機関紙「自治労府職」

 2003年3月11日号

要求実現・反戦平和を訴え

扇町公園に2万人の声響く
2003春季生活闘争
3・7総決起集会

連合大阪

 連合大阪は7日夜、扇町公園で国民生活と世界の平和を守る03春闘3・7総決起集会を開き、組合員2万人が参加した。
 集会では、健康保険法等改正法案に対する3割負担凍結・保険料引き上げ圧縮を求める決議を採択。集会アピールでも、@定昇制度見直し・人員削減など強行姿勢の経営側に不退転の決意で立ち向かう、A雇用の安定維持・失業者対策、賃金カーブ維持、中小・地場のたたかい強化、パート労働者の賃上げや公平・公正な待遇改善、不払い残業撲滅、BILO勧告の完全実施と民主的公務員制度改革の実現、Cイラク問題、北朝鮮の核開発問題に対する世界の恒久平和実現と国連中心、国際協調による平和的解決、などを強く求める集会アピールも採択した。
 集会であいさつした前田会長は「勤労国民に痛みを押しつける小泉内閣に対する怒りを込めた行動を積み上げる。医療制度改悪など政策制度の改善を求めて、統一自治体選挙にも取り組み、推薦候補の必勝を勝ち取ろう」と訴えた。
 集会後、参加者は中央郵便局、淀屋橋の2コースに分かれてデモ行進して、春闘要求実現を沿道に強く訴えた。

政策・制度要求実現 統一自治体選に全力


自治労国費評労働部会

大阪・東京・沖縄の4組合
連絡協議会を発足

学習決起集会
100人が参加


実効ある雇用対策求める

 自治労府職の構成組織である大阪労働局職安労組は、自治労国費評議会労働部会の先頭で、地域に根ざした職業安定行政の推進と、身分の地方移管を求めて取り組みを進めている。先月、大阪で集会を開きさらなる運動強化を確認し合った。その報告を掲載する。

 【大阪労働局職安労組発】労働法制の一方的な「規制緩和」や、「ハローワーク(職業安定署)民営化論」など、労働者にとって厳しい情勢が続く現在。連合の雇用労働分野の運動強化も視野に入れ、職場組合員の期待に応える運動強化のため、自治労国費評議会労働部会連絡協議会は2月21日、大阪で学習決起集会を開いた。集会には、実効ある雇用対策の実現をめざして取り組みを強めるため、同協議会に結集する大阪・東京・沖縄の4組合から組合員100人が参加した。
 集会では、連合本部総合労働局長の瀧井葉二さんを招き「実効ある雇用対策の実現を/労働法政の規制緩和と労働運動の課題」と題する講演をうけた。瀧井さんは、市場万能主義の動向と対決する連合本部の取り組みの現状、春闘をはじめとする運動展開の変革などを報告。さらに、20年スパンで大きな変革期であること、地域社会と雇用創出に向けた労働運動の役割が重要なこと、第一線である職場と地域からの提言が必要であること、などへの決意も込めて熱心に語った。
 参加者からは「社会的要請に応える職場からの取り組みが必要であることを痛感した」との声が寄せられた。
 主催者を代表してあいさつした、自治労本部の竹花副委員長は「この集会の決意に期待。労働・職安行政は、地域に密着し労働者の役に立つ行政であるということを仕事を通じて立証しながら、ハローワーク民営化論をうち破るため職場からの取り組みを自治労全体で推進したい」と述べた。
 国費評議会の西山事務局長、自治労府職の大橋委員長から激励と連帯のあいさつを受けたあと、労働部会を代表して山田部会長(大阪職安労組委員長)は「本日、4組合が労働部会連絡協議会として第一歩を踏み出した。中央情勢を共通認識とし職場からの活動を進めたい」と決意を述べた。

自治労国費評労働部会 連絡協議会
大阪労働局職安労組・東京職安労組・大職安・沖縄国公労働支部
4組合が連携・協力

 自治労国費評議会労働部会は、昨年の自治労第73回定期大会でその設置が確認された。
 2月21日開催の「学習決起集会」の前段では、構成組織である大阪労働局職安労組と東京職業安定行政職員労働組合が中心となって、沖縄国家公務員労働組合労働支部、全労働省労働組合大阪職安支部に呼びかけ、連携・協力を一層進めるために4組合による労働部会連絡協議会の活動をスタート。組織強化と運動発展をめざしていくことを確認し合った。
  ◆     ◆
〈集会激励あいさつ〉
 国費評議会の西山事務局長は「昨年の総会で、連合提唱の労働を中心とした福祉社会の実現は、職業安定行政の地方分権抜きにはあり得ず、国費評議会に結集してたたかうとの決意で、労働部会の設置を確認した。4組合による連絡協議会で、本集会を開催されるなど運動も強化され、ともに喜び合いたい。職場の労働条件を守るたたかい、社会保障拡充に向けたたたかいを社会保険職場・職業安定職場が連携して強力に進めたい。制度改革が国会で議論される。医療・年金・労働行政、ともにセーフティーネットとしての社会保障制度の充実が求められる。国費評議会は、労働部会の活動・提言に全力を傾けたい」と激励し決意を語った。
 自治労府職の大橋委員長は「国費職員の一元化で連合体組織を確立し、自治労に結集してきた。独立行政法人化・民営化の議論がある。大阪では高失業率とともに、高校を卒業しても3人に1人に仕事がない現状だ。住民に身近な行政として、あるべき姿を追求し活動する皆さんとともにたたかっていく」と激励した。
 集会の基調報告を駒井副部会長が行い、参加4組合からは小林副委員長(東京職安)、北野書記長(大阪労働局職安労組)、磯部副委員長(大職安)、佐々木副委員長(沖縄国公労働支部)が職場からの決意を報告した。


春闘決起集会

公務員制度改革 改正法案阻止する
対策本部事務局長 大塚実さんが講演


 自治労府職は6日、市立中央青年センターで03春闘決起集会を開き組合員120人が参加して、ヤマ場が迫る今春闘での運動強化を確認した。
 集会であいさつした大橋委員長は、パート労働者の処遇改善や労働組合の組織率低下などの課題のほか、公務員制度改革にふれ「18日という最大のヤマ場に向け、自治労府職も7日と11日に時間外職場集会を設定した。ILO勧告を無視しようとする政府に対し、どのようにして、勧告に沿った改革を行わせるかが今後の課題」とした。
 集会には、連合官公部門連絡会対策本部事務局次長の大塚実さんを招き「ILO勧告で抜本見直しを迫られた日本の公務員法制」との講演をうけた。大塚さんは「いま、進められている公務員制度改革は、自由な任用と人事管理権の強化、人事院の弱体化をめざしたもので、キャリア官僚優遇のお手盛り改革だ。14日が法案提出締め切りと言われているが、今国会でのわれわれの取り組みは『政府に法案を出させない、出してきてもつぶす』ということ」として、中央の議論経過や取り組みの重要性を訴えた。
 集会では、社保労組、税務、総務支部から今後の運動強化への決意が述べられた。


泉州地区評泉北B総会
地域の親睦・交流深め
組織強化・拡大進める


 【泉州地区評泉北B協議会発】地域交流を深めより一層の組織拡大を。
 2月12日、泉州地区評泉北ブロック協議会は、2003年度の総会を開き職場代表者15人が参加して、運動方針などを決定した。
 あいさつした西口議長は、地域職場での統廃合や民営化・独立法人化などの状況を含め、職場の状況を報告した。本部からは大橋委員長・中村執行委員が出席し、自治労府職運動のさらなる強化に向け地域からの支援を訴えた。
 経過報告では、毎年、盛大に行われている納涼大会などの報告、また、運動方針では、地域職場の親睦交流を行い組織強化を図るため、「府民センター建物共闘の強化発展」「職場紹介などのニュース発行」などで意見が出され、方針を補強した。
 主な活動では、春闘学習会(3月)・合同花見会(4月)・納涼大会(8月)などを予定している。なお、今年度の役員体制は次のとおり(敬称略)。
  ◆     ◆
○議長   西口友康
 (総合労働南大阪C)
○副議長  堀内義信
 (母子C)
 同    濱田 健
 (堺西社保)
○事務局長 香西 昇
 (泉北府税)
○会計   藤井宣昭
 (堺東社保)
○会計監査 奥村俊彦
 (産技総研)


自治労府職・退職予定者集会
退職後の各種手続で説明
懇親会で交流も深める

 今年度末で退職予定の組合員の不安の軽減や、交流を深めるため自治労府職は4日、退職予定者集会をエルおおさかで開いた。
 退職金計算や、その後に必要な税金対策のほか退職共済年金の取り扱いや、自治労府職退職者会、自治労共済、マインド、ろうきんの利用など、退職後の各種制度・手続きの説明を行い、参加者の理解を深めた。
 集会であいさつした大橋委員長は、組合員の皆さんの長年の労をねぎらうとともに、この間の自治労府職への支援・協力に感謝の言葉を述べ、今後も退職者会との連携・協力を強めていくと決意も語った。
 集会終了後には懇親会を開いて交流を深め、参加者からの一言ずつのあいさつでは、退職後の手続きなどがよく分かったなどの感想が出された。


大阪府の地方独立行政法人化等検討への見解と対応
財政負担軽減、定数削減目的の導入に反対
職場の討議で方針を豊富化


 大阪府の地方独立行政法人化等検討への見解と対応
   2003年3月5日
自治労大阪府職員労働組合 

T 経過

 国の省庁改革の一環として独立行政法人制度が創設され、2002年7月現在、59機関が独立行政法人に移行している。2003年は国立大学、2004年度には国立病院の法人移行が予定されている。
 地方では、2000年12月の「行政改革大綱」で「国における独立行政法人化の実施状況を踏まえて独立行政法人制度の地方への導入を検討する」とされ、2002年8月8日に総務省の「地方独立行政法人制度の導入に関する研究会報告」、12月に同「地方公営企業と独立行政法人制度に関する研究会報告」が出された。これを受けて総務省は、法案準備を進め今国会(156通常国会)への法案提出を予定しており、自治労本部では対策委員会を設置して総務省との協議・交渉を重ねてきた。
 大阪府では行財政計画(案)で、病院・研究機関等の独立行政法人化の検討を進めるとし、2002年9月の「今後の府立病院のあり方、果たすべき役割について」(府衛生対策審議会答申)でも、運営形態の検討の選択肢として示された。
 自治労府職では、組合員の身分、労働条件に大きく関わり、また、府の行政サービスのあり方の視点からも検討していく必要があるとして対策委員会を設置し、総務省研究会報告の学習や問題点・課題の論議を行うなど取り組みを行っている。支部・職場でさらに論議を深め、取り組みの強化を図りたい。

〈自治労・府労連の取り組み〉
 自治労では対策委員会を設置し、総務省への申し入れ・解明交渉を行っている。府労連も2002秋季・年末闘争で慎重な検討と十分な協議を要求し、「職員にとって勤務条件に関わる重要な問題であり必要に応じ協議」と回答を受けた。

U 大阪府の状況と問題点

〈大阪府の検討状況〉
1 行財政計画(案)
 ○「全国一スリムな組織づくり〜一般行政部門で3000人を削減」の項
 「地方独立行政法人化」―試験研究機関・大学・病院等とし、600人の削減を明記。進捗状況と改革工程表で段階・取り組みが逐次示されているが、行革計画であることから各サービスをなぜ、地方独立行政法人とするのか、しなければならないのかは示されていない。
 ○「改革工程表」2003年2月「スリム化」の項
 基本的考え方―質の高い行政サービスを柔軟かつ効率的・効果的に行うとともに、透明性のある組織運営を確保するため、国の状況を見極めつつ、本府の実情に即して活用できる地方独立行政法人化を検討(検討項目例―試験研究機関・大学・病院等)
 ○集中取組期間3カ年の具体的内容
 14年度―本府の実情に即した法制度の早期創設を国に引き続き働きかけ、国の動向を踏まえつつ本府における地方独立行政法人化の検討を推進(「公立大学法人化」の検討、府立5病院の運営形態のあり方検討等)、
 15―16年度(取組継続)

2 病院関係 経過
 ○2002年9月、「大阪府衛生対策審議会答申」「府立の病院が担うべき役割を継続的に果たしていくためには、より質の高い経営形態の確立、すなわち、経営改善に向けた不断の取り組みを自律的に進める運営形態への転換が不可欠」として、今後のふさわしい運営形態(地方公営企業法全部適用、地方独立行政法人)への検討を加えている。
 ○2002年12月、「病院改革プログラム(案)―診療機能の見直し編」答申を受け、
 @改革の目的―府立の病院が担うべき、広域行政医療の提供と府域の医療水準の向上という役割を果たしていくため、より効率的・効果的に高度専門医療を提供できる体制を確立する。
 A改革の基本方向
  イ、診療機能の重点化と明確化
  ロ、医療機関の役割分担と連携
 B具体的な取り組み(略)
 C運営形態の検討―地方独立行政制度の法制度整備を待ち、検討・策定する

 ○2003年2月、「計画(案)進捗状況―前倒し・さらなる改革等 平成14年度版」
 「前倒し・早期具体化等」の項目に以下を示している。…答申で府立の病院にふさわしい運営形態の具体化を図るべきとされたことから答申にそって、今後、法制度の整備状況を踏まえて、「府立の病院改革プログラム(案)〈運営形態の見直し編〉」を策定
 ○2003年2月、府議会で「経営効率的のため運営形態の積極的な見直し」を求める代表質問に「事業局に病院現場も含めた検討組織の早期設置」と答弁。

3 研究機関 経過
 2003年、「13年度機関評価調書」〈機関の必要性〉の項で、公衛研・産技研が、独法化検討に触れている。

〈問題点1〉 大阪府の検討について

1 行財政計画(案)
 行革を至上命題に2002年9月の「計画(案)」で、地方独立行政法人をスリム化の手っ取り早い手法として取り上げ、制度の早期創設を国に要望してきたが、大阪府がなぜ地方独立行政法人の導入を検討するのか、府の理念、府全体の組織のあり方などについてはまったく示されていない。
 ↓行財政計画(案)の定数・予算削減手法としての検討だけであり、各機関の将来的な役割やサービスのあり方と、それにふさわしい形態かどうかは説明されていない。削減、スリム化論議の先行、偏重は当該職員にとって、身分や退職金問題など将来への不安を大きくするばかりで、職場の士気低下も招きかねずマイナスにしかならない。必要なことは財政難の中で将来を見据えてどう効果的・効率的にニーズに対応していくかの職場・職員の議論と、具体的な取り組みであり、サービスや組織のあり方を業務に即して現場から広く意見を求めるとともに、議論を通じて組織の活性化を図っていくことである。

2 衛生対策審議会答申
 ↓病院については、「衛対審答申」が診療機能の改革に関連して運営形態の検討を求めて、公営企業法全部適用、地方独立行政法人を提示しているが、現行と公営企業法全部適用、地方独立行政法人を制度として比較しただけで論じられ、現状分析にたっての提言ではない。例示されている現行の課題も、原因が制度のみに起因し制度でしか解決できないことを検証したものではない。

〈問題点2〉 公共サービスのあり方
1 求められる公共サービスの議論
 「小さな政府」をめざし民営化や公共部門「改革」を進めてきたイギリス・フランスなどで、市場原理・競争原理の導入が効率化や質の向上の方向へ向かわず、利用料金の値上げ・サービス低下、必要な人に届かないなどの問題が起きてきた。それが重大な政策ミスであったこと、社会や経済の発展と持続的な成長のためには強力で質の高い公共サービスが必要であることを、政治家・政策立案者だけでなくサービスを利用し必要としている人々が再認識し始めている。このような状況を受け、PSI(国際公務労連)は2002年の世界大会で、「質の高い公共サービスのためのグローバルキャンペーン」の取り組み方針を決定した。
 日本では、市場原理優先の小泉構造改革・規制緩和が、福祉・医療・保育・環境・教育などの分野をその主なターゲットとして進められている。「規制改革重点6分野」「日本版PPP(公共サービスの民間開放)」「公共料金の構造改革」などが示すように民間企業の参入拡大、「民間でできるものは官はやらない」を基本に、株式会社の参入・拡大、民営化・民間委託、PFIなど多様な主体・手法の活用が進められようとしている。さらに、「特区」構想、総務省の「地方独立行政法人」「地方公営企業と独立行政法人制度」の法案化作業が行われている。しかし、これらは「経済活性化」目的の議論であり、少子・高齢化、地方分権・地域主権の時代に向かう中での「公共サービスのあり方や質の向上」への問いかけにはなっていない。
 自治労は昨年秋、関連分野を組織する現業評議会・公営企業評議会・社会福祉評議会・衛生医療評議会の「四評統一行動」として、自治分権時代にふさわしい地域公共サービスをめざしてをテーマに2002公共サービス中央アクションを開いた。公務労働の見直しが常にコストで論じられ領域縮小を迫られているが、各地域の実情とニーズに合わせてどのような質の良いサービスをつくっていくのか、仕事を見直し変えていく職場の取り組みの連続で、地域が求める直営サービスを守っていかなければならない。厳しい環境を「仕事を問い直しつくり変えていく」チャンスと捉え取り組みを進めよう。

2 直営サービスの役割とサービスの向上
 直営サービスは競争・市場原理の外にあることで、今まで効果・効率・コストの意識が薄く改革が遅れてきた。必要なサービスを直営で守っていくためには、効率・コスト意識を高め、税の使途として納得を得なければならない。
 一方で、市場原理の外にあることを大きな利点として、下記の役割を果たしており、今後、よりそのことが求められている。
 @地域のサービスの水準モデル
 A質向上の取り組みの誘導モデル
 B直接の利用情報による施策の検証・総合施策化、他のサービス利用との連携
 C人材育成…業務経験を施策化に生かせる人材育成(民間等各種資源とのネットワーク、コーディネートも含め)
 Dセーフティネットの役割(民間サービスを利用できない人々への)
 Eサービスの質を担保する労働条件
 サービスの質の維持は安定した労働条件が不可欠である。公務と民間の大きな開きは事実で、働き方と処遇の自己点検・議論とともにすべてのサービス従事労働者との連携・処遇改善への取り組みが必要。
〈問題点3〉 制度のメリットとされる点・「答申」と、現在の取り組み

 研究機関・博物館等への国機関の独立行政法人は移行後日が浅く、国立病院は2004年度の移行予定であり、制度のメリットとされる点は検証されていない。府の論議は「メリット」とされる点を取り上げているが、現制度の枠組みで達成できる課題ならば充実・着手を図っていくべきであり、病院の「あり方部会」でも指摘されている。

1 現在の取り組みと課題
 @情報公開・行政評価等
 地方分権で行政運営の効率性・透明性の向上がより求められ、情報公開・行政評価、住民参加、外部監査などの改革が多くの自治体で取り組まれ、大阪府もこの同取り組みを行ってきた。住民サービスを担う地方自治体にとって、当然求められることであり、国と異なり地方独立行政法人のメリットにはならない。これらは、現在の取り組みが不十分であればその原因への対策を強めることが先決であり、組織形態の変更で自動的に達成できるものでない。試験研究機関は、機関評価はあるが研究評価は方法も含め課題となっており運営形態が変わらずとも必要なことである。
 A会計
 自治体では事務・事業評価の予算編成への連動など、税金の使途と成果を情報公開し、行政を納得性のあるものにしていく取り組みが進められている。行政が継続的・安定的に提供しなければならないサービスは責任ある公費負担が必要であり、運営形態が変わっても情報公開と説明責任は変わらない。府の病院は経営改善計画に基づき経営評価を行い経営努力を進めており、今の取り組みの継続・充実で改善できる点が多いことは現場から数々指摘している。(例―医師や事務局の診療報酬点数の知識が薄い。民間病院医事は非常に専門的な知識を有し医師も詳しい知識を持つ)。
 独立行政法人制度は、企業会計導入により透明性の向上と弾力的・効率的・効果的な業務運営が図れるとしているが、企業会計でなければ達成できない問題とは具体的に何か、さらに、会計制度が変わってもそれを駆使できる人材と組織がなければメリットとしうるのか疑問である。
 B「現行の運営形態の問題点」とされている組織・人事等組織目標の明確化・徹底について、現形態でも取り組み如何で可能な事柄であり、制度で自動的に解決はできない。また、一般職による病院経営を阻害要因とし病院経営に必要なプロの事務職の不在が指摘されているが、今まで目的意識的に人材育成はなされていない。この課題は制度変更の有無に関わらず必要なことである。経営責任についても、一番重要なことは資質・能力にあることは民間企業が示しており、制度的に明確化されることで何ら解決しない。給与への業績の反映は、公務員制度改革論議で大きな論点となっており、この行方を見守るべきである。
 提示された諸課題が経営形態の変更でどこまで目的が達成できるのか、「あり方部会」論議でも、国の制度移行もこれからで論議素材が少ないと指摘されている。従って、現在の取り組みの問題点・解決方法の解明がまず必要と考える。

2 情報提供と現場からの議論参加を
 当該職場の組合員にとって身分・労働条件への不安が生じている一方、運営形態に最も深く関わる当該職員からの議論が少ないことが「あり方部会」で指摘されている。現場では、見通しが不安定な状況に置かれたまま、診療機能再編への対応・日常業務への対応と向上・効率発揮が求められている。
 各病院の歴史を踏まえて今後の医療ニーズに対応していくためには、今後の業務、組織のあり方への責任ある提起と十分な情報提供・議論参加が必要である。「いい組織はいい職員がいないと運営できない。そこで働くことがキャリアパスになる」、そのような病院にするため、そこに働くすべての職員への情報提供と議論参加の機会を求める。


V 自治労府職の取り組み

 地方独立行政法人の法案化・制度設計にあたって自治労本部の対策委員会は総務省との協議・交渉を進めており、意見反映や情報提供を行うとともに次の取り組みを進めます。

〈取り組みの基本〉
 ○法整備に関し「公務員型」・「自治体の選択性」等を求め、自治労に結集して取り組みます。
 ○大阪府に対しては、財政負担の軽減・定数削減目的の導入に反対して取り組みます。
 国での制度導入について十分な検証を加えた上で、府のサービス・業務に将来を含め本当に適したものか、サービス提供の責任・安定性の担保、他の選択肢があり得ないのかなど、慎重な検討を求めるとともに、自治労府職・当該支部・職場への十分な情報開示と議論を求めます。
 組合員の不安・動揺への責任ある対応を求めます。国・府の動きを注視し、状況に応じ申し入れ・交渉を行います。
 ○自治労府職として、対策委員会を軸に、「身分・労働条件、組織対策、府の検討状況の解明・課題の整理と対策、政策的な議論・検討」等について本部・支部が連携して取り組みを強めます。
 ○関係支部・組織では、業務に関わる具体的な問題について各所属と協議・交渉を行い、問題点を本部に集約します。


ユース部 今年もフットサル

いい汗流そう・万博公園で
参加チーム募集中


4月5日(土)
10:00キックオフ

■日時 4月5日(土)10:00キックオフ
     ※9時30分から受付
■場所 万博フットサルクラブ
     吹田市千里万博公園11‐1
     (阪急千里線・モノレール山田駅より北へ徒歩15分)
     TEL 06‐6877‐3356
■募集チーム数 8チーム
     ※1チーム5名以上最大8名で構成し、選手はすべて組合員かつ過半数のユース部員を含むことが条件
■登録費用 1人1000円
■応募方法 ユース部作成の大会告知ビラ裏面の様式に、チーム名、登録選手等を記入の上、FAXまたはてい送で自治労府職ユース部・來山・高橋まで送付のこと。(FAX06‐6945‐1315)
■募集締め切り 3月19日(水)
■問い合せ 電話 06‐6945‐4056(本部書記局内)

先着8チームまで3月19日締切



普通の人々の死を私たちは想像できるか
最近読んだ本
「イラクの小さな橋を渡って」

池澤夏樹・著/本橋成一・写真
光文社、本体952円+税

 アメリカ(+イギリス)のイラク攻撃が秒読みの段階に入ったようだ。アメリカの「正義の人」であるブッシュ大統領は、振り上げた拳の収めどころのメドがたたないまま、ますますヒステリックになっている。アメリカの蛮行に歯止めをかけようと、アメリカも含めて全世界でイラク攻撃反対の反戦・平和のデモや抗議行動が展開されている。
 アフガニスタンでもそうであったように、アメリカの無差別空爆が続き、多くの人びとが殺りくされるのだろう。湾岸戦争の時と同じように、私たちはTVでゲーム感覚で眺めるのだろうか。一方的に殺される人々はどんな生活を送り、何を思ってイラクの空の下で暮らしているのだろう。私たちと同じ人間として、喜怒哀楽に一喜一憂し、食べ、飲み、歌っているのだろうか。それとも、フセイン独裁体制の底辺で、迫り来る戦争の影におびえ非人間的な生活を余儀なくされているのだろうか。膨らむ疑問をかかえて池澤夏樹と本橋成一はイラクに飛んだ。昨年10月末のことである。その2週間の滞在で感じたことが「イラクの小さな橋を渡って」となって、1月25日に発刊された。
 反戦のうねりの高揚もあって、最近マスコミもイラクの人々の姿を放映するようになってきた。だがマスコミは、平穏な生活が嫌いだ。不幸を抽出したがる。「フセイン体制で呻吟(しんぎん)する」姿が欲しい。だが2人がイラクで出会った人たちは(イラク国内を北と南へ1600キロ走りまわっても2週間の滞在では限られているかもしれないが)、マスコミの色めがねで見慣れた姿とは、かなりの隔たりがあった。国内は査察と開戦の時期だから、戦争の準備で騒然としていると想像していた2人の先入観は、見事にはずれた。
 「イラン・イラク戦争から湾岸戦争を経て、経済制裁で苦労して、今また次の戦争の可能性が高まっている」のに、それでも食べるものは十分にあり、市場にある食べ物の質も申し分ない。普通の日常生活が送れる人たちは実に明るく、しかも恐ろしく親切であった。戦争になった時、こんな人々の上に爆弾が降り注ぐのであろう。
 2001年、国連は経済制裁によるイラクの死者の数を150万人と推定するレポートを発表している。このうちの62万人が5歳以下の子どもだったという。経済制裁のため、イラクは全体として10数年前の段階で足踏みをしている。それは、1996年にこの制裁があまりにも非人道的だということで食料と石油の交換が緩和された以外、いまだに経済制裁が続行されているからだ。医薬品が入ってこなくなって乳幼児の死亡率が5倍になったという。「査察だ」「イラク攻撃だ」と言っている間も、戦争は続行されており、アメリカ・イギリスの一方的な攻撃は続行されていたのだ。そして西側の戦略としての経済制裁は逆効果に終り、イラク国民を団結させている。
 昨年の秋、イラクは大統領の信任投票を行った。そして国民の100%がサダム・フセインを支持していることに、私たちは独裁のレッテルを張った。だが、アメリカの鉄拳が振り落とされようとする時、言論の自由がないことは否定できないとはいえ、100%支持は今のイラクという国の雰囲気を表わしている数字だということだ。
 イラクで戦争になったら殺される側に立つ普通の人々。そんな彼らに出会い、アメリカやイギリスの攻撃が理不尽なやり方であることを実感した著者は、イラクの小さな橋を渡った時、戦争という具体的なイメージがいきなり迫ってきたという。そして、今この瞬間も、この橋の座標を記憶したミサイルが虎視眈々(こしたんたん)と狙っていることに戦慄(せんりつ)を覚えたという。普通の人々をアメリカやイギリスの爆弾が殺す理由は何もないことを実感する。
 本橋成一の写真は、普通の人々の表情を切りとり、私たちに突き付けるだろう。私たちの死を想像できますか、と。
 わずか87ページの本であるが、1915年から2002年の年表もあり、充実している。
 池澤夏樹は、沖縄から9・11以降メールコラムを発信し続けているが「新世紀へようこそ」として昨春出版された。この本も刺激的な本だ。