機関紙「自治労府職」

 2005年4月11日号

病院独法化に関連し、組合員が措置要求
府人事委員会が不明瞭な判断


 大阪府人事委員会は7日、府立5病院の地方独立行政法人化「定款」に対する措置要求の決定書を各申請者に通知した。
【通知は下に掲載】
 この決定について、自治労府職は8日、山嵜書記長談話を以下のとおり発表した。

山嵜書記長の談話

 自治労府職は「府立5病院の地方独法化反対・地方公営企業法の全部適用化」を方針化し、当局との粘り強い交渉を行うとともに、朝ビラ、署名、決起集会、パブリックコメントに対する意見提出、議会対策、ワッペン着用闘争を行ってきた。しかし、残念ながら3月22日、府議会本会議で「独立地方独立行政法人大阪府病院機構定款(案)」が可決・成立している。この闘争の一環として取り組んだ府人事委員会への措置要求について申請者に決定書が通知されたが、申請した2項目とも受け入れられないものであった。
 内容は、主文で「申請者の要求事項は、いずれもこれを取りあげることができない」として、決定書の委員会判断では具体性を求めているにもかかわらず、主文には具体性がなく不明瞭である。
 さらに、措置要求書の提出時に「聞き取り調査」が行われたが、制度で保障されていると証拠調などは一切なかったにもかかわらず、委員会の判断で「交渉で『定款が議決され独法化の枠組みが決定されれば労働条件について提案・協議する』と言明している」と判断している。このような証拠・認定で本当に公正な判断がなされたとは言えない。また、勤務労働条件を変更しないよう求めたことに対しては、『具体的に維持、改善を求めることが必要である』とし、措置で求めている現状維持に正面から答えていない。
 自治労府職はこの決定書の内容について検証を深め、今後の対応について検討する。また「移行職員の範囲」や「賃金制度」の当局提案は、いずれも組合員にとって重要な問題であり、精力的に当局交渉を行い、組合員が納得できる成果を勝ち取りたい。引き続き、組合員皆様の自治労府職への結集をお願いします。


決  定  書

申請者  ●● ●●

 当委員会は、申請者が平成17年3月11日付けで行った勤務条件に関する措置の要求について、次のとおり決定する。

主   文

 申請者の要求事項は、いずれもこれを取り上げることができない。

理   由

1 要求事項
 (1) 府立5病院の地方独立行政法人化の「定款」を議決するのであれば、決議する前にこれと密接に関連し、影響を受ける身分・勤務労働条件について提案を行い、話し合いに応じること。
 (2) 上記について、提案・話し合いを行わないのであれば、身分・勤務労働条件は変更をしないこと。
2 当委員会の判断
 (1) 地方独立行政法人法(平成15年法律第118号)に基づき、府立5病院の地方独立行政法人化(以下「独法化」という。)について平成17年2月定例会に「地方独立行政法人大阪府立病院機構定款」が上程されており、この処理により影響を受ける労働条件について、当局は職員団体との交渉の中で、「定款が議決され独法化の枠組みが決まれば労働条件について提案・協議する。」と言明している。申請者は、定款の議決後では、独法化が大阪府の意志として確定することとなり、十分かつ対等な労使交渉は望めないので、定款が議決される前に、影響を受ける労働条件について当局に提案・協議を行うよう要求している。
   しかしながら、当局が交渉に応ずるよう求めることは、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「地公法」という。)第46条に規定する勤務条件に関する措置の要求の対象とはならないと解され(昭43.6.21自治公−第22号、同旨昭55.3.26東京高裁判決)また、勤務条件等の提案の時期については、当局の権限と責任において決定するべきものであるので、申請者の要求は、地公法第46条に規定する措置要求の対象となる勤務条件には当たらない。
 (2) 申請者は、当局が提案しないのであれば、勤務条件を変更しないよう要求する。
   地公法第46条に規定する措置要求は、当該職員に関する勤務条件について、直接、具体的に維持、改善を求めるものであることが必要である。しかしながら、本件の場合、当局から具体的な勤務条件案が示されていない現段階では、申請者の勤務条件に関する要求は具体性を欠き、同条の勤務条件に関する措置要求には当たらない。
   したがって、勤務条件に関する措置の要求に関する規則(昭26年大阪府人事委員会規則第4号)第3条の規定に基づき、主文のとおり決定する。

平成17年4月6日
 大阪府人事委員会
  委員長  中 村 久美子
  委 員  吉 村   修
  委 員  片 岡 健 彦


平等・公正で平和な世界を実現しよう
今年もメーデーは5月1日

 第76回大阪地方メーデーは「働く者の連帯で、『平和・人権・環境・労働・共生』に取り組み、労働を中心とする福祉型社会と自由で平和な世界をつくろう」をメインスローガンに、5月1日の日曜日、大阪城公園太陽の広場で開かれる。
 働く者の生活を守り向上させるため、2005春季生活闘争の取り組みが続けられている。戦後60年の節目に開かれる今回のメーデーは「平等・公正で平和な世界の実現」を合言葉に、地球上の核兵器を廃絶し、世界の恒久平和をめざしていくことを誓いあう場として実施される。
 メーデー会場では式典のほか、自治労府職の医療・年金闘争委員会が年金相談コーナーを開設する。具体的な年金に関する相談に、社保労組の組合員が対応する。
 恒例となった、家族ふれあい行事として、食博覧会・海遊館・サンタマリア・キッズプラザ大阪の特別割引券の販売も行われる。販売は会場内で行われ、販売開始時間は午前9時30分から。
 また、今年のメーデー富くじは、1等=37型液晶テレビが1本、2等=沖縄行きペア航空券が1本、3等=USJペアチケットが154本となっている。
 さらに、デコ・プラコンテストも当日8時30分から受付られる。
 年に1度の労働者の祭典。メーデーに組合員の皆さんの積極的な参加をお願いします。


4月20日締切
公共施設入園券 申込先着順で進呈


 自治労府職では、メーデー実行委員会が発行する公共施設共通入園券を先着で進呈します。希望する組合員は、自治労府職本部まで直接、またははがき・FAX・Eメールなどで申し込みを。その際には、@単組・支部・分会(職場名)A氏名B必要枚数(4枚まで)C連絡先を必ず明記、または伝えてください。本部の住所・メールアドレスは機関紙2面に掲載しています。FAX番号は06―6945―1315。
 申し込み締切は4月20日(水)。数に限りがあります。在庫切れの際にはご了承ください。


昇任考査要領を一部改正
「知事部局等」と「警察部局」の合格枠を別に設定


 人事委員会は11日、府労連に対し主査級昇任考査実施要領の一部を改正すると通知した。
 これは、これまでの主査級昇任考査が一般行政職員について、1つの合格枠の中で合格者を決定してきたが、今年度昇任考査から「知事部局等」と「警察部局」それぞれに合格枠を設定するというもの。
 人事委員会は、改正の理由として、@平成11年度の新規採用者以降、知事部局と警察部局で採用区分を別にしていること、A異なる採用区分の職員が、すでに主査級昇任考査の受験対象となっていること、B知事部局と警察部局では、採用から退職にいたるまで独立した人事管理を行っていること、として、それぞれの組織の実情に即した昇任考査制度とするため、採用区分ごとに合格枠を設定するとしている。
 なお、対象は「知事部局等」の合格枠の対象者は警察職員以外の者、「警察部局」の合格枠の対象者は警察職員となる。ただし「知事部局等」と「警察部局」の間で出向している職員は出向元の合格枠となる。


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各単組・支部まで忘れないように


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給付は5月23日(月)


4・2均等待遇ウェーブ

働く時間や雇われ方が違っても
同一価値労働には同一の賃金を


 パートや派遣で働く人の均等待遇を実現するため「4・2均等待遇ウェーブ」が2日、PLP会館で開かれました。昨年11月に続いて2回目の取り組みで、連合大阪や働く女性の人権センターいこ☆るの呼びかけに応じて自治労府職から3人が参加しました。
 集会のあと西梅田までパレードして、同一価値労働・同一賃金の実現や間接差別の禁止などをアピールしました。今国会にパート.非常勤.フリーターに均等待遇を実現させる「パート法(通称)」の改正案が民主党から提出されています。
 働く男女の均等待遇は国際的な約束であり、働く者が自らの意志で自らの働き方を選択できるためには、短時間であってもその働き方に応じて賃金をはじめとする労働条件が均等であることが不可欠です。日本のパートタイム労働者は年々増え続け、1260万人を超えて、非正規労働者が全労働者の40%以上を占めています。パートタイマーや派遣・契約社員など「雇用形態」や性別による差別なくし、だれもが尊厳ある人間らしい労働、つまりILOの提唱する「ディーセントワーク」ができる社会の実現をめざす取り組みです。
 日本でも、誰もが自立できる働き方・暮らし方を実現するため「リビング・ウェイジ(自立し生活できる賃金)条例」を制定をさせる取り組みを進めましょう。
【執行委員 西村明子】


?ディーセントワークって?
 「権利が保障され、十分な収入を得ることができ、適切な社会的保護のある生産的な雇用」のこと。
 もう少し簡単に言えば「働きがいのある仕事」のこと。


映画
DVドメスティック・バイオレンス


2004年日本映画/監督・中原俊/1時間25分/出演=遠藤憲一、英由佳/配給・バイオタイド

DVに立ち向かう勇気を描く

 ドメスティック・バイオレンス(家庭内暴力、または、恋人や夫から受ける暴力)は、最近やっと認知されたとはいえ、まだ人々の心に染みこんだ概念とはいえない。また、映像にしにくいテーマでもある。密室での一方的な暴力だけに、暗いイメージになる。特にドキュメンタリーでは難しい。アメリカの映像で、家庭にカメラを持ち込んだケースもあったが、日本では当事者の了解を得るのは困難だろう。
 映画「DVドメスティック・バイオレンス」は、重く、映像にしにくいテーマを劇映画として題材に選び、日本の夫婦のあり方を問おうとした意欲的な作品である。
 映画「DV」の主人公は29歳の妻と41歳の夫。結婚後3年、子どもはなく、共働き。年の開きはあるが、一昔前のような家父長的な夫婦ではなく、名前を呼び合う友達同士のような、新婚雰囲気が残る夫婦である。
 ところが、結婚3周年の夜、夫の態度がおかしくなる。妻の勤め先である宝石店で、妻と同僚の男が仲良さそうに見えたのがきっかけだった。夫は妻に仕事を辞めるよう強制し、妻の大事にしていた写真を勝手に処分したり、妻の銀行口座を解約したりする。
 働く女性は増えたが「妻は夫に従うものだ」という社会通念が根を張り、自己主張をする女は「可愛くない女」と見られ、マイナスイメージとされる。映画でも、夫に殴られ、血を流した妻が派出所に駆け込むが、警察官は「夫婦げんかに警察は関与しない」と取り合わず「仲良くやってください」というだけだ。
 妻も、はじめは自分にも悪いところがあるので暴力になるのだろうと考えて、自分を責めたり、好きだった仕事を辞めたりして、何とか平和な家庭を取り戻そうと努力する。が、努力は実を結ばず、暴力はますますひどくなる。思い切って弁護士に相談するが「別れなさい」と助言する弁護士に反発してしまう。
 一番リアリティのある映像は、妻が弁護士の助言によって密かに居間に設置した監視カメラがとらえた暴力シーンだ。超ワイドでゆがんだ、粒子の粗い映像が、固定カメラで映し出される。人間が操作しない、監視カメラの映像が、密室での行為に現実感を与える。
 エスカレートする暴力の実態や、妻の揺れ動く心理など、映画の作り手たちは、DVに関する事例を丹念に調べ、DVに立ち向かおうとする女性を応援しているように見える。だが、その一方で、描き方が類型的で、夫婦の人間としての存在感がやや希薄な感じがするのは残念だ。「幼年時の虐待」をほのめかす台詞はあるものの、夫の暴力への性向が、どのように培われたのかも描いてほしかった。
 陰鬱な題材ではあるが、夫と別れる決意をした妻が、妊娠したお腹を突き出して、明るく闊歩(かっぽ)するラストシーンが救いになった。
▼4月16日(土)よりロードショー▼上映館/〈大阪〉第七藝術劇場TEL06(6302)2073▼料金/女性のみ1000円(男性1500円)


詰碁&詰将棋
10人にレインボーカード


詰将棋
 1三飛成、同玉、1四歩、同玉、2四馬で五手詰です。

詰碁
 ハネ一本の後黒3、5で黒生きです。