機関紙「自治労府職」

 2002年1月21日号

活動強化 新たな決意で

自治労府職2002新春の集い
公務員制度改革府行財政計画で 学習会


 1月18日、自治労府職はエルおおさかで2002新春の集いを開いた。例年の旗開きに代えて、強行決定された公務員制度改革大綱や府の行財政計画案など本年の大きな課題を前に、学習会を開き各単組・支部役員などが参加。その問題点や今後の取り組みを意思統一しながら、さらに活動を強めていくことを誓い合った。

 学習会のはじめにあいさつした大橋委員長は「公務員制度改革の問題は私たちの仕事のあり方、生き方に関わる問題であり、特にこれからの府政を担う世代の積極的な議論をお願いしたい。府の新人事制度も試行され、その検証段階にあるが特別昇給への反映も意図する相対評価の問題など、課題は山積している。また、府の行財政計画(案)は本年、集中取組期間の初年度にあたり具体的な提案が出される情勢だ。職場からの積極的な意見で取り組みを強めたい」と訴えた。
 学習会では、「公務員制度改革をめぐる情勢と課題」として本部の浪江執行委員(賃金調査部長)が、「府行財政計画(案)の問題点」として末田執行委員(自治体政策部長)がそれぞれ報告した。
 公務員制度改革では、今後の法制化の動きに対する連合・自治労に結集した国会闘争の構築や、府の人事制度への対応などが報告された。
 府の行財政計画に対しては、この間の「新行財政計画検討委員会」の活動を総括しながら、本年の集中取組期間の具体策に対する対応や、組織・人員提案への対応などが報告された。
 学習会後は、組合員も参加して交流会を開き、府労連、自治労府本部の仲間の激励も受けた。
 また、中央本部副委員長として奮闘する植本さんも駆けつけ「信頼回復、組織再生に向け全力で取り組んでいます。皆さんのご理解とご協力を」とあいさつし、ともに自治労の旗のもと新年の決意を新たにした。


自治労
31日から臨時大会

第1次再生案など提起

組織再生に向け討議

 自治労は組織再生に向けた道筋を明らかにするため、1月31日、2月1日の2日間の予定で、東京の厚生年金会館ホールで臨時大会を開く。
 また、臨時大会に向けた県本部代表者会議を16日に東京で開き、「真相究明委員会報告」「自治労再生計画」を明らかにし、それらを踏まえた「自治労再生計画にもとづく第1次再生実施案」を示した。
 「実施案」の基本的考え方は、中央執行委員会の責任で自治労再生計画の具体化をはかりながら、組織強化対策委員会などの協力を得て行っていくとし、次回の中央委員会、定期大会で実施進行状況を報告するとともに、実施に必要な規約・規定の改正の承認を、これらの機関会議で求めるとしている。
 今回の実施案は、@自治労本部の借入金の返済計画、A財政会計システムの改革、B自治労組合費の取り扱い、C自治労本部役職員の倫理の確立―が主な柱。
 39億円にのぼる借入金の返済計画では、利息負担を低減するため自治労基金からの借り入れを行い一括返済する。自治労基金への返済については、3年から5年をめどに、@法的・組織的対処にもとづく返還金、A自治労本部役職員などの責任処理としての賃金カット・責任負担金(カンパ)、B自治労本部の職員定数適正化や事務経費削減、運動費用の見直しなどの経費削減を行い、その削減金を返済金の一部とする、C各県本部、単組の本部登録離籍役職員者によるカンパ、D今年度より3年間、各県本部への離籍者や休職者の補償費用の20%削減を行う―ことで、その返済に充てるとしている。また、自治労基金から借り入れた額の返済管理は、「借財返済会計運営委員会」を設置し、返済の適正な運営・管理に努めるとしている。
 財務会計システムの改革では、簿外口座の廃止と簿外収支を禁止し、この制度に従わなかった者には厳正な処分を行うとし、監査制度は新たに規約・規程を策定するなど、制度の充実を進めるとしている。
 「第1次再生実施案」は緊急を要する課題の早期実施を達成するとし、残された課題については、@今回の事件の未解明な点は、中央執行委員会が弁護士などとの連携のもと真相究明を引き続き進め、必要な法的・組織的対処については、引き続き機関会議の議を経て進める、A再生プログラムに基づく課題は、中央執行委員会の責任で実施可能な課題は臨時大会以降に行う。また組織強化対策委員会の検討を要する事項は検討を促進し早期実施をめざす―ことなどを明らかにした。

事件の再発防止と信頼回復へ徹底した取り組み
真相究明委員会 厳正な対処など強く要望


 真相究明委員会報告では、「徹底的な真相究明」との方針のもと、自治労本部・事業本部・自治労共済役職員(OB・現役)、関係会社関連など、のべ64人におよぶヒアリングの実施と関係する口座の履歴・帳簿関係を可能な限り精査した上で分析と検討が行われた。
 「報告」は個別案件の報告とともに、一連の不正・不祥事を大きく貫くいくつかの共通した問題点が浮き彫りになったとして、事件の再発防止と自治労に対する信頼の回復に資するため、「組織・運動と財政との関係の問題点」「組織運動と自主福祉活動の関係の問題点」「会計・財政を含む本部運営全体の問題」「自治労本部と関連会社・取引業者との関係の問題点」「組織活動・事業活動における本部―県本部の関係の問題点」について総括的報告を行う。
 「運動・組織の実態と会計・財政の関係」の項では、「それらの活動(組織対策や政治活動など)を支えるべき財政の実態が運動に追いついていたのか、あるいは簿外の口座・借財に頼ってきたように、『運動のため』という言葉をもって当然必要とされるべき手続きを怠ってきたのではないか」「簿外処理という作風が不正の温床となったことは、厳しく総括されなければならない」と指摘。また「組織運動と自主福祉活動の関係」では、「自治労にいま投げかけられているのは、そもそも労働組合が事業を行うとは一体どういうことなのか、という根本問題である」「『ひとりは万人のために・万人はひとりのために』という自主福祉活動の基本理念に再度立ち返り、自治労の共済事業を支えているすべての加入者の利益をいかに図るかという観点から、組織の総力を挙げて問題点のさらなる改善を図っていくことが必要」と指摘している。
 最後に真相究明委員会として、「責任を有する者に対する厳正な対処、組合員にわかりやすい『自治労再生プログラム』の策定、さらに裁判の過程において新たな問題が判明した場合、本部を中心に改めて対応すること」などを強く要望した。

再生に向けて三つの決断
1・不正への厳正な処分と損害賠償の請求
……責任の明確化・不正再発は許さない
2・借財の3年から5年での返済
…………組合員に新たな負担を求めない
3・健全な財政運用と組合員の負担軽減
………………………信頼の回復のために
再生に向けて五つの実行
1・会計・財政の徹底的改革
……二度と不祥事の起きない透明な制度へ
2・本部執行体制の抜本的構造改革
………効率的・効果的な運営・運動の構築
 ………組合員と共に歩む感性を持った役職員の育成
3・組織運動の徹底した分権化
………集権から分権へ…地域での運動強化
4・住民に密着した政策の実現
…………より身近な政治闘争・政策実現へ
5・安心と信頼の福利厚生事業
……共済事業及び関連団体との関係見直し

再生に向け三つの決断と五つの実行、改革へ七つの提言
自治労再生計画 進行・実施の検証も求める

 自治労は、この間の一連の不祥事問題で昨年12月6日に臨時中央委員会を開き、@徹底的な真相究明、A法的・組織的対処、B借財への対処、C本部役職員の責任処理の課題について厳正に対処すること―などを確認。さらに、今回の事件で明らかになった根本的な組織運営の問題点を一刻も早く改善し、自治労を再生するため、各地連代表、女性代表12人で構成する「自治労再生委員会」を発足、「自治労再生計画案」の作成に向けて精力的に活動してきた。
 自治労再生委員会は、会計財政・役職員政策など各作業部会にわかれ、短期間で集中的な取り組みを行い、「自治労再生計画」をとりまとめた。
 「計画」では、冒頭に再生に向けた「三つの決断」と「五つの実行」を明記。自治労再生に向けた理念として、いま自治労に求められているのは、「不法・不正な行為を行った者には厳正な対処を行い、規律と自浄能力を持った組織に生まれ変わること」「働く者の目線で感じ、考えるという原点を思い起こすこと」と指摘。「今回の一連の不祥事を契機に、自治労の今までの取り組み・体制を再度問い直し、一気にメスを入れ、膿を出しきるよう抜本改革を断行しなければならない。100万自治労組合員の英知を集め、『自由・公正・連帯』『安心と信頼』の開かれた新しい自治労は、21世紀を切り開いてスタートする」としている。
 一連の不祥事の原因と課題では、「マネージメントの欠如」「甘え・もたれあいの構図」「人づくりの必要性」「事業体のあり方」について言及しており、徹底した情報公開や内外に説明責任の果たせる組織運営の確立の必要性を訴えている。
 具体的には、再生に向けての七つの改革提言―@会計・財政について、A役員・書記政策について、B組織・運動改革について、C政治闘争のあり方について、D組織対策という問題について、E共済事業のあり方、F各種団体の見直し―を明らかにした。
 さらに、再生に向けたプランが机上の空論にならないよう、「執行部はその進行状況を中央委員会・大会などの機関会議で報告すること」「進行・実施を検証する機構を組織強化委員会などを中心に設けること」を提言している。

府下水道整備基本計画(素案)
自治労府職 意見を提出

流域下水道の行政組織一元化に対し

 「21世紀の大阪府下水道整備基本計画(素案)」に対する意見募集が、1月17日まで行われた。自治労府職は、これまでの取り組みを踏まえ次の意見を提出した。
 【意見】「流域下水道の行政組織を一元化」と書かれているが、「関係者の合意に基づき」と明記すべきである。
 【理由】この問題は、関係市町村、一部事務組合の合意が大前提であり、基本計画への記述にあたっても関係者が合意できる表現に配慮すべきである。
 また、プロパー職員などの労働条件問題など多くの問題について、自治労大阪府本部の要請書などで労働組合としての考え方を示してきたところであり、引き続き下水道サービスの受益者である府民や関係者の合意形成を踏まえて取り組むべきである。

 【解説】大阪府流域下水道研究会(座長米原淳七郎追手門学院大学教授)が、2000年8月に出した提言では、「流域下水道の行政組織を府に一元化し、流域下水道特別会計を設置する」などとしている。現在、流域下水道は府が建設し、市町村と一部事務組合が維持管理を行っているが、提言は一部事務組合の解散など下水道サービスや経費負担のあり方に大きな変化をもたらすものとなっている。自治労府本部は、@関係職員の意見が聴取されていない、A地方分権に逆行する、B一元化のメリットが明確でない、C府民に新たな負担を強いることになる、などの問題があるとして、流域下水道対策会議を設置し対府交渉などを行ってきた。自治労府職も、当該組合として府本部対策会議に参加しており、今後とも取り組みを進めていく。


2002
3月8日全国統一行動
雇用・賃金確保と社会保障のセーフティネットの確立を
自治労府職取り組み強化
2・3面に春闘方針・要求書(案)
春闘始動



2002自治労府職春闘方針・要求書(案)
3月8日を回答指定日


官民一体で雇用・賃金を守る

自治労府職2002年春闘方針(案)
1 春闘をめぐる情勢

(1) 長引く不況と厳しい雇用情勢、最悪の失業率

 5%を超える高失業率が続く日本経済は、デフレの状況が続き解消の兆しは見えていません。小泉内閣が進める新たな構造改革の施策は雇用と生活不安をますます増大させる要因になっています。さらにはアメリカにおける景気後退やテロ事件の国際的影響もあって、わが国の経済情勢と景気動向は一段と厳しさを増しています。
 このような不況の中で企業は従業員のリストラを進める一方で、不足する労働力を補うため賃金を低く抑えたパートなどを増やし、いわゆる労働者のパート化がさらに増大しています。

(2) 一方的に閣議決定された公務員制度改革
 公務員制度改革については、政府・行政改革推進本部が昨年12月に「公務員制度改革大綱」を、連合などとの十分な協議もないまま一方的に閣議決定しました。「大綱」の内容は、@労働基本権問題の先送り、A級別定数を含む各府省の権限強化、B天下りの容認など、特権官僚の処遇改善策を優先するものとなり断じて容認できないものです。

(3) 医療制度改革
 小泉内閣は、時期通常国会で医療制度改革を行おうとしていますが、抜本的な改革を示さないまま、2002年度の社会保険関係費を抑制するためだけに、安易に保険料と患者負担を引き上げることは許されません。雇用や先行き不安を解消するセーフティーネットの拡充こそ、いま求められている改革のはずです。

(4) 大阪府財政の状況
 2002年度の大阪府財政は、さらなる税収の落ち込みが予想され、財政の危機的状況が続き、職員にも一層のしわ寄せがくることが予想されます。大阪府はパブリックコメントを経て、9月には大阪府行財政計画(案)を発表しました。同(案)は、徹底した行政評価システムの確立や大規模開発との決別、透明でわかりやすい府政運営を明記するなど評価できる点もありますが、一般行政部門での3000人削減、アウトソーシング、民間委託、独立行政法人化、など数多くの問題を含んでいます。

2 闘いの基本

(1) 連合の春闘の柱
 連合は11月に第36回中央委員会を開き、2002春季生活闘争方針を決定しました。同方針では統一的な協約課題を、@賃金カーブの維持、Aパートを含む全従業員対象の企業内最低賃金、B時間外労働の抑制、C60歳以降の継続雇用の4項目とし、統一要求基準を「賃金カーブプラスα(アルファー)」に設定しました。
 また、雇用の維持・拡大を今春闘の大きな柱として取り組んでいくことを決定しています。ワークシェアリングについては、2002春闘方針で「雇用と賃金と労働時間の適正配分により中長期的に良質な雇用を創出していく」ことと定義し、政労使の社会的合意に基づく所定労働時間の短縮と均等待遇原則の確立などの課題で積極的に検討を進めるとしています。

(2) 自治労の春闘方針
 自治労は12月に春闘討論集会を開き、2002春闘方針を提起するとともに各県本部・単組での議論を踏まえ、1月31日〜2月1日に開催予定の臨時大会で闘争方針を決定することとしています。その中で重点課題として、@生活の維持・向上を基本とする公務員賃金の確保をめぐる政府・自治体の基本姿勢の確認と公共民間労働者の賃金引き上げの闘い、A均等待遇の原則に基づく格差解消と処遇の改善、B労働時間の短縮、仕事と家庭の両立実現、公正ワークルールの確立、C地域雇用の創出、D分権・自治体改革の実現、E安心・信頼の社会の構築に向けた地域福祉春闘の推進、F循環型社会の構築に向けた環境自治体づくり、としています。
 また、公務員制度改革に対する取り組みとしては、@連合・連合官公部門連絡会が提起する、労働基本権の確立を柱とする公務員制度改革の実現に向けた運動に積極的に取り組みます。A地方公務員制度の改革にあたっては、国家公務員制度と地方公務員制度のそれぞれの特性と地方自治の本旨を踏まえ、地方分権をいっそう推進する立場に留意しつつ、改革の手順を明確にするよう求めていきます。B「公務員制度改革への対応と自治体賃金制度の確立に向けて(骨子)」と「時代の変化に対応した分権型社会システムにふさわしい民主的な地方公務員制度(素案)」を豊富化し、組織的な討議を推進するとしています。

(3) 自治労府職の具体的な取り組み
 @ストライキ批准投票成功に向けて
 自治労府職は、連合・自治労に結集して全体の闘いに積極的に参加していきます。また、2月に予定される自治労ストライキ批准投票では、圧倒的な高率批准に向けて取り組むとともに、あわせて実施する組織強化のための規約改正に向けた一般投票が、高率で賛成されるよう積極的に取り組みます。
 A春闘要求の実現に向けて
 賃金等の労働条件の改善に向けた取り組みとして、2月上旬をめどに春闘要求書を提出し、団体交渉を実施するなど3月8日の全国統一行動日を回答期限と設定して要求実現をめざします。
 B春闘集会等の開催
 3月8日に自治労府職として春闘決起集会を開催するとともに、地区評・各支部とも十分連携しながら春闘学習会や集会などにも積極的に取り組みます。
 C連合、自治労の春闘行動との連携
 連合、自治労の春闘行動に連携するとともに、3月1日(金)に予定されている連合大阪主催の春闘決起集会に主体的に参加します。
 D大阪府行財政計画(案)に対する取り組み
 2002年度から計画の実施段階にきています。自治労府職は、一方的に府民・職員にしわ寄せする施策には断固反対するとともに、2002年度以降の計画の具体化にあたっては職場組合員の声を反映し、支部代表者会議や自治研政策闘争推進委員会での議論が生かされるよう、さらに取り組みを強化します。
 E人員要求、新規採用を求める取り組み
 行財政計画の集中取組期間の初年度にあたる来年度の組織・人員提案では、大幅な改編・人員削減提案が予想されます。一方、職場では慢性的な業務超過状況の中で人員不足が続いています。
 自治労府職は各支部要求・交渉状況を集約し、財政事情による安易な人員削減に反対することを基本に、@府民・住民本位の施策充実にともなう人員配置と新規職員の採用、A公務サービスの充実に向けた現業部門の合理化反対の取り組み、B恒常的残業の解消などを職場からの運動をもとに本部・支部一体となって強化します。
 F新たな身分移管闘争の取り組み
 国費職員の身分と行政が国へ一元化され1年余りが経過しました。本来、社会保険、職業安定行政は市民生活と密接に関わり、都道府県の福祉・労働施策と深いつながりがあることから、国一元化の矛盾がいよいよ浮き彫りとなっています。改めて地方分権一括法付則第252条を足がかりとした身分移管闘争を強化しなければなりません。 身分移管闘争の推進に向け「身分移管闘争委員会」を設置し、身分移管・行政改革・公務員制度改革などの闘争課題について情勢の確認と意思統一、取り組み状況の交流等を行います。
 G公務員制度の一方的な改悪を許さない闘い
 連合官公部門連絡会が5月にとりまとめた「私たちの提言」を基本に、@労働基本権を確立し団体交渉による賃金・労働条件決定制度の実現、A新人事システム設計の前提として評価制度にかかわる「4原則2要件」の確立、Bキャリア制度の廃止、「天下り」禁止など公正で民主的な公務員制度確立のため、連合・自治労に結集し取り組みを強化しなければなりません。この間、自治労府職としても、連合、自治労公務員部会と連携し、時間外集会や抗議打電、中央集会への参加などに取り組んできました。
 今後も引き続き連合と連携し、能力・実績主義の名のもとに職場に分断と競争を持ち込む成績主義に反対する立場で、春闘期に各単組・支部役員クラス集会を開催するなど討議促進に向けて取り組みを強化します。
 H政策制度要求の実現に向けての闘い
 11月に政府・与党社会保障改革協議会は「医療制度改革大綱」を公表しました。しかし、これは医療保険制度の抜本的な改革案を示しておらず、単に患者の負担増と保険料引き上げ、診療報酬点数の引下げにより、当面の財政赤字の穴埋めのみに終始しています。現下の経済・雇用状況の下で、国民にのみ負担を求めることは、さらなる景気の悪化と社会保障制度への不信を招くことになり、いま行われるべきは、安心と信頼の医療制度を実現することです。そのために、患者と被保険者(勤労者)の視点に立った持続可能な医療制度への抜本改革を求める取り組みを強化しなければなりません。
 自治労府職は、密接な関係にある年金制度の課題とも連携して、組織内に医療・年金闘争委員会を設置し、集中的な学習会等の開催や講師派遣等の取り組みを強化するとともに、国費職員の身分移管闘争と結合させた取り組みを連合・自治労に結集して進めます。
 I組織強化と組織拡大の取り組み
 9月末に発覚した自治労中央本部の一連の不祥事については、言語道断の事件であり、社会公正・正義を主張する労働組合運動の根底をも揺るがしかねず、まったく許すことのできない事件です。自治労はこの間「真相究明委員会」を設置して、真相究明にあたるとともに「再生委員会」を設置し、二度とこのような不祥事を招かないよう対策を講じるため、「自治労再生プログラム(案)」を取りまとめました。同案は、過去の古い体質からの決別と組合員の目線に立った規律と自浄力を高めた組織への再生をめざしており、1月31日からの第72回臨時大会で議論されます。
 自治労府職は、今後とも府本部とともに中央本部に対して、徹底した真相究明と再発防止に向けた具体的な取り組みを求めていくとともに、自治労運動のさらなる活性化・組織強化を求めていきます。また、単組としての経理処理についていっそうの改善を図ります。 一方、大阪府においては今後10年間に「団塊の世代」の大量退職が予想されることから、次世代に自治労府職を数的にも質的にも影響力を持ったまま引き継げるよう、全組織を挙げての組織拡大に向けた取り組みが喫緊の課題となっています。
 そのためにも、新たな組織強化・拡大を具体的に提起できるよう2月3日から4日にかけて「組織財政強化対策委員会」を開き、検討を深めていきます。また、組織拡大に向け、若年層の学習と交流の強化を図ります。

要求書(案)

2002年2月 日

大阪府知事 太田 房江 様

自治労大阪府職員労働組合 
執行委員長 大橋 敏博 

要  求  書

2002年度の賃金等の労働条件改善について次のとおり要求するので、3月8日までに誠意ある回答をされたい。

T 労使慣行に関する要求
  労使慣行を厳守し、労働条件の改変にあたっては、一方的実施を行わないこと。また、各支部・分会等における労使関係についても、良好な関係の形成に努めること。
U 賃金に関する要求
1 人事委員会勧告の実施にあたっては、大都市事情を勘案した住居手当・扶養手当等の改善を行うこと。また、定期昇給、特別昇給の停止について早期に復元すること。あわせて、特別昇給の再開に向けて十分協議すること。
2 基本賃金について以下の標準年齢ポイントの賃金水準を実現すること。
  @30歳勤続12年 297,600円、A35歳勤続17年 347,900円、B高卒初任給 191,000円
  また、中途採用者については、上記標準の8割以上を最低基準とし、人事院が算出する標準生計費を基本として水準を設定すること。なお、官民比較方式を抜本的に改善し、職員の賃金水準を引き上げること。
3 現業職員及び獣医師等の初任給基準を改善すると同時に職務段階別加算の不合理を解消すること。また、中途採用者の経験年数換算の号給調整については全職種12月除算とすること。
4 医療職(二)表標準職務表適用者の主査級を6級に格付けすること。
5 中途採用者及び現業職員の上位級格付け基準を改善すること。
6 昇格制度の改善に伴う、行政職給料表以外の給料表の均衡を考慮した措置をとること。
7 最低賃金の保障について
 (1) 年齢別最低保障給制度として確立し、その水準は35歳で標準入職の9割以上とすること。
 (2) 大阪府に雇用されている全ての労働者の最低賃金を月額210,100円(日額10,510円、時間額1,510円)以上とすること。
8 諸手当等の改善について
 (1) 住居手当については、大都市における特殊事情を勘案できるよう制度の抜本改善と、支給額の引き上げを行うこと。
 (2) 通勤手当については実費全額支給を行うこと。また、官民比較の対象から除外し、全額非課税とすること。
 (3) 扶養手当については、支給額、属性区分の見直しなど支給方法の大幅な改善を行うこと。
 (4) 病院職場における宿日直手当を改善すること。
 (5) 時間外勤務手当の支給率を、100分の150に、深夜・週休日・休日の場合は100分の200に、夜間勤務手当は100分の50にそれぞれ改善すること。
 (6) 特殊勤務手当について、2002年4月改定に向けた今回の協議の中で主張が平行線となっている課題についてその改善を図ること。とりわけ職業訓練手当については、制度の抜本的改正(調整額化等)に向け検討を行うこと。また、新たな支給対象業務の発生や国の制度・法改正に関わるものについては3年ごとの改定ルールにこだわらずその改善を行うこと。
9 一時金については官民比較方式を抜本的に改め、民間の実勢を正確に反映した支給月数を確保すること。なお、期末・勤勉手当の支給割合については期末手当に一本化すること。また、その加算については職員間の格差を作らないことを基本に支給基準の改善を図ること。特に、研究職の加算を国並み適用とすること。
10 勤勉手当について、成績主義の拡大は行わないこと。
11 非常勤職員・非常勤特別嘱託員の賃金・報酬の大幅改善と通勤手当の全額支給等待遇改善を図り、特殊勤務手当を支給すること。
12 以上の賃金改善は、2002年4月1日から実施すること。
13 育児休業者・病気休職者などの職場復帰後の昇給復元措置を改善すること。
14 2002年度当初予算に賃金引上げ分を計上すること。
V 任用等に関する要求
1 任用制度の抜本的改善を図ること。
 @主査級昇任考査については、合格者枠の大幅改善、専門考査の分野別選択制導入、適性評価の採点基準の明確化、総合点持ち越し、採点結果の本人通知と公表について引き続き改善を図ること。
 A技術系・専門職員の昇任について、昇任者数の増加を含め抜本改善を図ること。
 B研究職にかかる前歴の取り扱いを改善すること。主幹研究員制度を新設し、4・5級昇格者を拡大すること。
 C現業職員の吏員選考基準を改善すること。
2 平成13年度における「新人事評価制度」の試行実施の検証について、府労連・自治労府職と十分協議すること。また、協議が整わない限り、給与・昇給等に反映させないこと。
3 新再任用制度については、制度の趣旨を踏まえ、職員の雇用を最大限確保すること。また、苦情処理機関の拡充を図ること。
W 保険・年金に関する要求
1 公務員の生活の安定と福祉の向上に欠くことのできない地方公務員共済組合制度を存置し、その自立的運営を確保するため、国に働き掛けること。
2 第131国会における「付帯決議(=国庫負担1/2目途)」の早期実現と共済年金財源の国庫負担の拡充等を国に働き掛けること。
3 政府の「医療制度改革大綱」に基づく患者負担増と保険料引き上げなど行わず、患者の視点に立った持続可能な医療制度の抜本改革を行うよう国に働き掛けること。
X 社会保険・職業安定行政に関する要求
1 地方分権推進の立場から、社会保険・職業安定行政の行政と身分の地方移管実現を求めてきた立場を引き続き堅持すること。
Y 分限、採用に関する要求
1 地方公務員法による「自動失職」に関する特例条項を設けるよう、分限条例を改正すること。
2 国籍条項の撤廃に伴なう任用・配置などの面での不平等を解消すること。
Z 労働条件に関する要求
1 男女雇用機会均等法の改正に伴う関連法規の改正の趣旨をふまえ、保育・介護の必要による深夜勤務免除ができるよう条件整備を行い実施すること。
2 看護婦(士)の夜勤体制は、複数で1人当たり月8日以内を厳守すること。
3 変則交替制勤務者の週休2日制が連続で完全実施出来るよう条件整備を行うこと。
4 妊娠中及び産後1年3カ月までの深夜業務を完全に禁止すること。また、高齢者の夜勤について、原則的に禁止すること。
5 育児休業・介護休暇期間中の経済保障を改善すること。また、期間延長にともなう措置を講ずること。
6 人事異動について、本人希望、母性保護、保育実態等を配慮すること。また、通勤時間が片道1時間30分を越えないようにし、内示は1週間前に行うこと。
7 障害労働者(職員)が、健常者とともに働けるよう、労働条件、職場労働環境の改善・整備を行うこと。
8 非常勤職員の生理休暇を有給で保障すること。
[ 労働時間短縮に関する要求
1 総合的労働時間の短縮に向けた府労連との協議を促進し、1日の勤務時間を7時間30分、1週の勤務時間37時間30分に早期に条例改正すること。
2 リフレッシュ休暇、家族休暇、ボランティア休暇を拡充するとともに、その取得促進を図ること。
3 残業の縮減を図り実労働時間を短縮するため、次の措置を実施すること。
 (1) 週・月・年あたりの残業時間の上限をそれぞれ12時間・30時間・150時間に規制すること。
 (2) 「ゆとりの日(全庁一斉ノー残業デー)」を定着させること。
 (3) 予算・議会関連業務など残業を生み出している業務の見直し、全庁的抜本的改善を行うこと。
 (4) 時間外勤務をするときには、労働基準法第33条3項「公務のために臨時の必要がある場合」の規程の厳格な運用と、時間内に事前届出・事前命令の徹底を図ること。
 (5) 時間外手当の完全支給を行うこと。残業規制を実効あるものとするため、労働基準法第36条の趣旨を尊重し、各部・所属長と自治労府職各支部・分会長との協議を行い、協定を交わすこと。
4 休息時間・休憩時間を完全に確保すること。
5 非常勤職員の年休付与日数を拡大すること。
6 「府民ゆとりの日」の設定、「ゆとり基金」の活用で、民間事業所への働き掛けを強め時短の促進を図ること。
\ 人員に関する要求
1 恒常的残業、過重労働改善のため各支部・分会の人員要求を実現すること。また、継続的に恒常的残業が発生している課を明らかにし、業務量に見合った人員配置を行うこと。
2 各種休暇制度等の権利行使が十分に行えるよう増員すること。
3 新年度予算に伴う新規事業等の必要人員を最大限確保すること。
4 育児休業制度(全職種・男女適用)が実効ある制度として機能するため、代替要員を正職員で完全に確保すること。
5 現業職場における退職予定者の退職後欠員を完全に補充すること。
6 組織定数は業務量に応じて適正配置されるべきであり、財政危機を理由とした道理なき人員削減は行わず、組織の活性化と将来への展望が開けるよう配慮し、年度途中・年度末の退職者と事業増を見越し、新規採用を行うこと。また、障害者の雇用の拡大を引き続き行うこと。
7 一般行政・技術職の女性の採用割合を高め、本庁の配置や男女の固定的配置を見直すこと。
8 病院看護職員の「臨時的任用職員」について、当局責任で必要数確保に向けたあらゆる努力を行うとともに、各病院運営に支障のない年度当初配置人員を確保すること。

青年部定期大会
組織強化で方針補強

若年女性の青年部員化 討議をスタート

 自治労府職青年部は1月11日、旧職員会館で第46回定期大会を開き、2002年度の運動方針を確立した。
 大会議長に後藤源太郎(税務)代議員を選出して議事に入り、あいさつした黒田青年部長は「これからの府政を担う青年層が、財政再建プログラムや昨年の不当な人事委員会勧告など、賃金・労働条件面で当局の厳しい攻撃を受けている。こうした攻撃をはね返し、将来にわたり『イキイキ』と働ける職場環境をつくるためにも、さらなる組織強化に取り組まなくてはならない。また、若年女性の青年部員化についても実現に向けた議論を、職場を中心に行いたい。皆さんのご協力をお願いしたい」と訴えた。
 大会には大橋委員長、上野女性部長、福永社会保険労組青年部書記長が駆けつけ、青年部活動への期待と連帯の言葉を述べ、大会に参加した。
 経過報告は満場一致で承認。運動方針では高橋副部長が提案し、代議員からは、「本部青年部と支部青年部の連絡の迅速化」や「若年女性の青年部員化(ユース部化)は、急がず組合員全体の理解と合意の元に進めて欲しい」、「組合員相互の親睦の強化」など組織強化に向けた意見が出され、運動方針を補強。満場一致で可決・決定された。
 また、「若年女性の青年部員化(ユース部化)を考える職場討議資料」について、池口書記長から「定期大会以降、職場オルグを実施し、青年部内外の意見を聞きながら、全体の合意を受けて取り組みを進める」との提案が行われた。
 なお、大会で選出された新年度の常任委員、選挙管理委員は以下のとおり(敬称略)。
◆   ◆
【常任委員】
 津田誠(健康福祉)、松山俊也(労働)、寺田大樹(府立病院)、久保田英雄(建設)、岡久和弘(税務)、菊池雅文(中宮病院)、久保田篤(環境農林水産)
【選挙管理委員】
 來山直之(税務)、好本康昭(建設)


自治労府職 第8回囲碁・将棋大会

【日時】2月2日(土)、午前9時30分集合、午前10時対局開始
【場所】住友生命「釣鐘倶楽部」 大阪市中央区釣鐘町2−2−11
【対戦方法】囲碁・将棋とも個人戦(トーナメント方式)。各クラス,A(3段以上)・B(2段・初段)・C(級位者)ごとに対戦。
【参加申込】電話またはFAXで。@氏名A単組・支部・分会名B囲碁・将棋のクラスを明記、または申し出てください。
※囲碁・将棋の各クラスとも受付順で12人になり次第締め切ります。
【申込・問い合わせ先】自治労府職教宣部まで。
 電話06−6945−4056(府庁内線3781)、FAX06−6945−1315

各クラス12人で締切
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