機関紙「自治労府職」
2005年9月11日号
衆議院総選挙
いなみさん一歩届かず
引き続く厳しい逆風に対し団結と運動強化を
政権交代をかけて闘われた第44回衆議院総選挙は9月11日の投開票の結果、自民党が絶対安定多数(全ての常任委員会で委員長を独占し、なおかつ与党の各委員会で与党委員が野党委員を上回る多数)となる269議席を大きく上回る296議席を獲得し、公明党を含めれば与党全体の議席が全議席の3分の2を超す圧勝となった。
大阪5区から立候補した自治労組織内候補の稲見哲男さんは、与党候補による執拗な中傷・バッシングを受けながらも多くの市民・労働団体の支援を受け健闘したが、一歩及ばなかった。重複立候補していた比例区でも民主党全体の票が伸び悩み、惜敗率の結果、当選には至らなかった。
民主党は改選前の177議席から113議席へと激減し、大阪では小選挙区で9議席から2議席となった。
大阪5区の選挙結果
【投票率:63.44%】
谷口隆義 公明・前 118,574当選
稲見哲男 民主・前 87,002
山下芳生 共産・新 43,189
第44回衆議院総選挙を終えて
政権交代か郵政民営化かを問う今回の衆議院総選挙は、組合員のみなさんの奮闘にもかかわらず、自民党の歴史的大勝という極めて残念な結果となりました。
私たちは今回の総選挙が、国民に「競争」と「痛み」を強いる弱肉強食の社会をめざすのか、民主主義を基盤に安心・安全・安定の持続可能な社会をめざすのかを国民に問う選挙と位置付けてきましたが、あたかも郵政民営化に反対するものはすべて改革の敵であり守旧派であると攻撃し、大手マスコミを総動員し、自らのこれまでの失政を覆い隠した小泉のふりまく幻想に、残念ながら国民の多くが惑わされた結果であるといえます。
自治労は17人の組織内・協力候補と推薦候補の必勝をめざしてきましたが、組織内・協力候補7人の当選を勝ち取ることができました。このように厳しい逆風と、自治労に対する自民党の執拗なデマや選挙妨害が行われる中で、4人が小選挙で勝ち抜き、ブロック比例も3人が当選したことは、この間の組合員のみなさんの奮闘と団結の成果であり、今後のたたかいへの足がかりとして確認できます。すべての組織内・協力候補と推薦候補の勝利に向けて努力された県本部・単組・組合員・家族のみなさんにあらためて心から感謝します。
自民党が絶対安定多数を確保したことから、今後「官たたき」と、「官から民」への「小泉改革」が加速することは必至です。このように厳しい状況だからこそ自治労はしっかりと団結を固め、運動を展開することが求められます。
2007年の参議院選挙は、もう一度2大政党が政権を争う時代を迎える足がかりを固める極めて重要な選挙となります。今回の厳しい結果にひるむことなく、当面する2007年統一自治体選挙に勝利し、分権・自治の推進、効果的で質の高い公共サービスの確立、公正労働基準の確立と民主的公務員制度の実現、平和と人権のまちづくりをめざさなければなりません。
そして、引き続く2005年自治体確定闘争をはじめとする秋期闘争に全力で取り組みます。
2005年9月12日
全日本自治団体労働組合
ユース部役員選挙告示
自治労府職ユース部は9月9日、選挙管理委員会を開き、2006年度のユース部役員(ユース部長1人・副部長1人・書記長1人)選挙の実施を確認し告示した。
立候補の届出締切日は9月16日(金)正午までとし、確定次第告示する。
また、各支部から提出する選挙人名簿の締切日も同日午後5時まで。
選挙期日は9月30日(金)午前9時〜正午までで、不在者投票期間は22日〜29日まで。
投票所は本庁および出先の各職場所在地に設置する。
選挙公報は9月21日(水)に発行する。
投票資格は2005年9月1日現在で30歳以下(1974年9月2日以降生まれ)の男女組合員とする。
ストップ!大増税
サラリーマン・雇用労働者をターゲットにした大増税は許さない!
政府税制調査会の小委員会は、2006年度以降の税制改正に向けた「個人所得課税に関する論点整理」を取りまとめました。
しかし、その中身は、勤労者・子育て世帯に対する増税案のオンパレード。仮に主な増税案がそのまま実施されると、定率減税の縮小・廃止とあわせて、年収500万円の世帯で年間約20万円以上もの増税になるのです!賃上げ分やボーナスが、まるまる消えてしまう理不尽な増税、到底許すことはできません!
議論はこれからが本番。みんなのチカラで、政府の「超」大増税をストップさせましょう!
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サクラのメジロもゲット
田尻漁港で釣り大会
曇り空で日差しもゆるく、絶好の釣り日和となった9月3日(土)、泉州地区評泉南ブロック協議会は田尻漁港で釣り大会をおこなった。
参加者は子ども多数の33人。簡単な説明の後、ライフジャケットを着用し乗船。漁港から数分の船旅を楽しんで海上の釣堀に到着。
竿と仕掛けが配られ、よういドン。目指すはタイと意気込み勇んで待つものの、一向に当たりなく時間が過ぎていく。ようやく30分過ぎに第1号のタイをゲット。油断していて魚がかかり、竿を水中に持って行かれる人も出るなか、特大の大物を小学1年生の竹内慶輝君が釣り上げてしまった。65センチのメジロは釣客からよく見えるようにと放流されていた“サクラ”で、これには漁師さんもびっくり。
釣りの後は、海鮮バーベキューでお昼ご飯。
アナゴのてんぷらにイカやホタテ、さざえとお腹が一杯になるまで楽しんだ。また釣れなかった残念な人もお土産にタイ一匹をもらい帰途につきました。
【泉南ブロック 小田 晃之】
労災事故のウラオモテ
安全のコストは前向きな投資
経営者は絶えず企業の収益を考え、意思決定するのが仕事である。収益を切り離して、企業の社会的な役割や製品の質を考えることなどしない。だから安全や環境など、生産活動に直結しない課題について、その重要性を認識することは難しいと思われてきた。
人の命にかかわる問題を、収益やコストなどという銭勘定の問題として議論することに違和感や不快感をもたれる向きもある。
労働組合運動で労災職業病対策を論じるとき、経営者は収益を求めるのが当たり前で、それとまったく対立するのが安全衛生対策であり、労働組合による非妥協の闘いを進めなければ労働者の命と健康は守れない、というような話をすることが多かったように思う。
しかし、企業経営者が安全対策を正確に数字の問題としてとらえ、収益との関係で意思決定の仕組みを確立しなければ、とんでもないことになるというのが昨今の安全をめぐる状況ではないだろうか。
たとえばJR西日本の事故。列車自動停止装置の設置については、優先順位について、安全のコストとそれによって得られる利益のバランスを客観的に評価したうえでの経営者の意思決定がされていたわけではなかった。
安全対策の先進性で著名な化学製品メーカーのデュポン社は、原材料の調達や為替のリスクと同様に、操業のリスクを確率的に評価して、収益に与える影響を把握している。大事なことは安全対策のための支出は、将来の収益阻害要因を排除するための前向きな投資とみなす経営意思決定の仕組みができていることだ。なにしろ200年前の南北戦争の時代に爆薬メーカーとして出発したデュポン社だから、この意思決定システムは幾多の犠牲のうえに開発されたものなのだろう。
重大事故が多発するいまの日本の産業社会では、安全のコストとそれによる利益を正確に測り、経営の意思決定に組み入れることがとても重要だといえるのではなかろうか。その土台として、事業場のリスクを浮かび上がらせる仕組みが必要なのである。職場の安全衛生活動の企業内の位置づけは、そのようなものでなければならない。
さもなくば事故発生後の取り組みは、一過性の総点検のみで済まされ、教訓がいつのまにか忘れられてしまうことになるだろう。そこにこそ労働組合の非妥協の取り組みが必要となる。
シネマはやっぱりおもしろい
9月公開の映画
コーチ・カーター
ケン・カーターがコーチを引き受けた時、リッチモンド高校バスケットチーム、オイラーズの成績は悲惨なものだった。チームが勝てないのは選手自身の意識のせい。環境のよくない街で育った彼らは将来を考えることもなく、仲間同士の衝突が絶えなかったのだ。
子どもたちの将来を考えるカーターは、コートに足を踏み入れる条件として3つの契約をメンバーに突きつけた。1、決められた点数以上の成績を取ること、2、授業はすべて出席し一番前の席に座ること、3、試合の日には上着とネクタイを着用すること。
契約に反発したクルーズはチームを去るが、厳しいトレーニングに耐えた他のメンバーたちはぐんぐん力をつけていった。そして新生オイラーズの第1戦、チームは大逆転で勝利を収めた。その試合を見てチームに戻ることを決意したクルーズは、カーターが出した厳しい条件を仲間たちに支えられながらクリアし、復帰を果たした。
勢いに乗るチームは連勝を重ね、地区大会でも奇跡の逆転勝利。有頂天になるメンバーたち。われを忘れた彼らは酒に女とパーティでどんちゃん騒ぎを起こしてしまった。そして追い打ちをかけるように届いたメンバーの不合格や要個別指導の報告書。ついにカーターは「契約した条件を満たすまでは体育館を閉鎖する」と宣言し、コートをロックアウト、試合も放棄してしまった…。
米国で実際に起きた出来事の映像化。実在するカーター・コーチのスピリットが描かれている。
▼9月10日(土)からロードショー▼上映館/〈大阪〉テアトル梅田TEL06(6359)1080、〈京都〉京都シネマTEL075(353)4723、〈神戸〉シネカノン神戸TEL078(367)3868