機関紙「自治労府職」

 2005年2月21日号

春闘決起学習会
怒りを持って本物の運動を
全国一般から中小労働運動を学ぶ


 自治労府職は18日、エルおおさか南館に組合員80人を集め、春闘決起学習会を開いた。
 あいさつした大橋委員長は「中央本部では地公3単産とともに全国一般との組織統合議論が始められているが、中央委員会では統合を否定する声が少なくなかった。しかし、民間職場の仲間と同じ土俵で闘っていくことも今の時代には重要である。そういった意味で、本日は全国一般から見た組織統合問題についても話をいただきたい」「公から民への動きが強まっているが、大阪府では市場化テストの検討が進められている。『大阪府における市場化テストのガイドライン』を今年度中にも、案にする流れとなっている。17年度中には何らかの形で動き出す可能性があり、新規事業はアウトソーシング型でのモデル実施を行い、18年度には結果を検証して本格的な検討に入るという方向になっており、引き続き対策を考えたい」として「労働組合は団結の力を背景に闘いを進めて行かなければならない。決まった行動には全体が参加できるよう取り組んでもらいたい」とあいさつした。
 府本部からは蜂屋副委員長が駆けつけ、市労連問題について経過を報告するとともに、労使協議への支援を訴えた。
 講演では「『2005春闘』中小労働者の課題と自治労との産別統合について」と題して、全国一般労働組合の副執行委員長の福井工さんから、春闘情勢の話とともに「労働組合があっても、その機能が発揮されなければ労働組合とは言えず、労働者が怒りを持って運動をしなければ、本物の運動にはならない」など、多くの労働組合をつくり、闘ってきた経験に基づいた話が行われた。


過重労働やメンタルヘルスなど職場環境改善等で当局を追及

 昨年11月に提出した「2005年度予算に向けた職場環境改善、健康管理、福利厚生の充実についての要求」で自治労府職は17日、当局と交渉した。当局からの基本回答を受けた後、次の点で当局の見解を求めた。
 【要求・回答を2・3めんに掲載】
 @泉北府税事務所のエレベーター設置は、府民の利便性を考えての要求。福祉のまちづくり条例の趣旨からも早期の設置を求める、Aメンタルへルス問題では「職業性ストレス簡易調査票」が全職員に配布され、早期発見、未然防止対策が進んだが、病気となった職員への職場復帰に向けた対策やその職場の改善対策が必要ではないか、B過重労働については、前年より対象者が増加している。増加要素の分析と具体的な対策を求める。さらに、時間外勤務の上限規制は、早期に具体化を求める、C「特定事業主行動計画」の策定については、組合員に意見を十分に踏まえることなどとした。
 これに対し府当局は、@泉北府税事務所のエレベーター設置は、引き続き重要な課題と認識しているが、多額の経費がかかる現実もある。福祉のまちづくり条例の趣旨からも施策としての重要性を関係部局に伝える、Aメンタルへルスの課題は、新年度からは新任課長補佐研修の項目とすることや、メンタルヘルスセミナーの複数開催など、適正な対応ができるよう進める、B過重労働は、前年度より増加していることは認識している。新年度からの具体的な上限規制については早期に提案したい、C「特定事業主行動計画」の策定にあったては、自治労府職と十分協議したい、などと回答した。
 自治労府職では、要求実現に向けて、引き続き当局との協議を進める。


退職後の生活設計など説明
府費労組が予定者集会を開く


 自治労府職は15日、退職予定者集会をエルおおさかで開いた。
 大橋委員長は参加者に対し「自治労府職への長年のご支援に感謝を申し上げる」として「退職すると収入が年金が中心となる。しかし、年金の切り下げや課税強化の動きなど『取れるところから取っていけ』という状況になっている。自分達の生活をどうやって守っていくのかという観点からも『現退一致』で取り組まなくてはならない」とあいさつした。
 また、退職者会の満薗会長は、第2の人生を安心して暮らしていけるよう取り組むとともに、親睦と交流を深める活動を展開している退職者会への加入を呼びかけた。
 「退職手当等と退職後の生活設計」と題し、川本副委員長が退職金の計算方法や退職後の税金・健康保険、再任用制度などを事例を交えて説明、続いて寺岡執行委員から年金について説明があった。さらに、退職後の自動車共済や団体生命共済、マインド、火災・交通災害共済、労金などの取り扱いについても小出書記から説明した。


公務員連絡会が春闘要求書を提出
バッシングに毅然とした対応求める

 公務員連絡会・地公部会は14日、麻生総務大臣、佐藤人事院総裁と交渉を行い、2005年度春季要求書を提出した。
 要求提出にあたり、組合からは「公務員給与バッシングが強まるなか、賃金・労働条件をめぐる情勢には極めて厳しいものがある。また『骨太方針2005』の策定に向けた議論のなかで、公務員の総人件費について『抑制』ではなく『削減』の方針を打ち出すべきだという意見が強まっていると伝えられているが、そもそも労働者代表も参加していない中で、議論が一方的に行われること自体極めて遺憾である」などと趣旨を伝えた。
 14日提出した要求書では、政府、人事院に対して公務員バッシングに毅然とした対応を行うことを求め、本年の給与改定は、公務員労働者の賃金水準の維持・改善に向けて十分な交渉・協議と合意を求めている。公務員連絡会では要求書提出を皮切りに、全国統一行動や中央行動を背景に総務省、人事院との交渉・協議を強め、3月22日に設定した回答指定日には誠意ある回答の引き出すとしている。
 また、本年の勧告に向けて最大課題となっている地域給与見直し問題などへの取り組みを含む連合の「格差拡大と負担増の小泉構造改革NO」運動を全国で繰り広げ、公共サービス確立キャンペーンの前進に結びつけていくこととしている。


05職場環境改善等の要求・回答
※太字(ゴシック体)が自治労府職の要求、細字(明朝体)が当局回答

1 大阪府行財政計画(改定素案)に関連し、職場改善・健康管理・福利厚生の課題について一方的な改変を行わず十分な協議を行うこと。
 「大阪府行財政計画(案)平成16年(2004年)版」に関連し、給与その他の勤務条件に関わる事項につきましては、誠意をもって、皆様方と十分に協議してまいりたいと存じます。

2―(1) 老朽化した出先職場庁舎(築20年以上)については各部・各所属と協議の上、建替計画を明らかにすること。また、補修・修繕についても計画的に行い、その際には、本部または支部と十分に協議を行なうこと。
 出先職場庁舎につきましては、現在、各所属で管理しております。庁舎の老朽化状況は、建物の構造、立地条件、建物の使用目的等により異なり、全庁的にトータルで把握しにくい面があり、各部各所属において対応せざるを得ないと考えております。

2―(2) 新庁舎整備計画の凍結に関連して、現本庁舎機能の維持に必要な庁舎管理・設備管理に関わる予算は、充分に確保すること。
 また、本庁舎をはじめとした執務室等の狭隘対策・会議室不足の解消について十分な策を講じること。

 新庁舎整備計画の凍結による本庁舎の維持管理・設備管理に関わる予算につきましては、必要に応じて確保に努めてまいりたいと存じます。
 また、本庁舎の狭隘につきましては、既存スペースの有効利用及び民間ビルの借り上げ等により執務室の確保に努めてきたところであります。今後とも、組織・機構の改正に併せ、部局のまとまり、各課室の人員、来庁者の便宜等を総合的に勘案し、適正な執務室の確保に努めてまいりたいと考えております。

2―(3) 労働安全衛生法・大阪府職員衛生管理規程および職員課長通知(昭和55年4月1日)で定める内容を遵守し、各職場の休養設備・施設、男子・女子更衣室、男女別トイレなどの設置・改善をはかること。
 快適職場環境の確保については、安全衛生管理規程第52条により「職場環境基準表」を策定し、職場環境の維持向上に努めているところであります。
 本庁舎につきましては、執務スペースが不足している現状からみまして、ご要求に応じることは困難な状況にありますが、今後とも必要に応じて建物の構造及び予算の範囲内で検討し、対処してまいりたいと存じます。

2―(4) 福祉のまちづくり条例にそって府有施設・設備の改修・改善計画を改めて明らかにするとともに、条例を最低限の条件とした十分な措置を講じること。その場合には、当該障害当事者の意見を十分に尊重すること。また、開かれた府庁を実践する観点からも執務室等の配置については配慮を行なうこと。また、全庁的な取り組みとするため施設管理関係課長会議(仮称)等を設置し、各部局間での調整を図ること。
 @ 本庁本館の全ての出入り口などにスロープ、リフト等を設置すること。
 A 本庁庁舎各階(職員会館分館を含む)に多目的トイレを設置するとともに、障害者用トイレについて女性が使用しやすいものに引き続き改善を行なうこと。
 スロープ等、庁舎の福祉整備につきましては、福祉のまちづくり条例の趣旨を踏まえ、かつ、建物の構造上の問題も考慮しつつ、計画的に順次改修しております。
 また、開かれた府庁を実践するため、障害保健福祉室、総合府民相談室を本館1階に配置するなど、配慮いたしております。
 トイレにつきましては、平成15年度で本館、別館の福祉整備事業が完了しております。
 障害者用トイレにつきましては、利用しやすいよう、かつ、福祉のまちづくり条例の趣旨を踏まえて整備を図っております。

2―(4) B出先府有施設についてスロープ・トイレ・自動ドア・エレベーター等の設置施設の拡大をはかること。
 出先府有施設につきましては、昭和57年度からバリアフリー化整備事業を進めてきたところでございますが、平成6年度から公共建築室の保全対象施設のうち105施設を対象とする「あったかおおさか事業」(府有建築物福祉整備事業)の中で、スロープ・トイレ・自動ドア等の整備を平成12年度末で完了したところでございます。
 今後とも、必要性に応じ、改善について検討してまいりたいと存じます。

2―(5) 環境にやさしい府庁管理・運営を行うため、環境マネジメントシステムの本庁での徹底と、出先職場への拡大を図ること。また、その趣旨の職員への周知を徹底すること。
 @府有施設の簡易焼却炉を撤去すること。
 府は事業者・消費者の立場から、府庁エコアクションプランや平成12年3月に策定した「大阪府温室効果ガス排出抑制等実行計画」に基づき、省エネルギーやリサイクル、グリーン購入などの環境配慮の取組を推進しているところであります。
 本庁舎においては、平成11年2月に認証取得した国際的な環境マネジメント規格であるISO14001(環境ISO)に即し、このような取組の一層の徹底を図っているところであります。
 また、実行計画の目標達成に向けて府庁全体での環境配慮の取組を徹底するため、本庁舎で構築した環境マネジメントシステムの出先機関等への拡大に努めております。
 「大阪府庁環境マニュアル」に基づき、各所属において「環境管理必携―エコオフィスの手引き―」等を活用して、職員に対する研修を実施しています。今後とも、内部環境監査等を通じて、その徹底を図ってまいります。
 平成14年12月の「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」の改正施行により、全ての廃棄物焼却炉に構造基準が適用されたことから、法律の適正かつ効果的な施行に努めているところであります。

2―(6) 地震等の災害発生に備え、庁舎・執務室における安全対策を引き続き講じること。
 震災等において被害を未然に防止するため、現庁舎におきましては、庁舎の狭隘等もありますが、廊下や消防設備の前には物品の放置をしないよう、その都度指導して避難通路の確保や火災の予防に努めているところであります。
 また、日頃から庁内の巡視により危険箇所の把握に努めているところでありますが、より一層の徹底を図ってまいりたいと存じます。

2―(7) 組織再編にかかる職場環境については、当該支部との協議を誠意を持って行い、快適な職場環境の確保に努めること。
 組織再編に際しましては、部局のまとまり、各課室の人員、来庁者の便宜等を総合的に勘案しおりますが、今後とも、快適な執務環境の確保を図るべく、誠意をもって対処してまいりたいと存じます。

3―(1) 定期健康診断については人に着目した検診とし、若年層の疾病の早期発見・予防の観点からも、その内容の充実を図るとともに、40歳以上については生活習慣病検診として同一日にすべての検診が受診できるようにすること。
 (2) 病院職場の定期健康診断を全庁的な健康管理システムに組み入れ、本人通知についても、その他職場と同様の取り扱いが行なわれるようにすること。
 (3) @人間ドックについては、年齢制限を撤廃し、職員の全希望者が毎年受診できるよう改善すること。
 A脳ドックに助成を行なうなど人間ドック受診時における個人負担を一層軽減し、手続を簡素化すること。
 Bストレスドック等のコースを新設すること。

 定期健康診断につきましては、平成14年度から血液検査を全職員対象とし、心電図検査につきましても、30歳以上の職員を対象とするなど充実を図ったところであります。
 また、定期健康診断の実施方法につきましては、引き続き、検討してまいりたいと存じます。
 病院職員の一般定期健康診断の個人結果通知につきましては、引き続き、関係機関と協議を進めてまいりたいと存じます。
 人間ドックにつきましては、平成7年度から35歳以上の希望者が、概ね2年に1回受診できるよう受診枠の拡大を図ってまいりましたが、平成10年度には436人の受診枠の拡大を行い、さらに、平成14年度からは、500人の受診枠の拡大を図り、4000人募集としたところでございます。
 脳ドックにつきましては、40歳以上の希望者が本人負担により受診できるよう、その充実を図ってきたところであります。
 人間ドック受診時の個人負担につきましては、互助会において人間ドック助成金制度を創設し、その軽減を図ってきたところであります。
 ストレスドックにつきましては、今後とも、専門医あるいは産業医の意見を伺いながら対処してまいりたいと存じます。
 ストレス対策につきましては、ストレス症状を早期発見することが重要なことから、平成16年度には新たに、メンタルを原因とした疾病の予防対策として自分自身の心の健康状態を把握することができる「職業性ストレス簡易調査票」を全職員に配布するとともに、こころの健康に不安がある職員等には産業医や保健師が相談に応じる体制を整備したところであります。

3―(4) 婦人科検診、大腸検診、胃集団検診をすべての希望者が受診できるようにするとともに、婦人科健診内容に骨密度検診を加えること。
 婦人科検診につきましては、平成16年度も30歳以上の希望者全員が受診できるように努めたところであり、今後の対象者及び内容については、国の「がん検診実施のための指針」をもとに産業医の意見を伺いながら検討しているところであります。
 また、大腸検診につきましては、40歳以上の希望者全員が受診出来るように努めるとともに、胃集団検診につきましては、40歳以上の者及び自動車運転手で40歳未満であっても希望する者については、受診出来るように努めております。
 なお、骨密度検診につきましては、御要求に応じることは困難でございます。

3―(5) メンタルヘルスについて引き続き必要な措置を講じること。また、予防対策としての労働安全衛生教育の徹底を図ること。
 メンタルヘルス対策につきましては、職員研修や健康管理講演会の開催、ポスター・リーフレットの配布等を通じて、精神保健に関する正しい知識や対処方法についての啓発に努めるとともに、ストレス相談室での精神保健相談の拡充を図ってきたところであります。
 さらに、平成16年度には新たに、メンタルを原因とした疾病の予防対策として、自分自身の心の健康状態を把握することができる「職業性ストレス簡易調査票」を全職員に配布するとともに、こころの健康に不安がある職員等には産業医や保健師が相談に応じる体制を整備したところであります。
 また、職場におけるメンタルヘルス対策をより一層推進し、よりよい職場環境の形成を図るため、メンタルヘルスセミナーを複数開催としたところであります。
 今後とも、職員に対し、安全衛生意識及び健康 管理意識の高揚を図るために、各種啓発事業を通じて、安全衛生教育の充実に努めてまいりたいと存じます。

3―(6) エイズ・C型肝炎・SARSなど新種の感染症対策事象が頻発化していることを踏まえ、行政事務としての対策はもとより、業務対応する職員(医師・看護師・病棟婦(夫)・検査技師・保健師、監視員・その他検体等に接触する職員)の健康被害対策に万全を期すこと。
 また、関連する医療廃棄物に対する適切な処理・運用を引き続き関連する民間従事者も含めて十分に行なうこと。
 なお、結核病棟・外来には妊婦の配置を行わないこと。

 本府職員の感染症防止対策につきましては、昭和58年4月に「大阪府B型肝炎防止対策指導要綱」を策定し、その後、安全衛生協議会の審議を経て、平成11年4月にC型肝炎対策を加えた「大阪府職員ウィルス肝炎感染防止指導要綱」に改正するなど、職員の感染防止に努めているところであります。
 なお、SARSなど新種の感染症に対する防止対策につきましては、各所属の安全衛生委員会の活動を通じて、今後、論議してまいりたいと存じます。
 また、医療廃棄物の処理につきましては、平成4年8月に厚生省から示された「廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル」にそって、引き続き適正な処理に努めてまいりたいと存じます。

3―(7) 過重労働による健康障害防止に関する要綱を適正に実施するとともに、その実施結果を明らかにすること。また、健康管理の観点から残業規制の啓発、指導を講じること。
 過重労働対策につきましては、平成15年度より「過重労働による健康障害防止のための産業医による保健指導等実施要綱」に基づき、産業医による所属長に対する助言指導及び職員に対する保健指導等を実施し、健康障害の防止に努めているところであります。
 なお、平成16年4月から12月までの産業医による保健指導等実施対象者につきましては、所属長84人と、職員494人、再保健指導職員17人(延べ20回)の延べ511人となっております。
 また、産業医による所属長に対する業務上の配慮要請・指導につきましては、9人となっております。
今後とも、健康管理に係る冊子の作成配付等を通じた啓発や、関係法令に基づく健康診断の実施や産業医、保健師による保健指導など、職員の健康管理意識の高揚を図ってまいりたいと存じます。

3―(8) 海外派遣職員の健康管理について、家族も含め健康診断の充実を図るとともに、一時帰国時に定期健康診断・人間ドックを義務付けること。
 海外派遣職員の健康管理につきましては、平成元年度より、派遣前及び帰国後に職員健康診断実施要綱に基づき実施しているところでございます。
 また、派遣中の職員につきましては、海外駐在員の健康診断実施要領に基づき、毎年、一般定期健康診断に相当する健康診断を受診させるとともに、一時帰国時の対応についても適切に措置しているところでございます。

3―(9) 健康増進センターにおける産業マッサージを拡充すること。
 予算や府議会等業務繁忙時期における職員の精神的、肉体的疲労やストレスの解消を図るため、昭和60年度から、職員の福利厚生事業の一環として産業マッサージを実施しております。
 なお、本事業の実施期間につきましては、順次拡充を行い、現在、年10か月間に渡って実施しているところであります。

3―(10) 非常勤嘱託員についても特別検診の対象とし、ドック受診特別休暇を新設すること。
 非常勤職員の特別健康診断につきましては、特別嘱託員を対象として実施しておりますが、一般の非常勤職員につきましては、一定の要件を満たす者に、一般定期健康診断等を実施いたしております。
 ドック受診特別休暇の新設につきましては、御要求に応ずることは困難でございます。

4―(1) 現行のOA機器の配置状況を踏まえた職場実態の点検を行うとともに、昨年策定された「VDT作業のための労働安全管理基準」の職場での徹底を再度はかること。また、e府庁や平成16年4月にスタートした総務サービス整備運営事業などIT化の進行に伴いVDT作業時間が増加しており、VDT特別検診を全員対象の一般健康診断化すること。それまでの間、就業時健診の早期化、内容の充実に努めること。
 VDT作業従事職員やVDT作業従事職員を直接管理監督する職員に対しましては、「VDT作業のための労働衛生管理基準」に基づき、VDT作業に係る作業環境管理や作業管理及び健康管理に対する正しい知識を付与することを目的に「労働衛生教育講演会」を実施するなど、「VDT作業のための労働衛生管理基準」の遵守徹底に努めているところであります。
 今後とも、産業医による職場巡視などにより適切な作業環境の確保に努めるとともに、必要に応じて指導助言を行ってまいりたいと存じます。
 また、VDT作業従事職員の健康障害の防止を図る観点から、全職員を対象に「VDT作業調査」を実施し、その結果を踏まえ、必要な「VDT作業従事職員特別健康診断」を実施しているところであり、今後とも適切な健康管理に努めてまいりたいと存じます。

4―(2) VDT機器等が設置されている職場におけるスペースの確保や配置・照明・低騒音化などの作業環境については、新管理基準を最低限の条件とし改善指導を行うこと。
 快適な職場環境の確保を図るため、「職場環境基準表」を策定し、その遵守について指導するとともに、VDT機器等が設置されている職場の作業環境につきましては、「VDT作業のための労働衛生管理基準」に基づき、職場環境の維持向上に努めるよう「産業医による職場巡視」や「VDT作業に係る労働衛生教育講演会」などあらゆる機会を通じて指導徹底を図っているところであります。

4―(3) パソコンを職員1人1台の配置とすること。また、必要に応じプリンター等の周辺機器の増設・配置替えを行うこと。
 職員端末機並びにプリンター等の周辺機器につきましては、各部局と連携しながら、その整備に努めてきたところであり、出先機関等につきましても、総務サービスセンターをはじめとして、業務上必要となる台数の配備を行ってきたところであります。
 今後とも、各職場の実態を踏まえつつ、業務上の必要性や効果を見極めながら、適切な配備に努めてまいりたいと存じます。

4―(4) 庁舎の老朽化による不測の事態(雨漏り等)により機器の損壊等を防止するため、機器周辺の環境整備・点検を適切に行うこと。また、課内共有・個人端末での業務上のデータ流出防止は勿論のこと、保存データのバックアップ・データ保護・管理方法を確立するとともにその徹底を図ること。
 庁舎の雨漏りについては、必要に応じて本館屋上の防水工事等の庁舎改修工事を行っているところでございます。
 業務上のデータの流出防止については、「大阪府の情報セキュリティに関する基準」(大阪府情報セキュリティポリシー)において、特にセキュリティ上の観点から、コンピュータの設置場所や保管場所について適切な管理を行うよう定め、利用室等へ周知しているところであります。
 また、業務上のデータ流出防止についても、同基準や各種要領等で遵守すべき事項を定めるとともに、庁内ウェブページに「情報セキュリティを守るために」を掲載するなど、その周知に努めているところであります。
 データ保護の徹底については、適宜バックアップを行うよう通知文書や行政情報化推進主任者連絡会議の場を利用し、周知しているところであります。
 また、各室・課が所管する業務システムについても、それぞれのシステム毎の情報セキュリティを定める実施手順において、データの管理方法を定めるよう各部局に依頼している。
 今後とも、業務データの流出や重要データの毀損による業務への影響に鑑み、情報セキュリティポリシーの遵守やデータ保護の徹底について、機会あるごとに注意喚起に努めていきたい。

4―(5) OA化及びA版化に対応する事務机、いすの配置を計画的に行い、必要な予算措置を確保すること。また、その配置状況及び計画内容について明らかにすること。
 OA仕様の事務椅子、机の配置につきましては、所属単位で備品更新時に順次切り替えるよう周知徹底を図っているところであります。
 なお、15年度における導入状況につきましては、OA椅子が393脚、OA机が87脚となっております。

5―(1) 執務室等における空調、照明、換気、騒音、衛生等について、支部、分会等から指摘があった場合には誠意ある措置を行なうこと。特に、冷暖房について職員の健康管理に留意し弾力的な運用を行なうこと。また、やむを得ず行なう残業時の個別冷暖房補助器具について、健康管理の観点からもさらに確保すること。
 執務室等における空調、証明、換気等につきましては、ビル管法に基づき、定期的に環境測定を実施し、点検を行っております。今後とも、快適な執務環境の確保を図るべく、誠意をもって対処してまいりたいと存じます。
 また、冷暖房についても、これまでどおり、職員の健康管理に留意し弾力的な運用を実施してまいりたいと存じます。
 なお、現在の空調設備は建物ごとの集中管理方式でありますが、本館執務室内のファンコイルユニット(冷暖房設備)の改修が完了したことにより、個々の執務室の環境に合わせた細やかな温度調節ができるようになったところであります。
 今後とも適切な温度管理に努めてまいりたいと存じます。

5―(2) 受動喫煙防止措置の徹底をはかるため、健康増進法の主旨及び福祉のまちづくり条例誘導基準に基づく分煙空間設備の整備を早急に図ること。
 本府におきましては、受動喫煙の防止を図るため、換気機能を備え、一定の煙の漏れ防止等の配慮がなされた喫煙場所以外は「庁舎内終日禁煙」としており、その徹底につきましては、庁内放送や産業医による職場巡視、各種講演会など、あらゆる機会を通じて周知しているところであります。
 なお、「健康増進法」及び大阪府福祉のまちづくり条例を補完する「誘導基準」に基づいた、喫煙場所の改善につきましては、平成16年度に2箇所を改善したところであり、今後とも、組織改変等による大規模な移動等が生じた場合に、その都度、庁舎管理責任者と協議してまいりたいと存じます。
 今後とも来庁者の方々や職員の健康の保持・増進を図るためにも、庁舎内終日禁煙の遵守徹底を図り、受動喫煙の防止に努めてまいりたいと存じます。

5―(3) 公務災害による死亡・疾病等について、原因を究明し再発を防止すること。また、公務災害によらない現職死亡についても死因等を十分に把握し、健康管理に努めること。
 公務災害を含めた職員の死亡・休業につきましては、毎年実施している休業調査の際に死亡・休業者及びその原因を調査し、その実態を把握しております。
 特に、死亡原因につきましては、従前からその解明に努めており、死亡・休業者の減少のため各種健康診断の充実を含め対策を講じているところでございます。
 今後も、引き続き実態の把握に努め、産業医の意見を伺いながら、各種健康診断の充実及び健康教育の実施などに努めてまいりたいと存じます。

5―(4) 原子力災害の災害応急対策等、放射線障害になる恐れのある業務に関わる職員の安全を確保する為、次の事項について措置すること。
 @防災業務従事者の防護基準として原子力防災計画に記載された「指標は上限であり、防災業務に係る被曝線量をできる限り少なくするよう努力する。」の具体的内容を、アラームメーター設定値を含めて示すこと。
 A妊娠中の女性は、被曝の可能性がある災害応急対策に従事させないこと。
 B府立医療機関に除染室を設置すること。
 C被曝の可能性が高い災害応急対策に従事する部局の職員に対して、原子力災害に関する研修を実施すること。
 
防災要員の災害時の業務については、被ばく管理も含め、関係部局と連携しながら検討してまいりたいと存じます。
 
除染室につきましては、災害応急対策を検討していく中で、より効果的な対策を講じることができるよう、設置場所等について検討してまいりたいと存じます。
 
研修につきましては、災害対応力の向上を図るため、平成12年度より防災業務従事者を対象として原子力防災基礎講座等を実施しているところであり、今後とも、放射能及び放射線にかかる知識などに関する研修の充実を図ってまいりたいと存じます。

5―(5) 病院・施設等の衛生管理体制を強化し、O―157など食中毒防止の為、給食調理のドライシステムの積極導入など、今後も、施設・設備の改善を行なうこと。

 病院の給食施設にかかる衛生管理につきましては、O―157をはじめとする食中毒等の防止対策として、冷凍冷蔵庫の購入や食材、保存食の保存期間の延長、調理担当職員に対する検便の徹底等、万全を期してきたところであります。
 今後とも、徹底した衛生管理等を図り、食中毒の発生予防等に努めてまいりたいと存じます。
 なお、ドライシステムの導入につきましては、各施設の耐用年数、財政状況から直ちに導入することは困難でございますが、将来的な改修の時期等を踏まえ、今後研究してまいりたいと存じます。

6―(1) 共済・互助会事業を拡充するとともに、現在行っているリロケーション・いきいきフレックスプラン等の改善・要望アンケートを実施し、その制度の充実を図ること。
 地共済及び互助会が共同して行っております福利厚生事業につきましては、地共済及び互助会において、制度の充実を図るため、平成14年度に職員のニーズを把握するためのアンケートを実施したところでございます。
 昨年度は、平成16年度以降の事業者の選定を行うため、現行業者を含む複数の福利厚生事業者から当該事業に係る提案書を徴し、組合員の代表を含む選定委員会において事業者を選定したところでございます。
 この選定にあたりましては、平成14年度に実施したアンケート結果やこれまで組合員から寄せられた意見や要望を事業に反映できるよう、近畿圏における施設の充実度合いや利用対象者の範囲などを評価の要素としたところでございます。
 今後とも、事業者と十分に連携を図り、福利厚生事業の一層の充実を図ってまいりたいと存じます。
 また、互助会事業につきましては、皆様方との協議を踏まえ、来年度から府からの補助金を削減することとしており、互助会において、個別の事業の見直しを検討しているところであります。

6―(2) 各種給付事業について、各年代層に配慮したものに拡充するとともに、手続きの簡素化をはかること。また、ライフプランセミナーの拡充(退職前の一泊セミナーは該当者全員に実施するなど)をはかるとともに、ライフプランをサポートする研修制度を確立すること。
 リフレッシュ事業の拡大につきましては、平成13年4月から勤続10年、20年の者に対しても、勤続30年の者と同様に連続5日間の特別休暇を付与するよう改善したところであります。また、互助会給付として、平成6年度から勤続10年の者に対し、勤続20年の者に係る給付と同様の措置を実施したところであります。
 さらに、特定長期勤続者に係る給付につきましても、平成6年8月から、在職中に受けられるよう措置したところであります。
 今後とも、各種給付事業につきましては、より効果的な事業実施に努めてまいりたいと存じます。
 ライフプランセミナーにつきましては、平成16年度から退職準備型コースを参加希望者の増加に対応できるよう、募集人数並びに開催回数を拡大し、実施いたしたところでございます。
 また、生涯生活充実型コースについては、健康管理に関する科目を取り入れるなど、その内容の工夫・充実を図るとともに、平成8年度から各コースの参加対象年齢の拡大を図ったところであります。
 今後とも、職員が在職中から退職後を通じて有意義な公務員生活を送れるよう、その支援策のあり方について検討してまいりたいと存じます。
 ライフプランをサポートするための研修制度の充実につきましては、研究すべき課題も多く、非常に難しい問題でもありますが、今後、皆様方の御意見もお聞きしながら、慎重に検討してまいりたいと存じます。

6―(3) 派遣法による派遣職員については、共済・互助会給付との較差是正を図ること。
 派遣法に基づく派遣職員のうち、公益法人に派遣されている職員については、公益法人等への一般職の地方公務員の派遣等に関する法律の一部改正に伴い、平成16年4月から共済公務員等組合法の適用を受けることから、職員と同様の給付を受けることができるようになります。
 また、互助会につきましては、派遣職員も会員であることから、職員と同様の給付を受けております。

6―(4) 職員グランド(舞州)の整備・拡充を図ること。
 職員グランドの設備改善等につきましては、利用者の利便性なども十分勘案し、対処してまいりたいと存じます。

6―(5) 病院職場における業務実態に見合った被服を適正に貸与すること。
 貸与被服については、被服購入経費の問題や洗濯の問題など、個々の病院ごとの問題がありますが、職場実態を踏まえながら、改善できるものから改善していきたいと存じます。

6―(6) 非常勤職員への福利厚生事業を拡充すること。
 また、非常勤職員について、労働安全衛生の観点、当該職場の要望・実態を踏まえ被服貸与の対象にすること。
 非常勤職員の福利厚生事業につきましては、非常勤特別嘱託員については、健康診断や被服貸与等を行っております。また、その他の非常勤職員については、一定の要件を満たす者に対する健康診断等を行っているところであります。
 なお、非常勤職員への被服の貸与につきましては、その職務、雇用形態等の実態を調査し研究してまいりたいと存じます。

7―(1) 障害のある職員の職場における必要な条件整備については誠意を持って引き続き改善すること。
 障害のある職員の職場における必要な条件整備につきましては、引き続き検討してまいりたいと存じます。

7―(2) 昇給、貸付などのプライバシー情報について本人に直接伝達される情報保障を拡充すること。
 障害のある職員のうち視覚に障害がある職員につきましては、平成7年度の健康診断から、本人の希望に応じて、点字あるいは拡大文字での通知を実施するとともに、「福利厚生のしおり」要約版の点字化及び拡大文字化を図ったところであります。
 また、給与明細書につきましても、本人の希望に応じて、点字化を図ったところであります。
 今後とも、障害労働者職員個人に対する各種通知については、適切に対処してまいりたいと存じます。

7―(3) 総務サービスセンター事業において情報格差が生じないよう対策を講じること。
 総務サービスセンター業務における、視覚障害者の方のパソコン対応については、周囲の職員のサポートなどにより対応していただく代行入力を基本としているところですが、自己情報へのアクセスが可能となるよう、視覚障害のある職員に対しましては、読み上げソフト「ホームページリーダー」を配付し、その操作の研修を各職場において行いました。さらに、職員の意見も踏まえ、ワードやエクセルに適した読み上げソフトの「ジョーズ」や表示画面拡大ソフトの「ズームテキスト」などのソフトを調達し、順次配付しているところであります。
 今後とも、職員の意見を聞きながら、業務上必要なソフトの配付を行ってまいります。
 なお、視覚障害者用パソコンの配備につきましては、今後、設置等を希望する職員の業務上の必要性や効果、職場環境を見極めながら、検討してまいりたいと存じます。

8 安全衛生協議会の活動の充実をはかるとともに、各安全衛生委員会の機能強化を行なうこと。
 安全衛生協議会の充実につきましては、平成4年度から会議を複数開催とし、審議内容も充実させるなど、その運営の充実に努めているところであります。
 また、各職場における安全衛生委員会の活動の強化につきましては、毎年、開催状況を把握するとともに、その調査を通じて積極的に開催するよう指導いたしております。
 今後とも、より充実した委員会となるよう、あらゆる機会を通じて指導、助言を行い、その成果を上げるよう努めてまいりたいと存じます。

9 次世代育成支援対策推進法に基づき、男性の育児・介護休業(休暇)の所得促進をはじめとする両立支援策について、新たな行動計画を策定し、男女共同参画社会実現に向けて、男女が共に働きやすい職場環境整備について、十分協議を行うこと。
 また、セクシャルハラスメント防止に向け、職員相談体制を拡充すること。さらに職員の具体的な相談に対し誠実に対応するとともに防止のための実効ある対策を講じること。
 次世代育成支援対策推進法に基づく特定事業主行動計画については、平成16年8月に、「大阪府特定事業主行動計画策定・推進委員会」及びワーキンググループを立ち上げ、全庁的な体制で検討を行っているところであります。今後、皆様方の意見も十分に踏まえ、平成16年度中に策定し、平成17年度から計画に沿った取組みを行うことによって、男女がともに働きやすい職場環境の整備に努めてまいりたいと存じます。
 セクシュアル・ハラスメントに係る問題につきましては、平成11年4月から、職場におけるセクシュアル・ハラスメントの防止及び対応に関する様々な方策を講じているところであります。また、平成14年4月から、職員総合相談センターを相談窓口の一つとして新たに位置付け、推進体制の充実を図ったところであり、具体的な相談に対して、適切に対処しているところであります。
 今後とも、セクシャル・ハラスメントの防止に向け、引き続き適切に対応してまいりたいと存じます。

10 以上の要求の他、自治労府職の各評議会、専門部、各支部の要求についても誠意ある協議を行ない善処すること。
 自治労府職の各評議会、専門部及び各支部要求につきましては、勤務条件に関する事項について、円滑な話合いが行われるよう誠意をもって対処してまいりたいと存じます。


国民保護に関する基本指針
自治労府職が意見書を提出


 昨年9月に施行された国民保護法に基づく「国民保護に関する基本指針」の要旨が公表され、1月21日までパブリックコメントによる意見募集が行われた。基本指針は、有事において想定される武力攻撃事態の類型や警報の発令、避難の指示などについて定める国の基本施策を示すもので、都道府県・市町村に策定が義務付けられた国民保護計画の上位計画となるため監視が必要となる。
 自治労府職では、自治労中央本部の呼びかけに応じ、自治研での議論をもとに、下に掲載の意見を提出した。府で進められている国民保護計画策定についても監視を続け、労働条件に係わる事項などについて交渉を行っていく。

2005年1月21日

「国民の保護に関する基本指針(要旨)」に対する意見書

自治労大阪府職員労働組合
執行委員長 大橋 敏博 

現在パブリックコメントが行われている標記について下記のとおり提出するので、その趣旨に即して基本指針を検討されたい。

1 武力攻撃事態の想定では、着上陸攻撃、ゲリラや特殊部隊による攻撃、弾道ミサイル攻撃、航空攻撃の4類型の特徴と留意点が示されている。しかし、それぞれの事態による被害の規模などは具体的に示されていない。例えば、どれくらいの地域で避難が必要なのか、避難の期間はどれくらいになるのかなど想定すべき事態をより具体的に示すべき。

2 地震や風水害などに対する防災計画では、避難の指示を行うのは市町村の権限だが、国民保護計画では国となっているなど、国、都道府県、市町村の権限や役割分担が中央集権的に変わっている。有事下において「総合調整」の名の下に中央統制を行わないことはもちろん、地方分権の流れに反する枠組みが防災などの平時の体制に悪影響を与えないよう特段の配慮が必要であることを記述すべき。

3 国民保護法では基本指針で「対策本部を設置すべき地方公共団体の指定の方針」を示すことになっている。示された基本指針骨子では、「武力攻撃が迫り、若しくは現に武力攻撃が発生したと認められる地域」などと書かれているだけで、「指定の指針」といえるものではない。「武力攻撃が迫る(地域)」「国民保護措置を総合的に推進する必要があると認める地方公共団体」の判断基準など具体的に示すべき。

4 在住又は滞在するすべての外国人(日本国籍を有しない者)が国籍(無国籍を含む)による差別的扱いなどを受けることがないよう次の事項を十分考慮することが必要である。
 (1) 避難・保護・医療・救急に多言語・多文化対応で実施できる体制を確立すること。
 (2) マスコミを含め多言語情報伝達体制を確立すること。
 (3) 安否情報をはじめ、情報伝達にあたっては少なくとも国勢調査で使用する言語で対応できる体制を組むこと。
 (4) 生活習慣・宗教の違いを尊重すること。
 (5) 家族で国籍が違うことが多くあることを充分認識したうえで対策を立てること。
 (6) 避難計画は地域コミュニティを核として設定すること。
 (7) 在日団体や人権擁護NGO等と早期に協議を行い、協議内容を尊重した計画とすること。

5 「自主防災組織、自治会等の自発的な協力を得て各世帯に情報の内容を伝達できるよう体制の整備」とされているが、「自発的な協力」によるボランティアの活動を前提に体制が作られると、「なぜ協力しない?」と有形無形の圧力で「自発的な協力」が強制されることが想定される。そのようなことが生じないようボランティア活動については、その活動環境の整備、支援施策に留めること。

6 自治体職員など国民保護業務従事者、ボランティアの安全確保等を具体的に記述すること。また、その業務は重要な労働条件事項であることから、労使間で事前に確認交渉が行われる必要があることを明記すべき。