機関紙「自治労府職」

 2003年7月11日号

当局
退職手当支給見直し提案
来年1月から支給割合を100分の107へ


 府当局は7日、府労連に退職手当の支給割合の見直し提案を行なった。国家公務員の退職手当支給水準が本年10月から引き下げられることになり、国に準じた制度とするもので、自己都合を除く勤続20年以上の退職者への調整率を、2004年1月から100分の110を100分の107に、2005年1月以降は100分の104とする内容。当局は9月議会に提案し、一定の周知期間を置いて来年1月1日から実施したいとしている。府労連は今後、職場討議を進め9月上旬を目途に態度決定を行なう。
 全国では北海道・神奈川・愛知・兵庫など数府県で国準拠、本年度中実施等の提案がされており、府労連は他府県の動きも注視しながら、対応を行なう。
 また、98年度から6年間の時限措置として実施されている早期退職勧奨制度(選択定年制)は、今年度末で終了することになるが当局はこの取り扱いで、府の財政収支見通しなどを見極め、制度の廃止・存続を検討し、来年4月以降に改めて提案するとしている。
2面に支給割合の見直し一覧表掲載

(当局提案)
退職手当の支給割合の見直しについて
見直しの理由
  国では、平成13年民間企業退職金実態調査の結果を踏まえ、退職手当支給水準の官民較差を解消するため、退職手当の支給水準を引き下げることとしたところである。
  府職員の退職手当の支給割合については、これまでから国と同じ割合を適用してきたところであり、制度の基本は国に準ずる必要があることから、国に準じ以下のとおり改正することとする。
見直しの内容
  勤続20年以上の退職者(自己都合退職者を除く)に対する退職手当の適用される調整率について、現行110/100を、6/100ポイント引き下げ104/100とする。
実施時期及び経過措置
 ・実施時期
  平成16年1月1日
  (平成15年9月府議会に条例提案)
 ・経過措置
  当初1年間は3/100ポイント引き下げとする。
   平成16年1月1日〜 107/100
   平成17年1月1日〜 104/100


国・地共済の財政単位一元化へ

 総務省・財務省は6月30日、平成13年3月の閣議決定(公的年金制度の一元化の推進)に基づき設けた「公務員共済年金の財政単位一元化研究会」のまとめを公表し、平成16年度の年金制度改正にあわせて法案を次期通常国会に提出したいとした。同研究会は国、地方公務員の両共済間で財政単位の拡大と共通部分の費用負担の平準化を図るため、組織・制度は独立のまま財政調整し、長期給付の保険料率を一本化(平成16年度から段階的に実施、平成21年度同一率)するなどを示した。


男女平等闘争委員会学習会
セクハラ相談の対応を学ぶ


 7月8日、自治労府職男女平等闘争委員会は「セクシュアルハラスメント相談とその対応」と題し、男女平等闘争委員の小林由紀さんと労働支部の佐々力さんを講師として学習会を開いた。
 学習会には、職場でセクハラが起こったとき相談を聞く機会のある支部役員などが集まり、具体的な事例やロールプレイを通し、相談を受けた際の対応などを学習した。
 佐々さんからは「セクハラやいじめの問題は労働組合の有無を問わず相談がある。窓口にセクハラ相談をする人の6割が職場を辞めているか退職を考えており、重大な労働問題だ。労働組合が果たすべき役割は大きい」との話があった。
 続いて班に分かれてロールプレイを行い、具体の事例がセクハラにあたるか、実際に相談を受けた場合の対応など、それぞれの職場を考えながら理解を深めた。
 その後、小林さんは「仕事で相談を受け始めたときは、被害者の話を自分の話のように怒りを覚えることもあった。相談者は悩んでメンタルな問題を抱えている人もおり、相談だけで納得する人もいる。また、セクハラが起これば、問題が解決しても人間関係は以前のように戻らない。未然防止が重要」と語った。
 労働支部では、分会などがセクハラ問題で学習会をする際に、講師派遣も行っている。申し込み・問い合わせは労働支部まで。


健康一番
協力 羽曳野病院支部


子どものぜんそく

発作の誘因排除が大切
適切な総合治療で対応


 ぜんそくの治療はぜんそく発作のある時に気管支を広げる薬を使って治療するだけではなく、発作のない時にこそ積極的に予防をはかることが大切です。それはぜんそくのある人では、発作がおこっていない時でも、気管支に慢性的な「炎症」があるからです。
 「炎症」とは、たとえてみれば湯沸し器の種火が常時ついている状態で、そこにほこり、花粉、たばこの煙、運動、感染、心理的なストレスなど、人によって違いますが、様々な誘因が引き金になってぜんそく発作がおこります。
 治療の基本はぜんそくを引き起こす誘因となっているものを除くことまたは避けることです。そのうえで、安全で有効な予防薬がありますので、必要な場合は正しく使用します。
 インタールという安全性では定評のある薬剤があります。インタールが効かない場合でも、大人のぜんそく予防に使用される吸入ステロイド薬が、子どものぜんそくに使用できます。ぜんそくの発作がコントロールできない状態のほうが体に悪いのです。
 吸入ステロイド薬は吸入薬ですので、吸入方法を正しく教えてもらうことが重要です。その上で、発作がでたときの家での気管支拡張剤の使いかた、医療機関の受診方法を身につけます。これらのことを学ぶために羽曳野病院では「喘息教室」を月1回木曜午後に定期的に開催し、初診患者の保護者にはぜひ受講するように勧めており、医師、看護師、薬剤師、理学療法士が協力して運営しています。幼児のぜんそく患者さんの重症化予防のためには「母子からだ育て教室」を、ボディワーカーの松井洋子さんを招いて月1回開いています。
 ぜんそくの発作を予防しながら、できるだけ制限のない生活ができれば気持ちが前向きになり、よりいきいきした生活ができるようになり、このことが治療効果を高めます。「自然に触れあう野外活動」を年4回(3回は日帰り、夏期1回は2泊3日)実施しています。医師、看護師、心理士の小児科スタッフと薬剤師だけでなく、養護学校教師、大阪府立看護大学生、国際仏教大学生、その他のボランティアも参加しており、子どもたちの未来のために力をあわせています。
羽曳野病院
 アレルギー小児科
部長 土井 悟


中宮病院支部 当局と学習会を共催
職員の経営意識変革が重要


 6月27日、中宮病院支部は病院当局と共催で隠岐広域連合立隠岐病院副院長兼事務局長、前自治労中央本部衛生医療評議会事務局長の米田幸夫さんを招き「医療を取り巻く状況と中宮病院の今後の課題」と題し組合員など約100人を集め、学習会を開いた。
 米田さんは、現在の社会状況から将来の社会予測に立ち、医療がどう変わっていくか、医師・看護師の充足率など各種データを示し、医療法改正の経過や医療を取り巻く現状、地方公営企業法の一部適用・全部適用・地方独立行政法人法案の概要を比較し、自治体立病院の今後のあり方と建て替えでのPFI手法導入の問題点などを分かりやすく解説された。
 また、大阪府や中宮病院の現状を分析し、厳しい財政状況から「病床率を高めるなど職員の経営意識の変革が必要で、自治体立病院は住民の病院であることを職員一人ひとりが自覚し、住民のため医療を行うことが大事だ」「意識の変革がなければ民間委譲や公設民営の事態が起こりかねない」と厳しい説明もあった。
 参加者からは「ほんまに厳しいなあ」「これから中宮病院はどうなるんやろう」「せっかく民間病院を辞めて公務員になれたのに民間になってしまうのかな」と将来に対する不安の声が聞かれた。
 中宮病院支部としては非常に厳しい状況ではあるが、いま以上に府民への高度医療を提供しながら組合員の公務員としての身分を守るためにもがんばっていきたい。
【中宮病院支部発】


当局
看護職員採用選考プール制
8月からの実施を提示


 府当局は、今年度から制度化されている「看護職員の採用選考プール制」について、8月から実施すると提示した。
 これは、欠員状況が続く看護職員の確実な要員確保を要求したことから制度化されたものだが、当初予定していた7月での採用が困難になったと6月末になって連絡があり、自治労府職が抗議したことによる。
 昨年7月の提案時点では、年度内途中退職者の補充については「採用選考プール制」を活用して年度途中採用を実施し、採用時期については、年4回程度となっていた。しかし、プール要員数が極端に少ないなどの理由から、7月での採用に至らなかったとした。
 自治労府職では初めての制度運用での延期は、職場の期待を裏切るものと抗議し、速やかな運用開始を強く求めていた。


自治労大会代議員を選挙で選出
投票日は7月31日


 自治労府職では、8月26日から開かれる自治労第74回定期大会に出席する代議員選出のため、7月31日に全組合員の直接投票による選挙を行う。
 自治労では、税制上の優遇措置による財政節減や資産の取得・保持などの実現と、社会的信用の向上のため、法人格を取得し組織の強化を図るとしており、代議員選挙の実施は法人格取得のために実施する必要がある。
 選挙はブロック(自治労府職は市内第1ブロック)単位で行われ、他の単組からの候補者を含め5人の代議員を選出する。
 自治労の団結を内外に示すため、全組合員のご協力をお願いする。


本部末田執行委員も講演
8月2日から原水禁世界大会


 核実験反対と核廃絶、被爆者の救援といった課題から、あらゆる核に反対する運動を進めている原水爆禁止日本国民会議(原水禁)の被爆58周年世界大会が8月2日から9日の日程で開かれる。
 7月29日には、大阪からの代表団派遣の結団式が行われ「破綻している日本のエネルギー政策」と題し、反原発新聞編集委員で自治労府職本部の末田一秀執行委員が講演を行う。
 アメリカ政府のイラク攻撃は国連の平和秩序に対する挑戦で、対話と強調により世界の平和を築こうとする世界の人たちの気持ちを踏みにじるものである。また、世界最強・最大の軍事力を持つアメリカ政府が、新たな核兵器開発を進めていることは、核兵器廃絶のための国際的所条約を無視するものである。
 さらに、アメリカのイラク攻撃を無原則に支持した小泉政権の責任は重大で、その責任を厳しく追及し、政府の路線を転換させる取り組みが求められる。
 こうした情勢の中で開かれる原水禁世界大会は、重要な意義を持つもので、自治労府職としても積極的に取り組みに参加していく。


原水禁世界大会の成功に向け
非核・平和行進 府内6地域で


 原水爆禁止世界大会を前に、その成功をめざす非核・平和行進が「核も戦争もない平和な21世紀に」をスローガンに、7月9日から11日に行われ、自治労府職も中央地区評議会を中心に行進参加するとともに、集合地点で飲物を用意し、参加者を迎え入れた。
 非核・平和行進は、大阪平和人権センターと21世紀ビジョン大阪懇話会などの主催で行われ府内6地域16コースを行進した。自治労府職が参加したのは10日に行われた大阪市内・府庁結集コースで、都島区役所前から出発し「あらゆる核開発に反対しよう」などと訴えながら、府庁前・大手前遊歩道まで行進した。
 総括集会では、主催者の21世紀ビジョン大阪懇話会の山口さんが「いまなお核兵器の被害は被爆者の体に染み込んでいる。核のない世界をめざして、運動の継続が重要だ」と訴えた。
 また、行進に参加し、反核を訴え続けている大阪府原爆被害者団体協議議会の山科さんは「私は長崎で被爆し、一人生き残った。被爆から58年が過ぎ、歳をとったが、いまも被害に苦しむ人がいる。行進を通じて核廃絶を訴えたい」と話した。
 行進団代表者らは「核も戦争もない社会をつくるため、地域から運動の輪を広げる」との決意を述べ、全体で確認した。


ピースアクション2003
沖縄平和行進
レポート 最終回


基地の無い平和な日本をめざす

一歩一歩平和の尊さと
ありがたさを実感


 今年の平和行進は、アメリカによるイラク攻撃や有事関連法案の衆議院通過など、平和を願う人々の願いを踏みにじる出来事の中でのものとなった。参加した西コースは、風光明媚なリゾート地と嘉手納基地などの数々の軍事基地を行進する、基地経済に支えられた沖縄の現状を表す行程である。
 あいにく沖縄は日程初日に梅雨入りし、滞在した6日間の天候は毎日雨で、行進初日から寒さと疲労で行進団一同のテンションも落ち気味であった。しかし、悪天候にもかかわらず学校や沿道、対向車線を走る自動車から激励の声援を送ってくださる地元の方々と接して、沖縄が背負う戦争の爪跡と基地が及ぼす危険な生活環境での苦しみを感じさせられ、痛む足を一歩一歩進ませながら平和の尊さとありがたさを改めて実感した。
 日本に復帰して31年が経過した沖縄は、今も基地による事件・事故や演習の激化、騒音公害などで県民生活が脅かされている。
 今回で3回目の行進参加となるが、平和な島には程遠い基地の県内移設や機能強化により、年々緊張感が高まっている感がする。見返りとして基地による経済振興を進めてきたものの、イラク攻撃の際の風評被害や補助金行政の行き詰まりにより、内発的な発展をもたらさない基地経済の破綻が表面化している。
 基地のない平和な島を取り戻すため「沖縄に基地はいらない、基地は人々の生活を潤さない」の思いを胸に、戦争に加担しようと十分な議論もなく制定を急ぐ有事法を阻止するため、一層の反戦・反基地運動に積極的に参加していきたい。
 総務支部 高橋淳一郎


反戦平和の訴えを
地域から全国に広げる


 今回初めて沖縄平和行進に参加し、イメージしていた青い空、きれいな海という沖縄が、本土復帰31年目を迎えて、なお存在する軍事基地を見て、基地問題に苦しむ沖縄の現状は、何も変わっていないことを知った。
 行動初日に梅雨入りし、沖縄の太陽が顔を出すことはなかった。最初は行進完徹が目的だったが、戦跡巡りや沖縄の人々の話を聞き「二度と戦争を繰り返してはいけない。基地のない平和な沖縄を取り戻そう」との思いがこみ上げてきた。
 行進した西コースは、リゾート地と軍事基地が同居するコースで、広大な米軍基地や鳴り止まない騒音など、沖縄が抱える問題は歩き、見ることでしか分からないと肌で感じた。3日間約8万歩の行進は、沿道で手を振る住民や人々の生活に深刻な影響を及ぼす軍事基地を見るにつれ、行進も一歩一歩力が入り不思議と疲れは感じなかった。
 また、5月15日の沖縄本土復帰の日に、戦争につながる有事関連法案が衆議院で可決された。この法案が成立すると、全国にある米軍基地の75%を押し付けられ、半世紀以上も有事法制にさらされている沖縄の負担がさらに増し、有事の名の下に日本全土が軍事基地化されることも危ぐされることから、沖縄の基地問題も決して他人事ではすまされない。戦争を始めるのも人間だが、戦争をやめる努力ができるのも人間である。反戦平和の訴えを沖縄だけにとどめず、職場・地域から全国に広げなければならないと強く感じた。
 最後に、貴重な体験をさせていただくにあたり、ご協力いただいた皆さんに感謝いたします。
社保労組 今西健二


こころとからだの健康づくり

肩こりはありませんか?

「こり」とは何でしょう?
 「肩こり」は病名ではなく、後頭部(うなじ)から肩、および肩甲骨にかけての筋肉の緊張感を主体とする不快感、違和感、鈍痛などの症状をさします。筋肉は関節を動かす役割と、関節を動かないようにしっかり固定する役割をもっています。異常な状態になると、筋肉が動くたびに痛みが強くなるので、関節を固定するような働きをします。それによって悪循環が始まり「こり」が進行していきます。
 「肩の荷をおろす」「肩ひじをはる」「肩の力をぬく」「肩をおとす」などの言葉のように、肩はもともと精神状態の表現に使われる部位で、昔から精神的ストレスと切っても切れない関係にあるともいえます。精神的緊張が筋肉に緊張をもたらすためにおこるといえるでしょう。
 また、肩こりの原因は筋肉疲労、精神的ストレスのほかに、首の骨、肩関節、心臓、肺などの病気によるものもあります。整形外科が主体ですが、歯科口腔外科などの診療科でみてもらうべきものもあります。その他、自律神経失調症や更年期障害および心身症、うつ病などの精神疾患によっても肩こりがおこることがあります。
 「五十肩」を経験された方もおられると思いますが、肩関節周囲炎と呼ばれているものです。五十歳代の人が最も多くかかるものとして、昔からよく知られています。この病気による肩の痛みは、とても強く、初期には寝ていても目がさめるくらい痛く、しかも肩も動かせません、しかし、半年か、長くても一年ぐらいのうちには、だんだんとよくなって治ってしまいます。
 では、肩こりや五十肩を予防するにはどうすればいいのでしょう?
 まずは、からだをほぐすことが大切です! 首、肩、腕を柔らかく動かしましょう。
〈図1参照〉
 次に、筋肉疲労の予防・回復をはかりましょう!
〈図2参照〉
 日常生活様式が便利になって、汗をかくような疲労が少なくなってきました。かわりにパソコンなどの使用で長時間にわたって首をうつむかせ、脇を固める姿勢が多くなりました。全身の血液循環が悪くなっています。長時間同じ姿勢を続けるときには、少なくとも一時間に一回、数分間、姿勢を変えてからだを動かしましょう。また、肩こりを持続しないよう日ごろから背筋を伸ばし、よい姿勢を保つよう心がけましょう!
大阪市健康福祉局(N・S)


リバティサロン
夏の夜の太鼓2003

 リバティおおさかではリバティサロンとして「夏の夜の太鼓コンサート2003」を開く。
 各地の被差別部落では太鼓演奏活動が盛んで、今回も被差別部落の青年が集まって生まれたグループが出演する。香川の太鼓道「荊」は10年以上のキャリアで海外公演やジャズ奏者との競演をこなすベテラン。また、広島の「三良坂バンブーアンサンブル」は部落の伝統的仕事の竹細工を生かし、竹を使った楽器で演奏活動をしている。
 部落の生活に根ざす中で生まれた演奏の数々。夏の一夜、暑さを忘れて楽しみたい。
▼日時/7月26日(土)午後6時30分から(開場6時)▼会場/リバティおおさか・大阪人権博物館中庭(JR環状線「芦原橋」駅下車、南へ約600メートル)▼参加費/一般1000円、高・大学生900円、小・中学生・障害を持つ方(介助者を含む)・65歳以上750円▼定員/275人(定員になり次第締め切る)▼申込方法/電話かFAXで申込みを(申込者には整理券を送付)▼申込み・問い合わせ/TEL06(6561)7173、FAX06(6561)3572