機関紙「自治労府職」
2004年2月1日号
太田知事、大差で再選
大阪府知事選挙が2月1日に執行され、府労連・自治労府職が推薦する太田房江候補が再選を果たした。
中央区の選挙事務所は、開票の始まる午後8時を前に支援者や政党関係者・マスコミが多く集まり、身動きできないほど室内を埋めつくした。
午後9時ごろ「当選確実」の一報が入ると事務所内は歓喜の声があがり真っ白なスーツに身を包んだ太田候補が姿を現すと、拍手と祝福の声が大きくわき起こった。
太田候補は4年の任期での実績を背景に、3つのビジョンと8つの重点政策を掲げ、府民に支援を訴え奮闘してきた。結果は155万票を獲得し、他の候補を大差で引き離しての圧勝となった。
自治労府職は昨年10月20日の中央委員会で、@厳しい財政状況のなか、大阪府再生のため懸命に努力してきたこと、A連合をはじめとする労働団体との定期的な話し合い・協議のためのパイプを確立したこと、B全国で初めて誕生した女性知事を1期限りとすることは、男女共同を進める組合の立場に反すること、C4年ごとに知事が代わっては、府政の安定・継続性が断ち切られかねないこと、などの観点から推薦を決定。再選に向けて府労連に結集し、全力で取り組んできた。
これに対して太田候補も「元気で活力ある大阪をつくりあげるには、府政の第一線で働く組合員の力添えが必要」「自治労府職とのより良い労使関係の下、府政の発展のために引き続きましてのご支援、ご協力をお願いしたい」としていた。
自治労府職としても、府政の推進と職員の労働条件に責任を持つ労働組合の立場から、大阪再生に奮闘する太田知事を全力で支える決意だ。
府当局
SSC設置 定数見直しの考え示す
2月20日めどに組合と協議
4月から総務サービスセンターが稼働し、総務サービス整備運営事業が始まる。「大阪府行財政計画(案)」では事務の効率化による削減効果を約400人と見込んでおり、1月29日、当局から自治労府職に「総務サービスセンター(SSC)設置に伴う定数見直しの考え方」について提案があった。2月20日を目途に省力効果について考え方をまとめ、2005年度の組織・人員提案に反映していきたいとしている。
自治労府職は支部代表者会議で提案内容を説明し、職場からの問題点・意見集約を要請した。提案概要は以下のとおり。
昨年7月に「総務関係業務実態調査」が行われ、事務区分毎に総務サービスにより廃止・改善・継続等の度合いに応じ省力化割合が示された。割合は、事務・関与の廃止―100%、原則廃止―90%、大幅な業務減―75%、一定減―50%、部分減―25%、その他―0%の6段階の効果率を設定し、各事務区分毎に適用される。例えば、個々の職員が発生源入力を行う「勤務態様関係事務(各種休暇処理、出勤簿等管理)」は、業務の廃止・関与の廃止となることから省力化率は100%を適用。「職員健康管理事務(健康診断、検診、人間ドック等)」は、申し込みを要する検診は発生源入力、結果通知は本人宅送付となるが組合員証の検認・配布など一部業務が残ることから「原則廃止、一部業務量が残るもの」に区分され省力化率を90%と見込んでいる。
これにより各グループ等単位の総務事務全体にかかる省力効果を積算し省力人員が算定される。残業務は量を勘案し非常勤職員を活用、残業務が極めて少ない場合はグループ内の人員の有効活用で対応としている。
自治労府職では移行時の混乱や予測不可能な事態に対応するため、有効に機能する段階まではゆとりを持たせた人員配置の必要性を主張してきた。今回の提案に対しても人員算定に100%の削減効果を適用すべきでないこと、各個別事務への省力割合適用が適切かどうか稼働後の検証の必要性などを指摘した。
今後、各支部で総務担当組合員を中心に検証・議論をお願いし、問題点を集約していく。
新たな身分移管闘争へ一丸
決起集会に200人が参加
自治労府職・社保労組は1月23日、1・23身分移管闘争決起集会をエルおおさか南館で開いた。
国費職員の「国一元化」以降で初めての年金制度改革を契機に、住民に身近な社会保険行政の確立に向けて身分移管闘争の強化を図るために開かれた集会には、社保労組を中心に200人の組合員が集まった。
集会であいさつした社保労組の西岡委員長は「年金制度が改悪されようとしている現在の状況は、かつて基礎年金が誕生したときの状況と似ている。基礎年金が誕生した1985年頃も国は不況に苦しみ、公務員への攻撃が強まっていた。公務員を徹底的に叩き『公務員がこれほど我慢しているんだから』ということを口実に基礎年金制度の導入や失業保険の切り下げが行われてきた。最近の風潮も、かつてと同じように公務員を徹底的に叩き、国民を痛めつけるための地ならしをしているのではないかと思う」としたうえで「働く者にとって非常に大事な年金制度を守っていくことも身分移管闘争の大きな柱だ。しっかりと学習して意思統一を深め、闘いを進めていきたい」などと訴えた。
集会では自治労国費評議会の平岡伸事務局長が「新たな身分移管闘争の構築について」と題した講演を行った。
その後、基調報告に続いて参加者からの決意表明が行われ、身分移管に向けて自治労府職・社保労組が一丸となって闘い抜く意思統一をした。
大阪府知事選挙の主な結果
上位3人(投票率40.49%)
太田房江 無・現 1,558,626 当選
江本孟紀 無・新 670,717
梅田章二 無・新 505,167
2月16日
自治労大阪府職員労働組合
女性部第50回定期大会
午後2時45分開場
午後3時00分開会
旧職員会館2階
自分で始めないと何も始まらない
ドキュメンタリー映画「自転車で行こう」監督 杉本信昭さんに聞く
大阪・生野の町を舞台に「よくしゃべる」自閉症の青年リ・プーミョンと若者たちに焦点を当てた『自転車で行こう』の公開が始まる。先に公開した東京で大きな反響を呼び、大阪でも話題独占まちがいなしの作品だ。この公開に先立ち、監督の杉本信昭さんにお話しを伺った。
杉本監督と生野の町との出会いは1996年で、ある療育施設の映画制作の話で訪れたのが初めて。その映画は撮ることができなかったが、杉本監督と生野の付き合いはそこから始まった。
「その後も保育の手伝いで施設の方には通っていたんです。そこで紹介されたのが、学童保育・じゃがいも子どもの家。去年の5月の末のことです。その時に出会ったのがスタッフたちとプーミョンだったんですね。プーミョンの第一印象はものすごく強烈で、初対面なのに『家どこ』って言う形でぐーっと距離を縮めてくる。もうその晩にはプーミョンとじゃがいものスタッフ、そして生野の町で映画を作りたいって思っていました」
杉本監督の行動は早かった。6月にはカメラマンとビデオエンジニアが生野にやってきて、映画作りに取りかかっている。しかし当然、苦労もあり、一番苦労したのがプーミョンのお母さんの撮影だったという。
「夏に撮影が始まったんですが、オンマを撮れたのは11月だったでしょうか。プーミョンのことは彼に任せているからいいけれど、自分のことは自分で判断すると怒ってしまう。もうだめかなという時にオンマの方からお話ししましょうといってくれたんです。土・日かけて6時間くらい撮影しました。でも終わった後ね、スタッフに晩ご飯を作ってくれて…」
これらの苦労が大事なシーンに生かされている。この映画のもう一方の主人公はじゃがいも子どもの家のスタッフたちだ。
「彼らは年齢的には若いんだけれど、ある意味ではすごく大人なんです。じゃがいも子どもの家に来ている障害児、健常児、そして親たちときちんと付き合っている。彼らなりに生き方みたいなものをぶつけてやっている。たとえばプーミョンに対しても彼の役割みたいなのを見つけていて、してあげるっていうよりも自分たちのプラスになるものはしっかりと受け取っているんです。この映画のテーマともかかわることですが、人は1人じゃ生きていけない、障害があってもなくても誰かと付き合いながら生きていくわけです。だからこそ自分から付き合いを始めてみないとなにも始まらない。プーミョン自身もそうです。興味しだいで新しい店に飛び込むのですが、受け入れてくれるところもあるし嫌うところもある。だけど彼が始めなければ、おばちゃんおじちゃんとの関係は始まらない」
毎日スターが誕生したという撮影の日々。人との関係を作ることを恐れない、そんな彼らの生き方の中でこの映画は育まれたのだと感じる。
「ライブ感覚が結構強い映画ですから、緊張しないで笑って見ていただくのが一番ですね」とは監督からのメッセージだ。等身大の大阪・生野とそこに暮らす人々に出会える映画、ぜひあなたに見ていただきたい。
「自転車で行こう」
▼1月31日(土)からロードショー、順次全国公開へ▼上映館/(大阪)第七藝術劇場TEL06(6302)2073
健康一番 10
協力 羽曳野病院支部
柏原・藤井寺・羽曳野地区最大の産婦人科として
当科では産科・婦人科ともに幅広く、穴の無い医療を地域に提供することを目標に診療しています。昨年10月に病院名は「呼吸器・アレルギー医療センター」と改名され、より特殊化した医療を求められるところですが、病床数、勤務医師数からもこの近隣で産婦人科としては最も大きな施設であり、同地区の産婦人科のない総合病院から個人病院まで、病診連携上、重要な位置にあると考えております。もちろん、呼吸器疾患合併など、当院で特有の症例を等閑にしているわけではありません。
分娩数は年間約400例で、結核合併はもちろん、様々な合併症妊娠から、重症の産科疾患にまで対応しております。残念ながら「新生児集中治療部」を配備していないため、早期産にての娩出にはやや限界がありますが、陰圧設備を装備した分娩室、中央管理のNSTモニタリングなど、最新鋭の設備を導入しております。
婦人科疾患に関しては、手術経験豊かな医師スタッフを中心にカンファレンスにて方針を検討しており、常にアップデイトな治療を提供しております。当院は放射線治療を配備しているため、婦人科悪性疾患では特に幅広く対応可能となっております。良性疾患では患者様のニーズに対応し、温存療法から、膣式手術や腹腔鏡など、術後の回復や傷にもこだわった治療を提供しております。また、より地域医療に貢献するため、昨年から地域の皆様の要望が多かった羽曳野市の子宮癌検診事業へ参加を開始しております。
これからも、当院特有の合併症疾患のみならず、地域の皆様に安心と満足のできる産婦人科医療を提供していきたいと思います。
大阪府立呼吸器・アレルギー医療センター
産婦人科 永井 景