機関紙「自治労府職」

 2006年2月11・21日号

春闘学習会
時代の転換点と公共

小さな政府は夜警国家的な暴力装置強化の恐れ

 自治労府職は13日、府本部と共催で春闘学習会を開いた。学習会には自治労府職をはじめ、府内市町村からも多数の組合員が参加し、新別館の多目的ホールは300人を超す組合員で埋めつくされた。
 「地域社会の再生と公共サービスの果たす役割」とと題し、東京大学大学院の神野直彦教授を招いての学習会は、現在を重化学工業の時代から情報・知識産業の時代へと変わる大きな転換点と位置づけ「19世紀の『軽工業の時代』は、アダム・スミス的な小さな自由主義的国家であったが、このころから、ドイツでは財政学者は大きな政府を主張するなど、政府のあり方について議論がされてきた。しかし『小さな政府』が機能するには『大きな共同体』が無ければ成立しない。最小の共同体は『家族』であり、家族の中だけでは市場原理は働かない。地域社会など、さまざまな共同体が小さくなる中で『小さな政府』にしてしまうと夜警国家的な暴力装置を強くする必要があり、いまの日本はまさにその状態にある」「北欧では、時代の変革に対し、かつての良い面を生かしながら新しい状況に移ろうとしており、ソーシャルキャピタル(社会資本)としての人間の絆を重視している。対人信頼度の国際比較でも、日本社会では信頼関係や人間の絆が崩壊していることが結果として出ており、日本の現在の危機は将来への不安と共同体の崩壊が招いているのもだ」「公共サービスは、なぜ無料で供給しているかというと、人間の欲求には『欠けてはいけないニーズ』と『無限に広がる欲望』の2種類がある。『ニーズ』は共同体のなかで満たされるもので、満たされない場合にうめる責任は地方自治体にある。『欲望』は市場に任せれば良く、そのどちらでもない『グレーゾーン』であれば地域がどう考えるのかで判断すればよい」として、「公共サービスは内部の効率性と外部の効率性を考える必要があり、外部効率性を高めるには決定と実行の過程に住民を入れ、民主主義を徹底するしかないが、内部効率性を高めるにはボトム・アップによる目標管理で、自己実現をはかるための位置づけを明確にしなくてはならず、多くの公務員は『お金のため』と言われるとやる気を喪失してしまう」などとして、地方自治体の担うべき役割などについて語った。
 最後に、山嵜書記長から、06春闘を府本部の仲間とともに闘い抜く決意表明が行われた。


人事院交渉
小規模企業を調査対象へ検討
公務員連絡会は一方的な準備作業に反対を表明

 公務員連絡会は1日、人事院給与局長と交渉をもち、官民比較方法のあり方に関わる作業状況をただした。
 人事院給与局長は「官民比較方法のあり方は、昨年11月に官民比較方法のあり方に関する研究会を、1月23日には給与懇話会を発足させ、検討を進めている。この夏の勧告にむけて作業を進める時期にきているので、民間企業給与等実態調査において、100人未満の小規模企業を調査対象に加えることについて検討をはじめる。その一環として、人事委員会との意見交換を行うなどの準備作業を進める」とし、本年の民調で小規模企業調査を実施すべく検討を開始し、準備作業にはいるとの見解を表明した。
 これに対して公務員連絡会は「閣議決定内容は人勧制度の根幹を揺るがすものであり、これに人事院がどう対応するかは極めて重要な課題だ。われわれとしては、人事院の毅然とした対応を求めたいし、2005春闘の総裁回答、6月23日の総裁見解で示した姿勢を堅持してもらいたいと考えている。小規模企業調査の実施については反対であり、われわれとの合意のないまま一方的に準備作業を進めることは認められない。今後、この問題について交渉・協議をさせてもらうが、小規模企業調査を実施するか否かの最終交渉は春闘回答の総裁交渉の場としてもらいたい」と、公務員連絡会としては小規模企業調査は反対であり、一方的に準備作業を進めることは認められないとの態度を明らかにした。
 しかし人事院給与局長が「代償機能は十全に果たす姿勢に変わりはないし、その姿勢を堅持するために何をやるべきかという判断に基づいて提起している」とし、小規模企業調査の実施の準備を進めたいとする姿勢を変えなかったため、公務員連絡会側は2006春闘交渉の最重要課題として交渉・協議を強めることを通告し、この日の交渉を打ち切った。
 給与局長交渉後、公務員連絡会は企画調整会議を開き、@2月3〜6日にかけて各級機関単位の人事院総裁宛緊急打電行動に取り組む、A全人連・都道府県等人事委員会への申入れ行動を実施する、B人事院への要請はがき行動を前倒しして実施する、C人事院との交渉・協議を強化する、など小規模企業調査に反対する当面する取り組み方針を決定した。


スカイウェルネスクラブ閉鎖を提案

 総務サービス課は8日、新別館北館で地共済が運営している「スカイウェルネスクラブ」の閉鎖を自治労府職に提案した。3月9日までを協議期間としており、本部では職場議論を経て、態度を決定する。
 スカイウェルネスクラブは、1997年に職員の健康保持増進をはかる目的で設置され、府民にも開放するなどしてきたが、周辺に同様施設が設置されるなど利用者の増加が見込めない状況とのこと。
 自治労府職では職員の健康を保持するための方策は必要であるとの立場で総務サービス課と協議を進めるつもりであり、職場の皆さんの積極的なご意見をお待ちしております。

スカイウェルネスクラブの閉鎖について
1 提案理由
  スカイウェルネスクラブは、新別館北館に職員の健康保持増進施設として平成9年に設置し、一般府民にも開放しながら、効率的運営に努力してきた。
  しかし、近年、設備の老朽化や近隣での充実した設備を有する類似施設の設置などにより利用者が減少し、現状での経営が極めて困難な状況となっている。更に、今年7月に市町村共済施設のオープンが予定されており、将来的にも利用者の増加が見込めない状況にある。
  一方、職員の健康保持増進については、平成13年に福利厚生倶楽部に加入し、府内一円でフィットネスクラブが利用可能となったことや近隣施設の状況などから独自に施設を設置する必要性が薄れており、スカイウェルネスクラブを閉鎖することとしたい。
2 提案内容
  スカイウェルネスクラブを閉鎖する。
3 実施日
  平成18年9月30日


平成18年度組織改正案

 大阪府の平成18年度組織改正(案)が20日、明らかになった。(別添
 「大阪の再生と再建の強力な推進をめざし、知事のトップマネジメントを支援する政策・企画機能の強化をはかるため」として、知事公室と企画調整部を統合してできる「政策企画部」の設置と、「大阪再生の加速をめざし、アジアを中心とした集客・交流を通じた賑わいの創造による府域の活性化を総合的かつ戦略的に推進」として「にぎわい創造部」を設置することなどを柱に行われ。「土木部」を「都市整備部」に、「建築都市部」を「住宅まちづくり部」に改称、「病院事業局」は、独法化に伴い廃止され、業務は健康福祉部に病院事業課を設置する。


自治労府職第88回臨時大会
3月14日(火)
17時00分スタート

ヴィアーレ大阪
議案

・大阪府立病院機構労働組合連合会の設立及び自治労大阪府職員関係労働組合への加盟について
・当面の闘争方針 など

職場からの政策づくり
自治研集会に関議員を招き、公社改革から府政改革を展望
議会と連携した政策提言活動

 自治労府職は8日、エルおおさかで「職場からの政策づくり」をテーマに自治研集会を開きました。今年は「建設支部の土地開発公社改革の取り組み」と「いま、大阪府が進めている指定管理者制度導入にかかる各支部の取り組み」に焦点を当てた内容となりました。
 建設支部は土木部、建築都市部、企業局の広範な職場エリアにわたり府の公共事業にかかる業務を担う組合員で構成されています。大阪府土地開発公社は、これまで公共用地の先行取得をすることで社会資本整備に寄与してきました。しかし、地価の下落傾向が続き、また、土木部の野放図な取得計画により、その保有地が「隠れた負の遺産」となっていることを建設支部は指摘し、改めるように要求してきました。この公社改革は、土木部のこれまでの施策を改める改革でもあります。この改革は、本部の指導のもと、府議会民主党とも連携しながら、改革に取り組んできました。
 集会は、はじめに建設支部の酒井さんから基調報告を受け、次に大阪府議会の関まもる議員から議会としての問題認識と取り組みについてご講演いただきました。特に、関議員の講演は「単年度会計という役所のシステムになじまない公共施設や社会資本整備の中で公社の役割は大きなものがあるものの、府民の血税であることを肝に銘じて一つ一つの案件を大切に処理していかなければならない」との強いメッセージと具体的な例などもわかりやすく説明され、参加者から「とてもよくわかった」との声も聞かれました。関議員からは、この公社改革で示されたように、今後も自治労府職と民主党が緊密な連携を図っていきたいと述べられました。職場の課題解決については労使交渉で解決することが重要ですが、政策課題は困難な側面も多々あります。今後、労働組合の政策提言活動を実施させるためには、議会との連携は欠かすことができないことが、この公社改革で示されたと言えます。
 続いて、府立施設の多くで進められている「指定管理者制度」の導入について、ほぼすべての案件について1月末までには管理者選定が出てきています。指定管理者問題や市場化テストでは、府民サービスの低下を許さないことはもちろん「関係労働者を組織化しその雇用、労働条件を低下させない」など、自治労として積極的に取り組んでいくことを方針化していますが、なかなか進んでいないのが現状です。
 支部の取り組みとしては、労働支部の橋本さんから、エルおおさかの管理業務にかかる労働協会での組合の組織化とその後の支部・労働協会労組との連携による当局交渉の経過、そして続いて当該労働協会労組の下崎執行委員長からの訴えも行われました。
 総務支部の橘さんからはドーンセンターの管理・運営で、ドーンセンター労組との協力について報告がありました。
 5月12・13日には大阪府本部の自治研集会が開催されますが、建設支部の取り組みをはじめとして、自治労府職自治研推進委員会としても積極的に参加していきたいと思います。
※次号では参加者の報告を掲載いたします。
【自治体政策部 発】


高率でスト批准
去年を上回る批准率(89.11%)で成功

 民間労組の要求提出が相次ぎ、春闘が本格化している17日、自治労府職はストライキ批准投票を行った。結果は投票率92.59%、賛成率96.24%、スト批准率89.11%で、昨年2%以上を上回る圧倒的な成功を収めた。
 これは、年間を通じて一波につき2時間を上限とするストライキ権を自治労中央闘争委員会に委譲するため行われたもので、高率での成功は自治労府職の団結を内外に示すもの。組合員の皆さんの引き続きのご結集をお願いします。


連合大阪春季生活闘争そう決起集会に参加を!

と    き  3月3日 18:30集会  19:00デモ
と こ ろ   扇町公園
スローガン  「みんなのはたらき みんなに分配 幸せの底上げを」
         〜「生活防衛から〜生活向上へ」「下支えから底上げへ」〜
デモコース  西梅田コース