機関紙「自治労府職」
2006年10月21日号
府本部定期大会
府民との共同で公共を再構築
役員選挙 西浦副委員長、小田執行委員が高率で信任
自治労大阪府本部は14日、第50回定期大会を森之宮ピロティホールで開き、すべての報告・議案を承認・可決するとともに役員選挙を行い、自治労府職からは西浦副執行委員長、小田執行委員を含む新役員体制を選出した。
質疑討論では、公務員の不祥事問題とリンクした現業労働者攻撃や企業再建の闘い、入札改革や流域下水道職員の府への移管に関しての給料・労働条件問題など、多岐にわたる発言が行われ、府本部方針を補強した。
蜂谷執行委員長は「小泉内閣は、あらゆる格差を拡大し、子供から安全を、若者から希望を、高齢者から安心を奪った。自らが作り出した1千兆円に及ぶ借金を背景に、公共サービスを民間企業のビジネスチャンスに売り渡そうとしている。安心を保障するための公共サービスは不可欠だ。今こそ不安を押し付ける行革と対決し、公共サービスを担う自治労が府民との共同評価で施策を再構築していく必要がある」「入札を社会的価値、公正労働を実現させる機会として捉え、障害者、ホームレスなどの就労困難者を積極的に雇用する企業を評価する総合評価の導入を進める」とするとともに「3人に1人が非典型労働者、2人に1人が女性と言う状況から、男女平等は、非典型労働者の問題の解決なくして実現しない。安倍政権にノーを突きつける最初の対決が10・22の大阪9区の補選だ。大谷候補の勝利を、そして参院選でのあいはら候補の勝利を」と訴えた。
大会には参議院予定候補者のあいはらくみこさんをはじめ、中央本部の岡部中央執行委員長、大田房江知事などが駆けつけ、それぞれあいさつを行った。来賓あいさつに続いて議事に入り、運動方針案、当面の闘争方針案など11本の議案が提起され、すべての報告・提案が執行部原案どおり承認・可決された。
役員選挙は定数内であったため信任投票が行われ、蜂谷執行委員長、島村書記長をはじめ、すべての役員が圧倒的多数で信任された。
自治労府職からは、2日の中央委員会で推薦決定された、西浦昌寛さん(健康福祉)が副執行委員長に、小田晃之さん(健康福祉)が執行委員に、それぞれ立候補し開票の結果、圧倒的な信任をうけ府本部執行部の一員となった。
また、この大会で執行委員の芳仲浩明さん(社保労組)が退任しました。04年10月から2年間、われわれの先頭に立って府本部で奮闘してきました。お疲れ様でした。
自治労が菅総務大臣に要求書提出
新地方分権推進法の制定を
自治労は17日、菅総務大臣との交渉を行なった。交渉に当たって、岡部委員長から「地方自治・地方行政の発展と公務・公共サービスに従事する労働者の処遇の向上について要請したい」として、要求書を手渡した。
交渉では、自治労から、地方自治・地方財政の確立をはかるための「新地方分権推進法」の制定や地方自治体の自主的改革とそれに際しての労使合意の尊重を求めた。
これに対し菅総務大臣は「総務省としても『地方にできることは地方に委ねる』の原則に基づき、地方分権を推進したい。そのための推進法案も今国会で成立させたい。国民の理解や信頼のもと、地方公共団体が、さらに積極的に行政改革に取り組むことを期待している」などと述べた。
自治労からは「地方は財政運営が困難な状況にあり、夕張市のような準用再建団体をこれ以上増やさないようにお願いしたい」と要望した。これに対し菅大臣は「全国の自治体が一定水準の行政ができるようがんばりたい」として交渉を終えた。
北朝鮮の核実験に対し抗議声明
自治労府職執行委員会は10日、北朝鮮が9日に実施した核実験に対する抗議声明(上記)を確認した。
自治労府職では、いかなる国、いかなる立場であっても核兵器・核実験を容認することはできないとの立場から、引き続き、連合や自治労、平和人権センターの提起する各種行動に積極的に参加していく。
朝鮮民主主義人民共和国の地下核実験実施に強く抗議する
朝鮮民主主義人民共和国(以下北朝鮮という)が、10月9日に行なった地下核実験は、北東アジアと朝鮮半島の平和を脅かし、核兵器廃絶を求める国際社会の世論に逆行する暴挙であり、断じて許すことはできません。
私たちは原爆被爆国である日本の国民として、今後一切の地下核実験と核開発行為の中止を求めます。いかなる理由があれ、いかなる国であれ、核実験の準備、核実験の実施、核兵器の保有は許されるものではありません。今回の地下核実験の強行は、平和を求める世界の多くの人々の声を無視した行為であり、強い憤りを覚えるものであり断固抗議します。
北朝鮮政府は、国連加盟国として国連安保理の決議を尊重するとともに、日朝平壌宣言、6カ国共同声明に基づき、6カ国協議の場に早期に復帰し国際的な信頼を回復するよう求めるとともに、世界平和を願う地球上のすべての人々の声に真摯に耳を傾け、一切の核実験および核兵器開発行為を中止することを重ねて強く要請します。
また、日本政府は地下核実験の強行をうけて、国連決議に基づく厳しい経済制裁等の強制措置の発動を準備していますが、北朝鮮を一方的に孤立化させ緊張を煽る方針については北東アジアおよび朝鮮半島の平和と安全をまもる見地から慎重な対応をとるべきであると考えます。
2006年10月10日
自治労大阪府関係職員労働組合
執 行 委 員 会
府当局
懲戒時の停職・減給期間改正へ
公平・公正な運用を求める
府人事室は20日、府労連に「懲戒処分における停職・減給処分について」の提案を行った。府における現行の処分は「停職」「減給」とも「1日以上・3月以下」だが、これを「1日以上6月以下」に改正する提案。
他府県の状況では、39都道府県が「6月以下」、岐阜が「停職」は6月以下、「減給」は1年以下となっており、残る徳島など6県は「停職」も「減給」も1年以下で、大阪府だけが3月となっていた。そのため、昭和26年の条例設置以来はじめて改正することとし、来年4月1日からの実施に向けて議会にかける。
府労連は「なぜ今なのか」「このことで処分が厳しくなるのではないか」「処分は判例主義的にならざるを得ず、不公平感が生ずる恐れがある」などの問題点を指摘するとともに、「公平・公正な運営」を求めた。
なお、戒告以上の処分について、知事部局では副知事をトップとする審査会で、教育委員会では教育委員会の審議事項となっている。地方独立行政法人は条例の適用を受けるが、処分は法人が行う。
安易な犠牲の押し付けに
反対の意思表示をしよう(下)
健康福祉支部 岡田 茂彦
■行財政改革プログラム(素案)で「よりよい府政」が引き継げるか
知事は「赤字体質からの脱却にはもう一段階」「それがよりよい府政を引き継ぐことになる」とおっしゃいます。しかし本当でしょうか?
2010年度での単年度黒字の達成と2011年度末には5兆円にも上る多額の累積債務を抑制するため、新たに1565億円を捻出するとしている。その66%は人件費削減(790億円)をあてにしています。これ以上なにを削減するのかと思いますが、それで解決できるならまだましです。
府労連(組合)の見解でも明らかな通り、このプログラム(素案)を実行しても、累積債務をなくすためには、なんと160年間もの長期にわたってこの「改革」を続けることが必要というのです。どこが「もう一段落」でしょうか。今のやり方ではもう限界なのです。職員や府民をだましてどうしたいのでしょうか。
それなのに「金剛コロニーの民営化」「あいりん対策費の見直し」「私学関連助成、医療関連事業についての検討」などが並びます。府立病院の独法化につづき、先の見えない泥沼に、福祉や医療を犠牲にさらす行為としか言いようがありません。
この先の見えない重荷を私たちに背負わせたのは、「職員が給料をもらいすぎてきたからではなく、大阪府が国の施策等に踊らされて選択してきた施策の重大な誤り」(府労連見解)に他なりません。今求められるのは、大阪府政の根本的な総括であり、転換だと思います。私たちの給料をさらに下げることで解決できるかのような話ではないのです。
■知事のホンネは「新たな借金のため」
今回のプログラム(素案)は、表は「財政再建」が目的ですが、実際には違う目的があります。9月4日の記者会見で、次のように明確に述べています。
第1に「素案」を打ち出した理由は、1)当面の危機回避という第1ステップから第2ステップへということと、そして(ここが重要ですが)2)「もちろん、もう一方の背景には、起債の引き受けが合同交渉方式から個別交渉方式に移行することがあります。……(私は反対してきましたが)結局、市場に引き受けてもらう以上、市場が引き受けてくれなくなるのが一番困るわけです。……最終的には、金融機関という相手がある中、市場がある中での判断で、やむをえないと私も判断した次第です」。
第2に、では市場に起債を引き受けてもらうためには「ピークアウト(借金を返し始めるということと、借金の総額が減り始めるということ)が、市場に対する最大のメッセージになる」ことから、「これを今回のプログラムの柱として力を入れていきたい」のです。
第3に「やっぱり市場に対してのメッセージとしては、人件費の減、職員数の減というのは一番効くと私は思っていまして、それを背景にピークアウトすることが大きなメッセージになると考え」ているのです。
要約すると、今回のプログラムは、金融市場の自由化や国の施策の中で、「起債ができなくなる(借金ができなくなる)」というピンチをのりきるために作成された、市場へのメッセージとしてあるということです。
したがって、これまでもぎりぎりの行革を進めてきたはずなのに、更に1565億という無謀な数字が描けるのです。具体的な担保や合理性からはじき出されたものではありません。解決の展望があって職員に「理解をお願い」しているのではなく、金融機関から新たに借金をするために職員が犠牲になるのがちょうどよいということです。職員や府民をなめきった説明です。
違うなら反論してください。記者会見で述べたことが正確ではないのか、それともプログラムで表向きに述べていることが誤りなのか。
■職員の力でプログラムは撤回できる
知事は職員の雇用者として、府民に直接に責任を負う立場として、このように「新たな借金のために」犠牲をお願いするのではなく、職員の生活保障、府民への責任から、国の施策と断固闘ったらどうですか。
府労連ではプログラム(素案)の撤回を求める署名を集めています。私たちの業務と権利を守ることは、安易に犠牲を押し付けようとする知事のやり方を終わりにするたたかいです。その力は職員にこそあります。みなさんがんばりましょう。
自治労府職では「行財政改革プログラム(素案)」に対して、府労連に結集し、撤回を求めて運動を進めていますが、運動や考え方を強化する観点から、皆さんの広範な意見を聞き、豊富化することを考えています。
今回の投稿に対する意見をはじめ、職場の皆さんの声お待ちしています。いただいた意見につきましては、機関紙への掲載など、執行部で取り扱いを検討いたします。
2007年度
各単組支部役員体 制
【省略】