機関紙「自治労府職」
2001年9月1・11日号
府労連
府行財政計画(素案)に
見解示し申し入れ
通勤手当、宅舎・寮廃止は集中論議
人事室提案では一部を了承
見解示し当局に要請
府労連は8月27日、府の行財政計画(素案)に対する各単組の意見を取りまとめ、財政課の行革担当である大住副理事に府労連の見解と要請(2面参照)を示して申し入れを行った。
申し入れに対し大住副理事は「趣旨をふまえ、種々検討したい」と答えた。
府労連は今後も、行財政計画への意見反映や課題の解決に向けた取り組みを強めるとしている。また、9月13日には東淀川区のアピオ大阪で府労連シンポジウムを開いて、行財政計画の今後の課題の整理と取り組みの方向性を議論する。
人事室提案に対する府労連の態度
9月6日には、行財政計画(素案)にあわせて当局から提案があった8月末までの協議事項、「任期付研究員制度の導入」「早期勧奨退職制度(選択定年制)の実施」「公益法人等派遣制度の創設」について、府労連の認識や勤務条件などにかかわる協議の実施などで当局の誠意ある対応を求めて、提案については了承することを谷口人事室長に示した。
通勤手当、宅舎・寮廃止問題
府労連は、先の3提案に続き10月末までの協議とされた通勤手当の支給方法の変更(6カ月定期代による手当措置)と、職員宅舎・教職員住宅・独身寮の廃止について、プロジェクトチームを設けて議論を重ねている。
通勤手当の支給方法では多岐にわたる交通機関利用の実態などから、手当支給事務が煩雑にならない方法の検討などを行っている。
宅舎・寮の廃止問題では府労連が入居する組合員にアンケートを実施。平成14年・16年廃止とされた一方的な当局提案へのとまどいや不安が訴えられている。 府労連は、入居者に一方的に押し付けることがないよう、当局として入居者に対する誠意ある説明を行うよう求め、これに対し「入居者への説明を行っていく」との考えが示された。
府労連は引き続き、プロジェクトチームの議論を進め折衝・交渉を強めていくとした。
任期付研究員制度の導入
府の研究業務は、地域密着のサービス型が多く長期間に及ぶ研究も多い、複数の職員のチームワークによる研究遂行、などの特殊性があり十分に踏まえることを要請。「研究活動の活性化を図る」とする制度導入の趣旨についても、現研究機関の研究評価システムの整備や研究予算の充実が重要だとする認識を示し、次の事項を確認することを前提に了承するとした。
(1) 任期付研究員を配置する際には、その職場と職務内容、他の研究員との職務分担や連携方策などを事前に明らかにし、勤務条件にかかる事項を十分協議すること。また、採用には公平性を確保すること。
(2) 配属後の諸問題の検証を行い、府労連に説明し勤務条件の事項では十分に協議すること。
(3) 裁量勤務制は他の研究員や研究業務全体に与える影響が大きく適用には十分配慮すること。
早期勧奨退職制度
(選択定年制)の実施
定年以外の退職は、本人の自由意志に基づくものであり「強制にわたる不当な勧奨は一切行わないこと」を前提に了承するとした。
公益法人等派遣制度の創設
「公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律」の施行(平成14年4月)にともなう提案のため、次の事項を申し入れ了承するとした。
(1) 派遣する際にはその職員に事前に派遣先法人の勤務条件、従事業務などを明示し書面で同意を得ること。同意しないことを理由に不利益な取り扱いを一切行わないこと。
(2) 派遣職員の派遣先での給与は府の水準を下回らないこと。その他の勤務条件も府職員との均衡を図ること。
(3) 派遣職員が府に復帰、復職した場合の給与などの取り扱いは他の職員との均衡上、必要な措置を講ずること。
(4) 次の事項で最大限の努力を行い府労連と協議すること。
@地方職員共済組合の短期給付(育児休業手当金及び介護休業手当金を除く)及び福祉事業が適用されないことによる派遣職員の処遇問題。A派遣職員が派遣先で安心して勤務できる環境づくり。
自治労大会 95単組が新規加盟
公務員制度改革への対応はじめ方針確立
新世紀の展望を切り拓く
自治労は8月28日から4日間、旭川市の大雪アリーナで定期大会を開き、全国から代議員、傍聴者など7500人が参加した。
今大会で退任する榎本庸夫委員長はあいさつで「山積する組織的、運動的課題の前進に知恵と力を寄せ合い、新しい世紀の展望を切り拓こう」と訴え、参院選の総括、労働基本権の確立が前提の公務員制度改革への取り組みや地方の自主性を尊重する地方公務員制度の確立、国からの税源委譲などを含めた地方財政危機の克服と、市民参加で進める自治体改革の取り組みなどで所信を表明した。会場には、連合の鷲尾悦也会長や民主党の鳩山由紀夫代表など来賓も駆けつけた。
初日の議事では、この1年間で95単組(5236人)が新規加盟した報告があり全体の拍手で承認。その後、一般経過報告、会計報告などで質疑討論が行われたあと満場の拍手で確認された。
2日目には、2002年から向こう2年間の運動方針、当面の闘争方針、自治労組織強化・介護関係労働者30万人組織化の第2期取り組み、男女がともに担う自治労計画の第2次計画、新たな綱領的文書の組織討議案となる自治労21世紀宣言、2002年度予算、2001年度事業本部予算などの各議案で2日間にかけて質疑討論が行われた。また、本会議と並行して小委員会で予算案を討論した。
質疑討論では31人の代議員が発言。11月をヤマ場とする公務員制度改革への取り組みでは、全単組参加の闘争体制確立や民間産別と一体となった運動展開を求める意見が出されるなど運動方針、各議案が本部原案通り可決・決定した。
役員改選
植本さんが副委員長に
大原委員長はじめ新体制を確立
佐藤(中執)は任期満了で退任
最終日には2年任期の役員改選が行われ、自治労府職出身で自治労大阪府本部書記次長の植本眞砂子さんが中央本部副委員長に立候補。委員長以下役員への立候補はすべて定数内で、代議員による信任投票が行われた結果、候補者全員が信任を得て大原義行新委員長(前書記長・北海道)を先頭に新体制が確立した。
なお、中央執行委員として国費評の先頭で活躍した佐藤進さん(自治労府職社保労組)はその任期を終えて退任。大阪に戻り自治労運動を地元から支える。
植本さんの圧倒的信任を訴えるため、府本部市内第一ブロック、自治労府職の参加者は当日の朝、会場前で行われた候補者ビラの配布行動にも積極的に参加。中央本部で活躍する植本新副委員長の今後の活動を支える意思統一も行った。
府労連
「大阪府行財政計画(素案)」シンポジウム
9月13日(木)午後4時〜/クレオ大阪北
今後の課題整理と取り組みの方向性を議論
府行財政計画(素案)に対する府労連見解・要請
2001年8月27日
大阪府知事 太田房江 様
大阪府労働組合連合会 執行委員長 清水敬之
「大阪府行財政計画(素案)」に対する大阪府労働組合連合会の見解・要請
日頃の大阪府行政推進に向けた貴職のご奮闘に敬意を表します。
貴職は、現行の財政再建プログラム(案)に代わる2002年度からの新たな行財政計画を策定するとして、本年2月に公表された新行財政計画(骨子案)に続き、行財政計画(素案)を取りまとめられ、8月3日に公表された。
府労連は行財政計画の策定にあたって、府民および府民との接点で勤務する職員の意見を反映し、真に府民のためになる行財政改革と、全職員が一丸となって取り組める行財政計画とすべきであることを求めてきた。
公表された素案は、不十分ながらも将来の府の役割を明記したこと、二度と財政難と過ちを繰り返さないため建設事業をはじめとする徹底した行政評価システムの確立や新たな開発からの決別、透明で分かりやすい府政運営などを明記するなど評価できる点もあるが、一方で多くの課題があり府労連として次のとおり意見の取りまとめを行った。今後、計画の具体化に向けた検討が進められると思われるが、府労連の見解を反映していただくことを要請する。なお、今後、新たに発生する事項については府労連としての見解を明らかにし、改めて要請するものである。また、別途提案の勤務条件にかかわる事項は現在協議中であり、別途見解を明らかにする。
改革のめざすもの
「財政再建団体転落」を回避することは、労働組合としても異論はないが、府が今日のような財政危機に陥ったことの明確な原因分析と総括が必要である。
計画最終年の減債基金からの借り入れが累計として9379億円残るが、長期的な健全化という意味では不十分さが残る。
改革の理念や自治体がこれから果たすべき役割の方向性を示そうという姿勢は評価できる。しかしながら、示された将来像が府と市町村の役割を明確に区分していないなどの問題がある。理念や将来像は、特に十分な議論を行い府民合意を前提とすべきである。
スリムな組織づくり
○「全国一、スリムな組織づくり」では3000人削減が打ち出されている。これは、知事が2月議会で意見表明されたことに端を発するものであるが、そもそも、組織定数は業務量に応じて適正に配置されるべきであり、道理なき定数削減は断じて容認できない。
○3000人削減の内訳として示されているアウトソーシングは、子ども・障害者福祉・教育等、採算性になじまず公的に事業実施しなければならない分野もあり、公・民間の役割分担をさらに検討すべきである。また、アウトソーシングは特に現業職場を狙い撃ちするもので極めて問題が大きい。直営で行うことで維持してきたサービス水準や蓄積してきたノウハウは財産である。
○試験研究機関・大学・病院等の地方独立行政法人化の検討を進め、地方独立行政法人を導入し600人の定数削減を行うとしているが、試験研究機関の活性化など制度本来の目的をどう実現していくのかを明らかにしないまま、人員削減の手法として考えられており問題である。フォローアップ型のサービス業務が中心である府の対象機関で、公的機関としての役割を果たしながら独立採算性が成り立つか疑問であるなど地方独立行政法人の制度化自体、課題が多く慎重な検討が必要である。
○一般行政部門については今後10年間の採用・退職の見通しが示されているが、職員数を20%削減とされている出資法人や公の施設などのプロパー職員については示されていない。プロパー職員の一方的解雇や賃金・労働条件の改悪が行われないようにすべきである。
「負の遺産」の整理
○負の遺産の整理に取り組むとし、一定の役割を果たした企業局の廃止を打ち出した点は評価できる。しかし、企業局出資法人の財産活用が具体的に何をさすのかなど説明責任が果たされていない。素案が公表された同日に土地価格の下落が公表されたが、条件によっては負の遺産の実態は素案より大きいとも考えられる。収支見通しを検証できるデータを示すべきである。その上で一般会計からの財源投入の是非について議論すべきである。
○水と緑の健康都市の会計移管が処理策としてあげられているが、一般会計に移し財政難の折に税金を投入してまで実施しなければならない事業なのかという疑問が残る。素案で示された事業縮小案は街づくりとして問題があり、関係市町の街づくり計画の変更が余儀なくされることから、関係市町・地権者との十分な話し合いを行い、計画の中止も視野に処理を検討すべきである。
新しい行政システル「大阪モデル」づくり
○府と市町村がイコールパートナーとして協働するとしているが、府と市町村の役割分担を十分に協議・検討し、サービスを低下させないことと、新たなサービス体系の構築と展開を明確にすべきである。
○パブリックコメント手続、行政評価システムなどこれまで実施を提言してきた施策を位置付けている点を評価する。今後とも情報公開を徹底し、透明でわかりやすい行政を府民合意のもとに推進するべきである。
施策の再構築
○再生戦略会議で「再生予算枠」の活用方針、主要施策の見直し方針などを協議するとしているが、メンバー構成など具体的な提案を行うべきである。
○府立5病院のあり方検討では、いかに府民の命と健康を守るのか、そのために府が何をすべきかを明確にした上で行うこと。「運営形態の変更をも視野に」と書かれているが、「経営」のみを念頭に置いた予断を持ち込まずに議論すべきである。
○身体障害者福祉センターについては、障害者のみならず幼児から高齢者まで一貫したリハビリを行う府域での中心的なリハビリセンターに再整備し、附属病院については府立のリハビリテーション病院として再編すべきである。砂川厚生福祉センターについては、廃止や全面的な民営化にはなじまない。入所者の現状と処遇向上を第一とした運営を行うべきである。
○教職員定数は、府の単独加配教員(986人)を4年間で全廃、国の定数改善計画による定数(1300人)を最大限確保するとしているが、府単独加配は大阪の教育問題解決のために配置されてきたものであり、このことで様々な教育課題の克服と全国に誇る教育実践が図られてきた。国の7次定数改善は学習指導充実のための措置であり、加配とは基本的性格が異なるものである。今後、大阪の教育水準の低下を招かないよう定数の最大限の確保と、各校の教育課題に応じた対応ができるようにすべきである。
府立学校の実習教員の削減は、高校の教育水準の維持という点で大きな問題点を含んでいる。また、事務職員の削減もIT化が具体化されていない中で問題がある。さらに、技能員の削減もアウトソーシングで学校の維持管理が完結されるのかという疑問が残る。学校の実態を十分踏まえ、教育行政が逆行しないよう再検討を求める。
○財政再建プログラム(案)で府立高校の授業料は全国一の水準になっている。生徒が学習に打ち込むための教育条件を整備することは必要だが、その財源を賄うための納付金(入学金・授業料)値上げは、一層の受益者負担増につながるため再検討を求める。
○定時制高校の給食の見直しについて、定時制に学ぶ生徒の多くは生活や学習でも厳しい条件の中におかれている。昼間の仕事を終え学校に通ってくる生徒は身体も心も成長期で、『唯一まともに取れる食事が給食』という実態もある。全国では63・3%(96年文部省調査)の夜間定時制で完全給食を実施、東京や愛知では100%実施になっている。空腹で通学してくる生徒たちの楽しみが絶たれることのないよう存続を求める。
○府教育センターのスリム化について、センターは研究機能と研修機能を兼ね合わせる大阪の教育の拠点である。研修体制の充実がますます必要となる中、見直しでこれらの機能が縮小されないよう大胆なビジョンも合わせて示すべきである。
○教育振興センターの一元化は、これまで各センターが果たしてきた地域、市町村教育委員会との連携機能を維持するとともに、大阪の義務教育全体を活性化するための支援センターとして再構築すべきである。
○「文化の振興なくして大阪の再生はありえません」との点は評価するが、旧大阪府音楽団を発展させて府が設立した「大阪センチュリー交響楽団」への補助の見直しは問題があり、同楽団と十分な協議を行うべきである。また、他の在阪オーケストラと同楽団の性格の違いについて何の説明も付さず「公的助成」の表(具体的取組編44P)を載せるのは府民をミスリードするものである。
○高等職業技術専門校の再編は、これまでの訓練規模、体制を拡充することを前提に検討すべきである。また、能力開発夕陽丘総合センター構想は、当初の構想案から今日的なニーズ・状況に応じた柔軟な対応が求められているが「民間と公共が連結した能力開発施策の推進拠点」という当初の理念に基づく具体化の検討を求める。
○大阪は全国でも最も厳しい雇用・失業情勢にあり、府には労働者のセーフティネットを図る施策が求められる。特に、これらを必要とする中小零細企業の労使にとっては、身近で気軽に活用できる労働行政機関が有効であり、労働事務所の一元化はその機能強化を図るものでなければ断じて認められない。
NPO・府民との協働
○NPOの活躍の場を広げることに異存はないが、NPOは財政再建のための安価な労働力ではない。特定課題に取り組む人の集まりというNPO・NGOの長所と限界を理解し、これを育成・支援する立場から協働を進めることが必要である。
主要プロジェクトの点検
厳しく点検・評価を行い適切な見直しを行うとしているが、主要プロジェクトごとに収支見通しを明らかにし、いつまでに判断するのかなど、より具体的に示すべきである。また、各主要プロジェクトの事前評価と外部評価を徹底すべきである。
大阪を再生するための制度改革
○本格的な地方分権時代を迎え、これにふさわしい地方税財政制度の改革に向けて国にお願いする姿勢ではなく、府が先頭に立って府内の市町村や他の大都市圏都道府県と連携するなど、府民的、全国的な運動を組織するぐらいの気合いをもって取り組むべきである。
○関西国際空港の問題処理は国の責任で行うべきであり、「国の責任で機能強化のための抜本的な方策を講ずるべき」との立場にとどまらず、府負担の直接的軽減要求に踏み込むべきである。また、国に「透明性の高いシステム」を求め、府が直接、府民に情報を開示しその意見を十分に聞くシステムを確立しなければならない。
府行財政計画(素案)に対し研究職協議会が見解
一方的な独立行政法人化に警鐘
自治労府職は「新行財政計画検討委員会」で議論を重ね、府の素案に対する見解をまとめた。府労連を通じて当局への意見反映を行っているが、独立行政法人化についても研究職協議会を中心にその本質を見極める見解を示しているので掲載する。
8月3日に公表された大阪府行財政計画(素案)で府立大学、試験研究機関、病院などについて「独立行政法人化の検討を進める」とされているが、独立行政法人とは何か、目的と問題点を明らかにするとともに、組合員の身分、労働条件などに大きく関わるものであり、今後の討論提起としたい。
1 はじめに
(1) 国の独立行政法人とは
国が実施する仕事は、法律や基本的計画を策定する「企画」の部分と、法律を適用しての検査、計画を実現するための研究開発、計画に従ってサービスを提供するなどの「実施」部分に分けられる。独立行政法人は、「実施」の仕事を行うものとして設けられた。
独立行政法人(エージェンシー)は英国サッチャー政権において、国の現業部門(郵便、印刷、鉄道等)に対し民間と競合させて行政費用を低くさせることを目的として導入された。
(2) 国への独立行政法人化の導入経過
日本では、国鉄や電電公社の民営化が図られたが、郵政事業は公社化となった経過があり身分は国家公務員のままとなった。日本は国家戦略として21世紀は科学技術立国でないと世界で生き残れないとして、科学技術基本法が制定され、科学技術基本計画が97年に閣議決定され、研究活動、研究機関の活性化を図るため、単年度会計でなく企業会計の導入と予算執行の弾力化による研究機関、研究活動の活性化と、第一期計画17兆円、第二期計画24兆円の予算化がされ、研究員の賃金・労働条件の改善と研究職、研究助手の増員が図られている。
国では、科学技術振興に関する以下のような動きを受けて、試験研究機関の活性化方策が実施されてきており、研究機関の活性化の柱として、独立行政法人化、任期付任用制度の導入、フレックスタイム・裁量労働制などの研究職員の労働条件・兼業規制の緩和、研究予算の増額、研究機器の更新、研究職員の増員とあわせて、研究内容の公平性、透明性、国民への情報開示を目的とした研究評価システムの導入についても図られてきた。
科学技術振興に関する国及び大阪府の経過
平成7年 科学技術基本法制定(超党派による議員立法)
平成8年 第1次科学技術基本計画策定(8年〜12年の5か年計画、17兆円投資)
平成10年3月 大阪府産業科学技術振興指針策定
平成13年 第2次科学技術基本計画(13年〜17年の5か年計画、24兆円投資)
(3) 国での独立行政法人の制度化の状況
国では、89の事業・事務の独立行政法人化の方針を定めた「中央省庁等改革の推進に関する方針」が99年に決定され、独立行政法人の運営の基本と共通的な事項を規定した「独立行政法人通則法」と、これまでに計60の独立行政法人を設置する法律(いわゆる個別法)が成立し、2001年4月現在57の独立行政法人が発足している。また、統計センターが2003年度から、国立病院・療養所が2004年度からなど、今後もいくつか予定されている。
(4) 国における制度導入のねらいとメリット(総務省HP転載)
@ 事前のチェックを重視する官庁会計では弾力性のある財務運営は困難です。このため、独立行政法人制度では、国から交付される運営費交付金が、使途を特定しない「渡し切りの交付金」として弾力的・効果的に使用できます。また、独立行政法人の経営努力で生じた剰余金は、府省の独立行政法人評価委員会の意見を聴いて主務大臣が承認をした額を、中期計画であらかじめ定めた使途に独立行政法人が使用できるようにされています。
A 国の行政機関の組織、定員及び人事は、法令等による統制のもとに行われており、機動的・弾力的に運営することが困難です。このため、独立行政法人制度では、法令で定める基本的枠組みの範囲内で、独立行政法人が内部組織を決めることができ、また、その職員数は定員管理の対象外とされています。
B 国の行政機関ではこれまで、明確な目標設定、業務実績の評価を行う仕組みは導入されていませんでした。このため、独立行政法人制度では、中期的な達成目標である中期目標を主務大臣が定め、この目標を達成するための中期計画及び年度計画を独立行政法人が作成する仕組みが導入されています。また、独立行政法人の業務実績について、各府省の独立行政法人評価委員会が評価し、その評価結果について、当委員会が意見を述べることとなっています。
C 国の行政機関は、業務の内容や運営の状況がわかりにくいといわれることもあります。このため、独立行政法人制度では、透明性を高める視点から、財務諸表、中期計画・年度計画、評価委員会の評価結果、監査結果、給与の支給基準などを公表することとされています。
(5) 大阪府での状況
地方独立行政法人に関して平成13年5月議会で総務部長は、「現在の厳しい財政状況を踏まえつつ、施設や事業経営の自主性、自立性を発揮し、府民サービスの維持向上を図るためには、従来の方法の延長でない、行政の思い切った効率化を図る必要があると考えておりますので、地方公共団体において、その実情に即して活用できる地方独立行政法人制度の創設に向けて、早期に法整備が行われるよう国に対し働きかけてまいりたいと存じます」と答弁している。
2 「大阪府行財政計画(素案)」における独立行政法人化の問題点
このように、国の独立行政法人は研究機関の活性化を目的として導入されたものである。府においても、大阪府産業科学技術振興指針に基づき、同様の目的から独立行政法人化が提起されるべきである。
しかしながら、府行財政計画(素案)では、独立行政法人の理念が提示されないままに、その導入が捉えられている。そのことによって、次のような問題点が生じてくると考えられる。
@ 会計
企業会計を導入することのメリットが言われているが、国、特に試験研究機関では独立採算制を前提としておらず、財源面も国からの支出金を充てるとされているのに、本府の対象と考えられている機関で公的機関としての役割を果たしながら、とりわけフォローアップ型のサービス的な業務が中心の機関については、独立採算制が成り立つか疑問である。
A 組織、定員
職員数は定員管理の対象外となるため、知事が議会に約束した「3000人削減」達成の手っ取り早い方策として考えられている面がある。府の組織のスリム化、シェイプアップを図るものとしてしか独立行政法人化を捉えておらず、単なる数合わせに過ぎない。また、組織、定員、人事について機動的・弾力的に運営するとしており、能力給が前提とされているが、労働条件の改悪を認めることはできない。
B 業績評価
評価委員会の評価結果、監査結果などが公表されることがメリットとして挙げられているが、府においては施策評価が導入されており、独立行政法人にしなければできないことではない。国や他の都道府県では研究評価制度が導入され、県民に対し研究予算、研究機関の業務内容などが公開されている。また、研究評価についても開示されており、透明性が高められているが、府では検討すらされておらず、研究機関や研究内容に対して評価の基準も示されていない。
C 組合所属
独立行政法人に所属する組合員は自治労府職のエリアから外れ別組合になってしまう。身分の保証について何らの見解も出されておらず、国と同様に身分は地方公務員のまま法人化するのか明らかにすべきである。
また、素案では、将来の府政再生構築の視点として「3つの原則」をあげており、その第3番目に、「公正・透明で簡素・効率的な府政」をうたっている。試験研究機関において、その視点を実現していくためには研究評価システムの導入が不可欠であり、その部分を抜きにした形で独立行政法人化はあり得ない。
国で昨年12月に閣議決定された地方独立行政法人化への検討は総務省が行っているが、その基本骨子も示されておらず、アウトソーシング、第三セクターへの事業移管とどこが違うのか、民間との競合ができるのか明確になっていない。
3 今後の方向性
国では上記のように様々な条件の改善を前提に、独立行政法人化が進められてきたものであり、素案で提起されているような、単なるスリム化を図る手法としての独立行政法人化とは趣旨を異にするものである。また、国と地方の研究機関の業務、役割の相違を考慮すると、国で導入された独立行政法人をそのまま導入することは地方にはなじまないものである。
したがって、まず、透明性を確保し、府民への情報開示を進めるために研究評価システムを導入し、柔軟で競争的かつ開かれた研究環境の実現を図る方策を検討することが先決である。その上で、府の試験研究機関全体のあり方については、独立行政法人化の導入などについて議論すべきであると考える。
職場環境改善など要求(案)職場討議へ
自治労府職(府費)は8月上旬から各支部へのアンケートを行い、府の2002年度予算に対する職場環境改善、健康管理・福利厚生の充実に関する要求や意見を取りまとめた。
要求書については、左記のとおりの(案)を9月10日の支部代表者会議で確認のうえ職場討議に付した。26日の第7回中央委員会で機関決定後、10月初旬を目途に知事に要求書を提出し、その改善を求めていく。要求に対する各職場での議論をお願いする。
2001年10月 日
大阪府知事 太田房江 様
自治労大阪府職員労働組合 執行委員長 大橋敏博
2002年度予算に向けた職場環境改善、健康管理・福利厚生の充実についての要求書(案)
大阪府に働く職員の快適な職場環境の実現を図るため、第7回中央委員会の決定に基づき下記のとおり要求を行うので、従来の労使慣行を遵守し協議を行うとともに、誠意ある回答をされたい。
記
1.職場環境の改善
(1) 老朽化した出先職場庁舎(築20年以上)については各部・各所属と協議のうえ、建替計画を明らかにすること。また、補修・修繕についても計画的に行い、その際には、本部または支部と十分協議を行うこと。
(2) 新庁舎整備計画の凍結に関連して、現本庁舎機能の維持に必要な庁舎管理・設備管理に関わる予算は十分に確保すること。
(3) 本庁舎をはじめとした執務室等の狭隘対策・会議室不足の解消について、十分な策を講じること。
(4) 労働安全衛生法・大阪府職員衛生管理規程および職員課長通知(昭和55年4月1日)で定める内容を遵守し、各職場の休養設備・施設、男子・女子更衣室、男女別のトイレなどの設置・改善を図ること。
(5) 福祉のまちづくり条例にそって府有施設・設備の改修・改善計画を明らかにするとともに、条例を最低限の条件とした十分な措置を講じること。その場合には、当該障害労働者(職員)の意見を十分に尊重すること。また、開かれた府庁を実践する観点からも執務室等の配置については配慮を行うこと。
@本庁本館の全ての出入り口などにスロープ、リフト等を設置すること。
A本庁庁舎各階(職員会館を含む)に洋式トイレを設置するとともに、障害者用トイレについて女性が使用しやすいものに引き続き改善を行うこと。
B出先府有施設についてスロープ・トイレ・自動ドア・エレベーター等の設置施設の拡大を図ること。
C府民が多く利用する府有施設などに引き続き公衆ファックスを設置すること。
(6) 環境にやさしい府庁管理・運営を行うため、環境マネジメントシステムの本庁での徹底と、出先職場への拡大を図ること。また、その趣旨の職員への周知を徹底すること。
@冷凍機等の特定フロンガス対策について改善計画を明らかにすること。
A廃乾電池、廃蛍光灯の適切な処理を引き続き行うとともに、せっけんの使用を促進し、本庁舎で実施している使用済み用紙の回収・リサイクルなどを出先職場を含め、全庁で実施すること。
B低公害公用車の導入を積極的に促進すること。また、天然圧縮ガス充填施設の設置拡大を引き続き図ること。
Cペットボトル回収など容器包装リサイクルを出先職場を含め、全ての庁舎で実行すること。
D大阪府におけるダイオキシン削減対策を強化するとともに、府有施設の簡易焼却炉の撤去、改築、改善に引き続き努力すること。
(7) 阪神淡路大震災の経験を踏まえ、庁舎・執務室における安全対策(ロッカー等の固定や転落防止等)を講じること。
(8) 本庁舎における業務上必要な市外外線電話を拡大すること。
(9) 組織再編にかかる職場環境については、当該支部との協議を誠意を持って行い、快適な職場環境の確保に努めること。
2.労働安全衛生の充実
「職員の健康を守り、安心して働き続けられる職場づくり」の観点から、労働安全衛生については予算のマイナスシーリング対象とはせず、以下の項目について実現すること。
(1) 人間ドックについては、毎年、35歳以上の職員の全希望者が受診できるようにすること。また、脳ドックに助成を行うなど人間ドック受診時における個人負担を一層軽減するとともに、手続きを簡素化すること。また、ストレスドック等のコースを新設すること。
定期健康診断については人に着目した検診とし、40歳以上は生活習慣病検診として位置付け同一日にすべての検診が受診できるようにすること。また、若年層の疾病の早期発見・予防のため、血液検査を20歳・25歳、心電図検査を20歳・25歳・30歳のポイントで実施すること。
病院職場の定期健康診断を全庁的な健康管理システムに組み入れ、本人通知についても、その他職場と同様の取り扱いが行われるようにすること。
(2) 健康増進センターの設備・運営とプログラムについて、THPを踏まえた総合健康診断を40歳以上5歳刻みのポイントで行うよう新制度を確立すること。婦人科検診、大腸検診、血液検診、心電図検査をすべての希望者が受診できるようにするとともに、骨密度検診を新設すること。
(3) 胸部レントゲン撮影については、直接撮影にするなど被曝線量を減少させる対策を講じること。
(4) 退職後の健康管理(ホームドクターとの連携等)のため、退職直前に在職中の検診データを手渡し、退職後の健康指導を行うこと。
(5) エイズ・C型肝炎など感染症対策を強化するとともに、エイズ患者等の診療に携わる医師・看護婦・検査技師・検体等に接触する職員等については、定期検診時にHIV抗体検査を実施するなど96年6月19日提出の「大阪府におけるエイズをはじめとした感染症対策の強化について」の申し入れ内容を実現すること。また、医療廃棄物に対する適切な処理も引き続き十分行うこと。なお、結核外来・病棟には妊婦の配置を行わないこと。
(6) 病院、施設等の衛生管理体制を強化し、O−157など食中毒防止のため、今後も、施設・設備の改善を行うこと。
(7) 放射線業務従事職員特別検診は、1990年4月の協議内容を遵守するとともに一層の充実を図ること。
(8) 現行のOA機器の配置状況を踏まえた職場実態の点検を行うとともに、当面、「VDT作業のための労働安全衛生管理基準」の職場での徹底を再度図ること。また、VDT特別検診の受診対象を従事者全員に拡大するとともに内容の充実に努めること。
(9) VDT機器等が設置されている職場におけるスペースの確保や配置・照明・低騒音化などの作業環境については、管理基準を最低限の条件とし改善指導を行うこと。また、OA化に対応する事務机・いすの配置を計画的に行い、必要な予算を確保すること。妊産婦については、基本的にOA作業に従事させないこと。やむを得ない場合においても、作業時間の縮小や磁気防止エプロンの購入・着用など十分な配慮を行うこと。
(10) 非常勤嘱託員についても特別検診の対象とし、ドック受診特別休暇を新設すること。
(11) 公務災害による死亡・疾病等について、原因を究明し再発を防止すること。また、公務災害によらない現職死亡についても死因等を十分に把握し、健康管理に努めること。
(12)健康管理の観点から残業規制の啓発、指導を講じるとともに、また、メンタルヘルスについても引き続き必要な措置を講じるとともに予防対策としての労働安全衛生教育の徹底を図ること。
(13) 執務室等における空調、照明、換気、騒音、衛生等について、日常的な点検をより充実するとともに、支部・分会等から指摘があった場合には誠意ある措置を行うこと。特に、冷暖房について職員の健康管理に留意し弾力的な運用を行うこと。また、やむを得ず行う残業時の個別冷暖房器具について、健康管理の観点からもさらに確保すること。
(14) 健康増進センターにおける産業マッサージを拡充すること。
(15) 労働安全衛生協議会の確認に基づき、禁煙タイム・各種会議の禁煙の徹底をさらに行うと同時に、禁煙時間帯の拡大、分煙のための喫煙場所のスペース確保と設備の設置などの禁煙対策を強化すること。
(16) 労働安全衛生協議会の活動の充実を図るとともに、各労働安全衛生委員会の機能強化を行うこと。
(17) 海外派遣職員の健康管理について、家族も含め健康診断の充実を図るとともに、一時帰国時に定期健康診断・人間ドックを義務付けること。また、各国において保険制度が異なることを踏まえ、本人負担がアンバランスにならない措置を講じ、負担軽減を図ること。
(18) 原子力災害の災害応急対策等、放射線障害になる恐れのある業務に関わる職員の安全を確保するため、次の事項について措置すること。
@防災業務従事者の許容被曝線量を男女別に設定すること。
A妊娠中の女性は、被曝の可能性がある災害応急対策に従事させないこと。
B府立医療機関に除染室を設置すること。
C被曝の可能性が高い災害応急対策に従事する部局の職員に、原子力災害に関する研修を実施すること。
D上記の項目については、周辺府県の災害応急対策の応援に従事する者についても適用すること。
3.福利厚生の充実
(1) 非常勤職員について、労働安全衛生の観点、当該職場の要望・実態を踏まえ被服貸与の対象にすること。
(2) 職員グランド(舞洲)の整備・拡充を図ること。
(3) 宅舎・独身寮の廃止については労使合意・居住者自治会等の当事者合意を前提とし一方的実施は行わないこと。また、必要な維持補修を怠らないこと。
(4) 各種給付事業について、各年代層に配慮したものに拡充するとともに、手続きの簡素化を図ること。また、ライフプランセミナーの拡充(退職前の一泊セミナーは該当者全員に実施するなど)を図るとともに、ライフプランをサポートする研修制度を確立すること。
(5) 非常勤職員への福利厚生事業を拡充すること。
4.障害労働者の昇給、貸付などのプライバシー情報について本人に直接伝達される情報保障を拡充すること。
5.研修について、計画段階から労使協議を行うとともに研修休暇制度の拡充も含め、自己啓発に関する援助制度をより充実すること。また、セクシュアル・ハラスメントについての研修の内容充実と対象拡充を行うこと。また、障害労働者職員の研修にあたっては、研修用教材についても十分に配慮すること。
6.大阪府行財政計画(案)に関連した職場環境や健康管理の問題については一方的な改変を行わず十分な協議を行うこと。
7.以上の要求の他、自治労府職の各評議会、専門部、各支部の要求についても誠意ある協議を行い善処すること。
以 上
『男らしさ』に縛られる男たちを救いながらDVを考える
ドメスティックバイオレンス
中村彰(メンズセンター運営委員長)
青年部連続講座A
DV(ドメスティックバイオレンス)の問題は、加害者となる立場が多い男たちが社会的に縛られる「男らしさ」などのジェンダーの問題、性的役割分担の残る社会・家族構造、さらにセクシュアル・ハラスメント、幼児虐待にも関係するなどその根は深い。個人が起こした単なる暴力として捉えるのではなく、その防止に向けた「暴力なしで暮らす方法」の提案や加害者再教育、また、子どもたちへの「暴力をふるわないこと」を学ぶ教育を深めることも今後の課題だ。
9月4日、ドーンセンターで開かれた青年部主催の女性問題連続学習会の2回目のテーマは「愛があるから殴るのか? ドメスティックバイオレンスとは」。配偶者や恋人に対する暴力の背景と原因、本質は何かなどの問題をみつめる機会となった。
講師の中村彰さん(メンズセンター運営委員長)は、事例を交えながら、DVの実態とその防止に向けた方策を熱心に語った。
おもに、暴力をふるった、または振るいそうな「男たち」の相談に応じながら、コミュニケーションのあり方や暴力を避ける方法を「非暴力ワークショップ」などで助言する中村さんは、講演の最後に労働組合の役割として、ジェンダーフリーの社会を追求し、男が仕事中心という働き方の改善を求める活動に期待していると提起した。
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