機関紙「自治労府職」

 2003年8月1日号

人勧
公務員連絡会が交渉・生活防衛できる勧告に全力
給与・一時金の引き下げ必至

 公務員連絡会は7月29日、中央集会を皮切りに、人事院交渉や支援行動など、人勧期要求実現に向けた第2次中央行動を実施した。この日の交渉で人事院は具体の数値などは示さなかったが、@官民較差は昨年より緩和されるが厳しい情勢、A一時金は過去最大の引き下げ月数0・3月に匹敵する下げ幅となることを心配する相当厳しい情勢、B減額調整措置は引き続き検討、などと本年の勧告の内容が極めて厳しい局面にあるとの見解を示した。配分や諸手当制度の見直し内容、報告事項などについては、前回の交渉よりは具体的な考え方を示し、勧告日は昨年と同じ(8月8日)頃を想定して作業しているとの考え方を示した。
 公務員連絡会は、@官民較差や一時金をめぐる情勢が極めて厳しい局面にあること、A最重要課題の減額調整措置の取扱いが未決着であること、から、ぎりぎりまで生活防衛できる勧告を求めて取り組みを強める必要があることを意志統一し、8月4日に第3次中央行動を実施して交渉を強めることを確認した。
 中央集会では連合から久保田副事務局長が駆けつけ「人勧については、賃金のマイナススパイラルを絶つためにも踏ん張り時だ。連合は雇用と生活を守る闘いの一環と位置づけ、ともにがんばりたい」と、人勧問題を重要課題として、取り組むとの決意を表明した。


地域給与研究会が報告を公表

 人事院に設置されていた「地域に勤務する公務員の給与に関する研究会」は18日、「基本報告」を取りまとめ、公表した。同研究会は人事院の諮問に応じ「地域に勤務する国家公務員にふさわしい給与の在り方」について昨年9月に設置され、このほど報告をまとめた。
 その内容は、全国一本の俸給表を維持しつつ、俸給水準の引き下げと調整手当などの抜本的見直しにより、公務員給与の地域格差を拡大することのほか、給与構造の全般的見直しに踏み込んだ報告となっている。
 人事院は公務員連絡会に「基本報告」の内容を説明し、今後は報告に基づいて給与制度見直しを進めていくとした。
 公務員連絡会は報告の取り扱いについて、22日の交渉で「組合との交渉・協議、合意に基づいて進めること」などを基本とする申し入れを行っている。


病院運営形態検討で要求書提出
慎重な検討と説明・協議求める


 自治労府職は30日、知事に対し「府立の病院運営形態検討に関する要求書」を提出した。
 当局は、病院で働く職員の身分と労働条件に大きく影響する可能性がある運営形態について検討を進めており、9月にも検討結果が示されようとしている。
 自治労府職は単なる人員と予算削減を目指すのではなく、府立の医療機関としての目的とあり方の検討が必要で、拙速な結論は厳に慎むこと、現場で働く組合員の士気向上が不可欠との立場で、当局に誠意ある回答と対応を求めていく。


府立の病院運営形態検討に関する要求書
1、「行財政計画(案)」に基づくスリム化手法として、即ち、人員・予算削減目的での地方独立行政法人制度を導入しないこと。
2、病院の運営形態検討については、慎重かつ十分な検討を行うとともに、拙速な結論は厳に慎むこと。
 @ 府域の高度・専門医療のセンター化をめざす府立各病院の診療機能と経営の向上に資するとともに、院内外の様々な活動を通した府域の医療水準向上を誘導するなど大阪府の政策医療の目的・役割に将来ともに適切な運営形態のあり方はどんなものか、公営企業法一部適用の現行と、全部適用の自治体立病院、公務員型独立行政法人移行後の国立病院機構における検証・比較検討を十二分に行うこと。
 A なお、検討に際しては、単なる制度比較にとどまることなく、現在の問題点・課題、解決方法など、実態に即した検討を行なうこと
3、運営形態の変更は職員の身分・労働条件に大きく関わるものであり、士気の向上が不可欠である。現在の議論の進め方は、組合員の不安と動揺を広げている現状から、検討会議において慎重かつ十分な議論を尽くすこと。
 また、検討段階において、自治労府職との労使協議を前提に、本部・支部・職場への説明、協議を行うこと


健康一番C
協力 羽曳野病院支部

アトピー性皮膚炎


個別の悪化因子を把握
最適の薬物治療を選択


 当科では、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、薬剤アレルギー(薬疹)などのアレルギー性皮膚疾患を中心に診療しています。なかでもアトピー性皮膚炎は全受診患者数の約6割を占め、全国でも有数の、多数のアトピー性皮膚炎患者さんが来院される施設です。
 アトピー性皮膚炎は原因不明の、かゆみの強い慢性の皮膚疾患で、外見上も目立つことが多く、社会生活に障害を来たす場合もあり、また近年患者数は増え続けており、社会的にも重要な疾患です。
 原因あるいは悪化する要因は、アレルゲン(食物・花粉・カビ・ペット・チリダニ・接触物など)、皮膚の性質、細菌・ウイルス感染、生活習慣、ストレスなど多岐にわたる多因子の疾患で、個々の例によって異なり、単一の治療法だけで問題が解決する単純な疾患ではありません。
 さらに、昨今はメディアやインターネットを通じてさまざまな治療に関する情報、特に皮膚炎の薬物治療の中心となるステロイド外用剤を否定する過剰な情報がはんらんし、患者さんの不安は強く、適切な治療が行われず重症化している例も少なくありません。
 これらの解決のためには、個々の患者さんの話を丁寧に聞き、医師患者関係を回復し、個別の悪化因子を把握し除去する指導をする、また最適の薬物治療を選択するなどきめ細かく適切な治療方針を立てていくことが大切です。これはとても時間と根気のいる医療で、なかなか一般の医療機関では十分に行われていない場合が多いのが現実です。しかしそのためにドクターショッピングを重ね、症状も悪化させている場合が少なくないため当科では使命感をもって基本方針としています。また、多因子疾患であるため、さまざまな情報が乱れ飛んでいるのが現状ですので、そのうちの重要なものについては科学的に明快な回答を出して行くため、臨床研究を行っています。
 羽曳野病院 皮膚科
部長 片岡 葉子


忘れていませんか
いきいきフレックスプラン


 8月に入り夏本番ですが、夏を満喫していますか。夏休みに旅行やテーマパークに行った時は領収書を忘れずに取っておいてください。
 4月に創設された互助会の「いきいきフレックスプラン」では、上記の一覧表のとおり、会員に275ポイント(1ポイント100円)を上限として、さまざまな活動を支援している。
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