機関紙「自治労府職」
2005年3月1日号
公務員連絡会が「評価の試行」で総務省と交渉
制度のあり方など十分な協議求め
公務員連絡会は2月22日、総務省と交渉を行った。政府が昨年12月に閣議決定した「今後の行政改革の方針」で、公務員制度改革の当面の取り組みとして「評価の試行」を総務省が進めるとしていることから、その説明を求めて行われた。
総務省は「評価の試行」について、新たな人事評価システムの構築を目指し、公務部門の各職場などに定着し、人事管理の基盤的ツールとして機能する人事評価システムを、実際に動くところまで取り組みたいと考えている。試行の具体的内容などは、今後、検討することとしているが、関係者の理解を得つつ、多様な職場や職種などに適用すべき評価手法等の開発と、関係職員の訓練・習熟等を図り、段階的に範囲などを拡大していきたい。などとした。
これに対し組合側は、さらに公務員制度改革との関わりを明確に示すよう迫ったが、総務省は「公務員制度改革は、退職手当、天下りをはじめ部分的に取り組めるものから取り組んできたという経緯もある」「評価制度は、これまで試行錯誤する中で、今般のような結論になった」との曖昧なものにとどまった。
組合側は「今日の総務省の見解では到底納得できない『評価の試行』の位置づけの入口部分をしっかり整理し、お互いに確認する必要がある」とし、@公務員制度改革との関わりを明確に説明すること、A行革推進事務局に代わって総務省が担当することとなった経緯を説明すること、B評価の理念・目的、基本的な枠組みなどの考え方を明確にすること、C評価制度のあり方、試行のスケジュールなどを組合と十分交渉・協議し、合意の上で進めること、の4点について見解を求めた。
総務省からは「申入れの4点について検討したい」とし、次回の交渉時に回答する意向を示したことから、総務省側に誠意ある回答を求め、この日の交渉を終えた。
第1ブロックに新たな仲間
エルおおさか職員が組合結成
自治労大阪府本部の市内第1ブロックに新たな仲間が誕生した。
旗開きや各種集会でもお世話になっている「エルおおさか(府立労働センター)」の管理・運営をしている「財団法人大阪労働協会」にすべての職員が参加する組合が結成され、自治労加盟した。
結成大会では執行委員長に下崎勝美さん、副執行委員長に岩ア功一さん、書記長に島袋吾一さんを選出した。今後は組合事務室や掲示板の設置などの基本的な要求から、労働条件の向上に向けて闘いを進める。
府当局
市場化テストガイドライン(素案)を公表
2006年度以降の導入を検討
企画室は2月23日「大阪府市場化テストガイドライン(素案)」を公表した。今後パブリックコメントに付され、2005年度は実施体制・手続等について検討を行い、併せて事務事業における市場化テストの実行可能性等の検証を行った上で、2006年度以降具体的に導入を検討するとしている。
素案では、市場化テストを「大阪府行財政計画(案)平成16年度版」に基づく、PPP改革の一環と位置づけ、価格と質の面で、より優れた主体が当該サービスを提供する制度としている。
大阪府での市場化テストの類型として、国同様の「官民競争型」と業務改革の一環として現行の行政コストやサービス水準を上回る効果が期待される事務・事業について、知事が民間事業者などに対して提案を公募し、包括的に委託する「提案アウトソーシング型」を示している。
実施体制は、対象者・評価基準・落札者の決定など実施プロセス全体に学識経験者による第三者機関があたるとしている。対象事務・事業となった場合は、担当行政庁は次年度以降の必要コスト、サービス水準その他の事項を定めた「事務改善計画」を策定する。はじめから官民の競争にならないと判断された場合は「事務改善計画」は必要なく、民間のみの入札となる。入札は「総合評価入札方式」で行い、行政が示した事務・事業の情報を入手した民間が行政の作成した「事務改善計画」の点数を上回れば民間が落札、下回れば行政が落札となる。この審査も第三者機関が行う。
民間が落札した場合は、契約することになるが、契約内容は行政サービス水準を量的・質的な面からできるだけ明確にするとともに、複数年度の契約期間や大阪府と民間のリスク分担なども具体的に盛り込むよう検討する。いずれが落札した場合でも、その後の事務執行のモニタリングを行う。また落札した民間の要請があれば、一定期間の事業移行習熟期間に、大阪府職員を派遣する法制度を検討する。
今後具体的に職場が絞り込まれることとなるが、自治労府職として当局の動向を注視していく。
平成17年度組織改正案・職員定数配置計画
府当局は2月24日、平成17年度の「組織改正(案)」と「職員定数配置計画」を自治労府職に提案した(組織改正(案)を別掲)。
職員定数は、行政改革室、総務サービス課、庁舎管理課などでは、契約局(72人)設置に伴う減員や用地買収業務の試行的委託に伴う減員などが提案となっている。
具体的な配置などの詳細は、各支部の報告に委ねるが、府当局は17日をめどに回答を得たいとしており、今後、支部・分会での検討・論議を進めていく。
組織改正の内容は、全庁の危機管理体制の確立に向けて、危機管理監を設置し危機管理室に保安対策課を再編する。また、大阪府文化振興条例にあわせて「文化・スポーツ振興室」の設置や健康福祉部医務・福祉指導室に「事業者指導課」を新設する。
呼吸器・アレルギー医療センターの「喘息内科」を「アレルギー内科」へ、母子保健総合医療センターの「麻酔科」を「麻酔集中治療科」に科名変更する。
商工労働部では観光交流課を「観光交流局」へと再編する。新たに「企業誘致推進課」を設置する。さらに、労働行政を一体的に推進するため、能力開発課を雇用推進室内へと再編する。
環境農林水産部では環境を観点に「みどり・都市環境室」「環境管理室」に再編するとともに、循環型社会推進室へ「産業廃棄物指導課」を設置し「動物愛護畜産課」を新設する。
建築都市部では経営機能を強化して「住宅経営室」を設置し、教育委員会では教育事務所を廃止し「市町村教育室」を設置するとしている。
地共済
コナミスポーツとの提携廃止へ
利用者への丁寧な説明を要請
地共済は、コナミスポーツ株式会社が運営するスポーツ施設の利用について、同社の制度が変更されることなどに伴い、平成17年4月1日から提携を廃止するとし、所属と利用者に通知した。
民間企業の制度変更に伴い、地共済の負担が増えること、リロクラブの利用で平均的な利用者には影響が少ないこと、などの理由から、自治労府職としてはやむを得ないと判断するが、利用者に対し丁寧な説明を地共済に要請した。
05春闘スト批准投票
87.09%の高率で成功
官民ともに要求提出が行われ、春闘が本格化している2月22日、自治労府職はストライキ批准投票を行った。結果は、投票率91・83%、賛成率94・84%、スト批准率87・09%で、昨年を上回る圧倒的な成功を収めた。
これは、年間を通じて一波につき2時間を上限とするストライキ権を自治労中央闘争委員会に委譲するため行われたもので、高率での成功は自治労府職の団結を内外に示すもの。
自治労府職は決起集会を11日に設定。最大のヤマ場となる22日に向け、取り組みを進める。
組合員の皆さんのご結集をお願いします。
泉北ブロックが総会開く
地域からも独法反対
泉州地区評泉北ブロックは2月23日、定期総会を堺市内で開き、新年度の活動方針を確立した。
西口議長は「総会の前にブロックの組織を点検したが、統廃合などで職場が少なくなってきている。これで本当に行政としての責任を果たしていけるのかと思う。とりわけ、病院の独立行政法人化の課題には積極的に地域からも支援していきたい。そのためには、職場の壁を越えた参加・交流を重ね同じ仲間が持つ問題を共有し、自治労運動の前進につなぎたい」とあいさつした。
続いて、経過報告・方針の提案が行われ、すべての議案が満場一致で承認・可決された。
さらに、第2部の交流会では、お互いの職場が抱える課題などを意見交換し親睦と相互理解を深めた。
当面の活動として、地域学習会(3月)、合同花見会(4月)、納涼大会(8月)の実施をはじめ、より広域的な取り組みとして、泉南ブロックとの交流行事も予定している。なお、今年度の役員体制は次のとおり。
(敬称略)
○議長 西口 友康 (総合労働南大阪C)
○副議長 堀内 義信 (母子センター)
○副議長 吉野 誠一 (泉北府税事務所)
○事務局長 日朝 展明 (堺西社会保険事務所)
○会計 青塚 雄一 (堺東社会保険事務所)
○会計監査 新田 仁 (産業技術総合研究所)
(^o^)v
HP・メルアドが新しくなりました
自治労府職では組合員さんと役員の連絡体制強化と、覚えやすく親しみを持っていただくことなどを目的としてメール・ホームページアドレスを新たに取得した。
自治労府職への意見や要望。クイズの答えなどは新しいアドレスへの送信をお願いします。また、ホームページをお気に入りなどにご登録いただいている場合も変更をお願いいたします。
新しい自治労府職のメールアドレス:jichifu@j-fusyoku.jp
HPアドレス:http://j-fusyoku.jp/
労災事故のウラオモテ
外注化しても安全は別
労働災害を無くすためになにをしたら決定的な効果があるか。危険な部分に完全なカバーをつける、作業者の安全衛生教育を徹底する、勤務体制を無理のないものに見直す……。いろいろあるが決定的とまではいかない。どうやっても何とか人に仕事をしてもらう限りは危険を排除することはできない。
たった1つ決定的な労働災害対策がある。外注化である。要するにまるごとヨソでやってもらったら、もし労働災害が起きてもそこの会社の責任になりアレコレ対策に悩む必要もないということになる。それに仕事によっては、他の業者に頼んだ方が安上がりになるということが大きい。
こんな話を聞いた。学校の用務員が、校庭の脇にある急斜面の土手に茂った雑草を刈り取る作業をしようとすると、校長がやってきて、それはやるなと指示する。数日たってから、校長が教育委員会にかけあい業者に委託したという。
校長にしてみると、用務員に危ない仕事をさせてケガでもされたら管理責任が問われるが、業者に頼めば責任は無くなるということだろう。これぞ管理業務の手腕というわけである。
とにかく世の中アウトソーシングばやりである。労働者派遣事業法も改定され、もともと構内下請という外注方法が一般的になっていた製造業で解禁され、次は建設業という話だそうだ。
しかし、安全衛生対策から考えるとこの状況は困った問題を引き起こす。たとえば一つの現場で、正社員以外に三社の下請業者の労働者が、それぞれの上司の指揮命令で働いていたとすると、安全衛生対策上の統一性をどう取るのかということになる。
実際、下請業者間の作業予定の連絡調整が十分になされていなかったために死亡災害が発生するというような事例がここ数年増えていると言われている。
こうした場合、事故の責任について、個々の事業者の責任は問われても、もともと仕事を発注した会社の責任は、労働安全衛生法上は問われないこととなってしまう。
今年行われる労働安全衛生法改正の重要事項の一つがこの「元方事業者の連絡調整義務」というもの。「製造業等」に限定されているが、同じ場所の仕事で、安全も含めて全部外注化などという論理は通用しないこととなる。ヨソさんに頼んだらそれでオシマイという考え方は、製造業に限らず改めねばならない。
連合大阪労働安全
衛生センター事務局次長
西野 方庸