機関紙「自治労府職」
2006年1月11日号
開かれた運動と組織強化に全力
自治研活動の推進、病院・社保の新組織に向けて議論
自治労府職は12月20日、新別館北館多目的ホールに代議員・役員など200人を集め、第87回定期大会を開いた。大会には自治労府本部の蜂谷執行委員長をはじめ、数多くの来賓が駆けつけ、自治労府職運動の前進に向けた激励のあいさつを行った。
主催者を代表して大橋執行委員長は「大阪府当局が行おうとしている給与制度改革は、ヒラのままでは39歳の給与水準以上に給料が上がらないなど、生涯賃金に与える影響は計り知れない。とりわけ若年層には痛みが大きく、若年層のための制度づくりに向けた協議を進めている」とするとともに「府立5病院の独立行政法人化は定款が可決されたが、自治労府職の方針は正しかったと確信している。一方で独立行政法人化に向けた法人との労使関係を持つ『機構労組』の結成を展望した組織強化を進めていく。また、社会保険についても、全国的な組織議論が進められるが、今後の組織形態がいかなる形となっても、自治労運動をともに進める立場で、お付き合いをお願いしたい」などとあいさつした。
議事では一般経過報告、2006年度運動方針案、当面の闘争方針案など提案され、すべての報告・議案が全会一致で承認・可決された。経過報告では2人、方針案では11人が発言し、市場化テストや地方独法化、自治研活動の推進や給与制度改革に反対する取り組みの強化などを訴えた。
また、この大会で特別執行委員の平岡さん(前自治労中央執行委員・国費評事務局長)が退任された。
組織の発展をめざし
みんなで集い、創っていこう
明るい将来を展望した運動
執行委員長 大橋 敏博
毎年12月に日本漢字能力検定協会が1年の世相をあらわす一文字を発表しており、2005年は「愛」という字が選ばれた。しかし、個人的には強く違和感を感じている。小泉総理をはじめ一部大臣と経営者代表、政府の御用学者など11人で構成する「経済財政諮問会議」で日本の将来を左右する方針を決定している。これに異論を唱える者は「抵抗勢力」と切り捨てるような強権的な世の中の「どこに愛があるのか」と感じずにはいられない。定率減税廃止、高齢者医療制度改悪、消費税の増税、憲法改悪などが画策されるなか、私達が「愛」を感じられるような暖かい政治に変えていくためにも労組がしっかりしていかなくてはならないという思いを新たにしている。
一昨年から執拗に続いている公務員バッシングも、正念場を向かえようとしている。ポイントは大きく分けて@互助会問題にをはじめとする福利厚生、A公務員の賃金、B民間開放に向けた市場化テストなどの動き、の3点である。
互助会が出来た当時と今では社会情勢も大きく変わってきている。これまでも事業について一定の見直しを進めてきたが、いよいよ最終段階に来ている。「公務員の福利厚生や賃金を含む労働条件はどうあるべきか」ということも、われわれ自身が検討しながら、社会の二極化が進むなかで、労働者の地位の底上げをはからなければ、なかなか賃金・労働条件が上がらないという現実を見据え、どういう運動を展開していくのかということを考えていくことが一番重要だと思う。
賃金で一番大きな問題は、給与制度改革の問題で、ヒラのままでは新しい給料の2級どまりとなり、その最高額は30万9900円となっている。現行の給料表で比較すると、39歳の給与水準である。そこから上は、昇格しない限りどれだけ働いてもこの金額ということで、生涯賃金に与える影響は計り知れない。高齢者は現給保障されるが、若い職員はそうもいかず、若い世代のための制度をどう作っていくのかということを重点的に折衝に当たっている。
市場化テストについて政府は、公共サービス効率化法案を作成するとしている。社保庁は2008年10月に廃止をしていくという新聞記事も掲載されていたが、いよいよ一定の方向が打ち出される動きがある。大阪府では、実施に向け動きは進んでいないが、社会の流れは民間への開放という動きが強まっている。もう一度、公務労働・公共サービスが果たしてきた役割を問い直していく必要がある。耐震構造偽造問題やJR事故における日勤教育の問題など、民間開放だけを善とする動きは、結果として公共サービスの低下を招くだけだということを訴えていく運動を進める必要があると認識している。
府立5病院の独立行政法人化問題は、2月議会で定款が可決されたが、国の給与制度改革の影響などを受けて、いまも労働条件について具体的な中身が詰まっていない。われわれの「定款可決よりも具体的な労働条件を先に提案するべきだ」との主張は正しかったと今も確信している。しかし、4月には法人としてスタートすることになり、どんな組織にするのか、病院の代表者の方々と議論を進めてきており、中宮病院労組と羽曳野病院労組を立ち上げてもらった。法人との労使関係を持つ、機構労組の結成を展望しつつ、自治労運動を強化していく観点で関係労組の中で頑張っていくことで意思統一していることを報告したい。
社会保険関係が国一元化されてから、次の4月で6年となる。国一元化法案の附則で、7年間は都道府県労組に入れたが、今後の組織のあり方について、国費評で議論が行われている。全国の社会保険職場の仲間とともに、強固な組織を確立する方針となることを祈念するとともに、今後も同じ自治労の旗のもとで運動を進める立場でお付き合いをお願いしたい。
4月6日は自治労府職の前身である「大阪府職員組合」が結成されて60年の節目の年に当たる。結成に尽力された諸先輩方に敬意を表すとともに、60年の歴史に学びながら現実を見つめ、明るい将来を展望した運動をつくりあげるため、全力をあげていく。本日の定期大会でも前向きな議論をお願いする。
給与構造の改悪に反対
対府要求署名に協力を
組織の発展をめざし、みんなで集い、創っていこう
大会は本部書記次長の則定義秀大会書記長のあいさつで開会し、議長団に府立病院支部の寺田大樹代議員、羽曳野病院労組の大鳥美矢子代議員を選出した。また、議事運営委員長には健康福祉支部の酒匂博好代議員を、資格審査委員長には竹下知法代議員が選出され大会運営に当たった。
経過討論
経過報告では2人の代議員が発言。
社保労組の柴野代議員は「政府の徹底した歳出抑制策のもと、社会保険の職場では全国で87人が減員された予算となっている。一方で将来不安から現場での業務は増加すると言う状況もあり、体調不良やメンタルな問題からの病休者も増え続けている。このような状況を受け、労働安全衛生の取り組み強化が提起され、社保労組としては7月から9月を『労働安全衛生チャレンジ期間』と位置づけ取り組みを進めてきた。超勤のための予算は限りがあっても、サービス残業などの違法行為を職員に強いることがあってはならず『当局には、当たり前のことを当たり前に守らせる』活動を進めている」としたうえで「社保職場に対するさまざまな批判は正面から受け止めて改革を進める一方、国民が安心してサービスを受けることができる職場を守り、充実させていくためには労働安全衛生の取り組みは不可欠であり、労使が責任を持って取り組みを進めていくよう奮闘する」と決意を述べた。
職安労組の芝野代議員は市場化テスト法案について発言し「職安行政・ハローワークの無原則な民間開放は労働行政と雇用労働政策の解体に繋がるものであり反対である」として「国費評労働部会として厚生労働省に対して要請行動を行ったほか、労働を中心とした福祉型社会の実現をめざし、有効な雇用労働政策を展望しての政策研究活動として、より具体的な意見を職場や利用者の声を反映した活動を行うため、東京、大阪、沖縄で『規制改革・ハローワーク対策委員会』を設置し取り組みを進めていく」として、取り組みへの支援を訴えた。
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本部は各職場からの意見を踏まえ、要求実現に向けた取り組みを引き続き進めていくこととした。採決では、一般経過報告、会計決算報告・監査報告など、すべての報告が承認された。
方針討論
税務支部の浪江代議員は税務手当の改悪に対する取り組みについて発言し「本部と連携しながら撤回に向けて取り組んだが、当局は一歩も譲る内容を出さず、結果として協議期間末としての11月29日を迎えたが、実施時期を1月から4月に変更して実施する考え方が出された。支部は『税務手当の根拠は国の税務職俸給表にある』と、いまも確信している。国には業務区分に応じた格差や日割支給もない。いまも現場では一体的に業務に取り組んでいる。あらゆる機会で格差の解消に向けて取り組んで行きたい」と訴え「全国的な運動展開に向けて県職共闘でも取り上げ、現場の思いを国にぶつけていくような運動の構築もお願いしたい」とするとともに、給与制度改革についての取り組み強化と再任用職員の要求実現・組織強化に向けた取り組みについて訴えた。
中宮病院労組の青木代議員は府立5病院の地方独立行政法人化反対闘争に対する各単組・支部の支援に感謝を述べるとともに「法人への移行後に向けて、5病院のなかで議論を進めながら機構労組の結成という方向が出てきた。自治労の旗のもと、関係労組を維持しながら頑張っていく」と決意表明を行うとともに「当局との積み残し課題が16項目あるが、現段階では容易なものしか解決しておらず、問題解決よりも法人への移行が先行する恐れがある。とりわけ互助会の問題では『1年だけ継続』と言われているが、当初からこの問題は議論されていた問題であり、将来が見えない中で1年だけ継続するというのは到底納得できるものではない。短期間ではあるが本部とともに十分に議論を進めていきたい」とした。
建設支部の酒井代議員は、国内の労組組織率低下について懸念を表明するとともに、公務員バッシングへの反撃に向けた職場からの政策づくりについて「個人でかかわっている難病の会では障害年金を受給している人が多数おり『年金相談をしてほしい』との声があったが社保労組に講師派遣をお願いしたところ、ボランティアで快く引き受けてもらった。ところが、市場化テストされて、民営化されれば『講師1人当たり5万円なら行ってもいいよ』と利益のみを考えたことになりかねず、想定される国民の負担も含めて社会に問うていけばいいと思う」とした。また「財政危機のなか、支部では『無駄な税金は使わせない』という立場でこの間取り組み、土地開発公社で隠れた負の遺産が1000億円以上無駄な金を使ってきたということを府議会とも連携しながら告発してきた。今後、無駄使いをさせないような仕組みをどう作るかが課題だと思う。水緑では廃止に持ち込めなかったが、当局を追い詰めることはできた。単組の自治研集会では、すべてをオープンにして『いかに行政が無駄なことをしているのか』『本来税金を投入しなければならないところに投入していないか』という点を府民に告発し、連携するとともに『公務員も生活者としての賃金がいるのだ』ということ訴えなくてはバッシングは治まらない」として、広範な連携を訴えた。
総務支部の中垣代議員は、第1ブロックに楽団員労組が加盟するセンチュリー交響楽団について、府の補助金がカットされながらも奮闘していることを報告し、本部・各単組・支部の法人会員加入を検討するよう訴えるとともに「知事の肝いりの計画として『大阪府IT推進プラン』が実施されようとしている。まだ全貌は明らかになっていないが、将来的には大阪府の代表番号もコンタクトセンターに変わっていくのかという危惧がある。支部内には電話交換室が対象エリアとして存在している。支部では得られた情報を本部にあげていくので、本部でも事前協議制を活用しつつ、全貌を明らかにしていただきたい」と当局との協議を進めるよう訴えた。
社保労組の田中代議員は職場改革アクションの取り組みについて「被保険者の声を集約するとともに日常業務点検を行い、集約結果などをもとに改善対応策を導き出すことで所属長と意見交換し、業務改善に努めている。府全域では500項目に及ぶ意見や改善策が出され、当局や国費評を通じて社会保険庁に対し『現場からの提言』として提出してきた」と報告するとともに「高齢者世帯の7割が公的年金のみで生活しているといわれているように医療保険や公的年金制度、それらの業務を担う我々の業務は国民生活に直結している。制度は保険料を負担している人がいなければ成り立たないが、どれだけ制度が良くても運営が円滑でなければ信頼は得られず、年金未納に繋がってしまう。職場改革アクションは制度を支えている保険料負担者の声が反映されるものであり、その声を反映させることが可能なのは第一線を担うわれわれ以外には無い」とした。
建設支部の岡田代議員は、同性愛者に対する府の制度的な差別や、組合の共済制度の改善などに向けた議論を訴えるとともに、大阪府でも計画づくりが進められている国民保護計画について「計画の中で、府の職員が戦時にどう動くかということが決められる。すでに福井県で有事を想定した訓練が行われたが、同様の訓練を府でも実施されることが想定される。本部には、戦争に反対する立場から積極的な対応を求めたい」「府当局や経営者は財政難や経営危機のなかに生じてくる、さまざまな矛盾を労働者に押し付けているが、一方で労組に期待する声も少なく無い。労組へのバッシングも含め、国籍や民族、性別、さまざまな性的施行への差別を跳ね返していくためにも、非正規化が進められ、低賃金に置かれている民間の人たちとも連携しながら、労働者全体としての権利・団結を守っていくことが重要だであり、公務員バッシングに、そうした取り組みの中で全力で反撃していくということが必要だと思う」と述べるとともに、職員間の競争をあおる給与構造改革に対して反対の取り組み強化を訴えた。
センター病院支部の大石代議員は「独立行政法人化された後は、10年以内に設備管理業務をアウトソーシングするというが、現場の職員の身分や任用の問題は当然ながら、患者の命を預かる病院の設備管理業務がすべて外部委託化されていいのか当局と十分に協議する必要があると考える。5病院の単組・支部でも力を合わせて取り組んでいく」として、本部の協力を訴えた。
労働支部の田村代議員は職業訓練指導員手当を含む特殊勤務手当について「調整額化に向けた要求には感謝するが、法律や条例的なものは、住民の考えが逆を向けば簡単に変わってしまうもので『現行の特殊勤務手当として支給している状態が職業や給与のあり方として問題がある』という議論に府民を巻き込んでいく必要があると思う。職業訓練指導員は、特殊勤務手当の定義するような『著しく危険、不快、不健康又は困難な勤務その他の著しく特殊な勤務』ではなく、日常の業務としてプロの立場で職務に当たっているのだから、本来であれば特殊勤務手当として取り扱う性質のものではない」としたうえで「自治研集会に地域の人も参加してもらい、われわれの仕事を知ってもらうことで、バッシングから踏み出せるのではないかと思う」とした。
環境農林水産支部の前角代議員は、農林漁業普及指導手当の改正の際に組合が関与しながら存在感を示すことができたことを報告するとともに、研究職場の高度化・総合化について「食とみどりの総合技術センター、環境情報センター、水産試験場を1つに統合し、さらに高度な研究ができる組織に変えていくという検討が進められており、19年4月の統合が検討されている。11月には基本構想が出されてきたが、、今後は支部として検証しながら当局と協議を進めていくこととしているが、労働条件の問題も含めて闘いを進めていく」と決意表明した。
健康福祉支部の小田代議員は放射線取扱手当改悪反対の取り組みについて発言し「これまでは『放射線という危険なものを扱うこと』に対して手当を出してきたが『被曝してから手当を出す』というもので、事故が起こってからお金を支払うような制度に対して疑問をぶつけるところから交渉を始めたが議論は進まず、当初1月実施とされていたものを4月実施に押し返した。めざすところは調整額化であり『被曝したから手当を出してもらう』のではなく、業務の本質を考えてもらい、調整額化への移行にむけて、さらなる前進を勝ち取って行きたい」とするとともに、1年後に府立病院と合併する計画の身障センター附属病院については本部と協力しながら当局と議論を進めていくことが報告された。
社保労組の的場代議員は「2008年秋をめどに年金部門と健保部門の組織を切り分け、年金は新たな国の組織、健保は都道府県単位の財政運営を行うけれども全国統一の組織の公法人とする案がまとめられた。社会保険事務局もはブロック単位に切り替えられる。今後は野党との調整を経て次期通常国会に関連法案が提出されるという状況にある」としたうえで、業務については組織見直しが利用者・加入者に与える影響を危惧するとともに「当局の組織改変にあわせて、組合の組織形態も具体的な検討を進めざるを得ない。健保部門は労組法適用が想定されるし、年金部門はブロック単位での事務局ということで、局長や都道府県単位の組織との労使関係問題が生じてくる。しかし、健保部門と年金部門に労組がバラバラにされるのではなく、いまの社保労組同様に一体的な運動ができる組織を確立していかなければならないと考えている。今後も自治労府職構成組織のご理解をお願いする」と訴えた。
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本部答弁では代議員からの補強意見や具体的な取り組みなどについて運動方針を提起した川本副委員長ほか、山嵜書記長も答弁し、本部としての取り組み方向や決意を述べ、理解を求めた。
採決では運動方針案、予算案、当面の闘争方針案、各種役員選出のすべての議案が全会一致で可決・決定された。
【来賓・メッセージ】
順不同、敬称略
来 賓
自治労大阪府本部執行委員長 蜂谷紀代美/自治労大阪府本部市内第1ブロック事務局長 北脇栄一/大阪労働協会職員労働組合執行委員長 下崎勝美/大阪府国民健康保険団体連合会職員労働組合執行委員長 寺内信人/大阪府労働組合連合会執行委員長 山口成幸/大阪府水道労働組合 執行委員長井田弘/大阪府従業員組合組合長 中野信春/大阪府教職員組合執行委員長 山口成幸/自治労府職退職者会副会長 雨宮靖憲/全労働省労働組合大阪職安支部執行委員長 磯部睦人/近畿労働金庫本店営業部部長 安岡博司/大阪府副知事 三輪和夫/社会民主党大阪府連合常任顧問 和田貞夫/主権大阪大阪府議会議員 尾辻かな子/原多印刷株式会社代表取締役 原多淳
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メッセージ
前衆議院全議員 稲見哲男/参議院議員 高嶋良充/参議院議員 山本孝史/参議院議員 尾立源幸/民主党・無所属ネット大阪府議会議員 中村哲之助/民主党・無所属ネット大阪府議会議員 土師幸平/民主党・無所属ネット大阪府議会議員 田中誠太/リベラル東大阪東大阪市議会議員 笹谷勇介/日本労働組合総連合会大阪府連合会会長 伊東文生/自治労大阪市職員労働組合執行委員長 木下平和/大阪府立交野自立センター労働組合執行委員長 前田豊/大阪センチュリー交響楽団楽員会代表 大中一己/大阪府従業員組合組合長 中野信春/全労済近畿大阪府本部理事長 高濱秀一/全日本自治団体労働組合 中央執行委員長 岡部謙治/全日本自治団体労働組合副執行委員長 植本眞砂子/自治労岩手県職員労働組合中央執行委員長 佐藤伸一/秋田県職員労働組合中央執行委員長 石川聡/宮城県職員組合中央執行委員長 千葉保/自治労山形県職員労働組合中央執行委員長 大泉敏男/自治労福島県職員労働組合中央執行委員長 佐藤博/自治労新潟県職員労働組合執行委員長 斉藤悦男/茨城県職員組合中央執行委員長 塚田栄/自治労埼玉県職員労働組合中央執行委員長 吉川仁/自治労東京都庁職員労働組合執行委員長 小林民治/自治労ちば県職員労働組合執行委員長 根本良次/自治労かながわ県職労委員長 内海義幸/長野県職員労働組合中央執行委員長 高橋精一/長野県職員連合労働組合執行委員長 釜崎正義/石川県職員労働組合中央執行委員長 中川博/自治労福井県庁職員組合執行委員長 小川千代志/自治労静岡県職員組合執行委員長 鈴木博/三重県職員労働組合中央執行委員長 奥山喜代司/自治労滋賀県職員労働組合執行委員長 国枝敏孝/自治労京都府職員労働組合執行委員長 小原健史/奈良県職員労働組合中央執行委員長 桂利一/奈良県水道労働組合中央執行委員長 桂利一/和歌山県職員労働組合執行委員長 石塚和夫/兵庫県職員労働組合中央執行委員長 金子龍太郎/自治労岡山県職員労働組合執行委員長 金澤稔/島根県職員労働組合執行委員長 増原淳司/自治労山口県職員労働組合中央執行委員長 清水英隆/香川県職員労働組合中央執行委員長 鈴木義博/愛媛県職員労働組合執行委員長 宇都宮理/愛媛県公営企業病院労働組合執行委員長 竹村益子/自治労高知県職員労働組合中央執行委員長 山崎秀一/自治労福岡県職員労働組合執行委員長 小原和敏/長崎県職員連合労働組合執行委員長 釜崎正義
【大会役員】
大会議長を除く、敬称略
【議事運営委員会】
社保労組 市 原 良 之
職安労組 田 中 義 則
税務支部 樫 原 龍二郎
労働支部 久 保 宗 一
中宮病院労組 真 田 朝 子
府立病院支部 堂 北 勝
健康福祉支部 酒 匂 博 好
センター病院支部 堀 内 義 信
【資格審査委員会】
社保労組 阪 口 雅 規
税務支部 伊 藤 義 剛
総務支部 竹 下 知 法
商工支部 増 田 敏 男
中宮病院労組 森 広 映 治
環境農林水産支部 山 崎 基 嘉
羽曳野病院労組 神 宿 正 典
建設支部 諸 岡 貢
映画
キング・コングが見た
文明社会とは
キング・コング
2005年アメリカ/監督=ピーター・ジャクソン/3時間8分/配給=UIP/上映中/上映館=〈大阪〉ナビオTOHOプレックスTEL06(6316)1312、他、〈京都〉TOHOシネマズ二条TEL075(813)2410、他、〈神戸〉OS阪急会館TEL078(321)3350、他
2005年版「キング・コング」(ピーター・ジャクソン監督)は、1933年版「キング・コング」のリメイク版。B級映画ではあるが、1933年版の「キング・コング」の与えた影響は大きく、“初期ハリウッド映画における最高水準の特殊効果を駆使して制作された怪物映画の最高傑作”と称されている。
「キング・コング」は、3つの山場を仕掛けている。第1は1930年代のアメリカ大恐慌時代に呻吟(しんぎん)する民衆の姿である。ヒロインの喜劇女優のアン・ダロウ(ナオミ・ワッツ)も、不況の嵐を身に受けた失業者だった。まだ「キング・コング」は登場しないが、いつ登場し、民衆の救世主となるのか。貧富の差をなぎ倒し、世直しになるのか。アンは野心家のB級映画監督カール・デナム(ジャック・ブラック)と出会い、有史以前の世界がそのまま残ったスカル・アイランドへ、ヒロインとしての撮影に出航した。地図にも記されていない謎の濃霧に包まれたスカル・アイランドで遭遇するものは何か。
第2の山場は、上陸した孤島どくろ島に住む先住民たちにアンがさらわれ、生け贄として巨大なゴリラ“コング”に貢がれること。キング・コングの登場である。
島民である先住民たちの描きかたがおどろおどろしい。彼らが生きのびるために長壁を造り、生け贄をささげることに否定的だ。世界のいたるところで生け贄の風習があり、物語化されてもきた。日本でも例外ではなかったろう。
キング・コングの巣には生け贄にされた犠牲者の人骨が散っていた。だがアンを手にとって、キング・コングはすぐ食らわなかった。ものめずらしさか、ブロンドに弱かったのか。キング・コングの関心を得るために、アンは必死にパントマイムをする。しかし、この島はキング・コング1頭だけの世界ではなく「ジュラシック・パーク」の世界だった。アンを救出に行く撮影隊は、その世界でさまざまな有史以前の恐竜に餌にされる。アンを守るため恐竜と闘うキング・コング。必死の闘いの中から生じるアンとキング・コングの愛。この愛はどう展開するか。幻愛は、真愛か、可能か。脚本家の救出者ジャック・ドリスコル(エイドリアン・ブロディ)によって脱出されるアンを求めて、絶叫するキング・コングの悲しさ。
第3の山場は、捕獲されニューヨークに連れ帰られ見世物にされたキング・コング。見物できる者は、富んだ者だけだ。あの貧困にあえいだ民衆は、どこに消えてしまったのだ。アンを求めて脱出したキング・コングがニューヨークを破壊する。もっと破壊をとエールを送っても、ニューヨーク(アメリカ)はびくともしない。アンを片手に抱き、キング・コングはアメリカの文明のシンボルであるエンパイアステートビルディングにのぼっていく。ここで2人の愛を死によって成就させようとするのか。キング・コングの瞳はやさしい。しつこくつきまとう飛行機から打ち込まれる弾。アンが一緒にいることを知ってもおかまいなく攻撃する。アメリカを守るためには死も辞せずなのか。
アンを守りながら、キング・コングは落下してしまった。“アンを傷つけるより、コングが自分の身を犠牲にする有名なラストシーン”である。美女が野獣(キング・コング)を殺したのだと見世物にした監督カールはのたもうた。
3年後の1936年に作られたチャップリンの「モダン・タイムス」にチャップリンは「ふたりは反逆者でもなければ犠牲者でもなかった。ふたりは“機械化された世界の中で唯一の人間的な存在”だったのだ」と書き残している。「キング・コング」のことを記したのではないが、ふと思い出したのである。いろいろ考えさせられる「キング・コング」である。
大阪の文化を楽しもう
チケットをプレゼント
文化・スポーツ振興室では、大阪が世界に誇る伝統芸能の文楽の最高水準の舞台に触れていただくため「おおさか・元気・文楽」を開きます。
自治労府職ではこのチケットを組合員さんにプレゼントいたします。次の日程の有料公演に各10人ずつをご招待。
ご希望の方は電話・メールで自治労府職本部まで。先着順(1人2枚限度)。
◆とき/1月28日(土)、29日(日)両日とも午前11時開演
◆ところ/NHK大阪ホール(地下鉄「谷町4丁目」駅下車A、H番出口すぐ
◆申込先/自治労府職教宣部 TEL06―6945―4056、E―Mail jichifu@j-fusyoku.jp
【演目】「新版歌祭文」野崎村の段
【主な出演者】太夫/豊竹嶋大夫ほか、三味線/鶴澤清介ほか、人形/吉田文雀(人間国宝)ほか