機関紙「自治労府職」

 2005年1月21日号

パブリックコメント
3440人分の反対意見を提出
病院事業局は多数の反対意見を誠実に受け止めろ

 自治労府職は病院事業局が強行した「府立の病院改革プログラム―運営形態の見直し編―(素案)」による府民意見の募集(パブリックコメント)に対して、組織の総力をあげて意見集約の取り組みを進めてきた。
 自治労府職には、3446の人たちから、病院事業局の「府立5病院の地方独立行政法人化」方針に対し、疑問と抗議、反対の意見が寄せられた。自治労府職はこれらの意見を集約し、パブリックコメントへの反映を求めて17日に病院事業局に提出した。
 自治労府職にはメールやハガキで、多くの職員やOB、患者さんやその家族、全国の自治労の仲間から、病院事業局の独善的な計画への疑問・反対意見が寄せられた。
 病院の組合員からは「私立病院で受入を拒否される触法精神疾患、暴力傾向のある精神疾患や重度薬物依存症の患者の治療はどうなるのか。公立病院の義務的なものではなかったのか。労働組合との十分な協議が必要であると考えます」、「地方独法にすると言っているが、府民や職員にとってプラスとなる姿が見えてこない。具体的な姿を打ち出してはじめて多くの人を説得できる。これでは反対としか言えない」などの意見が相次いで寄せられた。
 自治労府職では、圧倒的な職員・府民の声を病院事業局に無視させることなく、地方独法化の方針再考・撤回をさせるまで、組織の総力をあげた闘いを展開し、病院事業局が、バブリックコメントを形式的・アリバイ的なものに終わらせず、職員・府民の声に耳を傾け、大阪の医療を守り発展させるための正しい選択をするよう、監視・追及を行なっていく。

府立5病院独法化反対
 病院事業局を中心とした、府当局の経営判断の誤りで作られた府立5病院の不良債務60億円を、医療スタッフの人件費などで返済しようとする地方独立行政法人化の計画。
 管理者である病院事業局は、満足な経営改善策を打ち立てることなく、そのツケを現場に押し付け、逃れようとしています。
自治労府職は、病院事業局の独善的な運営形態変更の計画を許さず、パブリックコメントに寄せられた、3,400人を超える府立5病院の地方独立行政法人化への批判を病院事業局が真摯に受け止め、計画に反映させることを要求します。
病院事業局は、机上の空論を直ちに撤回せよ


無原則な民間開放に反対
市場化テスト、民間開放に自治労が見解


 自治労は12日、政府が昨年12月に閣議決定した「規制改革・民間開放推進会議」の第1次答申に対する見解を発表した。
 見解では「あらゆる分野に市場万能主義の規制改革を進める小泉構造改革は、社会の二極化・格差拡大を進めている。社会経済の活性化と持続可能性の基盤である公共サービス分野の徹底した民間開放を進めようとする小泉構造改革は、安心と信頼の公共サービスに支えられた『労働を中心とした福祉社会』の実現とは逆行する『改革』である」として「市民の参画によるコントロールが届かない民営化・民間開放には反対し、質の高い公共サービスの確立と、公共サービス労働者の雇用を守る立場から『第1次答申』と横断的手法としての『市場化テスト』に反対する」とした。
 市場化テストについても「来年度モデル事業として試行予定のハローワーク・社会保険関連事業は、国民に身近な公共サービスで、無原則な民間開放に結びつくモデル事業に反対する」として「対象事業を民が落札した場合の公務員の処遇について『配置転換や民間事業者への移転の仕組みを本格的導入までに整備する』としているが、雇用は労働者にとって重大な問題であり、結論を一方的に押し付ける手法は許されない」と強く批判した。【市場化テストモデル事業に対する自治労見解は4めんに掲載】
 そのうえで「市場は万能でなく、サービスの質を高める改革を実現するには市民・事業者・労働者・行政などの関係者の参画と自治体の自己決定を重視する仕組みの下で、社会的規制の再確立を含めた合意形成が不可欠である」として「自治労は、公共サービスを守り、その質を高め、客観性・公正性をはじめ、公正なワークルールや社会的価値の実現に資する自治体改革運動を背景に、公務労協、連合・市民とともに、職場・地域から対抗軸を形成し、広汎な世論と運動の形成に全力を注いでいく」とした。


武居さんがんばれ
ゼッケンは186、府庁前で声援を
1月30日(日)12時10分からスタート
大阪国際女子マラソンに出場決定

 総務支部出納分会組合員の武居礼子さんが、今年も大阪を走る。1月30日に行なわれる「大阪国際女子マラソン」への出場を決めた武居さんに、本部書記局でインタビューした。
 今回は9回目の出場で、自己ベストである3時間12分19秒を上回り、3時間10分を切ることが目標。府庁陸上部での火・木・土曜日の練習に加え、仕事の後に30分から3時間のトレーニングは欠かさない。「走ることが楽しい。気持ちいい」と話す武居さんだが、職場の親睦会旅行で北海道に行っても小樽市内を観光がてら走り込み、少し筋肉痛になっているとか。
 出納室では、私設応援団が結成され、応援にも熱が入ってきている。武居さんから職場の同僚には「昨年は寒いなか応援ありがとうございます。今年も府庁前で大きな声援をお願いします」と語った。また、武居さんが所属する府庁陸上部は常時部員募集中だ。今年は新規採用された職員の中から3人が新たに入部するなど活気が出ている。興味のある方は武居さんまでご一報を。
 大阪国際女子マラソンのスタートは1月30日(日)の12時10分。なお、武居さんの府庁前通過予定時間は往路で13時20分、復路で13時59分の予定。組合員の皆さんの応援をお願いします。


行財政計画(案)、病院の地方独法化と対決
2月上旬に要求提出、回答指定日は3月11日


2005年自治労府職春闘方針(案)

私たちをとりまく情勢

 日本経済は、輸出や設備投資の増加などから回復基調にあるものの、デフレからの脱却へは道半ばです。また年収の低下や社会保険料の負担増等を受けて、可処分所得が6年連続で減少しているなど、労働側への分配、家計部門への適切な所得移転が不十分なため、いまだに国民全体の購買力は低迷しており、自律的な景気回復には到っていません。
 さらに、政府税制調査会が、所得税・個人住民税の定率減税について2005年度からの縮減、2006年度までの廃止と、今後の消費税引き上げを盛り込んだ答申を行ったことによる、消費マインドへの悪影響が懸念されています。
 こうしたなかで、失業率は4%台にまで回復しているものの、雇用状況は、統計数値ほどには改善が進んでいません。とくに、若年層における失業率は15〜24歳では8・8%、25〜34歳では6%といまだに高い水準で推移しており、新卒など新たに職を求める人にとっての雇用状況も依然厳しい状況にあります。さらに非典型労働者の割合も1993年の21・8%から2003年の30・2%と、ここ10年で約10%増加し、長時間労働も常態化するなど、良質な雇用が失われ続けています。
 企業業績は3年連続の増益見通しにあるものの、地域間・業種間・規模間における賃金・労働条件格差、典型労働者から非典型労働者への置き換えなど、社会的なアンバランス・2極化はむしろ固定・拡大傾向にあり、将来への不安感は一層深まりつつあります。

〈連合2005春季生活闘争〉
 基本スタンスは、政策制度要求の実現、雇用の安定、ワークルールの確立、取引関係の改善などの通年的な課題への取り組みを前提に、@相場形成・波及メカニズムを通じた労働条件の底上げ・格差是正、A働く側の選択肢が保障され仕事と生活の調和がはかれる公正な働き方の実現をめざし、共闘します。また、2004年に引き続き、具体的な共闘の枠組みとして、すべての組合が取り組む以下4つのミニマム課題を設定しています。
@ 「賃金カーブの確保」と賃金カーブ維持分の労使確認
A 規模間や男女間等の格差是正、均等待遇の実現にむけた継続的な取り組み
B 全従業員対象の企業内最低賃金の協定化
C 労働時間管理の協定化

〈自治労2005春闘〉
 2005春闘を、@公正労働と同一価値労働・同一賃金を実現する取り組み、A職場のワークルールを確立する取り組み、B分権・自治を確立し、質の高い地域公共サービスを実現する、という3つの柱において取り組みます。
@ 公正労働と同一価値労働・同一賃金を実現する取り組み
 ・春闘の社会相場形成機能を重視し、労働者全体の賃金の底上げと公正配分を実現する、社会的横断賃金の形成をめざします。
 ・自治体や企業の枠を超えた地域春闘として取り組みます。
 ・臨時・非常勤等職員、公共サービス民間労働者の雇用・処遇改善にむけ、最低賃金協定に取り組むと同時に、男女間の賃金格差の是正に取り組みます。
 ・地方財政危機などをも背景とした地域給与問題に対しては、公務員賃金への社会的合意を再確立する取り組みとして、中央・地方で広範な運動を展開します。
A 職場のワークルールを確立する取り組み
 すべての職場における労働時間管理の徹底と不払い残業の撲滅、法令遵守、事前協議制の確立、労働協約の整備、労働条件の改善、65歳までの雇用確保、仕事と生活の調和の実現をはかります。
B 分権・自治を確立し、質の高い地域公共サービスを実現する取り組み
 地域住民に求められる質の高い地域公共サービス確立と小泉内閣の進める理念なき改革路線への対抗が必要です。このため、公務労協、市民とも連携した全国キャンペーンへの取り組みと、一単組一行動による運動の展開をはかります。

〈2005経営労働政策委員会報告(経団連)〉
 企業業績が回復局面を迎えたなか、各企業が個別の判断で、賃金を引き上げることを容認しています。しかし、定期昇給制度については「能力、成果など評価と処遇が整合する制度を確立する」必要性があると強調し、「廃止を含めて抜本的な改革を急ぐべきである」として一律に昇給する制度改革を求めています。
 2005年度春闘課題として
@ 企業の支払い能力に応じた「総人件費管理」
A 高齢者など多様な人材の活用などをあげています。

〈公務員制度改革〉
@ 人事院の地域給与・給与制度見直し
 公務員連絡会として要求(2004年11月11日申入れ)を対置し、俸給表水準引き下げ案の撤回、十分な交渉・協議と合意などその実現をめざして、対人事院交渉や春闘期の諸行動、運動に全力をあげます。さらに、企業間・地域間の賃金格差の固定・拡大、非典型労働者の引き続く増加などによる雇用・労働の「二極化」を背景として、公務員賃金への社会的合意とその基盤が揺らいでいることを強く認識し、同一価値労働・同一賃金の原則に基づく公正な労働と分配の実現にむけ、2005春闘に主体的に取り組みます。
A 政府は2004年12月24日、「今後の行政改革の方針」を閣議決定しました。公務員制度改革については、次期通常国会への法案提出を断念し、現行制度の枠内での評価の試行などに取り組むとしています。しかし、「評価の試行」については、新たな評価制度の仕組みを示さないままうまく機能していない現行の勤務評定制度の下で行うとしており、容認できません。

〈公共サービスの民営化〉
 2004年からスタートした小泉内閣の「三位一体改革」では、当初、3兆円規模の税源移譲がめざされていたものの、その額は約8割の2兆4160億円に値切られています。社会保障分野では、国民健康保険の制度改革や生活保護、児童扶養手当などの補助率見直しに関する結論を先送り、その他公共事業についても大幅な見直しはなく、全体として先送り・玉虫色の内容に終始し、真の地方分権・地方財政確立にはいたっていません。
 地方財政の逼迫、市町村合併の進捗を契機に、賃金・労働条件の切り下げにとどまらず、公共サービスの民営化などが進められつつあります。「民でできることは民で」とする小泉内閣は、地方独立行政法人制度や指定管理者制度の導入に続き、2005年度からモデル事業としてハローワークや社会保険業務を掲げて、市場化テストの導入をはかろうとしています。公共サービスのあるべき姿を問い直すことなく、市場万能主義を押し通すことにより、公共サービスの水準自体が低下することも危惧されます。
 また、規制改革の推進については、事前規制を原則撤廃し事後監視型行政への転換を図るため、市場化テストの導入と官業の民間開放を積極的に進めるとしており、地方自治体の業務の民間開放についても、その阻害要因となっている国の法令等に基づく規制について検討・見直しを行うとしています。


自治労府職の取り組み
 連合・自治労の春闘方針を踏まえ、以下のとおり具体的な取り組みに全力を挙げます。

〈ストライキ批准投票〉
 自治労ストライキ批准投票では、圧倒的な高率批准に向けて取り組みます。
 実施日 2月22日(火)

〈春闘要求の実現に向けて〉
 賃金等の労働条件の改善に向けた取り組みとして、2月上旬をめどに春闘要求書を提出します。
 3月11日(金)の全国統一行動日を回答期限に設定し、団体交渉での要求実現をめざします。

〈春闘集会等の開催〉
 各単組・支部の執行委員会・集会等での論議を促進させるとともに、地区評での集会など組合員が参加する春闘学習会の開催を積極的に取り組みます。
 なお、自治労府職としては、 月 日( )に春闘決起集会を開催します。

〈連合・自治労の春闘行動の取り組み〉
 ☆ 自治労府本部2005春闘討論集会
 1月19〜20日
 会場:ウエスティン都ホテル京都
 ☆ 連合大阪春闘総決起集会
 3月4日(金)
 会場:扇町公園
 ☆ 別途日程の確定とともに、取り組みを提起します。

〈大阪府行財政計画(案)2004年度版に対する取り組み〉
 小泉内閣の規制改革は、「民でできることは民で」という方針のもと、地方独立行政法人制度や指定管理者制度の導入に続いて、行政のアウトソーシングと公共サービスの民間開放を徹底させるため、「官製市場」の民間開放とそのための市場化テストの導入をめざしている。
 労使関係をないがしろにした「大阪府行財政計画(案)2004年版」において、財政危機を理由とした一方的な人件費削減やPPP(パブリックプライベートパートナーシップ)による市場化テスト実施を発表し、今後、安易な民間への移譲はコスト論が先行し低賃金・不安定雇用労働者の増加を招くことになりかねない状況にあります。
 大阪府行財政計画(案)2004年版の施策化については、自治労府職との十分な協議を求め、一方的に府民・職員にしわ寄せする施策には断固反対するとともに、地方税財源構造の抜本的な改革をはじめとした府政への政策提言などの取り組みを本部・支部一体となって進めます。
 また、自治研推進委員会活動の一環として、点検・検証活動を強めます。

〈地方独立行政法人化に対する取り組み〉
 大阪府は府立5病院の運営形態の変更について12月13日、「府立の病院改革プログラム―運営形態の見直し編―【素案】」を職場に明らかにするとともに、多くの職員と自治労府職の反対と継続協議を求める声にも関わらず、16日(木)にパブリックコメントに付しました。
 多くの問題点を抱えている府立5病院の独立行政法人化について、引き続き、「地方独立行政法人化反対闘争委員会」を中心に、単組・支部が一丸となった取り組みを展開します。
 また、連合・自治労の仲間と幅広く連帯した闘いを進めると共に、府民へのアピールや2月府議会に向けた民主党を始めとする府議会各会派との連携に全力を挙げます。

〈人員要求、新規採用を求める取り組み〉
 2005年度の組織・人員については、大幅な改編・人員削減提案が予想されますが、職場では慢性的な業務超過状況の中で人員不足が続いています。とりわけ、大阪府行財政計画(案)2004年版による職員3200人削減に対しては、現業職場を狙い撃ちにする安易な地方独立行政法人化、民間委託やアウトソーシングの実施を許さず、現業職場の直営を堅持し職場を守る取り組みが必要です。
 さらに、総務サービス事業については、業務実態を明らかにさせるとともに、引き続き、職場実態に見合う人的措置が必要です。
 自治労府職は各支部要求・交渉状況を集約し、職場実態に応じた人員を要求し、財政事情による安易な人員削減に反対することを基本に、@府民・住民本位の施策充実に伴う人員配置と新規職員の採用、A公務サービスの充実に向け、現業部門の合理化反対の取り組み、B恒常的残業の解消については、労使で納得できる実効ある具体的な制限を追求します。
 また、土木部で検討されている用地業務の委託化問題については、職場の意見を集約して対応します。

〈労働基本権を確立した透明で民主的な「公務員制度改革」実現への取り組み〉
 労働基本権の回復など国際労働基準にそった抜本的な公務員制度改革に向けて、市民生活の安定・安心を支える公共サービスの質と水準の確保と、雇用と労働の質を守る観点から、取り組みを強化しなければなりません。
 自治労府職は、公務労協の「良い社会をつくる公共サービスキャンペーン」をはじめ、連合・公務労協・自治労が提起する各種行動へ全力で取り組みます。

〈男女平等推進の取り組み〉
 10月29日の第1回府費中央委員会で設置した「男女平等推進委員会」は、1月18日に第2回推進委員会を開催し、「次世代育成支援策」の推進強化に向けて、大阪府当局に対して、中身のある先進的な特定事業主行動計画の策定・実施を求めます。
 また、改正されたDV防止法において、都道府県は2004年度中に被害者支援のための基本計画を策定することが義務付けられています。
 自治労府職は大阪府本部とともに、大阪府に対してDV被害者の自立について人権尊重の立場から実効ある支援計画の策定を求めます。

〈自衛隊のイラク派兵反対の取り組み〉
 戦争の最大の口実とされた大量破壊兵器が存在せず、イラク戦争の「大義」とされたことが根底から崩壊し、この戦争が無法な侵略戦争であることが明らかとなっています。
 こうしたなかでイラクの犠牲者は民間人を含めて10万人を超えたと推測されており、その後のイラク中部ファルージャへの攻撃による犠牲者は、6000人を超える可能性があるとも伝えられ、現在も増え続けています。民間人への無差別攻撃は、国際人道法にそむく戦争犯罪であり、アラブ諸国をはじめ、世界中から非難の声が上がっています。
 各国で大規模な市民運動が展開されるなかで米英とともに開戦の中心国だったスペインをはじめ7か国がすでに完全撤退しました。日本と同じくサマワで活動しているオランダ軍も撤退を決め、さらに各国が削減・撤退を検討しています。
 自治労府職は、自衛隊のイラクからの即時撤退、および多国籍軍の撤退を求め、引き続き連合大阪・平和人権センター主催の集会や抗議行動に結集して取り組みます。

〈安心・信頼の社会保障制度の確立と住民に身近な行政をめざす取り組み〉
 規制改革・民間開放推進会議(議長:宮内義彦、2004年4月内閣府に設置)は、12月24日「規制改革・民間開放の推進に関する第一次答申〜官製市場の民間開放による『民主導の経済社会の実現』」を内閣総理大臣に提出した。答申は、「持続的な成長」に「規制改革をはじめとする構造改革を実行する必要がある」とし、日本の経済社会を「官製市場の民間開放」により「民主導型に転換する」ことをめざすとしています。
 「市場化テスト」(官民競争入札制度)については、「官から民への事業移管を加速化するための横断的な手法」として、2006年度からの本格的な導入に向けた「法的枠組み(「市場化テスト法(仮称)」)も含めた制度の整備を検討する」と強調しています。
 2005年度に公共職業安定所関連の4事業、社会保険庁関連の3事業、行刑施設運営業務の一部で「市場化テスト」モデル事業を行うとし、このために必要な関連法改正を次期通常国会で行うとしています。また、「本格的導入にむけた基本方針」として「国の事業を先行して対象」とするが、「地方公共団体が自発的に市場化テストを導入・実施することを阻害している現行法令の改正等、必要に応じ所要の検討・環境整備を行う」とし、地方における自発的な導入への期待と関心が表明されています。
 また、社会保障制度改革(懇談会)については、12月8日までに第5回の「社会保障のあり方に関する懇談会」が開催されました。これまで、社会保障の一体的見直しの観点から、社会保障の基本的なあり方、年金制度の一元化、介護保険制度、中医協のあり方、生活保護、少子化対策について議論されてきましたが、「骨太方針2004年」で示された「2004年度中に論点整理を行う」との確認に基づき、第5回において、これまでの論点整理の文書確認がおこなわれました。
 今後、2月16日に「医療制度・医療保険制度について議論される予定となっていますが、官房長官からは、「社会保障全体の規模や保険料を含めた負担など一体的な議論を行っていただきたい」との要望も出されています。
 今後の懇談会の議論に注視しつつ、連合・自治労に結集して「安心信頼の制度確立」にむけ制度改革の取り組みを強化しなければなりません。
 自治労府職は、「身分移管対策委員会」を開催し、情勢を共有するともに取り組みの具体化を図ります。

〈組織強化と組織拡大の取り組み〉
 大阪府においては今後10年間で「団塊の世代」の大量退職や民間委託、アウトソーシングなどによる組合員数の減少が予想されます。しかし、自治労府職は、自治労運動のさらなる活性化・組織強化を求め、次世代に数的にも質的にも影響力を維持し続けなければなりません。このため、全組織を挙げて、組織拡大・強化に向けた取り組みが喫緊の課題となっています。
 「組織財政強化対策委員会」および「組織拡大闘争委員会」での論議を踏まえた、組織拡大・強化方針を策定するとともに、学習と交流の強化を図り、新規採用者や職場間異動者を対象にした組織拡大に向け、各単組・支部・現業評議会・ユース部と連携した取り組みを進めます。


2005年2月  日

大阪府知事 太田房江 様

自治労大阪府職員労働組合
執行委員長  大橋 敏博

2005年労働条件改善等要求書(案)

賃金等の労働条件改善について次のとおり要求するので、3月11日までに誠意ある回答をされたい。

1.労使慣行を厳守し、労働条件の改変にあたっては、一方的実施を行わないこと。また、各支部・分会等における労使関係についても、良好な関係の形成に努めること。
2.大阪府行財政計画(案)2004年版の具体化にあたっては、施策決定過程において、十分に事前協議すること。
3.大阪府で働く民間労働者の処遇確保・公正労働の実現のため、政策入札制度を推進するとともに、自治体公契約条例を制定すること。
4.2005年度の組織・人員配置定数については、本部・支部と十分協議すること
5.賃金に関する要求
(1) 人事委員会勧告制度を尊重し、定期昇給延伸、特別昇給停止について早期に復元すること。あわせて、平成17年度定数内特別昇給の実施に向け未確定事項及び細部事項について十分協議すること。
(2) 基本賃金について以下の標準年齢ポイントの賃金水準を実現すること。
 @30歳勤続12年284,800円、A35歳勤続17年333,600円、B40歳勤続22年379,600円
 また、中途採用者については、上記標準の8割以上を最低基準とし、9割是正の実現を求めます。
(3) 現業職員及び獣医師等の初任給基準を改善すると同時に職務段階別加算の不合理を是正すること。 また、中途採用者の経験年数換算の号給調整については全職種12月除算すること。
(4) 医療職(ニ)表標準職務表適用者の主査級6級に各付けすること。
(5) 中途採用者及び現業職員の上位級各付け基準を改善すること。
(6) 昇格制度の改善に伴う、行政職給料表以外の給料表の均衡を考慮した措置をとること。
(7) 最低賃金の保障について
 @年齢別最低保障給制度として確立し、その水準は35歳で標準入職者の9割以上とすること
 A大阪府に雇用されている全ての労働者の最低賃金を月額202,900円(日額10,150円、時間額1,450円)以上とすること。
(8) 諸手当等の改善について
 @住居手当については、大都市における特殊事情を勘案できるよう制度の抜本改善と、支給額の引き上げを行うこと
 A扶養手当については、属性区分の見直しなど支給方法の大幅な改善を行うこと。
 B時間外勤務手当の支給率を、100分の150に、深夜・週休日・休日の場合は100分の200に、夜間勤務手当は100分の50にそれぞれ改善すること
 C一時金については、削減提案を撤回し、成績主義の拡大は行わないこと。
(9) 非常勤職員・非常勤特別嘱託員の待遇改善を図ること。
(10)育児休業者・病気休職者などの職場復帰後の昇給復元措置を改善すること。併せて、職場復帰に向けた諸制度の改善を図ること。
(11)2005年度当初予算に賃金引上げ分を計上すること
6.任用等に関する要求
(1) 任用制度の抜本的改善を図ること
 @主査級昇任考査については、合格者枠の大幅改善、専門考査の分野別選択制導入、適正評価の採点基準の明確化、総合点持ち越し、採点結果の本人通知と公表について引き続き改善を図ること。
 A技術系・専門職員の昇任について、昇任者数の増加を含め抜本改善を図ること。
 B研究職にかかる前歴の取扱いを改善すること。主幹研究員制度を新設し、4・5級昇格者を拡大すること。
 C現業職員の吏員選考基準を改善すること。
(2) 新人事評価制度実施にあったては、5原則(公平・公正性・透明性・客観性・納得性・目的性)及び2要件(労使協議制度の確立・苦情処理機関の設置)を確立すること。
(3) 定年退職者の再任用希望者及び定年前退職者の特別嘱託を希望する希望者全員の雇用確保をはかること。
(4) 高齢者部分休業を早期導入すること。
7.健康.保険・年金に関する要求
 公務員の生活の安定と福祉の向上に欠くことのできない地方公務員共済組合制度を存置し、その自立的運営を確保するため、国に働きかけること。
8.社会保険・職業安定行政に関する要求
 地方分権推進の立場から、社会保険・職業安定にかかる行政と身分の地方移管実現を求めてきた立場を引き続き堅持すること。
9.分限、採用に関する要求
(1) 地方公務員法による「自動失職」に関する特例条項を設けるよう、分限条例を改正すること。
(2) 国籍条項の撤廃に伴う任用・配置などの面での不平等を解消すること。
10.労働条件に関すること
(1) 改正された男女雇用機会均等法の趣旨をふまえ、保育・介護の必要による夜勤免除ができるよう条件整備を行い実施すること。
(2) 職場におけるセクシャルハラスメント防止の実効ある対策がとられるよう、男女共通の課題として取り組むこと。
(3) 育児休業について有給制度への法改正を国に働きかけること。また、次世代育成支援推進法に基づく行動計画の策定し、また、保育特休の対象年齢を引上げるとともに、育児・保育制度の一層の拡充を行うこと。
(4) 男性職員の育児参加のための休暇を早期制定すること。
(5) 看護師の夜勤体制は、複数で一人あたり月8日以内を厳守すること。
(6) 変則交代制勤務者の週休2日制が連続で完全実施できるよう条件整備を行うこと。
(7) 妊娠中及び産後1年6ヶ月までの深夜業務を完全に禁止すること。
(8) 育児休業・介護休暇期間中の経済保障を改善すること。
(9) 人事異動について、本人希望、母性保障、保育実態、介護要件等に配慮し配置すること。
 また、通勤時間が片道1時間30分を越えないようにし、内示は1週間前に行うこと。
(10) 障害のある職員が安心して働き続けるよう、職場環境・通勤等を含めた労働条件等の改善・整備を行うこと。
(11) 非常勤職員の生理休暇を有給で保障し、看護休暇を保障すること。
11.労働時間短縮に関する要求
(1) 総合的労働時間の短縮に向け協議を促進し、1日の勤務時間を7時間30分、1週の勤務時間37時間30分に早期に条例改正すること。
(2) リフレッシュ休暇、家族休暇、ボランティア休暇を拡充するとともに、その取得促進を図ること。
(3) 恒常的残業の解消、過重労働による健康被害防止対策の強化を行うこと。
 @週・月・年あたりの残業時間の上限をそれぞれ12時間・30時間・150時間に規制すること。
 A「ゆとりの日(全庁一斉ノー残業デー)」を定着させること。
 B予算・議会関連業務など残業を生み出している業務の見直し、全庁的抜本的改善を行うこと。
 C時間外勤務を命令するときは、労働基準法第33条3項「公務のために臨時の必要がある場合」の規定の厳格な運用と、時間内に事前届出・事前命令の徹底を図ること。
 D職員の過労による健康被害を防止するため、「過重労働による健康障害防止のための産業医による保険指導実施要領」に基づき、適切に対処するとともに恒常的な残業の解消に努めること。また、その実施内容を明らかにすること。
 E時間外手当の完全支給を行うこと。残業規制を実効あるものとするため、労働基準法第36条の趣旨を尊重し、各部・所属長と自治労府職各支部・分会長との協議を行い、協定を交わすこと。
12.人員に関する要求
(1) 恒常的残業の解消、過重労働による健康被害防止のための各支部・分会の人員要求を実現すること。また、継続的に恒常的残業が発生している職場を明らかにし、業務量に見合った人員配置を行うこと。
(2) 各種休暇制度等の権利行使が十分に行えるよう増員すること。
(3) 育児休業制度(全職種・男女適用)が実効ある制度として機能するため、代替要員を正職員で完全に確保すること。
(4) 現業職場における退職予定者の退職後欠員を完全に補充すること。
(5) 病院看護職員の「臨時的任用職員」について、当局責任で必要人員確保に向けたあらゆる努力を行うとともに、各病院運営に支障のない年度当初配置人員を確保すること。
(6)総務サービス事業は、稼働状況の検証や現場からの質問・意見に最大限の対応し、職場実態に見合った最大限の人的措置を確保すること。引き続き、総務サービス事業の安定稼働に向けて協議すること。
以 上 

「市場化テスト」モデル事業についての自治労見解

 「市場化テスト」モデル事業は、2005年度に、ハローワーク(公共職業安定所)関連、社会保険庁関連、行刑施設関連で実施が予定さている。

 このうち、ハローワーク(公共職業安定所)関連では、全国15箇所の「キャリア交流プラザ」のうち5箇所と若年者版キャリア交流プラザ事業1箇所について「公設民営方式」を前提に、市場化テストの対象にすること。求人開拓事業について、3地域を対象にすること。さらに、アビリティーガーデンにおける職業訓練の民間開放について実施することとなった。社会保険庁関連では、「国民年金保険料の収納事業」及び「厚生年金保険、政府管掌健康保険の未適用事業所に対する適用促進事業」としてそれぞれ5箇所の社会保険事務所、2箇所の「年金電話相談センター事業」について実施することとなった。(「第1次答申」P.14〜参照)

1.ハローワークにかかる「市場化テストモデル事業」について

(1) 第1次答申では、「職業紹介や職業訓練に関わる民間事業は、既に成長・発展している」として、「今後とも国が公務員を用いて自ら行う全国的な無料職業紹介事業の維持、もしくは、既に知見・ノウハウを有する民間事業者の力を活用した抜本的な民間解放によるサービスコストの削減・質向上を目指すかの選択」との問題意識を明らかにした。

 今後の問題意識として、第一に「ハローワーク関連事業の抜本的な民間開放(包括的民間開放)の検討、速やかな結論」、第二に、モデル事業は、その特定の機能に注目した民間開放にとどまっており「ハローワークが実施している原則すべての事業を、一括して民間開放」し、「官民競争入札によって、どちらがサービスの質・コストの面で優れているか、国民の目に見える形で客観的に検証し、職業紹介事業等の実施主体を決めていく」ために「市場化テストの本格的導入に向けた検討の深化」を掲げた。(「同」P.69〜参照)

(2) 国内における雇用状況は、依然として失業者は300万人以上おり、失業率は4%台後半に高止まりしている。勤労者の雇用・所得環境は改善しておらず、地域間・産業間・企業規模間・労働者間で格差が拡大し二極化が進展している。パートタイム労働者や、契約社員、派遣労働者や請負労働者など非典型労働者の激増、さらに、長期失業者や若年失業者の問題は極めて重要な問題となっている。

(3) 公平な働き方を可能とするためには、女性、高齢者、若者、障害者をはじめ、全ての個人について、働く機会が公平に提供されなければならない。労働市場のゆがみを是正し、雇用保険・無料の職業紹介、失業者訓練等のセーフティーネットの整備は引き続き図っていかなければならない。以上の立場から、ハローワークの無原則な民間開放は、労働行政の解体につながるもので反対である。

(4) また、市場化テスト(官民競争入札制度)の論議にあたっては、@求職者の個人情報の保護に基づく公正な採用選考、Aエイジフリー社会実現に向けた高齢者雇用の促進、B障害者に対する雇用差別を防止し、障害者雇用の促進、C男女共同参画社会の実現に向けた雇用機会の平等、D公契約として公正労働基準の実現、以上の事項が制度的に担保されない場合は、公共職業紹介事業への導入は認められるものではない。


2.社会保険にかかる「市場化テストモデル事業」について

(1) 第1次答申では、社会保険運営の根幹に関わる重要な役割を担う社会保険庁は、「事務の効率化にインセンティブが働かず、質的向上の努力を怠ってきたこと」、その結果として「国民年金保険料の未納率上昇」、などの問題が起こっていると指摘している。このような中で、「国民年金徴収率の向上」、「コスト効率よく適正なサービスの提供」が急務な課題として、「抜本的な見直しが不可欠」であるとして、「したがって、民間開放の一手段としての市場化テストを早急に実施すべき」と結論付けた。(「同」P.74〜参照)

(2) 自治労は、先の「年金国会」などで取りざたされた社会保険職場に対する批判については、率直に受け止め国民の立場に立ち改革を進めるべきと考えるものであり、当該国費評議会においても改革に向けた方針の確立と信頼回復に向けた全組合員による職場からの取り組みを進めているところである。したがって、「社会保険庁の在り方やその事務・事業について抜本的な見直し」を否定するものではない。

(3) 答申では、「社会保険事業を適正かつ透明で効率的な運営へとスピード感を持って変革する必要があり、社会保険庁の在り方やその事務・事業について抜本的な見直しが不可欠」とし、その解決策として「市場化テストを早急に実施すること」としているが、政治と制度、行政のそれぞれの責任と問題点を分析する事無く、また、国民の真のニーズを掘り下げる事無く、「市場化テスト」を実施することですべて解決するかのように結論付けることは国民に誤解を与えるものであり、企業利益追求のための市場化テスト・民間開放の導入には反対する。

(4) 社会保険庁の在り方については、政府として内閣官房長官の下「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」を設置し、そのスピードを早め、組織の在り方も含め検討を行っているところである。「有識者会議」の議論においても、社会保険庁の在り方については、制度と執行体制の在り方が密接に関連することから「社会保障の在り方に関する懇談会」の議論もふまえ検討を進めることとしているところである。

(5) 政府は、社会保障制度全般について、税、保険料等の負担と給付の在り方を含め一体的な見直しの考え方を早急に国民に示し、国民の期待に応え、しっかりと担える公共サービスの在り方をあわせて検討すべきである。とりわけ、ハローワーク・社会保険という、労働・医療・年金という極めて国民に身近な行政の在り方については、国民生活の安定・安心の構築に向けて国民参画・合意のもと改革を進めるべきと考える。