機関紙「自治労府職」

 2003年7月21日号

公務員制度改革関連法案
今国会への提出不能に追い込む

行革事務局・次期国会提出を計画
大綱の見直し求め、闘いを継続


 連合官公部門連絡会労働基本権確立・公務員制度改革対策本部は7月14日、対策本部会議を開き、政府・与党の動向から公務員制度改革関連法案について「事実上今国会への提出不能に追い込んだ」と判断し、今後の取り組み方針を決めた。当面は政府に対し、ILO勧告を踏まえ、基本権制約維持を決めた「大綱」を見直した抜本改革に向け「協議の場」を設置して、交渉・協議を開始するよう求めるとした。
 会議では事務局から、@自民党は、7月8、9日の両日、政府案をもとに協議したが、政府・行政部内の意見の不一致や党内の異論から、まとまらなかった模様である。Aこのことから、今月28日の延長国会の会期末を控え、政府の法案提出を事実上不可能にさせた、と判断できる。B政府・与党は強引に法案の検討作業を進め、組合側は政府方針の全面見直しを求める困難な闘いだったが今国会への法案提出を事実上断念させる状況に追い込むことができた。Cこのことは、連合を先頭に取り組んだ1千万署名や、国際労働運動の支援と連帯、3野党が結束した支援と国会での追及、マスコミ世論対策など、一連の取り組みの成果であり到達点である。Dしかし、行革推進事務局は依然として、「大綱」に基づく法案の閣議決定に向け、各省・人事院との非公式協議を継続しており、次期国会提出に道を開こうとしている。
 会議では、こうした経過を確認したうえで、当面の具体的な取り組みとして@到達点と今後の取り組みについて意思統一するため、7月29日に、拡大対策本部会議を開催する。A政府・行革推進事務局との交渉で、関連法案の「手続き・手法、内容」について、追及する。B連合と連携し、与野党対策を継続する。C連合の指導のもと、民間組合及び地方連合会に対する報告を行う。Dマスコミ世論対策を進める。EILO対策の継続と関係者の来日を要請する。


自治労大会代議員選挙

組合員の総意を結集
投票日は7月31日

 2003年から2004年の運動方針を決める2年に一度の「本大会」となる自治労大会は、8月26日から横浜市で開かれる。
 本年は、過去の不祥事から脱却した自治労の再生をあらためて内外に示す大会だ。さらに自治労は本年、法人格を取得することで労働組合としての内外への責務を厳格なものにするとともに、組合員総意の運動を進めるため、各県本部で自治労規約に基づく大会代議員の直接投票による選挙実施が確認されている。
 自治労大阪府本部の代議員は58人で、各ブロックで選挙を実施することとなった。これをうけて府本部市内第1ブロック共闘会議は選挙管理委員会を開き、定数5人の立候補者の受付締切を7月17日、投票日は7月30日〜8月1日の間(各単組設定)などで確認し告示した。
 その結果、立候補者は左記のとおり5人であり、定数内の立候補であったことから信任投票が行われる。
 各代議員に単組・職場組合員の意見を託し、自治労への結集、運動の前進に向け、取り組みを強めたいと考えている。組合員皆さんの圧倒的な信任をよろしくお願いいたします。

市内第1ブロック代議員選挙立候補者
候補者氏名 所属組合等
後藤健司 自治労大阪府本部 副執行委員長、自治労大阪府職員関係労働組合 副執行委員長(労働支部)
大橋敏博 自治労大阪府職員関係労働組合 執行委員長(税務支部)
西岡 裕  自治労大阪府職員関係労働組合 副執行委員長(社保労組)
大枝 優  大阪府国民健康保険団体連合会職員労働組合 執行委員長
前田 豊  大阪府立交野自立センター労働組合 執行委員長


野宿生活者の自立支援に
職場からカンパの協力を


 連合大阪では、野宿生活者の自立支援のための就労の機会拡大をはじめとする多様な取り組みに対し、支援カンパを行っており、自治労府職もカンパ活動に協力する。
 昨年8月に「ホームレスの自立の支援等に関する特別措置法」が制定・施行され、政府では実態調査をふまえ「ホームレスの自立支援等に関する基本方針」策定に向けて検討が進められている。
 しかし、連合から厚生労働省への要請行動で、6月末までに策定するとしていた基本方針が延期されていたことが判明した。これにより各自治体での地域実施計画と事業の実行が、遅れることとなる。一刻も早い事業実施が求められており、自立施策の中心は就労の問題でなければならない。
 あいりん地区では「NPO釜ケ崎支援機構」をはじめ、各団体が様々な就労支援に取り組んでおり、これらの活動に、連合大阪・府本部を通じ、支援カンパ活動を自治労府職も取り組むこととなった。趣旨をご理解のうえ、各職場・分会のご協力をお願いします。


公務員連絡会・人事院交渉を実施
厳しい勧告の考え示す

 公務員連絡会は7月11日、2003年人勧期要求実現に向けた第1次中央行動を実施した。この行動は要求提出して初めての行動で、800人を集めての集会を開いたほか、幹事クラス交渉委員による人事院職員団体審議官交渉や、それを支援する行動を行った。
 人事院は現在、民間実態調査を終えてその集計作業に入っているが、官民較差の動向は「昨年と同様に厳しい」とし、一時金については「昨年以上に厳しい情勢」との認識を示している。また、調整手当の異動保障、自宅にかかる手当て、通勤手当の支給方法などが先行して交渉・協議が進められているほか、地域給与の見直しや寒冷地手当の調査の実施問題なども急浮上し、人勧期の課題は多岐にわたっている。
 職員団体審議官との交渉では、人事院側から具体的な見解は示されず、厳しい勧告・報告を予想する考えが示され、公務員連絡会側はあくまで生活防衛できる給与水準の確保と十分な交渉・協議による勧告の実現に向けて努力することを強く求めるとともに、昨年方式の減額調整措置については絶対に認められないとの強い態度を表明した。
 中央行動以降は、人事院との交渉・協議が本格的に進められ、22日には勤務条件局長と書記長クラスが交渉を行い、官民較差の動向や諸手当制度見直し課題について方向性を提示するよう求めることとしている。
 また、公務員連絡会は幹事会を開き、@国公構成組織の上申闘争徹底、A地公構成組織の首長に対する人事院総裁宛の要請行動実施、B22日の交渉結果を受け、緊急要請打電行動などの検討、といった当面の行動を強化する方針を決定した。


地方独法関連法案が成立
参院で高嶋議員が追及、附帯決議を採択

 6月5日に衆議院本会議で採択され、参議院に送付された地方独立行政法人関連法案は、7月1日の参議院総務委員会で集中審議が行われ、民主党・高嶋良充議員(自治労協力国会議員団幹事長)らによる質疑のあと採決に入り、与党の賛成多数で可決した。この後、別記のとおり附帯決議が全会一致で採択された。
 総務委員会で可決された地方独法関連法案は、7月2日の参議院本会議で可決・成立した。
 参院総務委員会で高嶋議員は「国の独法制度が発足して間もないなかで急いで地方独法が必要なのか。2004年4月以降、国の事業実績の評価が行われる。地方独法制度は、国の導入結果を見極めた後に検討すべきではないか」と政府、総務省を追及した。
 これに対して片山総務大臣は「独法の地方への導入検討については、平成12年の行革大綱で閣議決定され、平成15年度中の制度発足をめざすこととなった。地方独法制度については地方からの要望もあり、地方6団体などとの調整のうえ、自律的・弾力的な組織として創設できるよう自治体の選択肢を増やしたものだ。地方独法を設立するかは自治体の選択であり、慎重な判断をしてほしい」との見解を示した。
 大臣の答弁に関連して高嶋議員が「地方自治体のみならず、地域の受益者の判断を尊重すべきではないか」とただしたのに対し、片山総務大臣は「どのようなかたちをとるかは、自治体の判断であり、国が口出しするつもりはない。地方独法制度を使いたければ使えばよいし、使いたくなければ使わなくともよい」と答弁した。
 その他、高嶋議員は、水循環政策の観点から、上水道事業が地方独法の対象とされる一方で、下水道事業が対象とされていないことや、公権力行使との関わりから、県立精神病院が地方独法の対象とされていることの問題点などについて、政府を追及した。
 最後に、高嶋議員は、地方独法が国の制度と同様に「中期目標」「中期計画」を作成することに関わって、「中期目標、中期計画などが労使関係に与える影響は非常に大きく作成の際には、事前協議の場を設置すべきで、合意なき一方的な決定はあってはならない」と追及したのに対し、片山総務大臣は「勤務条件などについては、労使交渉の対象となる」と答弁した。

【地方独立行政法人法案に対する附帯決議】
平成15年7月1日
参議院総務委員会

 政府は、本法の施行に当たり、次の事項について十分配慮すべきである。
1 地方独立行政法人の設立に当たっては、地方公共団体の自主的判断を十分尊重すること。
2 地方独立行政法人への移行等に際しては、雇用問題、労働条件について配慮し、関係職員団体又は関係労働組合と十分な意思疎通が行われるよう、必要な助言等を行うこと。
3 地方独立行政法人の情報公開に関しては、住民に対し業務状況等を積極的に公開するとともに、その公開方法の改善に努めるよう、必要な措置を講ずること。
4 地方独立行政法人の業績評価に当たっては、財務面のみならず、住民の意見を積極的に取り入れることにより、住民の視点に立った評価制度が確立されるよう、その体制整備に努めること。
5 第三セクター等の経営健全化に関しては、その手段として安易に地方独立行政法人への移行が選択されないようにするとともに、地方公共団体に対し、法的整理を含めその早期抜本処理を促し、経営責任の明確化、清算の可否、民営化の是非を精査検討できるよう、必要な対策を講ずること。
6 公立大学法人の設立に関しては、地方公共団体による定款の作成、総務大臣及び文部科学大臣等の認可等に際し、憲法が保障する学問の自由と大学の自治を侵すことがないよう、大学の自主性・自律性を最大限発揮しうるための必要な措置を講ずること。


改正派遣法、職安法が成立
通常派遣が3年に延長


 通常派遣の期間制限1年から3年への延長や、「物の製造」への派遣解禁、紹介予定派遣での事前面接の解禁などを柱とする労働者派遣法と地方公共団体などによる無料職業紹介を認め、貸金業や飲食業などとの職業紹介事業の兼業禁止規定撤廃などを柱とする職業安定法の改正案が6月6日政府原案通り参議院本会議で可決・成立した。
 改正派遣法は、運用で認めていた紹介予定派遣を法的に定め、事前面接を解禁する一方「期間制限を超えて派遣労働者を使用」するなどの条件を満たした場合、派遣先が雇用契約を申し込む直接雇用促進策などの労働者保護規定も盛り込んだ。
 国会審議では、野党側が「労働者保護が不十分だ」として政府案に反対し、保護措置の実効性担保を求めて法案修正を求めていたが、採決では与党賛成多数で成立した。改正法の施行は来年3月の見込み。


JFTC
白浜への日帰りツーリング
海岸線をのんびり流しませんか
参加者募集中


 自治労府職ツーリングクラブ(JFTC)は1年ぶりに日帰りツーリングを企画し、参加者を募集中だ。
 じめじめした梅雨は終わりを告げ、厳しい夏の暑さが近づいている。今回は日帰りの企画となったJFTC恒例のツーリング、高速道路を利用して、夏の日差しを浴びながら、海岸線をのんびり流して楽しみませんか。
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【とき】8月2日(土)
【行程】午前9時、府庁前に集合し、阪神高速湾岸線、阪和道で海南東まで行き、国道42号線で白浜に向かう。昼食後は海南湯浅道路の御坊から大阪に帰るコース。
【参加費】高速代・昼食代など実費
【申し込み】JFTC会長 小田まで連絡を(岸和田保健所検診科・TEL0724―22―5681)


お詫びと訂正
 機関紙7月11日号、1面の健康一番の記事中、教宣部の校正ミスにより次のとおり誤りがありました。ここに訂正し、関係者の皆様にお詫びいたします。
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 健康一番の執筆者が「土井悟」さんとなっていたのは、「土居悟」さんの誤りでした。