

(参考)
 ○ 育児休業に関しては、民間労働者を対象とした「育児・介護休業法改正法案」が前国会に提出され、継続審議となっている。(平成14年4月1日施行)
 ○ 介護休暇に関しては、民間企業における介護休業義務付けは「3月」であるが、実態として、従業員割合で56.9%が6月以上の介護休業制度を有している。
 ○ 公務における取得状況(平成12年度)
    ・育児休業新規取得者 5,467人
    ・部分休業新規取得者  107人
    ・介護休暇取得者    216人