機関紙「自治労府職」

 2005年1月11日号

病院事業局の独走を許すな
パブリックコメントに組合員の意見集中を

 自治労府職では、病院事業局が進める「府立5病院の地方独立行政法人化」に反対する署名活動とパブリックコメントへの意見反映に向けた取り組みを行なっている。
 病院事業局は、昨年7月に開いた「府立5病院運営形態検討会議」で、運営形態は「地方独立行政法人」と確認し、課題を検討してきた。
 先例として独法化した国立病院で、経営改善が進んだのか十分な検証が行なわれていないなか、一刻も早い地方独法化を実現したい病院事業局に対して「現状の体制(地方公営企業法の一部適用)または、地方公営企業法の全部適用でも経営改善は可能」とする自治労府職の間で主張は鋭く対立したが、折衝や団体交渉で病院事業局は「地方独法化」を結論づけ、現場の意見を無視する不誠実な対応に終始した。
 そうしたなか、昨年12月16日には自治労府職の再三にわたる反対を押し切り「府立の病院改革プログラム―運営形態の見直し編―素案」を発表。パブリックコメントを強行した。
 病院事業局はこれまでの交渉で、府立5病院の不良債務60億円を医療スタッフの賃金水準切り下げとアウトソーシング(外部委託)で捻出しようとしており、当局の経営判断の誤りで生じた赤字を現場に押し付けて乗り切ろうとしている。自治労府職は、このような病院事業局の安易な考えを断じて許すことはできない。
 病院事業局が発表した「改革プログラム」の内容は「地方公営企業法の全部適用」でも可能なことばかりであり、病院事業局が進める地方独法化では現場の医療スタッフに労働条件や雇用形態で差別が生まれ、モチベーションが低下することも予想される。
 さらには、府立の病院として担ってきた「政策医療」としての役割が守っていけるかどうかの疑問も残る。
 パブリックコメントは17日まで行なわれる予定で、自治労府職では、各単組・支部を経由し、意見反映のためのハガキを全組合員に配布している。病院事業局が進める安易な運営形態見直しに対し、自治労府職の意見を反映させるため、取り組みを進める。併せて、署名活動も展開中で、皆さんの協力をお願いします。


パブリックコメントって
なんですか?


 意見募集ともいい、政策立案・変更などを行なう際にその案を公表し、関係者の意見を募る制度。立案者が、政策に影響を受ける人や事業者などから多様な意見や情報を集めることができ、また、方針の意思決定過程における公平性の確保や、透明性の向上を図れるというメリットがある。


自治労府職本部2005年旗びらき

 各単組・支部から、多数の組合員さんのご出席をお願いいたします。
21日(金)18時30分から   エルおおさか10階
 各単組・支部の予定は下記のとおりです。なお、すでに終了している支部もございますので、あしからずご了承下さい。
12日(水) 18:30 税務支部旗びらき(南海飯店)
13日(木) 18:00 職安労組旗びらき(プリムローズ大阪)
        18:30 社保労組旗びらき(大阪厚生年金会館)
14日(金) 18:30 商工支部旗びらき(ザ宴マルシン)
17日(月) 18:00 建設支部旗びらき交流会(本部2階)
18日(火) 12:00 総務支部新年昼休み集会(以和貴荘)
29日(土) 11:30 退職者会新年互礼会(エルおおさか)


05春闘スタート

経団連 春闘労使討議の「春討」へ
連合 労働条件底上げと格差是正

 自治労は12月21、22日、東京で2005春闘中央討論集会を開き、公正労働と同一価値労働・同一賃金の実現など、3本の取り組みを柱とする春闘方針を確認した。それに先立つ11月25日には連合が中央委員会で春闘方針を決定したほか、日本経済団体連合会も12月14日に経営労働政策委員会報告を発表。労使双方の方針が決まり、05春闘がスタートした。

【自治労2005春闘方針】
 重点方針として、@公正労働と同一価値労働・同一賃金を実現する取り組み、A職場のワークルールを確立する取り組み、B分権・自治を確立し、質の高い地域公共サービスを実現する取り組み、の3本を柱とする方針を提起・確認した。今後は27日に開かれる中央委員会で春闘方針を決定し、取り組みを進める。
 自治労府職も2月下旬に予定されているスト批准投票や、3月の連合大阪総決起集会に積極的に取り組み、官民一体となった闘いに参加する。

【連合2005春季生活闘争方針】
 中央委員会で笹森会長は「現場最優先を基本に、従業員主権主義を貫き、春闘を形骸化をさせない交渉をしていかなければならない。徹底した交渉が行われれば、昨年を底として発展の年となるだろう」とあいさつ。
 闘争の基本スタンスは、政策制度要求の実現、雇用の安定、ワークルールの確立などの通年的な課題を前提に、@相場形成・波及メカニズムを通じた労働条件の底上げ・格差是正、A働く側の選択肢が保障され仕事と生活の調和がはかれる公正な働き方の実現をめざすとした。そのうえで、すべての組合が取り組む課題として@賃金カーブの確保と賃金カーブ維持分の労使確認、A規模間や男女間等の格差是正、均等待遇の実現に向けた継続的な取り組み、B全従業員対象の企業内最低賃金の協定化、C労働時間管理の協定化などに取り組むとした。
【日本経団連・経営労働政策委員会報告】
 報告では、春闘に臨む経営者の基本姿勢として「定昇制度の廃止を含めて抜本的な改革を急ぐべきである。国際的にトップレベルにある賃金水準の引き上げは困難で、横並びのベア要求をめぐる労使交渉は機能する余地は乏しい。賃上げ・賃下げは『賃金改定」』と称すべきと考える。春闘はすでに終焉しており、今後は、労使討議の場として『春討』が継続・発展することに期待したい」としている。


映 画
史上初、世界統一した
アレキサンダーの生涯
アレキサンダー


2004年アメリカ/監督=オリバー・ストーン/2時間53分/配給・松竹、日本ヘラルド

 紀元前3世紀、日本は縄文時代だった。その時、ギリシャにマケドニア王アレキサンダーがいた。世界史ではアレキサンダー大王と呼ばれ、史上初めて世界を統一したと記述されている。
 アレキサンダーの征服旅は、ギリシャから出発し現在のブルガリア、トルコ、エジプト、シリア、イラク、イラン、アフガニスタン、パキスタンそしてインドへ。紀元前4000年誕生したエジプト、インド、メソポタミア文明でもある。
 「アレキサンダー」(オリバー・ストーン監督)は、2300年前に実在したアレキサンダーの32年間の生涯史。20歳で王位を継承し、10年間戦争に明け暮れた。アレキサンダーの父は、マケドニア王フィリッポス(ヴァル・キルマー)、母はオリンピアス(アンジェリーナ・ジョリー)。
 ギリシャ世界を制覇し、ペルシア帝国との闘いを目前にした時、父は暗殺された。暗殺者不在のまま、アレキサンダーは王を継承した。いつの時代も王位継承をめぐる暗闘は熾烈(しれつ)だ。母はフィリッポスを愛さず、アレキサンダーをでき愛し、その父親は蛇に変身したゼウスであり夫でないと盲信した。
 王としての心構えもないままのアレキサンダーは、父の声価を引き継ぎ、東方征伐に出発した。母オリンピアスからの遠隔操作に甘えながらも父を凌駕(りょうが)し、自己顕示欲のための死闘だった。4万人の軍で世界最強のペルシア軍25万人と闘って得た奇跡の勝利が、無謀な戦いと批判されつつも、アレキサンダーの勇名をはせた。
 多数の兵が死傷した。累累たる死体がアレキサンダーに捧げられた。彼は死の兵士に涙しても、生き残った兵士の苦闘に心を寄せることがなかった。ただひたすら、東への死の旅路を歩いた。アレキサンダーを守り支えたのは、友であり同志であった。だが、アレキサンダーが支配した土地を「アレキサンドリア」と名付け略奪を禁じ、新アレキサンドリアの都として生活をすすめても、それを評価し了解する者は皆無だった。
 アレキサンダーが見本のように、侵略の途中で現地の女王と結婚しても戦争は侵略であり、無差別に敵を殺害し金品を奪取し、女や子をなぶり殺す鬼畜になることだ。鬼畜になることでしか戦争は成立しなかった。そして鬼畜に成り下がった兵士の不満を鎮めるための報酬が十分に与えられなかったとき、暗殺が仕込まれ、父と同じように彼も抹殺されようとした。
 疑心暗鬼がかきたてられ、異議申し立てする兵士たちの姿にアレキサンダーは、東方征服の意義も失いつつあった。敗走するように到着なき果てなき道を歩行した。不満が沸騰する寸前になっても前進するのみだった。なぜ帰国することができなかったのか。あまりにも遠くに来ていたこともあったが、アレキサンダーの意固地だった。その正当性を見いだすことができなかった。ついに複雑な戦術で迫り来るインドに敗北。負傷し、帰国を宣言した。果てしない戦争のアレキサンダーの末路である。帰国後2年で死に史上初めての統一した世界は分裂した。
 監督オリバー・ストーンは「プラトーン」「7月4日に生まれて」「天と地」などでアメリカのベトナム戦争の愚かさを描いてきた。そしていまはアフガニスタン、イラクそしてイランへと愚行を行うブッシュの愚かさが、しみじみと感じられたのである。
▼2月上旬公開予定▼上映館/〈大阪〉梅田ピカデリーTEL06(6315)1414、他、〈京都〉MOVIX京都TEL075(254)3215、他、〈神戸〉神戸国際松竹TEL078(230)3580


人・愛・ふれあいプラザ
トーク&コンサート


 人・愛・ふれあいプラザトーク&コンサート2005として「トークライブ〜21世紀の子どもたちのために〜」が開かれる。講師には作曲家、歌手、音楽プロデュースなどで幅広く活躍しているタケカワユキヒデさんを招く。
 音楽グループ「ゴダイゴ」の作曲とボーカルを担当し、「ガンダーラ」「モンキーマジック」など数々の大ヒットを生んだタケカワさん。ソロ活動となってからもマザーテレサに捧げる「ねぇマザーテレサ」、地球の自然を守ろうと訴える「愛する地球のために」などの発表、思春期の子どもを持つ親たちに贈るメッセージ「娘を持つ父親のための本」(集英社)を執筆するなど独自の活動を続けている。
 そんなタケカワさんが21世紀の子どもたちに向けて語りかけるトークライブとなる。鼓楽衆「翔」と大和太鼓「夢幻」の太鼓演奏も同時にある。
▼日時/2月5日(土)午後1時半(1時開場)▼会場/東住吉区民ホール(地下鉄谷町線「駒川中野」駅から北西へ徒歩5分)▼参加費/無料▼申込方法/往復ハガキに名前(2人まで申し込み可)・住所を明記のうえ1月20日必着で左記の送付。車いす席・手話通訳を希望の人はその旨も明記▼申込先・問い合わせ/〒546―8501 大阪市東住吉区東田辺1―13―4 東住吉区役所市民活動推進係「人・愛・ふれあいプラザ」係TEL06(4399)6983


お詫びと訂正

 12月21日号の4面に掲載した「ぐんま自治研〜参加者からのレポート終」で、執筆者のお名前を「曽我部真吾さん」と記載しましたが、正しくは「曽野部真吾さん」でした。また、本文中の3段目「同町の生活保護は日本一低かった」は「同町の生活保護は日本一高かった」でした。
 本部教宣部の校正ミスによるもので、曽野部さんには不愉快な思いを与えてしまい、大変失礼をいたしました。
 ここに訂正するとともに、謹んでお詫びを申し上げます。