機関紙「自治労府職」

 2004年9月1日号

公務員連絡会
人勧の取り扱いで政府に申し入れ
地域給与など十分な交渉・協議を

 公務員連絡会は8月25日、杉浦官房副長官に本年の人事院勧告の取り扱いに関わる申入書を提出した。この申入れは、8月6日の総務大臣、厚生労働大臣への申入れに引き続いて行われた。
 公務員連絡会は、申入書の内容を説明し、@本年の人事院勧告には不満な点もあるが、勧告通り実施すること、A地域給与見直し報告は、地域別官民較差に基づいて俸給表水準を一律に引き下げる手法は反対。地域給与・給与制度見直しは基本的な賃金労働条件であり、組合との十分な交渉協議を行い、人事院に対して拙速な勧告を行わないよう申し入れること、を要請した。
 これに対して杉浦官房副長官は「政府としては勧告通り実施する方針である。できるだけ早く閣議決定できるようにしたい」と述べ「公務員連絡会側の意見については責任を持って官房長官に伝える。労使の円滑なコミュニケーションがはかれるよう努力したい」との見解を示した。
 これを受けて公務員連絡会側が「経済財政諮問会議の答申に基づいて閣議決定された骨太方針2004では、地域給与見直しや地方公務員の給与水準について政治的方向付けをするような記述がある。これは労働基本権制約の代償措置である人勧制度の否定ないしは形骸化につながるものであり、極めて遺憾である。方針案とりまとめに当たって、当該の組合には1回のヒアリング要請さえなかった。今後はこうしたことがないようにすべきだ」と求めた。
 これに対し杉浦官房副長官は「労使の意思疎通が大切だ。経済財政諮問会議を担当している竹中大臣にもその趣旨を伝えたい」と応じた。
 最後に組合側は、公務員制度改革の中で公務における労使関係制度をきちんと整備するよう重ねて求め、この日の申入れを締めくくった。


府本部が指定管理者制度で学習会
指定手続きの条例制定が必要


 府本部は8月20日、自治総研の三野靖さんを講師として「指定管理者制度」学習会を開いた。
 三野さんは、自治体職場で進められてきたアウトソーシングの最たるものとして「公の施設」について指定管理者制度が導入され、2006年8月末までにすべての管理委託による公益法人・出資法人への委託が「指定管理者」制度に移行することとなり、自治体における対応と受託法人の対応が求められている。
 指定管理者制度における指定行為は、議会の議決を要する行政処分であり、最低制限価格や低入札調査制度も及ばない、一般競争入札の対象外となっていること、首長・議員の兼業禁止規定の対象外であることの問題点が指摘された。また、一度、指定管理者となった場合、その指定管理者の責めに寄らなければ「指定の取消」ができない問題も指摘された。
 そのほか、要件についても、法人格の有無をはじめ、幅広く設定が可能なため、選定審査基準の設定や管理能力の実証手法も課題となる。指定期間についても、長期短期それぞれに課題があり、市場開放・競争原理の導入という指定管理者制度の本来の主旨が形骸化する可能性もある。さらに、指定管理者への指定期間は逆に市場代替性が欠如するとともに、行政側のノウハウや人的資源が枯渇し、危機管理時の対応が不明となる可能性があるなど数多くの課題・問題点が内包していることが明らかとなった。
 府民・住民へのサービス提供についても、多様で満足度の高いサービスの提供やノウハウの開発など質の高い公共サービスの提供とそれを支える公務労働の存在意義をあらためて問い直し、府民・住民の人権・福祉の確保と保障を前提に対応していく必要がある。
 そのためには、施設や業務内容に適切に対応した選定要件や付与する権限にアンバランスを生じさせないために、指定手続きなどに関する一般条例の制定が求められる。


自治労大会
組織統合・地域給与など活発な議論
すべての議案を圧倒的多数の賛成で可決

 自治労は8月25日から3日間、東京で第75回定期大会を開き、代議員・傍聴者6500人の参加のもと、2005年度年間行動計画案、当面の闘争方針案、組織統合に関する取り組みなど、重要な課題について議論を深め、すべての報告・議案を圧倒的多数の賛成を得て承認・可決した。
 人見委員長はあいさつで「戦後60年を迎えようとするなか、築き上げてきた平和と繁栄が脅かされている。不安定雇用労働者は年々増加し格差は拡大、自殺者は6年連続で3万人を超え日本全体が将来に希望の持てない状況となっている。労働運動の果たす役割が問われるいま、公共サービスの擁護と平和・環境・人権などの取り組み強化と労働を中心とした福祉社会の実現に向けた取り組みが必要だ」と述べ、運動の前進に、全力で取り組む決意を語った。
 方針を巡っては、全国一般との組織統合や地域給与、寒冷地手当などの問題に意見が集中、活発な議論が展開された。


プロ野球選手会が連合大阪に協力要請
すべての組合員の署名協力をお願いします


 大阪近鉄バファローズの磯部選手会長は8月20日、連合大阪事務局を訪れ、伊東会長に労組「プロ野球選手会」の署名活動に対する協力要請を行った。連合大阪は同日の執行委員会で、協力することを確認した。
 磯部選手会長は「合併問題は、選手との話し合いがないまま進められているので、選手会が異論を唱えるのは当然だ。このままだと、オーナー会議で決められてしまう」と訴え、伊東会長は署名への協力を約束した。
 自治労府職では連合大阪の要請を受け、署名活動に協力することを決定している。すべての組合員さんとご家族のご協力をお願いします。


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米軍ヘリ墜落
抗議の国会集会報告(上)
総務支部 山口 治


 8月13日午後2時15分ごろ、沖縄県宜野湾市にある沖縄国際大学の1号館本館に、GH53型大型輸送ヘリが接触、学内に墜落し炎上した。8月26日、衆議院第2議員会館で開催された「米軍ヘリの沖縄国際大学構内への墜落事故に抗議する緊急国会集会」に自治労大会の傍聴の合間をぬって参加した。

衆議院内の緊急抗議集会に400人が怒りの声!
 沖縄出身の衆参両議院野党議員6人の呼びかけで開かれたもので、緊急の呼びかけにもかかわらず、衆参の野党議員27人と秘書13人、平和フォーラムに結集する自治労や日教組の仲間を中心に400人以上が結集した。主催者の予想を大きく超える参加者のために、急ぎ別の会議室を設けたがそれでも収まりきらない参加者が議員会館の玄関ホールにあふれた。この問題に対する人々の関心の強さと、日米両政府の対応への怒りの大きさの表れだろう。

烈しく立ち上る黒煙と炎!
 最初に、米軍ヘリ墜落直後の生々しい状況を撮影したビデオが、照屋寛徳衆議院議員の説明をまじえて上映された。
 ビルの10階以上の高さまで黒く立ち上る煙を撮っていたカメラが、墜落現場上空を旋回する事故機と同型のヘリを捉えていた。事故発生からわずか3秒あまりしか経っていないというのに!(外務省の説明では、救援機だそうだ)

死傷者が出なかったのは、まさに奇跡!
 ヘリは、本館にある学長室を直撃した。直前までタイからの学生を案内し、別棟に移動した直後の出来事だった。
 また、日ごろのヘリの爆音と違う異常な音に危険を察知した父親の急を知らせる電話で、母親が6カ月の乳児を抱きかかえて無我夢中で飛び出し、災難を免れたことも報告された。
 沖縄の人々が日ごろから死の恐怖にさらされていることを今回の事件は示している。

起こるべくして起こった事故
 次に、大田昌秀参議院議員が、沖縄と本土の「温度差」の一言で片付ける本土の受け止め方に対し、今回の事故についても同じだと怒りを込めて指摘した。
 東門美津子衆議院議員は、復帰後も沖縄に負担を強いている状況は何も変わっていない。
 今なお続く米軍の統治下、起こるべくして起こった事故だと怒りを顕わに語るとともに、普天間基地の辺野古への移設に反対し、着工阻止のために130日以上座り込んでいる「おじい、おばあ」の闘いへの全国的な支援を訴えられた。
(つづく)


共に歩もう、働こう!
9月は障害者雇用促進月間です


 1948年のヘレン・ケラー女史来日をきっかけに、毎年9月は障害者雇用促進月間として、障害のある人の雇用について理解を深めるため、全国的にもさまざまな活動が行われてきました。
 特に大阪は障害者雇用について、行政、経営者団体、労働団体、NPO団体などが連携をとり、障害者の雇用促進、支援のために積極的な施策が実施されています。
 9月10日には、内閣府・大阪府・大阪市の主催による「共生社会の形成に向けた大阪フォーラム」がドーンセンターで開かれることとなっています。フォーラムには大阪で障害者支援にかかわる多くの企業、行政機関、市民団体などが集い、ポスターセッションやシンポジウムを通して、情報共有、意見交換が行われます。
 この日は、大阪市交通局・大阪交通労働組合の全面的な協力を得て、フォーラム開催場所の最寄り駅である地下鉄天満橋駅に、障害者にも健常者にも使いやすい共用品を紹介するパネル展示が同時に行われます。さらに、9月1日から30日まで、地下鉄長堀橋駅構内のギャラリーメトロにて、高齢・障害者雇用支援機構が募集した「障害者雇用支援月間ポスター原画募集」の入賞作品約40点が展示されます。
〈共生社会の形成に向けた大阪フォーラム〜もっとフォワード…前に…〉
▼日時/9月10日(金)午前10時半〜午後4時40分▼会場/ドーンセンター(地下鉄谷町線・京阪「天満橋」駅下車、1番出口から東へ350メートル)▼参加費無料、要申込み(詳細は問い合わせを)▼問い合わせ/大阪障害者雇用支援ネットワークTEL06(6949)0350