機関紙「自治労府職」

 2002年1月11日号

「大綱」閣議決定に抗議
連合・自治労 ILO提訴、春闘など取り組み強化

 昨年12月25日、政府は「公務員制度改革大綱」の閣議決定を強行した。
 連合官公部門対策本部は同日、緊急の抗議集会を東京で開き、政府の姿勢を厳しく批判。石原大臣あての抗議文を採択し行革推進事務局への抗議行動も取り組んだ。翌26日には全国統一闘争を配置。自治労の闘争指令に基づき自治労府職もビラ配布や職場集会での情勢報告など、抗議行動に取り組んだ。
 連合、連合官公部門対策本部、自治労は、今回の政府の態度を重大な背信行為と捉え、ILO(国際労働機関)への提訴で国際的なたたかいを作り上げ、官民一体となってたたかう2002春季生活闘争では大きな柱として取り組みを強めていくことを意思統一した。
 政府は組合との十分な協議・交渉を持たないばかりか、最重要課題であった労働基本権問題を先送りにしたまま、現行の枠組みの中で人事院の機能を各府省に移そうとするなど、労使が協議しながら進める民主的な制度改革を求めた組合をまったく無視している。
 自治労府職は、同取り組みに積極的に関わっていくことから、1月18日に新春の集いとして学習会を開き公務員制度改革の問題点の共有化と認識を深め合い、たたかう決意を固め合う。


頼れる支部づくり全力で
労働支部 職場で決起集会


 労働支部は1月7日午後6時から、職場・組合員により身近で頼れる支部運動を進めるため、労政福祉課内で決起集会を開き、新年の活動をスタートさせた。労働行政の拡充と労働事務所の機能強化を求めると題した集会では、仕事を終えて集まった組合員が当面する課題で意思統一した。
 労働支部は、当局が昨年示した労働事務所一元化の方針や「大阪府労働施策ビジョン」の問題点などで、各分会昼休み職場集会を行うなど討議を精力的に進めている。支部は当局との交渉を強めながら、厳しさを増す雇用・労働環境のなか、府民の期待にこたえ得る「労働行政と事務所のあり方」を実現する取り組みを強めている。
 あいさつした橋本支部長は「不況は着実に労働者の生活をむしばみ、労働者を救う行政の役割が求められている。その仕事を担う組合員が困ったときに頼れる支部をさらに強めたい。この集会で支部・職場組合員の決意をアピールして今後の取り組みに生かしたい」と力強く訴えた。


特勤手当で交渉
職場実態を訴え改善を求める


 3年に一度の見直し時期を迎えた特殊勤務手当の取り組みで、自治労府職は昨年12月25日に当局と交渉し、各職場の実態を訴えながらその改善を求めた。昨年10月、当局から手当の適正化についての基本的考え方が府労連に示された。自治労府職では各支部の要望を集約し、11月8日に特勤手当に関わる改善要求書を提出。当局の提案を受けて、各支部からの要望をふまえ取り組みを進めている。


看護婦(士)寄宿舎・医師公舎廃止
組合見解
突然の提案に怒り
入居者への配慮要請


 10月9日に当局(病院事業局)から提案された「看護婦(士)寄宿舎・医師公舎の廃止」について1月7日、自治労府職は見解を表明した。

 10月9日の突然の廃止提案以降、本部・各支部が連携して、11月29日の事業局交渉をはじめ数次にわたる折衝・交渉を重ね、廃止年度の先送り、再検討や退去時の諸条件で強く主張してきた。
 入居者が今後「新たに住居を求める」ことに配慮して、相談窓口の設置や貸付制度の創設、病院固有の課題についての柔軟な対応などは確認できたが、当局は「廃止」に向けて頑なな態度に終始し、一致点を見出すことはできなかった。
 特に、退去にかかる移転料問題では、病院寄宿舎の定義づけの特殊性から困難だとし、職員宅舎問題での府労連との確認事項をも下回る回答に終始した。
 提案の背景に、危機的な府財政問題や病院事業の緊迫した経営状況があるとはいえ、府民のいのちと健康を守っている医師・看護職員の職と住に大きな影響を及ぼす今回の提案は、突然の廃止提案となった経過も含め、入居者の生活設計の変更、実質上の収入減となることから、到底納得することはできない。
 それでもなお、提案どおり16年度末(羽曳野・成人病については14年5月末)に廃止するのであれば、これまでの折衝・交渉で確認できた事項について誠実に履行するとともに、入居者の意見・要望などに誠実に対応することを強く要望する。


自治労府職第8回囲碁・将棋大会

【日時】2月2日(土)、午前9時30分集合、午前10時対局開始
【場所】住友生命「釣鐘倶楽部」 大阪市中央区釣鐘町2−2−11
【対戦方法】囲碁・将棋とも個人戦(トーナメント方式)。各クラス,A(3段以上)・B(2段・初段)・C(級位者)ごとに対戦。
【参加申込】電話またはFAXで。@氏名A単組・支部・分会名B囲碁・将棋のクラスを明記、または申し出てください。
※囲碁・将棋の各クラスとも受付順で12人になり次第締め切ります。
【申込・問い合わせ先】自治労府職教宣部まで。
 電話06−6945−4056(府庁内線3781)、FAX06−6945−1315

各クラス12人で締切
申し込みはお早めに


自治労府職
■報告・学習会
公務員制度改革の問題点
府行財政計画の問題点

■1月18日(金) 16時30分〜
 エルおおさか6階606号室
2002 新春の集い


あの日を決して忘れない
自然の力の恐ろしさを実感


 1995年1月17日の早朝、神戸を中心とした兵庫県南部を突如襲った直下型の大地震は、6000人を超す尊い命を奪い、30万人以上もの人々が避難生活を強いられる大惨事をもたらした。
 あれから7年が過ぎようとしている。地域や個人の差はあるが地震の被害を乗り越えた人々は、暮らしを築き直し、新しい人生へと踏み出している。しかし活断層の危険性が新たに指摘されるいま、大きな地震が再び起きないとはいえない。兵庫県南部地震の記憶を風化させないために、いつやってくるとも限らない自然の脅威に備えるために、淡路島北淡町に作られた「北淡町震災記念公園」を訪れた。
 北淡町の小倉地区に姿を現した野島断層は、兵庫県南部地震を起こした断層として研究価値が非常に高いものだった。185bの地震断層は、専門家による各種の調査が行われたのち国の天然記念物に指定され、生きた教材として保存展示された。98年4月に誕生した「北淡町震災記念公園」は、この野島断層保存館を中心に、被災した民家を当時の姿のまま展示しているメモリアルハウス、地震について学習ができるセミナーハウス、鎮魂の碑・べっちゃないロック、地元の物産を中心に販売している物産館とレストランの各施設から構成されている。
 「野島断層保存館に入る前と後では確実に表情が変化しています。被災した人はもちろんですが、そうでない人も自然の力の恐ろしさをまざまざと実感するのでしょう。保存館では野島断層の他、兵庫県南部地震の記録映像を放映したり、写真の展示をしています。実際に被災した家もメモリアルハウスとして展示しており、当時の様子を追体験することで、あの日に感じたことを思い出してもいるんでしょうね」と来場者の様子を語るのは、総支配人の中谷欽輔さんだ。
 同公園は開館3年目の昨年11月、入場者が500万人を突破した。個人、そして企業や自治体の研修、学校の校外学習で多くの人が訪れるのはもちろん、一度来た人がリピーターとなり二度三度と訪れることが、入場者数に反映している。「あの日に学びたい」という人々の認識が何度も足を運ぶ原動力になっている。
 「学生さんや団体の方に活用していただきたいのが『震災の語りべ』です。地元で被災された方々がボランティアとして登録されており、あの日の出来事をそれぞれのことばで語り伝えてくれます。メモリアルハウスでも毎週火曜日行っていますが、場所が狭いので人数の多い団体さんには向きません。そこでセミナーハウスを利用しての『震災語り部』を実施しています。写真やビデオ上映なども含めて行いますので、ぜひ学習に役立ててほしいですね」と、過去の経験を踏まえて未来を築く力を生み出すことに力を注ぐ。セミナーハウスで行う『震災語り部』は予約が必要だが、まとまった人数で行かれる方にはお勧めだ。
 昨年、同公園ではゴスペルを合唱する「フェニックス合唱団」を結成した。この合唱団は、広く一般に募集し作られたもので、島内外の被災者はもちろんさまざまな人が参加している。毎年、震災の起きた1月17日午前5時46分に震災犠牲者を慰霊するモニュメント「べっちゃないロック」の前で記念行事が行われているが、7周年を迎える今年の行事では合唱団の歌声が披露される。
 「歌詞に平和への祈りが込められている『アメージング・グレイス』を合唱曲に選びました。昨年、アメリカでは同時多発テロという悲劇が起きました。震災犠牲者はもちろんですが、数多くの尊い命の鎮魂のために、天災に負けず人災のない平和な社会を築いていくことを願って歌いたいと思います」と力強く語る中谷総支配人。
 「震災記念公園」で「あの日」を再び体験し、命の重さを感じたい。

北淡町震災記念公園
▼所在地/兵庫県津名郡北淡町小倉177番地▼交通/神戸淡路鳴門自動車道・北淡ICより車で15分/淡路交通バス・岩屋港バス停より西浦線津名港行き乗車、震災記念公園前バス停下車徒歩五分/明石フェリー・明石発、播淡連絡汽船で岩屋港下船、タクシーで20分▼開館時間/午前9時〜午後5時、水曜日休館▼入館料(野島断層保存館)/一般500円、中・高校生300円、小学生250円、幼児無料、30人以上は団体割引▼問い合わせ・予約/TEL0799―82―3020▼HPアドレス/http://www.nojima-danso.co.jp