機関紙「自治労府職」
2005年6月21日号
公務員連絡会
給与構造見直し措置案に対しブロック別交渉
見直しは地域の給与引き下げだ
公務員連絡会は15日から16日にかけて2005人勧期第1次中央行動を行った。この行動は、5月18日に提示された人事院の「措置案」に対する公務員連絡会の申入れの実現を求め、全国を6つのブロックに分け、構成組織の地域代表が人事院と交渉を行ったもの。
交渉では、@政府の総人件費削減政策に対して労働基本権制約の代償機関としての人事院の基本姿勢の堅持を明確に態度表明すること、A地域給与・給与制度見直しは、十分交渉・協議し、合意すること、などの基本事項の確認を求めるとともに、各地域代表は「国の地域配分の見直しというが、地方自治体では単なる給与引下げとしかならない」「枠外の廃止は高齢者の生活設計に影響が大きすぎる」「評価制度の整備が行われないまま査定昇給などを実施することは職場の混乱を招く。現に地方で勤評制度の下で査定を実施しているところは混乱している」「地域給与見直しは中央・地方の格差をさらに拡大し、地域経済を疲弊させる」などと、人事院を追及した。
これに対して人事院は、@基本姿勢は変わらないが、組合が求めていることは上司にきちっと伝える、A十分話し合い、理解と納得を得られるよう努力する、B全国的に同じ仕事をしているからといって、まったく対価が同じということにはならない。地域の賃金相場は反映される、C人事院として地方自治体や人事委員会を指導する立場にはないが、要請があれば情報提供はしている、D現状では評価制度の整備には時間がかかるので、現行制度の下でやれる範囲で一歩踏み出したいということ、E地域経済への影響はないとはいえないが、それは一義的には経済政策の問題。地域給与見直しを行わないと住民や議会の理解を得られない、などと、これまでの人事院の見解を繰り返すに止まった。
公務員連絡会では、政府が総人件費削減の動きを強めている情勢を踏まえ、総務大臣交渉を実施して公務員給与に対する政府の基本姿勢の確認を求めるとともに、23日の人事院総裁への要求書提出に当たっても人事院としての基本姿勢の確認を求めることとしている。そのうえで、人勧期の諸行動や人事院との交渉・協議を一段と強めることとしている。
公務員連絡会が総務省交渉を実施
給与の政治的扱いに反対
公務員連絡会は17日、総務省に「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2005(以下「基本方針2005」)」策定に対する申し入れを行うとともに「公務員給与の政治的取扱いに反対する職場決議」を中間集約し、13204枚を提出し、交渉を行った。
公務労協の山本事務局長は「『基本方針2005』の策定議論で、公務員の賃金、定員削減など総人件費の削減が大きな課題となっている。こうした重要な課題が、組合の意見を一度も聞くことなく、一方的に決められようとしている。公務員の賃金・労働条件決定は人勧制度のもとにあり、政府が給与水準や制度の見直し方向を枠付けることは、自らが労働基本権制約の代償機能を否定することになる。政府は使用者としてどのような考えなのか、明確な見解を示してもらいたい」として、今回の申入れ内容に対し、閣議決定前後に総務大臣が直接回答するよう要請した。
これに対し総務省は、総務大臣との交渉は「努力する」とし、次の通り考え方を説明した。@経済財政諮問会議では、公務員の総人件費削減議論が行われているが、その議論は、国家公務員の給与改定が人事院からの勧告を踏まえて行う必要があることを前提としたもの、A国家公務員給与は、使用者の立場である総務省で「基本方針2005」の前後を問わず、職員団体からの申入れの都度、ご意見・ご要望を伺ってきており、今後とも同様の方針で対応する、B「基本方針2005」の策定手続きは内閣府所管だが、総務省では、国家公務員の給与は、今後とも、人勧制度尊重の基本姿勢のもと、職員団体の意見も十分伺いつつ、国政全般の観点から検討し、対処していきたい。
総務省が大臣交渉に努力するとの見解を示したことを受け、公務員連絡会側は「公務員の給与と定員削減は政治の道具とされている。正々堂々と国民本位の給与及び公共サービスの提供体制のあり方について議論できる条件整備が必要である。十分な交渉・協議、合意のないまま、一方的に基本給の水準引下げを行うのであれば、労働基本権を確立し、団体交渉で決着を付けるべき。総務省は使用者の立場として適切に対応願いたい」として、申入れを終えた。
府本部第14回囲碁・将棋大会
北角さん 将棋C 優勝
18日に開かれた、府本部主催の第14回囲碁・将棋大会で、将棋Cに参加した北角彰さん(健康福祉)が見事優勝を飾った。
朝9時から行われた囲碁・将棋大会は、土曜日にもかかわらず、各組合から集まった参加者の熱気に包まれていた。勝負はトーナメントで行われ、優勝者は田中魁秀九段(日本将棋連盟)と清成哲也九段(関西棋院)との記念対局を行った。
自治労府職からは、囲碁の部に4人、将棋の部には5人が参加し優勝をめざして盤上の闘いを繰り広げた。
結果は、将棋Cクラスで北角彰さん(健康福祉)が優勝したほか、将棋Bでも大沢実さん(中宮病院)が3位に、将棋Aクラスでも小泉和人さん(税務)が5位に入賞した。また、囲碁Cでは鎌田佳裕さん(税務)、高橋俊雄さん(税務)が3位・4位に入賞するなど、多くのクラスで上位入賞を果たした。
府労連夏季闘争
一時金(2.1月分)は特例条例で6月30日に支給
8項目で前進・解決へ
府労連夏季闘争は、7日の知事あて要求書提出以降、数次にわたる折衝・交渉を重ね、20日のヤマ場には要求貫徹総決起集会を行い、団結を背景に総務部長交渉に臨み、要求実現を迫った。
数次にわたる交渉で、当局から@一時金を特例条例(期末・勤勉手当を管理職手当受給者は6%、その他の職員は4%減額する)に基づく期末・勤勉手当を6月30日に支給する、Aメンタルヘルス対策、B高齢者部分休業の平成18年度導入検討、C永年勤続表彰の勤続期間算定における育児休業期間の除算問題、などの回答を引き出した。
府労連は、これらの回答を受けて闘争委員会を開き、一定の成果と到達点を確認。今季闘争を終結する左記の見解をまとめ、各単組・職場討議に付すこととした。6月24日に開催予定のの中央委員会で最終的な態度を決定する。
今季闘争は大阪経済に一定の回復基調があるものの、公務員を取巻く厳しい逆風のなかで闘われた。当局は「検討に苦慮」を繰り返したが、府労連は連日の折衝や4回の団体交渉、全職場代表者会議、全職場決議、そして要求貫徹総決起集会とデモを配置し、組合員の強い意思を示すことで一定の回答を引き出すことができた。
本年の人事院勧告が不透明ななか、有額回答が難しい給与改定は、府人事委員会が「遺憾」を表明した期末・勤勉手当の時限的カットや公民較差の不実施に対し、府労連は当局責任を厳しく追及した。今後、あらためて人事委員会対策を強めることとする。
<府労連闘争委員会見解>(案)
府労連は5月25日に第55回定期大会を開催し、2005年度運動方針と当面する夏季闘争方針および31項目の要求書を決定し、6月7日の知事との第1回団体交渉以降、4回の団体交渉と数次にわたる折衝を重ねてきた。
この間、6月13日に全職場代表者会議及び職場決議の人事室長への提出、さらに、本日の要求貫徹決起集会等、要求実現に向けた行動を展開した。
本日、午後7時10分から、総務部長との第4回団体交渉を行い、交渉での到達点は以下のとおりである。
【今季前進・解決した要求】
(1) 労使慣行の厳守
⇒府労連との良き労使関係を維持することを確認する。
(2) 平成17年度定数内特別昇給の実施
⇒懸案事項を一定程度解決して実施。
(3) 学校職場における週休日勤務の振替期間延長
⇒振替え期間の延長について、今後、要求を踏まえ関係機関と協議。(前4週・後8週⇒前4週・後16週に改善)
(4) 永年勤続表彰の勤続期間算定における育児休業期間除算
⇒来年度から除算しないこととしたい。ただし、表彰日(6月21日)に現に休業中の職員については、復職後の直近の表彰日に表彰を行う。
【今季前進・解決に向け協議を行う要求】
(1) 部活動手当の引き上げ
⇒人事委員会の意見、部活動活性化検討委員会の「増額する方向で検討する必要がある」との提言等を踏まえ検討。
(2) 産・育休代替要員の配置
⇒諸課題を整理した上で、正職員の配置する範囲を一定程度拡大するなど、年内にも具体案を示したい。
(3) 高齢者部分休業制度の早期導入
⇒18年度からの制度導入をめざし、今年中に条例提案すべく検討。
(4) メンタルヘルス対策
⇒こころの健康問題で休業していた職員が、円滑な職場復帰が果たせるよう、今年度中に「大阪府職場復帰支援プログラム」を策定する。
【早急に協議を開始する要求】
(1) 知事部局の「短時間再任用制度」と「学校職場の教育専門嘱託員制度」及び「府退職職員・非常勤登録制度」の細部協議
⇒府労連と早急に協議する。その他の要求については継続課題とする。
以上の回答について、現在の大阪府の危機的な財政状況、および、府労連(公務員)を取り巻く厳しい環境のもとで、一定の成果と到達点を確認し、今季闘争を終結する。今後、残された継続課題に加え、公務員の勤務労働条件の引下げキャンペーンが強められる中で人事院が勧告作業を進めている「地域給与・給与制度見直し」、また、大阪府が進めようとしている「市場化テスト」、「アウトソーシング」などの重要な課題に向けた闘いの連続となるが、引き続き、府労連4単組の団結を堅持し、9万人の大阪府職・従業員の労働条件の改善に向けて奮闘するものである。
2005年6月20日
大阪府労働組合連合会闘争委員会
今こそ平和を考えよう♪
沖縄平和行進レポート…3
自然と不釣合いの基地
沖縄の現実に強い疑問
今回2回目の参加の平和行進でしたが、前回とは違い沖縄の人びとの反応が感じられたこと、また、参加させていただいて痛感したことなどがあり、非常に有意義な平和行進となった。
今年は戦後60年という節目の年にあたり、平和行進初の伊江島を行進した。行進をしていくなかで目に入ってくる大自然の景観と広大な軍事基地、戦闘機の不釣合いさに、かなりの違和感を感じずにはいられなかった。
戦後60年、日本に沖縄が返還されて33年が経つ現地の産業や経済は発展しているが基地も発展しているのではないでしょうか。私たちが住んでいる大阪に米軍基地が無いのは当たり前ですが、沖縄には面積の20%に基地があるのです。そして、米軍による、さまざまな事件や事故が起きています。記憶に新しいところでは、昨年8月に沖縄国際大学に米軍のヘリが墜落しました。まさに危険と隣り合わせの生活を日夜送っているのです。本当に日本の国民すべての人がこの現実を疑問に感じてほしいのです。
今回の行進参加に際し、寛大なご理解をいただいた職場の方々、カンパをいただいた方々に感謝いたします。
【中宮病院支部 筒井 清隆】