機関紙「自治労府職」
2004年8月1日号
人事院と交渉
給与較差は据え置きを示唆
地域給与見直しで俸給表の引き下げも
公務員連絡会は7月28日、2004人勧期の要求実現にむけた第2次中央行動を実施、日比谷大音楽堂で2500人が参加して中央決起集会を開いたほか、人事院給与局長交渉を行い、勧告・報告内容の概要を回答として引き出した。
交渉で人事院給与局長が左別表のとおり回答したのに対し、公務員連絡会は「一時金は、組合員の期待に大きなものがあり、ぜひとも月数増の勧告をお願いしたい。給与構造見直しの報告内容について触れられたが、査定昇給や勤勉手当の実績反映の拡大には、労働組合が参加する、透明で公正、客観的な新たな評価制度を整備することが前提であり、今後慎重に検討すべき課題である。また、地域給与の見直しについては、@地域別の官民較差に基づいて俸給表を下げることには重大な異議がある。そもそも公務員給与はどうあるべきかの議論はしたいと思っているが、俸給表水準引下げを事実上決める報告は認められない、A来年勧告するということも認められない。いつ勧告するかは、職員団体と十分な交渉・協議を行って合意に基づいて決めるべきである、と考えている。一時金問題や地域給与問題を中心に2日には緊急行動を予定しているので、再度局長交渉を行いたい」と強く要請した。これについて、給与局長が再度の交渉を約束したことから、これを確認し交渉を終えた。
公務員連絡会は行動終了後「地域給与見直しを巡る情勢は緊迫しており、かつ一時金増額についてもギリギリ努力していく必要がある」との認識に基づき、来週後半にも予定される勧告・報告に向けて、2日の第3次中央行動などについては予定通り実施し、最終盤の取り組みを強化していく方針を確認した。
人事院給与局長の回答(抜粋)
1 較差・特別給
(1) 較差は、予断はできないが、俸給表に手をつけない可能性もあるかもしれない。
(2) 特別給は、比較手法を変えたため現在も今年の夏分の調査・集計が続いているが、マイナスにならないことを祈っている。
2 教育職関係(省略)
3 寒冷地手当(省略)
4 給与構造・地域給与見直し
(1) 今年度は基本的な考え方を報告で示し、来年度制度改正の勧告を目指して作業を進めてきたところである。
(2) 本年の報告では、次の検討項目につき、問題意識と検討の方向等に言及し、各府省、職員団体等関係者との意見交換を進め、具体化を図る旨述べたい。
(3) 俸給表と地域の給与との調整に関しては、
・ブロック別官民較差を考慮して、全国共通俸給表の水準を引き下げることを検討する。賃金センサスによる県別比較ではなく、ブロック別のラスパイレス比較が適当であることを示したい。
・併せて、民間賃金の高い地域には、俸給表の引き下げと現行の調整手当の支給率を考慮して、上限20%程度の地域手当あるいは地域調整額を検討する。
・地域格差の別の調整方法として、地域別俸給表等の方式も併せ検討する。
・人事院としては、地域別の俸給表より俸給表の全体を下げて地域手当で調整する方法が現実的と考えており、関係者と話し合っていきたい。
(4) 俸給表関連の課題としては、
・専門スタッフ職俸給表の新設
・俸給表構造の見直し(級の新設・統合による級構成の再編、昇給カーブのフラット化)
・昇格基準、昇格時の給与額決定方式の見直し等
・査定昇給の導入、枠外昇給の廃止等
(5) 手当関連の課題としては、
・勤勉手当への実績反映の拡大、指定職の期末特別手当への実績反映
・本府省手当(現行の課長補佐に対する特別調整額を本府省の補佐以下全員に適用)の新設
・地域手当あるいは地域調整額の新設
・転勤手当の新設と調整手当の異動保障の廃止
・俸給の特別調整額の定額化
など、多くの課題があるが、関係者と話し合いながら、できるものから実施していきたい。
5 官民比較給与の見直し
通勤手当、特別調整額の官民比較上の取扱いについて検討する旨報告で言及するかどうか、現在、検討中である。
6 勧告日
作業的には来週中を目指しているが、翌週となる可能性もある。
労働支部
労働行政の今後を議論
自治研集会に当局を含め80人が参加
労働支部は7月28日、能力開発プラザに組合員80人を集め、第15回自治研集会を開いた。集会には東京都区職員労働組合労働局支部、自治労神奈川県職労労働支部など、多数の来賓が参加した。
橋本支部長は「2年に1度、自治研集会を開き、今回で15回を数える。今回は新行財政計画などの動きを見据え、改めて労政行政の議論を行い、府民、市町村、使用者団体、労働団体、地域労働関係機関から求められる「総合労働事務所」をめざしての議論をお願いしたい。また、技術専門校の課題では既に18年度開校をめざして南大阪校(仮称)の建設が進んでいるが、この集会では『デュアル訓練』『指導員配置基準』について議論していただきたい」とあいさつした。
続いて、富山労働政策監から雇用・労働情勢の認識について話があった。
全体分科会として「大阪府が進めるべき職業紹介機能」を提起し、職安労組米沢副支部長、全労働大職安支部角倉執行委員長から意見を受け、東京都、神奈川県での現状報告や連合大阪の政策提言からの発言もあった。
労政分科会では「労政行政とは」「地域労働ネットワークと市町村行政」のレポートをもとに議論し、訓練分科会では「デュアル訓練こうあるべき」「適正な職業訓練指導員配置基準を求めて」のレポートをもとに議論し、それぞれ担当課長からコメントを受けた。
支部は自治研集会での議論を踏まえ、労政協議会・職業訓練協議会などで具体的な取り組みにつなげていく。
【労働支部発】
1日も早い復旧に向け
福井豪雨災害のボランティアに7人
7月18日、福井市を中心に発生した局地的な豪雨による災害に対し、連合大阪は救援ボランティアを募集した。自治労府職からも29・30・8月1日に、延べ7人が参加し、復旧作業にあたった。30日には社保労組から5人が参加し、福井市みのり地区の「災害復旧ボランティアセンター」に派遣された。現地では主に高齢者・障害者家庭の家屋の床下にたまった汚泥の排除作業や家財の搬出作業が中心に行われていたが、被災者にセンターの存在や連絡方法も分からない家庭がまだまだ多く存在していることから、近隣被災家庭へのセンターの存在と活動内容の広報活動にあたった。
被災家庭にチラシを投げ込み、ボランティアを必要としている家庭はないか声を掛けてまわった。活動途中に被災地をまわっていると道路脇の壁に目をやると、大人の背丈で胸ぐらいの高さのところまで泥の跡がついていて災害の凄まじさを目の辺りにした。参加した5人は、すべての被災者が、1日も早く日常生活が営めるよう願い、汗だくになって福井から大阪に帰ってきた。
【本部 寺岡 庄三】
泉南
夜景が見えなくても…まあエエか
泉南ブロック協議会は7月21日、恒例の「ビアパーティー」を今年も盛大に開いた。
連日の猛暑続きで、今日のビールは「さぞかしうまいやろなぁ」で集まったのが、なんと60人。りんくうゲートタワービルの28階で、関空の夜景を見ながら飲み放題といくはずが、突然の雷雨で4F屋内会場に変更。それでも参加者は「エアコン効いてて、まあエエか」とご機嫌で宴会はスタートした。
飲んで食っての大さわぎのなか、これまた恒例の「おみやげ抽選会」も大盛り上がり、参加者からは「また来年もたのんまっせー」と早くも期待声があがった。
泉南ブロック協議会では、さまざまなイベントを企画し、組合員の交流図っていきたいと考えています。
【泉南ブロック協議会議長 永石 亨】
泉北
屋内での納涼大会も大盛況
暑さ吹っ飛ばしてがんばろう。乾杯。
西進する台風10号の接近が危ぶまれた7月30日、泉州地区評泉北ブロック協議会は毎年恒例の納涼大会を堺リーガロイヤルホテルで開いた。強風のあおりで屋外ビアガーデンは宴会場内ビアガーデンに変更。仕事帰りの組合員75人の参加で楽しく過ごした。
納涼大会は、多くの組合員が積極的に参加してくれる恒例行事として定着している。交流をさらに深めるため、今後も続けていきます。
【泉北ブロック議長 西口友康】
新潟・福井の豪雨被災者支援
カンパにご協力を
記録的な集中豪雨により、新潟、福井を中心として災害が発生しています。7月13日に発生した新潟豪雨災害では、新潟県内16市29町15村で、死者15人、重傷1人、住家被害は全壊22棟、半壊144棟、床上・床下浸水25777棟に及んでいます(7月20日現在)。
また、7月17日に発生した福井豪雨災害では、福井県内2市3町で、死者3人、行方不明2人、重傷3人、住家被害は全壊45棟、半壊127棟、床上・床下浸水も多数に及んでいます(7月21日現在)。
両県とも災害発生直後に災害救助法の適用を決定したのに続き、7月21日には、政府は、激甚災害法適用の手続きに入ることを決定しました。また、現在集約中ですが、自治労組合員とその家族も罹災しているとの報告を受けています。自治労本部と自治労共済本部は、7月22日、人見委員長、北岡理事長が新潟を訪れ、被害状況を視察するとともに、被災者および被害自治体の支援の一環として、新潟県内の被災自治体および単組に対して、お見舞いを行なったところです。なお、7月28日には福井県を訪れる予定としています。
以上の被害状況および市民生活が復旧するにはなお時間を要することが考えられることから、自治労府本部・自治労府職も、組合員を対象に「災害カンパ」に取り組むこととします。
各単組・支部を通じ、職場でのご協力をお願いすることになりますが、組合員の皆さんのご協力をお願いいたします。
現評
病院独法化について要求提出
協約での確認事項を守れ
自治労府職現業評議会は7月27日、知事と病院事業局長に対して、府立5病院の「運営形態検討にかかる要求について」を提出した。
当局・病院事業局は病院の運営形態について独法化に向けた検討を進めているが、このことは、重大な労働条件の変更が伴うことが予想される。しかしこの間、当局から現評に対しての提案・協議は行われていない。
そこで、知事と現評が確認している「労働協約」に基づく事前協議制や交渉確認事項の遵守を改めて求めるとともに、地方独立行政法人法の附帯決議に関する認識や職員の身分・労働条件について当局の考え方を質すとともに、運営形態の変更については労使協議の場の設定などを求めた。
平和祈念事業
ヒロシマからのメッセージ
ピースおおさかでは8・15終戦の日平和祈念事業として「2004ヒロシマからのメッセージ」を開く。
終戦から59年。戦争体験の風化が進んでいる。しかし、戦争の悲惨さをあらためて見つめ、平和の尊さを考え続けることが大切だ。この平和祈念事業ではヒロシマの被爆者の証言と劣化ウラン弾の持つ非人道性について問題提起をする講演を2日間にわたり行う。日程は次の通り。
〈被爆者の証言〉
▼日時/8月14日(土)午前11時と午後2時の2回▼内容/被爆者、中園芳子さんの証言
〈講演「イラク戦争と劣化ウラン弾」〉
▼日時/8月15日(日)午後2時▼講師/森瀧春子さん(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会共同代表)
▼会場/ピースおおさか講堂(JR環状線・地下鉄中央線「森ノ宮」駅下車、西へ徒歩5分)▼参加費/無料、ただし入館料(一般250円、高校生150円)は必要▼定員/250人▼申込方法/それぞれの催しごとに電話またはFAXで申し込む。定員になり次第に締切▼申込先・問い合わせ/ピースおおさか(大阪国際平和センター)TEL:06(6947)7208