機関紙「自治労府職」
2004年7月21日号
一方的な独法化決定は許さない
病院事業局が謝罪、自治労府職との十分な協議を確約
15日の運営形態検討会議で局としてめざす方向を一方的に「独法化」とした病院事業局に対し、自治労府職は20日の府庁正面玄関前抗議集会を背景に、あらためて21日に交渉し、職員の意見を軽視する断じて許されない行為と強く抗議した。これに対し、事業局は抗議を重く受け止め組合員に謝罪。独法化は最終決定ではなく、今後の慎重かつ十分な検討、協議を自治労府職と行っていくことを確約した。
自治労府職は15日の同会議を一つのヤマ場として安易で拙速な決定を行わないよう迫ってきた。21日の交渉には、各病院の闘争委員と本庁支部役員など多数が参加し、労使関係を軽視した事業局の姿勢を追及した。
事業局は「自治労府職の指摘のとおり、運営形態を変えるような大きな改革には職員の理解と納得が必要。説明責任を果たす努力が欠けていた。これまで築かれてきた労使関係を尊重していく」と謝罪。独法化の確認については「現段階が最終決定ではなく、将来的に安定した医療提供のための制度を比較し、今後の検討方向として独法が適していることを確認した。独法化には解決していかなければならない重要課題があり、自治労府職と今後も十分に協議していく」とした。
自治労府職はあらためて「独法化反対」を強く表明。重要課題を検討した結果によって、検討会議で確認した独法化の方向を断念することも含めた慎重な検討となるよう求め、事業局もこれを確認した。今後、職員の身分・労働条件、経営基盤安定のための運営費負担金の扱い、不良債務解消計画などの重要課題の解明や独法後の国立病院の検証など、結論を急ぐことなく慎重な検討を行うことを強く主張した。
全国の仲間と連携
20日18時半からの府庁正面玄関前抗議集会には、病院職場を中心に350人以上が参加。各病院職場から闘う決意が示された。集会に駆けつけた自治労中央本部衛生医療評議会の木村事務局長、府本部の蜂谷副委員長、府労連の山口委員長から激励のあいさつを受け、「地方独法化反対の」闘争強化を確認し、事業局への抗議文を採択した。
今後、全国の自治労の仲間や府労連と連携し「独法化反対」の闘争体制を強め、地方公営企業法全部適用との実態比較や独法化の前提となる重要事項の問題点を追及していく。
あらゆる核に反対
府内6地域で非核・平和行進
8月に開かれる原水爆禁止世界大会を前に、その成功をめざす非核・平和行進が14日から16日に行われ、自治労府職も中央地区評を中心に行進参加するとともに、集合地点で飲物を用意し、参加者を迎え入れた。
非核・平和行進は、府内6地域13コースを行進し、自治労府職が参加したのは15日に行われた大阪市内・府庁結集コースで、都島区役所前から出発し「あらゆる核開発に反対しよう」などと訴えながら、府庁前・大手前遊歩道まで行進した。
総括集会で、大阪平和人権センターの田渕理事長は「小泉内閣は、憲法9条を廃止し、自衛隊を世界のどこにでも派兵できる国づくりを行おうとしている。こうした危険な状況をなんとしても打破したい」と訴えた。
また、行進に参加し、核兵器の恐ろしさを訴え続けている大阪府原爆被害者団体協議議会の山科さんは「昨年は米国に行き、ニューヨークやワシントンの高校・大学で原爆の恐ろしさを伝えた。生きている限り、核兵器の恐ろしさを伝えていきたい」と話した。
公務員制度改革で第2回関係者実務協議
労働基本権など抜本改革を主張
公務員制度改革についての第2回関係者実務協議が16日、行革推進事務局で開かれた。この日の会議には、政府側から松田行革推進事務局長、磯部公務員制度改革推進室長、戸谷総務省人事・恩給局長、佐久間人事院総括審議官らが、組合側からは、中嶋連合総合国際局長、山本公務労協事務局長らが参加した。
今回は、労使関係、労働基本権を中心に意見交換が行われ、@労働基本権の問題を含め、引き続き意見交換する、A労使関係のあり方は、国民の理解がどう得られるか引き続き検討する、B公務員制度改革での与党からの申入れに関する作業は組合との意見交換を行いながら進めていくこと、が確認された。
組合から、連合「公務員制度に関する研究会」の提言と「労働関係グループ報告」の紹介と説明を行うとともに、提言を受けた連合・公務労協の対応について報告した。また、ILO総会での日本労働代表、政府代表の演説を紹介し、今後の課題として、@この秋のILO専門家委員会への政府の報告とそれに関わる労働側のコメント、A日本の提訴案件に関わる11月開催の結社の自由委員会に対する政府としての情報提供、B12月に日本で開かれる国際自由労連世界大会と日本問題の進捗、など具体的にどう対応するのかが問われている、と指摘した。
政府側からは、公務員制度調査会に付置された「労使関係検討グループ」での検討経緯などが報告された。
意見交換が行われ、労働側は、天下りと能力等級の人事・給与制度だけでなく、キャリア制度、労働基本権保障など抜本的な改革を進めるべきこと、政府が労使関係や労働基本権の具体案を示して、議論の必要があることなどを主張した。
第3回の協議については、別途日程調整して開くことを確認し、この日の協議を終了した。
公開質問状に対する病院事業局の回答
(7月15日提出)
項目 | 回答 |
〈法附帯決議の認識について〉 1.法附帯決議は、「地方独立行政法人への移行等に際しては、雇用問題、労働条件 について配慮し、関係職員団体または関係労働組合と十分な意思疎通がおこなわれるよう」としている。 しかし、「雇用・労働条件」について現在に至るも全く何も示さないまま、運営形態 変更論議を進めており、事業局及び検討会議にはこの「附帯決議」尊重の意思が窺え ない。附帯決議は尊重すべきものと認識しているのなら、そのことをどう具体化していく のか考え方を明らかにすること。 |
○ これまで、運営形態検討会議では衛生対策審議会の答申を踏まえて、地方公営企業法の全部適用と地方独立行政法人を選択肢として、病院の運営形態に関する制度論について検討を行ってきた。 ○ 今後、附帯決議の趣旨をふまえ、労働条件を含む様々な諸課題について、検討を進めていく際、貴組合とのこれまでの労使慣行を尊重し、十分な協議を行うことを通じ、信頼関係を構築し、説明責任を果たしてまいりたい。 |
2.先ごろ病院説明会で出された職員の意見・疑問等について、検討会議での論議を具体的に明らかにすること |
○ 職員説明会で出された意見については、第8回運営形態検討会議において、その概要をまとめた資料を配付し、「病院改革の必要性が十分説明されていないこと、今後の労働条件が明らかにされていないことなどに関する不安・不満が多く出ている」旨の説明を事務局から行った。 ○ 同会議では、衛生対策審議会の答申を受けて、地方公営企業法の全部適用と地方独立行政法人を選択肢として、制度の比較検討を行い、局として目指すべき運営形態の枠組みとして、特定地方独立行政法人(公務員型)、単一法人(5病院を一法人とする)を確認したものである。 ○ 今後、労働条件などの課題について検討するとともに、職員に対する説明責任を十分に果たしてまいりたい。 |
3.職員の身分・労働条件等について 独法化された場合、どのようになるのか具体的に明らかにすること 現業職場について、合理化計画の有無等、職務・職場の諸条件の変化があるのか考え方を明らかにすること |
○ 第8回運営形態検討会議おいては、局として目指すべき運営形態の枠組みとして、特定地方独立行政法人、単一法人が確認された。職員の身分については、病院の公共性や重要性の観点から公務員型が望ましいとされた。 ○ 今後、職員の労働条件等については、検討する課題として関係方面と協議を進め、整理し、職員に対する説明責任を十分に果たしてまいりたい。 |
4.自治労府職からの申入れ・質問等について 今までに自治労府職が提出した各事項について、検討会議での論議経過を明らかにすること |
○ 第8回運営形態検討会議においては、局として目指すべき運営形態の枠組みとして、特定地方独立行政法人、単一法人を確認し、そのために検討が必要な諸課題を整理した。 ○ 今後、これまでの貴組合からの申し入れ等があった各事項とあわせて、これらの諸課題についても十分協議検討を進めてまいりたい。 |
〈国立病院の独立行政法人化後の評価・検証について〉 公的医療・政策医療を担う病院の経営改善、医療サービス向上に、「独立行政法人」制度が有効性を持つのか、現時点での評価、その根拠を明らかにすること |
○ 独立行政法人制度は、自律的な運営、透明性の向上等を特徴とした制度であるが、独立行政法人国立病院機構は、本年4月に設立されたところであり、今後、運用状況等の把握に努めてまいりたい。 ○ なお、国立病院機構中期計画には、サービスその他業務の質の向上や業務運営の効率化に関する様々な目標とそれを達成するための措置が明記され、今後、これらの着実な実施が図られるものと考えている。 ○ 厚生労働省独立行政法人評価委員会で毎年評価が行われることから、その評価を見極めていきたい。 |
〈「目指すべき方向」について〉 運営形態変更が不可避ならば、変更後の「病院像」の骨格部分をもっと具体的に説明し、病院職員が希望をもてる将来像を示すことが必要である。その観点から、以下について具体的に明らかにすること |
○ 府立の5病院が、府内全域を対象とした「広域行政医療」の提供と府域の医療水準の向上という公的役割のもとで、府民に信頼され、安心で質の高い医療を継続的に提供するためには、公共性を確保しつつ、より自律性の高い運営が行える体制への転換が必要であり、今後、目指すべき方向について、十分説明していきたい。 ○ 目指すべき運営形態の枠組みとして、特定地方独立行政法人、単一法人を局として確認したが、今後、労働条件などの諸課題について、十分協議検討を進めてまいりたい。 |
1.「高度専門医療の提供と府域の医療水準の向上」の項 @「高度医療機器の計画的整備」の具体的内容 A「医療スタッフの確保・要請」の具体的内容 B「新たな医療技術の開発」の具体的内容 C「臨床研修などを通じた人材養成」の具体的内容 D「他の医療機関への情報提供」の具体的内容 |
○ 中期目標、中期計画で反映される事項であり、その検討の中で、具体的に明らかにしてまいりたい。 |
2.「患者・府民の満足度向上」の項 @「現場主義の徹底」の具体的内容と現状がどう変化するのかの具体的説明 A「現場(顧客)のニーズに重点を置き、患者・家族の視点に立ったサービスを提供」 ←現状の問題点は何か、現在と比較してどんな課題があり具体的にどう変えるのか B「府民への健康情報の提供等」の具体的内容 |
○ 府民・患者の満足度の向上を図る観点から、これまで以上に現場のニーズに重点を置き、患者・利用者の視点に立ったサービスを提供していくという方向性を掲げたものである。 ○ 具体化については、現状の課題も検証しつつ、病院との権限配分など、今後様々なレベルで検討していくべきと考えている。 ○ 府立の病院が健康や医療に関する情報を府民・患者等へ提供するものであり、具体的には、公開講座の開催やホームページによる情報発信等、現在実施中の取り組みをさらに充実してまいりたい。 |
3.「安定的な病院経営の確立」の項 @「経営改善に向けた不断の取り組み」 ←病院の職務の実態に即して、具体的にどのような取り組みを行っていくのか その取り組みがどのように経営改善につながっていくのか個々具体的な取り組みについてのシュミレーション |
○ 経営改善に向けた不断の取り組みを行っていくためには、現場の裁量で責任ある運営を行い、成果を適切に評価した上で、目標設定に至るプロセスを情報公開する仕組みを導入することが重要であると考えている。 ○ このため、目指すべき運営形態として地方独立行政法人化の検討を進めていくとともに、病院の実態を踏まえた業務改善を図るための方策の一つとして、病院経営検討調査事業を実施しているところである。 ○ 今後、自律的な病院運営を行うための組織体制、法人本部と病院との権限配分、各病院の経営努力に報いるメリットシステムの導入等の課題についての検討とともに、これらを踏まえた収支計画についても具体的に検討を進めていく。 |
A病院の黒字安定化、不良債務の解消 ←独法化した場合の、人件費の取り扱いを含むシュミレーションを明らかにすること どのように、いつ黒字転換が達成でき、不良債務が解消できるのか詳細を明らかにすること 「全部適用」の場合のシュミレーションと、上記の比較を示すこと |
○ 府民に信頼され安心で質の高い医療を継続的に提供し、府民のニーズに応えるためには、経営改善が必要であり、目指すべき運営形態としては地方独立行政法人が適していると考えている。 ○ 地方独立行政法人化により、各病院が現場の責任と判断で創意工夫を凝らした経営改善に取り組み、府立の病院の役割を果たしていくこととする。 ○ 不良債務の解消については、引き続き関係方面と協議を進め、整理した上で、府としての方針を決定していく。 |
〈現状の病院経営の課題について−答申で指摘され検討の前提とされた事〉 1.「組織目標の共有化が不十分」 ←答申は「職員に診療理念や経営方針が徹底されにくく、組織目標の共有化が難しい」と指摘し、これが検討の前提のひとつとなっている。 組織形態のみが原因か、取り組みの不十分さはなかったといえるのか、では、事業局と各病院責任者はどんな目標を掲げ、共有化するためどのような取り組みを行ってきたのか。「不十分」であるなら、事業局及び各病院責任者に責任はないのか、について明らかにすること 2.「専門職員の確保・育成が困難」 ←「困難」との認識は、一定の取り組みを行なったが、限界があるとの認識と理解する。 「確保・育成」のために、可能な方法を検討し取り組んだのか、その取り組み内容、目標と到達状況、「困難」の原因を具体的に示すこと 3.「診療・事務執行体制が硬直的」 ←組織形態にすべて起因するのか、事業局・病院当局の取り組みはなされたのか。取り組んだ結果の評価であれば、取り組み内容・到達状況・限界点を具体的に明らかにすること |
○ 平成14年9月の衛生対策審議会答申において、府立の病院の現状と課題、担うべき役割などを踏まえ、経営改善に向けた不断の取組を自律的に進める運営形態への転換が不可欠であると、運営形態の転換の必要性が示されている。 ○ 職員全体に答申で示された内容等の周知が必要と考えているが、これまで説明責任が十分にできていなかった。 ○ この内容についてすべての職員が理解を深め、病院改革に取組むべきとの機運の醸成を図るためにも、今後、職員が一丸となって改革に取組めるよう、その説明責任を果たしてまいりたい。 |
〈地方独立行政法人の説明について〉 1.「黒字化」について 「行政として一定の財政的負担は今後も行うことが前提」と説明しているが、その具体的内容・数字を示すこと |
○ 地方独立行政法人法第85条では、いわゆる行政的経費及び不採算医療に要する経費については、設立団体が負担することとされている。 ○ 府立の病院は、それぞれの専門分野で他の医療機関では十分な対応が困難な広域行政医療を担っており、この公共性を担保するため、知事は議会の議決を経て定める中期目標の中で、提供する医療サービスの質についても定め、これに伴う経費として、法の規定に基づき大阪府が運営費負担金を交付することとなる。 ○ なお、運営費負担金の交付基準については、法の趣旨を十分踏まえながら、関係方面と協議を進め、整理した上で府として方針を決定していくが、病院が担う公的使命を果たす上で必要となる財源の確保に努めていきたい。 |
2.運営形態を変更する場合、不良債務をどうするのか、具体的に明らかにすること |
○ 府民に信頼され安心で質の高い医療を継続的に提供し、府民のニーズに応えるためには、さらなる経営改善が必要であり、目指すべき運営形態としては地方独立行政法人が適していると確認し、そのための諸課題の検討を進めることとしている。 ○ 不良債務の解消計画等については、諸課題の検討の中で、関係方面と協議を進めていく。 |
3.独法化する場合、法人が承継する資産の内訳・評価額を明らかにすること |
○ 地方独立行政法人化する場合、病院事業に関する資産(土地及び建物を含む)及び負債は法人成立の際に議会の議決を経て大阪府から法人に承継することとなる。 ○ 承継する資産の評価については、地方独立行政法人法第67条の規定により、法人成立の日現在における時価を基準として、大阪府が評価することとなっている。 ○ なお、同法施行令第1条の規定により、評価にあたっては、学識経験者の意見を聴くこととなっている。 |
4.独法化する場合、繰出し金は現在と比較してどのようになるのか、具体的に示すこと |
○ 地方独立行政法人化した場合、地方独立行政法人法第85条の規定により、現行と同様の負担の考え方のもと、大阪府から運営費負担金という名称で、引き続き交付を受けるものと考えている。 ○ なお、運営費負担金の交付基準については、法の趣旨を十分踏まえながら、関係方面と協議を進め、整理した上で府として方針を決定していくが、病院が担う公的使命を果たす上で必要となる財源の確保に努めていきたい。 |
雇用を守れる入札制度へ
全港湾建設支部、全国一般大阪地本と共に決起集会
自治労府職は21日、全港湾関西地方建設支部と全国一般大阪地本の3者共催で「公共入札を考える 7・21決起集会」をエルおおさかで開いた。
この集会は、大阪府が入札にあたって価格以外の福祉や環境への配慮にも加点をする「総合評価方式」を今年度から本格実施したのを受けて、今後の運動の進め方を議論するために企画したもので、応札企業の労働者を組織する民間労組との共催で、約100人の組合員が参加した。
主催者を代表し、大橋委員長は「直営闘争では委託された後の労働条件までチェックできていなかったが『それではいけない』と委託の入口である入札の改善に取り組んできた」とあいさつした。続いて労働支部橋本支部長から、これまでの運動経過や到達点、残された課題などについて報告が行われ、今後の運動方針の提起が行われた。
全港湾建設支部の青木書記長は「総合評価方式は『安けりゃいい』ではないので評価できるが、一番問題の雇用を守ることができない。本格実施といっても9件のみであり、他に広げる必要がある。特に最低制限価格を設定する入札に適用を。公正な労働条件とは何かを詰め、見積書のチェックなどを要求しよう」と発言。全国一般関西地本の道脇書記長も「雇用を守るために随意契約を守る闘いを堺で展開してきた。直営でやるべき職場は直営を守って欲しい。総合評価方式については今後も学習していきたい」と決意を述べた。会場の参加者からも「『自治体の望むべき基準』とは何か」と問題提起が行われた。
集会は、大阪府へ共同で要請書を提出することを確認し、決議を採択して今後の運動の強化を誓い合った。
年 月 日
大阪府知事 太田房江 殿
全港湾関西地方建設支部
支部執行委員長 吉原 正明
全国一般労組大阪地方本部
執行委員長 新村 賢二
自治労大阪府職員関係労働組合
執行委員長 大橋 敏博
要 請 書
日ごろのご協力に感謝します。
さて、公共入札における総合評価方式の導入については、大阪府の施策を府民にアピールし、行政施策の推進に大きな一歩を踏み出すもので、その努力に改めて敬意を表するところです。とくに、知的障害者雇用、環境政策に大きく貢献するもので高く評価するものです。また、引き続き取り組みを進めておられる、清掃、警備等人的委託業務の改善について私たちも関係労働組合として検討を進めてきました。その結果に基づき以下のとおり要請します。
記
1 大阪府の総合評価方式について府内各自治体にも、導入するよう働きかけること。
2 委託請負業者が労働関係法令を守ることは当然のことであり、電算化による事業所の事前登録による審査で、「各種社会保険事業所として登録されているかどうか(事業所番号)の確認」「従業員の賃金台帳の有無」「就業規則の有無」「健康診断や特殊健康診断を行っているかどうか」「過去における府の賞罰の有無」などをチェックすること。また、労働者の労働条件が文書で交付されているか(労働基準法の明示義務)どうか、契約後3ヶ月を目途としてチェックすること。
3 指名競争入札が結果的に、期限付き雇用という労働者の不安定雇用状態を助長している現実を改善するため、「仕事の、経験、認識度」を「技術評価」とする等、継続雇用に着目した評価を、指数化、プラスの評価点とすると共に、本人が継続を希望する場合、業者説明会の活用や、契約後に新旧事業者と行政の3者の引継ぎ協議、当該委託労働者の意見聴取を行うなど「継続雇用」「雇用継承」に努力すること。
4 2004年3月の大阪府議会で採択された、「公契約における政策入札を求める意見書」に基づき国に対し、「公契約の入札制度の改革を行い、入札の貴重な機会を活用して労働関係法令遵守をはじめとする公正労働基準づくり」を働きかけること。あわせて、府における「公正労働基準づくり」に着手すること。
5 大阪府は、毎年、大阪府に働く非常勤嘱託員の単価を日給で決定しているが、その最低金額は事務補助の6時間、5450円である。時間給に換算すると「900円あまり」となる。このため、大阪府における業種別最低賃金として900円を設定し、すべての非常勤嘱託員、非常勤作業員、出資法人等の非常勤職員、下請け労働者の最低賃金積算価格等に適用すること。
6 1973年の「労働関係法令に違反する企業は一定期間指名競争入札から排除する」との知事回答は、労使紛争における府の姿勢として評価されてきた。地労委や、地方裁判所で不当労働行為や関係法令違反の命令や判決が下された場合は、知事回答をふまえ、対応方策を検討する場を設置すること。
大阪府は庁舎管理課の行う、清掃、警備など人的委託契約について2003年度2件の総合評価方式の試行実施を行い、2004年度は9件の本格実施に踏みきった。
これまでの、労働組合の闘いの歴史は、下請け労働者の最低賃金違反や不当労働行為、労災隠しなど、労働法令違反が続出している実態から生まれた。
競争入札で落札した企業が、新たに労働者を雇い入れ、落とせなかった企業は、今まで雇用していた労働者を解雇する、こんなことが入札の度に繰り返されている。
自治労の現業職場直営化の闘いと民間委託労働者の労働基本権確立の闘いは、同根の闘いである。建物がある限り、清掃、警備などの業務がつき物である。そこにどれだけのコストが使われるか。これが問題の本質である。
誰が関わっても一定のコストが生じることを考えた場合「同一労働同一賃金」という道理は真理である。しかし、自治体は、法律を盾に「民間に委託することで安くできる」「競争入札でさらにコストダウンを」「契約した会社が、最低賃金を下回っていたとしても、短期契約労働者しか雇用しなくても、社会保険に加入していなくても自治体は関係ない」というわけのわからない考え方に封じ込めてきた。
かつて、われわれ、全港湾建設支部、全国一般大阪地本、自治労府職は、「落札企業が変わっても、雇用を継承すること、年次有給休暇等労働条件を引き継ぐこと」「最低制限価格を設けること」等を大阪府や各府内自治体に要請し、府は最低制限価格を設けた時代があった。しかし、府立成人病センターの清掃委託で、落札できなかった業者から「損害賠償請求訴訟」が提起され、府が最高裁で敗訴した。しかし、運動は停滞しなかった。
自治労は全国一般と共に「清掃現場における安全衛生活動」等の合同学習会を実施するなど共闘の輪を拡大し、自治法の改正に向けた交渉を展開してきた。
2002年、国(総務庁)は、自治労との交渉席上、自治体入札にあたって、「自治体が望むべき基準」を設けることを容認する旨回答した。これを受け、府は総合評価方式の導入に踏み切った。
我々3組合に結集する労働者は、府が、引き続き、府議会意見書にあるよう、国に対し、ILO94号条約の早期批准を促すと共に、府としても、法違反を容認することが、自治体の品位を落とすだけでなく、「府民に対する重大な裏切り行為」であることに心し、総合評価方式の充実、さらに「地域生活賃金」へと取り組みを進めるよう、府の努力を求めていく。以上決議する。
2004年7月21日
公共入札を考える7.21決起集会
平和行進レポート
最終回
現地の人の声援が励み
平和の大切さを再認識
今回、初めて沖縄を訪れ、本土の文化との違いをたくさん知ることができました。建物は台風などの気象条件に対応した低いかわら屋根で、道路沿いには大阪ではあまり見たことのない珍しい植物が生い茂っていました。その中でも特に目を引いたのは大きな米軍の基地でした。4000mの滑走路を2本有し、アジア・太平洋の軍事拠点となる嘉手納飛行場は甲子園球場の約600倍の面積で「リトルアメリカ」と呼ばれています。その他にもたくさんの基地や軍事演習場があり、道路を挟むようにしてフェンスが続いている光景を見ていると「米軍基地の中に沖縄がある」という印象を受けました。
初日の平和祈念資料館の見学やシムクとチビチリの2つのガマを訪れる追体験学習では、今まで知らなかった沖縄の歴史について学ぶことができました。ガマとは、自然の鍾乳洞のことで沖縄島に多い洞窟で、戦時中には軍隊や住民の避難場所となった天然の壕をいいます。
先に訪れたシムクガマでは1000人もの老人や女性、子どもが真っ暗な中に身を隠していました。ここに避難した人々は、当事の日本の教育を受けていなかった2人のハワイ帰りの日本人に戦時教育の過ちについて説得され、投降し米軍の捕虜になることで全員が無傷で助かりました。しかし、シムクより少し離れた波平地区のチビチリガマでは、米軍の掃討作戦にパニック状態となり「鬼畜米兵に捕まるぐらいなら」と親戚同士で殺し合う集団死という惨劇が起こりました。こうした歴史を学ぶことで、改めて戦争の悲惨さや平和の大切さを感じました。
平和行進初日は出発時に雨が降り、足取りも重くなりましたが、2日目以降は天候にも恵まれ、学校や沿道、すれ違う自動車の住民の方々からの声援が励みとなり、3日間の行進を貫徹できました。このレポートを通じて、少しでも多くの人に沖縄について知っていただき、関心を持ってもらえればと願います。
最後に、今回の貴重な体験をさせていただいた職場・支部関係者の方々に感謝します。
【中宮病院支部 森広 映治】
健康ミニ情報
食中毒を防ぐ6つのポイント
夏になると必ず話題に挙がるもののひとつに「食中毒」があります。日本の夏は高温多湿で生鮮食品の保存など取り扱いには大変厳しい季節です。そこで食中毒から身を守るための6つのポイントを教えましょう。
@生鮮食品は消費期限を必ず確認し、購入は買い物の最後にしましょう。
A生鮮食品は取り扱う前と後に必ず手を洗うよう心掛けましょう。特に卵のカラにはサルモネラ菌が付着している場合があります。
B冷凍食品の解凍は料理に使う分だけ行いすぐ調理しましょう。冷凍や解凍を繰り返すと食中毒菌が増殖したりする場合もあります。
C加熱調理する食品は十分に加熱しましょう。加熱を十分に行うことで食中毒菌がいたとしても殺すことができます。目安は中心部の温度が75度で1分間以上の加熱です。
D調理前の食品や調理後の食品は室温に長く放置してはいけません。O―157は室温でも15〜20分で2倍に増えます。
E残った食品は早く冷えるよう浅い容器に小分けして保存し、時間がたち過ぎたら思い切って捨てましょう。
食中毒は夏場だけ発生するものではありません。また、食品製造施設や飲食店などを原因として発生する場合もありますが、家庭においても依然として食中毒が発生しています。先に述べた6つのポイントを参考に食中毒を予防しましょう。
府本部第13回囲碁・将棋大会
竹内さん 囲碁の部Cクラス 3位入賞
府本部は17日、第13回囲碁・将棋大会を開き、自治労府職からも9人が参加した。大会には田中魁秀九段(日本将棋連盟)と清成哲也九段(関西棋院)を招いて指導対局も行われ、参加者は腕を競い合った。
囲碁の部Cクラスでは、竹内さん(中宮病院)が健闘し3位となった。4位決定戦では高橋さん(税務)が勝ち残った。また、将棋の部Aクラスにエントリーした山本さん(税務)が4位決定戦を制した。主な成績は次のとおり。(敬称略)
【囲碁の部】
・Cクラス3位 竹内 昭(中宮病院)
・Cクラス4位 高橋 俊雄(税務)
【将棋の部】
・Aクラス4位 山本 幸男(税務)
・Aクラス6位 小泉 和人(税務)