機関紙「自治労府職」

 2006年11月1日号

大阪公務労協が結成総会
連合大阪官公連の名称変更と機能強化

 連合大阪に結集する公務員関係の労働組合で構成する「大阪公務労協(大阪府公務公共サービス労働組合協議会)」の結成総会が10月30日、シティプラザ大阪に構成組織の代表者約40人を集めて開かれ、すべての議案が承認・可決された。
 大阪公務労協は「連合大阪官公労組連絡会」の名称を変更し、@官公労働者に固有の賃金・労働条件・権利などの維持向上をめざす、A小さな政府ではなく労働を中心とした福祉型社会をめざす、などを目的に結成された。自治労をはじめ、日教組や都市交など13産別と、大職安、府労連・市労連などオブザーバー参加4組織で構成され、総会では議長に山口成幸さん(大阪教組)、副議長に葛西重紀さん(大阪国税労組)、事務局長に島村啓二さん(自治労大阪府本部)をはじめ、会計監査2人、幹事12人の役員を選出した。
 あいさつした連合大阪官公労組連絡会の山口座長は「公共サービスが担うべき仕事や、そのあり方が問われているが、ライブドアや耐震偽造、市民プールでの痛ましい事故などは、いずれも民間開放・民間委託のなかで起こってきた。改めて公共の存在について問い直す必要がある」とするとともに「大阪公務労協は、連合大阪官公労組連絡会の名称を変更し、これまでの部門別連絡会の性格を継承する組織。会議は全会一致を原則とする。これまで加盟いただいた組織は、引き続きの結集をお願いしたい。郵政民営化をはじめ、独立行政法人化や新たな再編も出てくるかもしれないが、手をとりながら闘いを進めて行きたい」とあいさつした。


連合大阪が統一地方選勝利に向け決起集会
連合推薦候補の全員当選を


 連合大阪は10月27日、「第16回統一地方選挙勝利連合大阪決起集会」をエルおおさかで開いた。集会には来年4月に執行される大阪府議会、府内各市町議会選挙の候補者約60人が出席し、全員の当選を期して奮闘することを確認した。集会には自治労府職組織内で、熊取町議会議員選挙の予定候補者「ぶんの慎治」さんも出席した。
 連合大阪の伊東会長は「連合は民主党と『ともに生きる社会をつくる共同宣言』に署名した。これは『連合は政策実現に責任を持つ労働組合であり、その実現には民主党の支援が不可欠である』ということを内外に示すためで、宣言には『格差を是正をし、安心公正な社会をつくり将来に希望を持てる国をつくり、政権交代に向けて手を携えていく』ということが書いてある」「地方分権・地方主権の流れはもう逆転することはなく、今後は住民ニーズや地域・地方の特性にあった個性的な地方自治が実現される地方政治を実現しなくてはならない。そのためには連合推薦候補の完全当選を勝ち取る必要がある」とするとともに「統一地方選挙で完全当選を実現することが、民主党に大きなエネルギーを与えることとなる。来年7月に行われる参議院議員選挙で、連合は組織内8人の候補者を擁立し、たたかうこととなる。この8人が全員当選することで、参議院での与野党逆転に道筋をつけることとなり、そのことが衆議院議員選挙勝利へとつなげる近道である。連合候補者の、全員当選の実現こそが、労働を中心とする福祉型社会の実現、働くものと家族が安心して安全に暮らしていく社会の実現につながるということを確信し、共に闘っていこう」と訴えた。
 来賓あいさつに続いて、府議会、大阪市、堺市、衛星市の候補者代表が決意表明を行った。連合大阪伊東会長から民主党大阪府連の平野代表に「集票熊手」が贈呈され、集会参加者は来年の統一地方選挙勝利に向けた取り組み強化を確認した。


政府
給与改正法案を国会提出
公務員連絡会 関係議員通じ問題点を追及

 10月17日の人事院勧告の取り扱い方針の閣議決定に基づいて改正法案作業を進めてきた政府は、10月27日の定例閣議で、給与法改正法案を決定し、国会に提出した。
 給与法改正法案の内容は、月例給、一時金の改定が見送られたため、来年4月に実施される給与構造改革に関わる改正のみで、@俸給の特別調整額の定額化、A扶養手当の改善(3人目以降の子等の支給額を5000円から6000円に引上げ)、B広域異動手当の新設(60q以上300q未満3%、300q以上6%。07年度は、60q以上300q未満2%、300q以上4%)、となっている。
 国会審議は、衆議院本会議で10月31日に趣旨説明が行われ、11月2日に総務委員会での審議が行われる予定になっている。公務員連絡会は、関係議員を通じて官民比較方法の一方的な見直しにより改定見送りとなったという問題点を厳しく追及することにしている。


360時間を超えると経歴に傷がつくで
僕は君の将来を気にして言うてるんやで

これって
サービス残業の
ススメ?

11月は不払い(サービス)
残業の撲滅月間です!


 連合は11月を不払い残業撲滅月間として、労働者の生活と健康を破壊する不払い(サービス)残業を撲滅するための活動を進めています。
 大阪府では360時間の上限規制が行われましたが、職場からは「実体が伴わず、結果として不払い(サービス)残業を部下に強いてくる上司もいる」「組合加入の有無を確認し、非組合員に対して残業規制の圧力をかけている」などの相談・告発も寄せられています。
 自治労府職では、職員の生活と健康を守るため、不払い(サービス)残業撲滅の取り組みを強化します。

不払い(サービス)残業を強要されたら・見かけたら
自治労府職本部まで相談を

電 話:06-6945-4056
メール:jichifu@j-fusyoku.jp


2007年度各単組・支部役員 体 制(2)
(省略)


 お詫びと訂正
 機関紙10月21日号、1面の懲戒時の停職・減給期間改正の記事中、校正ミスにより次のとおり誤りがありましたので次のとおり訂正いたします。
   ◆  ◆
 「来年4月1日からの実施」となっていたのは「来年1月1日からの実施」の誤りでした。

府労連
人事委員会に質問状
文書での明確な回答を求める


 府労連は10月24日「『職員の給与に関する報告及び勧告』に対する質問状」を大阪府人事委員会委員長あてに提出した(左記参照)。
 10月23日に行われた府人勧に対し府労連は「示された公民較差について、2006春闘の妥結状況や各種統計資料、さらに、この間の経済動向等から検討したが、これほど大きなマイナスとなる理由は見当たらず、抽出されたサンプルの算定誤りか、公務員給与抑制の意図が働いた不当な勧告であると言わざるを得ない」とする抗議声明を発しており、今回の質問状は人事委員会に対し文書での回答を求めている。
 質問状は8項目にわたるもので、官民比較する企業規模の妥当な水準や給与比較に用いた資料の公開、勤務時間に関しての勧告を行わなかった理由について質しており、自治労府職では、人事委員会からの回答文書が出た時点で、組合員に公開する。


2006年10月24日

大阪府人事委員会
委員長 帯野久美子様

大阪府労働組合連合会
執行委員長 山口成幸

大阪府人事委員会の「職員の給与に関する報告及び勧告」に対する質問状

 私たち府労連は、本年の貴人事委員会勧告に向けて、3月17日、6月12日、8月11日に要請書を提出するとともに、9月6日に行われた貴人事委員会との意見交換の場においても、当面する課題等について改善の申し入れを行いました。
 昨日行われた報告及び勧告内容は、私たちの大きな期待に反し、昨年を上回る給与引き下げ勧告でした。府労連は、別添の抗議声明を発したところですが、改めて貴人事委員会に対し、下記項目について、明確な見解を文書で示していただくよう要請します。

1.官民給与の比較対象企業規模について、「業務の内容や組織形態、従業員の雇用関係等における公務と民間との類似性を確保しつつ、できる限り広くその実態を把握し反映することが求められる」として、従来の「100人以上」から「50人以上」に変更するとされました。
  公務員の給与について様々な議論が行われており、民間企業にも様々な規模が存在することは周知の事実ですが、その上で大阪府職員給与と比較する民間企業は、何人の規模であれば妥当とするのか、その理由も含めて明らかにされたい。

2.本年の勧告で比較対象とされている「民間給与」について、各種統計資料及び本年の経済動向、さらに本年の国と他府県人事委員会勧告と比較してもあまりにも低額であると考えます。
  公表可能な資料を示して、私たちが納得いく説明をされたい。

3.公民較差を考慮して「給与上の措置」をとることを勧告され、この「給与上の措置」について、様々な方法によることを否定するものではないとしつつ、給与構造改革に伴う経過措置としての現給保障による給料の差額を減じることが妥当とされています。地域手当等を減額する方法等もあると考えますが、現給保障の減額を妥当とする理由を明らかにされたい。
  また、これだけ大きな格差を減額するのであれば、府人事委員会として独自の給料表を勧告すべきだと考えますが、これについての見解を示されたい。

4.4月からの較差調整について、「期末手当等に係る較差に基づかない減額措置が既に講じられていることを考慮すべき」としていること、また「公民の較差に基づかない給与抑制を継続することのないよう重ねて求める」ことについては、これまでの府労連の主張に配慮したものであり、一定、評価するものです。しかし、もう一歩進んで「一時金カット相当額は減額調整の必要がない」、「一時金の時限的カットを定めた特例条例を廃止すべき」、「大阪府行財政改革プログラム(素案)における一時金カットの継続と地域手当の据え置きは行うべきでない」と明確に勧告すべきであると考えますが、これについての見解を示されたい。

5.今年度から実施された給与構造改革に伴い、行政職給料表の旧4級に在級する職員が新2級に切り替えられ、2級の最高号給である125号給に454人、124号給に58人が滞留し、「努力しても昇給しない職員」が多数発生することになりました。府労連は、これを解決するため「新たな任用制度の創設」と「最高号給の延長」を貴人事委員会に強く求めてきました。3月17日、6月12日、8月11日の3度に亘る要請を行い、9月6日に行われた人事委員との意見交換の場でも強く申し入れたところです。しかし、貴人事委員会は、この間の府労連の申し入れを全く無視し、最高号給延長を勧告しませんでした。理由は、「新たな任用制度(副主査)」を創設したので必要が無いということのようですが、必要が無いとする具体的な理由を明らかにされたい。

6.人事院は、官民格差とは切り離して「我が国全体として少子化対策が推進されていることに配慮し、扶養親族である子等のうち、3人目以降に係る支給月額を1,000円引き上げ、2人目までと同額にする」との勧告を行いました。この勧告が少子化対策になるのか疑問の残るところですが、大阪府等4府県を除く他の都道府県人事委員会においては、人事院と同様の引き上げ勧告が行われています。しかし、府人事委員会は、既に民間を上回る水準にあるとして、引き上げ勧告を行わなかった。10月17日に発出された総務省総務事務次官通知でさえも、各自治体に対し「人事院勧告の趣旨にかんがみ適切に対処すること」とされていること、また、大阪府が率先して少子化対策を進めるためにも引き上げを決断すべきであると考えますが、これについての見解を示されたい。

7.国は、民間の事務・管理部門においては、休息時間が普及していないことから、本年7月より休息時間を原則廃止し、休憩時間を原則60分としています。貴人事委員会は、府における休憩時間は適切に運用されており変更する必要はないが、休息時間の廃止については、「検討の必要性は否めない」としています。休息時間を廃止するということなのか、検討する方向を明らかにされたい。
  また、府内民間企業の週所定内勤務時間が38時間43分、一日あたり7時間42分との調査結果を発表していますが、具体的な勤務時間短縮については、民間や国、他府県の動向を注視しつつ検討するとしています。民間との均衡を主張するなら、たとえ15分でも一日の勤務時間短縮を勧告すべきであると考えますが、これについての見解を示されたい。

8.地方公務員の給与、勤務時間その他の勤務条件の根本基準は、地方公務員法第24条第3項(均衡の原則)に規定されています。府職員の勤務条件は、給料・手当・勤務時間・休暇など多岐にわたっていますが、府人事委員会の基準はどこにあるのか、その考え方を明らかにされたい。
以 上