機関紙「自治労府職」
2002年11月21日号
公務員制度改革／ＩＬＯ提訴問題
理事会
労働側主張全面受け入れ
日本政府に再検討求める
連合 大きな武器得て「大綱」撤回に対策
ＩＬＯ理事会は現地時間の２０日、連合と連合官公部門連絡会がＩＣＦＴＵ（国際自由労連）などと連名で提訴した、公務員制度改革の一方的な閣議決定と労働基本権付与などに関する「結社の自由委員会の日本案件」報告と審議を行った。
その結果、ほぼ全面的に労働側の主張を受け入れ、日本政府に対し公務員への「労働基本権制約維持」を再検討すること、国家の運営に直接関与しない国家公務員に、結社の自由の原則に則り団体交渉権とスト権を付与することなどを求めるとした。なお、理事会での採択は時間切れとなり翌日に再開される予定。
審議では、使用者側スポークスマンが「結社の自由委員会の結論を支持する」と表明。労働側代表も「労働基本権制約を維持するとの決定を見直すよう日本政府に要請する。日本政府はＩＬＯの勧告を真剣に検討し、公務員制度が結社の自由の原則に則ったものとなるようにすべき。結社の自由の原則はすべての国に一様かつ一貫して適用されるものであることを日本政府は想起すべき」と報告を全面的に支持する見解を述べた。
連合と連合官公部門連絡会はこれを受けて緊急の報告集会を開き、①ＩＬＯ勧告を武器に政府に対して「大綱」の撤回を求め臨時・通常国会対策を進める、②１１月２９日に１万人中央集会を行い、政府に申し入れを行うなどの具体的な取り組みを意思統一した。その後、談話も発表し「国際基準である働く者の労働基本権を今こそ日本で明確に確立するため、その実現に全力をあげる」とその決意を内外に示した。
給与法改正法案／参院本会議で可決・成立
「附帯決議」が今後の歯止め
公務員連絡会 ２１日に今後の取り組み方針を確認
１４日、参議院総務委員会で可決された給与法改正法案は、１５日午前１０時から開かれた参議院本会議で賛成多数で可決・成立した。政府はこれを受けて、公布手続きの閣議決定を行い関連人事院規則の改正も行われる。この手続きで改正法案施行日１２月１日が確定する。
公務員連絡会は、「減額調整措置」が不利益不遡及の原則に抵触するとして、給与法改正法案の修正を求めて国会闘争の取り組みを強めてきた。残念ながら衆参の総務委員会に提出された民主・社民両党の共同修正案は賛成少数で否決されたが、両党議員の質疑で給与法改正法案の問題点を追及し、今後の取り組みの歯止めとなる附帯決議を採択することができた。
公務員連絡会は２１日の合同会議で、秋闘の中間的総括を行い今後の取り組み方針を確認する。また、今後は、地公確定に向けた取り組みを強めていくとした。
同日は、地公部会を中心とした中央行動も行われ、集会には７００人が参加。国の水準を下回らない地公賃金の確定、地方財政危機が理由の定員削減、労働条件切り下げ反対などの取り組みを進めると意思統一した。
府労連
秋季年末闘争
要求実現に全力の取り組み
大型はがきを２０日に手交
ヤマ場へ最大限の結集を
１４日の第２回団体交渉で当局は、府人勧の取り扱いで財源不足の一層の深刻さを訴えながら「このような財政状況のもとで勧告どおりの給与引き上げは難しい。国に準じた改定が基本と考えているが職員にとって重要な事項であり府労連と十分に協議し結論を出したい」との回答に止まった。
同日の拡大闘争委員会で門川委員長は、府人勧の完全実施を求め精力的に取り組んでいるが、府議会や、マスコミなどの厳しい情勢も予想される。さらに軒並み国に準じた改定と減額調整措置、給与カットなどの提案が相次ぐ他府県の状況が、今季闘争に大きな影響を及ぼしていると、厳しい情勢を報告した。
府労連はこの間、要求実現に向けて知事への「大型要請はがき」に取り組み、２０日に人事室長に手交して職場組合員の要求、期待に応える誠意ある対応を改めて強く求めた。
自治労府職も「大型はがき」の取り組みを進め職場組合員から多くの署名を集約し、府労連三役に託した。また、プラス勧告となったことで全国的にもその動向が注目される今季闘争への組合員の最大限の結集を訴えるため、各支部の要請に基づきオルグ行動を行うなど取り組んでいる。２０日には本庁朝ビラ配布行動も行い組合員の結集を訴えた。２２日のヤマ場には最大限の結集で、要求実現のため最後まで取り組みを強めていく。
上海市総工会
江蘇省総工会
友好交流を深め合う
府労連・日中友好３０周年記念訪中団
本年９月、日本と中国の国交が回復してから３０年を迎えた。日中友好３０周年を記念して、上海市総工会・趙順章国際連絡部長からの招へいで、府労連・訪中団を結成し１１月１日～４日にかけて上海・南京を友好訪問した。
訪中団は１１人の団員と国際交流財団・朱小松さんに通訳をお願いしての１２人。上海市総工会には１０年前、当時の岩井府労連委員長を団長に訪問して以来の訪問となった。
上海市総工会との交流、懇親は１日に、趙順章国際連絡部長、李慶国際連絡部副部長、呉上海職工対外交流中心対外連絡部長の出席で開かれた。訪中団の磯部団長から、上海市総工会・包主席にあてた門川府労連委員長の親書を手交し、今後、さらに友好交流を促進することを確認し合った。
２日には列車で３時間の南京に到着後、江蘇省総工会の王兆喜総工会副主席、曹海国際連絡部長の出席で開かれ、今後、江蘇省総工会と府労連との友好交流を行うことを確認して、懇親・交流を深め合った。
今回の訪中団参加に際し、ご協力いただいた皆さんに感謝しながら以下に、参加した方々の感想も掲載し報告とします。【商工支部 江原均】
１７年前に夫が上海を訪れた時の話とは大違いで、この１２年前から中国では開発が進み、上海の中心地は大阪に負けないくらいの建物や賑わいを見せていた。一方で上海から南京に列車で移動した際には、上海を出て１０分もしない間に見渡す限りの田園風景になり、日本の４０～５０年前を思わせた。なんとなくタイムスリップしたようにも感じた。
南京大虐殺記念館を見学した時には、６５年前に日本軍が首都・南京を占領し、６週間におよぶ血なまぐさい大虐殺（３０万人）を行った事実を目の当たりにした。「兵士・百姓を問わず老若男女も妊婦も赤ん坊も、坊さん・尼さんも殺害を逃れることができなかった。その手段は残酷を極め、銃殺から斬り殺し、刺し殺し、生き埋め、焼き殺し、溺死、さらに殺人競争までとあらゆる手段を尽くした」と生存者から歴史の真相を聞き、身震いさえ覚えた。
二度とこの様な悲劇はあってはならないと感じた。戦後生まれの私は、戦争の悲惨さを改めて知り有事法案反対を強く訴えたい。【羽曳野病院支部 大鳥美矢子】
上海は６回目の訪問だが、来るたびに驚くのは高層ビルが増えていることと人が多いこと。昼夜を問わず人類大移動との感じで、まさに上海は中国の経済特別区であることが分かる。その反面、貧困の差も現れておりグローバル社会の中で上海もたたかっている街だとの印象を受けた。
２日目の南京では、上海と変わらないほど高層ビルが建ち並ぶ様子にも驚き、中国第三の都市、７８００万人が住む街の息吹を感じた。
南京大虐殺記念館を訪れた時には、その悲惨で残忍な行為の話しに、語っていただいた陳平隠副館長と生存者の方の顔を直視することができず、私なりに心の中で許して下さいと手を合わせた。二度と繰り返してはならない事実を、伝えていかなければとの思いを強め、訪中団全員で慰霊塔に献花を捧げた。
今回の訪中で感じた今後の中国の課題としては、子ども一人政策をとる中、人口が多い分、高齢社会が進み社会福祉・経済構造、農村問題などの調整が必要と感じながら帰路についた。【中宮病院支部 小野修一】
福利厚生部
年末物資あっせん
オホーツクの幸、ご家庭に
配送は１２月２４日（火）～２５日（水）
福利厚生部では、今年も年末物資のあっせんに取り組みます。今年は「オホーツクの海の味覚」をご家庭に直送します。
そのメニューの一部をご紹介。新巻鮭は、産卵期に川をめざして陸に寄ってくる、一番うまい鮭“めじか”をオホーツク海上の船からご自宅へ。ズワイガニも獲れたてのカニを船上でボイル、クール宅急便でお届け。カキは厚岸産の２年養殖物だが、殻付きで３０個入りと贅沢な内容。このほか、毛ガニ・いくらなど新鮮な海産物が盛りだくさん。どしどしお申し込み下さい。
【申し込み方法】
・各単組・支部に配布済の申込書に誤記・記入漏れが無いようもれなく記入の上、各単組・支部・分会担当者にお渡しください（取りまとめて自治労府職へ送付します）。
・各単組・支部からの申込書は１２月２日（月）までに自治労府職福利厚生部へ必着のこと。申し込みが遅れるとあっせんできなくなる場合があります。
・配送は、１２月２４日から２５日に“お届け先”に直送される予定。
・代金は、１２月１０日の一時金支給日から１３日（金）を中心に各単組・支部・分会担当者にお渡しくださるようお願いします（取りまとめて自治労府職へ送付します）。
おせちもあっせん
福利厚生部では、年末物資とあわせて大阪厚生年金会館謹製「おせち」もあっせんしています。
職場に配布しているあっせんビラの裏にある申込書に必要事項を記入のうえ、職場（分会）・支部・単組役員に渡して下さい。申し込み締め切り日は１１月２８日までの間で各単組・支部で設定されます。ご確認の上、申し込んで下さい。代金も各単組・支部へ。
配達は１２月３１日（火）の午前９時～午後６時の間。同日、大阪厚生年金会館に取りに行くことも可能です。
代金は配達の場合、三段重２万４０００円、二段重１万９０００円、来館の場合は三段重２万３０００円、二段重１万８０００円。