機関紙「自治労府職」
2004年7月11日号
府立5病院
運営形態検討
独法化前提の結論は出させない
抗議の朝ビラ・集会を配置、事業局を追及
府立5病院の運営形態の検討を進める病院事業局に対し、自治労府職は「地方独立行政法人化ありき」の拙速な結論を出させない取り組みを強めている。事業局は運営検討会議の内容について説明会を開いたが現場からは不安や怒りの声が数多くぶつけられている。自治労府職は、運営形態の変更議論の矛盾点を追及し「理念なき独法化」に突き進む事業局と最後まで闘いぬく決意だ。
9月議会に向け、府では新たな行財政計画(案)の策定作業が進められているが、平行して病院事業局は、府民や現場の声も満足に聞かず「運営形態検討会議」での結論を急いでいる。
自治労府職はこの動きに対して「運営形態検討会議」での議論はまだ不十分であり拙速な結論を出させないために、6月23日に申し入れを行なった。これを踏まえて2日には病院事業局と交渉したが、文書回答や交渉の場でも、自治労府職が指摘した運営形態変更に関する問題点は解明されていない。
自治労府職ではこの間、主に6点(左上)について主張・見解を求めてきたが、病院事業局は今までの説明を繰り返すのみで、職員の不安に応える内容とはなっていない。
病院事業局は、追及に対し「運営形態検討会議での議論経過を職員に説明する」として、各病院で説明会を開いているが、現場からは「独法化は府民が望んだのか」「公的病院としての役割を示すべきだ」などの意見が数多く出されている。
自治労府職では15日に開かれる「運営形態検討会議」での拙速な結論を出させないため、13日には「独法化反対決起集会」の設定や、14日には朝ビラ配布行動を配置して病院事業局の姿勢を追及する構えだ。各病院職場の組合員が不安や怒りの声を事業局や病院長などにぶつけ、定員・予算削減目的のみの地方独法化に断固反対する闘いを、引き続き強めていく。
自治労府職が主張・見解を求めている主な事項
@ 「経営改善10ヵ年計画」を総括・検証せず「運営形態」論議が先行している。なぜ変更が必要なのか明らかにすべき。
A 運営形態の変更は、職員の身分・労働条件に重大な影響を及ぼす。拙速な議論で職場に不安と動揺を与え士気を低下させたことを謝罪すべき。
B 変更が不可避なら、自治体病院で導入され検証されている「地方公営企業法全部適用」とするべき。
C 国立病院に独法化が導入されたのは本年4月。まだ、日が浅く制度の有効性が不明の状況。十分に検証することが必要。
D 今までの自治労府職の申し入れ事項などについて、検討会議の場ではどんな議論・検討を行なったのか。
E 各病院が有する不良債務(現在60億円)は運営形態の変更時にどう処理するのか。
人事院
査定昇給への転換を提示
公務員連絡会、十分な交渉・協議と合意求める
人事院は1日、公務員連絡会に給与制度・地域給与見直しについて、@職務・職責の重視(俸給表・手当の見直し)、実績反映(査定昇給への転換など)、A在職期間の長期化への対応(専門職俸給表の新設など)、B地域の実態をより反映した給与(民間賃金の地域差の反映など)、を柱とする「検討項目」を提示し、勧告に向けた話し合いを提案した。
組合では、十分な交渉・協議と合意を基本とし、拙速な勧告・報告を行わないよう求めるとともに、対策委員会を設置し、28日の給与局長交渉を重要な節目として取り組みを強化する。
提案に対し組合は、@人事院は、給与構造の見直しの中で地域給与を位置づけていると理解してよいか、A公務が民間をリードしてきた面や公務サービスをどうしていくのかという視点で検討すべき、と考えをただした。
これに対し人事院は、@地域給与を見直すために給与構造を見直すということではない、Aバッシングが原因で見直すのではなく、職員が満足し、国民の理解が得られるものにする必要があるため、との考えを示した。
これに対し組合は、@骨太方針などで公務員給与に言及され、賃金を政治的に方向付ける見直し手法は問題。人事院は第三者機関としての立場を堅持するべき、A給与構造の見直しは、時代の変化の中で必要と考えており、協議のテーブルを設け、十分な交渉・協議と合意に基づいて進めることを約束して欲しい、として見解を求めた。
これに対し人事院は、@労使双方からの意見聴取をベースに、一般の意見も聞き、第三者機関として対応する、A組合との協議の中で合意をめざす、として協議テーブルを設けた上で、日常的には実務クラス交渉を進めていくことに同意した。
最後に組合から「査定昇給を導入するとなれば、評価制度が機能しなければならない。広い意味で人勧制度下での給与決定をどうするかという観点に立ち、評価制度に対する労働組合の関与も含めて議論させていただきたい」と要請し、交渉を終えた。
給与制度見直し
第1回実務レベル交渉を実施
人事院の考え方を質す
公務員連絡会は8日、地域給与・給与制度見直し問題で第1回目の実務クラス交渉を行った。
はじめに公務員連絡会は「給与構造の見直しが、総人件費抑制のみを目的とする骨太方針の地域給与見直し方針を具体化するものならば受けいれられない。具体的な内容についての協議に入る前に、人事院としてどのような立場と目的で検討するのか、明確に示してもらう必要がある」とし、交渉・協議を進めるに当たって、どのような基本スタンスに立つのか、人事院としての考え方を示すよう申し入れた(2めんに申し入れを掲載)。
これに対して人事院は「内容については十分検討し、7月13日の話し合いの場において、改めて人事院としての考え方を示したい」と、7・13人勧期第1次中央行動時の幹事クラス交渉の際、これらについて人事院の見解を述べるとの考え方を示した。
地域給与・給与制度見直しに関する人事院への申し入れ
(1) 給与構造見直しの目的と理由を納得のいくように説明すること。
(2) 行政改革推進事務局が検討を進めている公務員制度改革との関連性を明確に説明すること。
(3) 給与構造の見直しは勤務条件の重大な変更事項であることから、十分な交渉・協議と合意を得て作業を進めることを明確に約束すること。
(4) 本年、拙速な「勧告」を行わないことを明確に約束すること。「報告」の内容については、われわれと十分協議し、合意の上でとりまとめることを約束すること。
(5) 地域給与見直しについては、次の点を明確にすること。
@人事院として現行の地域給与の何が問題であると認識しているのか、説明すること。
A地域給与見直し問題は、あくまで給与構造の見直しの一環として検討する姿勢であることを明確にすること。
B企業規模等、現行の官民比較方法の基本は変更しないことを再確認し、現行の総原資=給与水準と全国一本の俸給表は維持することを前提とし、地域配分の見直し問題として検討することを明確にすること。
(6) 給与制度の見直しについては、次の点を明確にすること。
@人事院として現行の給与制度の何が問題であり、それをどのように見直そうとしているのか。その基本的考え方を明確に説明すること。
A職務・職責重視の給与制度見直しを議論する前提として、次の点を明確にすること。
ア、「職務」とは何か。
イ、「職責」とは何か。
ウ、個々の職務・職責の明確化はどのように行うのか。
エ、昇格・昇給基準と任用・昇進基準の関係性はどうなるのか。
B実績反映の給与制度見直しを議論する大前提として、評価制度をどのようにして考えているか、明確にすること。
参院選
高嶋さん再選を果たす
尾立さん(大阪選挙区)も初当選
11日に投開票が行われた第20回参議院選挙で、自治労組織内の「たかしま良充」候補が再選を果たした。また、大阪選挙区では連合・自治労推薦の「おだち源幸」候補がトップで当選した。
高嶋候補は当選の連絡を受け「皆さんの力で再選を勝ち取っていただき、ありがとうございました。この当選は、推薦いただいた公務職場の労働者と公共サービス労働者、各団体の皆さんの勝利です。小泉構造改革の働く者に犠牲を強いるやり方に対し、選挙を通して、公正で安心できる社会をつくることを訴えてきました。政府が三位一体改革で自治体や公共サービス労働者に厳しい痛みを集中的に加えていることを批判し、公務労働や公共サービスの重要性を政府や国民に伝えてきました。これからも公務労働と公共サービスを自信と確信をもって守り抜くために全力を挙げてまいります。」とあいさつし、事務所につめかけた支持者、選対関係者と当選を祝いあった。
平和行進レポートB
炎天下の厳しい行進
基地の広さ強く実感
5月12日から17日までの日程で、沖縄平和行進に参加しました。初日昼頃に沖縄に到着し、いきなりの暑さに驚きながら平和祈念資料館を見学し、その後、沖縄戦当事に防空壕として使用された洞窟で、ガイドの方から沖縄戦の悲惨さについて説明を受けました。
翌日の午前には自治労大阪府本部の参加者集会で、参加者一人ひとりが行進にあたっての決意表明を行いました。そして、午後には全国からの行進参加者が集まっての結団式に参加し、改めて平和行進の規模の大きさを感じることができました。
実際に行進をしたのは14日からの3日間でしたが、既に梅雨入りしていることが信じられないほどの晴天のなかでの行進となり、体力的にも大変厳しいものでした。しかし、その苦しさから沖縄における米軍基地の広大さ、正確に言うと米軍基地に接して伸びる道路の長さを、より実感することができたようにも思いました。
行進中には「憲法改悪の阻止」や「基地の追放」を訴えながら歩き、行進最終日には普天間基地包囲行動を成功させ、県民の方や基地で活動する米兵に対し、よいアピールができました。
こうして3日間の行進は何とか無事終わりましたが、今回の行進中、沿道から手を振っていただいたり、休憩場所で飲み物を提供していただいた住民の方々の支援が印象に強く残りました。思えば飛行機を降りたときに那覇空港に行進団を歓迎する横断幕も掲げられていました。
現実には沖縄経済は基地の存在に支えられている面もあり、基地追放を望まない声もありますが、悲劇的な歴史を持つ沖縄だからこそ、殺人の訓練を行う場所としての基地の存在を許すことができないという感情が強く、その感情が行進団に対する歓迎へとつながっているのではないかと感じています。
離島の沖縄に全国の仲間が結集しての平和行進で発信された平和への思いが、日本あるいは米国の政府にも届き、平和実現への第一歩になるよう願うとともに、この気持ちを忘れることなく今後の反戦、平和活動に取り組んでいきたいと思っています。
【社保労組 松山 剛】
人間の鎖で基地を包囲
平和を願う思いを共有
今回初めて沖縄平和行進に参加し、学習と行動を通じて反戦・平和活動の大切さを再認識できた。日程の初日は、平和祈念資料館の見学とシムクガマ・チビチリガマでの追体験学習があり、この学習によって私が今まで抱いていた沖縄の「南国のリゾート地」というイメージが一変した。
チビチリガマでは「米軍の捕虜になれば、辱めを受けて殺される」や「日本皇民として潔く死ね」という皇民化教育の影響と軍隊の強制により85人もの住民が、このガマで集団死により命を亡くされた。親が我が子の首に手をかけたり、毒の注射を打ってもらうため、皆こぞって行列を作ったという常軌を逸した状態が起き、人が人でなくなった地獄絵図として語り継がれている。ガイドをされたボランティアの方が涙ながらに訴えたことに、戦争の悲惨さ・怖さを強く感じ改めて平和の大切さを実感できた。
沖縄は戦後58年、復帰後32年が経つ今もなお、在日米軍基地の75%が集中しており、基地建設による環境汚染の問題や軍事演習による爆音被害、米兵による事件・事故などにより、常に平和と人権が脅かされている。
行進1日目は、名護市役所から万座ビーチまでのリゾート地を歩くコースだったが、雨と日照りによる悪条件と学習したことを振り返り、リゾート気分に浸ることはできなかった。2日目は嘉手納基地に向かい、基地の規模や戦闘機の騒音で声が聞こえなくなるという、地元の方々が日常で悩まされている問題を実感し、断固抗議するためシュプレヒコールで気勢を上げた。3日目は普天間基地包囲行動があり、平和を願う市民も多数参加し、合計で2万人を超えた。ひとえに基地のない平和な沖縄を願う住民の気持ちの表れであろうし、互いに手をつなぎ人間の鎖で基地を包囲したことで、真の平和を願う思いを共有できたと感じた。
最後になりましたが、今回の取り組みに参加するにあたり、組合員の皆様の暖かいカンパ、職場からのご支援により、貴重な経験ができました。本当にありがとうございました。
【社保労組 木村順一】
ミニニュース
サザンが五輪応援ソング! 7・21発売
サザンオールスターズが7月21日に両A面シングル「君こそスターだ/夢に消えたジュリア」を発売する。
「君こそ…」はサザンにとって26年目にして初の五輪応援歌となる。
ボーカルの桑田佳祐さんが「すべての人たちの人生の応援ソングにもなれば」という熱い思いも乗せ「希望」「前向きに生きる」をテーマに曲づくりに挑んだらしい。
この夏、アテネの空に届けとばかりに、サザンがスポーツの祭典を熱く支援する。「君こそ…」は、トヨタ自動車のアテネ五輪日本代表を応援する「MORE THAN BEST」キャンペーンのCM曲。広大な砂漠に出現した陸上トラックをアスリートらが駆け抜け、その風を感じながら桑田さんが熱唱するCMが既に4月末から放送されており、問い合わせが相次ぐなど、ファンの期待が高まっていた。