機関紙「自治労府職」
2006年3月21日・4月1日
すべての病院職員に責任を持つ労働組合の連合体組織
府立病院労連が結成大会
4月1日に大阪府から独立行政法人に移行するのを前に、府立の病院に存在する労働組合・支部が、大阪府立病院機構労働組合連合会(略称:府立病院労連)を結成し、大鳥執行委員長(羽曳野病院労組)、青木書記長(中宮病院労組)をはじめとする執行部を確立した。また、同日に行われた自治労府職(関係労組)第88回臨時大会で、府立病院労連の関係労組への加盟が承認され、副執行委員長に府立病院労連の青木書記長を選出した。これらに伴い、自治労府職(関係労組)は、社会保険労組、労働局職安労組、自治労府職(府費労組)に府立病院労連を加えた4団体を構成組織とする連合体組織となった。
結成大会は、運営委員に渡辺さん(中宮)、大会議長に奥野さん(羽曳野)、大会書記に堀内さん(センター病院)を選出してスタートした。
呼びかけ人を代表し、中宮病院労組の青木執行委員長は「2002年の衛生対策審議会答申を受け『地方独立行政法人か、地方公営企業法の全部適用か』という二者択一を迫られ、私たちは『地方公営企業の全部適用を行え』とする方針を立て、地方独立行政法人化反対闘争委員会を設置して全力で闘いを進めてきた。残念ながら去年の2月議会で地方独法化の定款が可決され、残念ながら、4月から独法化となった。4月1日から、私たちの適用法規も『地方公務員法』から『地方公営企業等の労働関係に関する法律』に移行されるということで、中宮病院では4月、羽曳野病院では5月に労組を結成し、どのような闘いを進めていけばよいのか勉強してきた。そのなかで4月からは『新たな労組として出発する地盤』が必要であるとして、府立病院労連を結成することとなった。これから、府立の病院が一体となった取り組みのなかで、自治労運動を前進させていきたいと考えている」とあいさつした。
来賓として出席した自治労府職の大橋執行委員長は、府立病院労連の結成にいたるまでの関係者の労苦に敬意を表するとともに「残念ながら独法となってしまうが、これからは、したたかに労働条件を守りながら、病院職場をどう守っていくのかということが大きな課題。府民が必要とする病院づくりに向けて、さまざまな知恵を出しながら、将来にわたって存続する病院をめざし、率直に意見交換をするなかでの取り組みをお願いする」とするとともに「自治労府職が結成されて60年となるが、中宮病院ではそれ以前から労組が結成されていた。これまでの経験もあるだろうから、過去の闘いに学びつつ、認識を新たにした取り組みを強めてもらいたい」とあいさつした。
議事では、府立病院労連の設立(案)、規約・規則の制定(案)、会計・予算(案)、役員の選出(案)、自治労府職役員の推薦(案)、の提案が行われ、すべての議案が満場一致で決定された。また、大鳥執行委員長(羽曳野)、青木書記長(中宮)などの新体制を確立した。新たに選出された大鳥執行委員長は「府民に信頼と安全・安心を与える医療サービスを提供できるよう、労使が切磋琢磨しながら、働きがいと希望のある職場づくりをめざすとともに、組織拡大に全力で取り組み、強大な府立病院労連をつくり上げる」と今後への決意を語った。
大会宣言を確認後、大鳥執行委員長の団結ガンバロウで、独法化後も2単組2支部が一丸となって取り組みを進めていくことを誓った。
府立病院労連の役員体制
委員長 大鳥美矢子(羽曳野病院労組)
副委員長 大石 利樹(センター病院支部)
書記長 青木 浩幸(中宮病院労組)
書記次長 臼井 久直(府立病院支部)
会 計 飯森 勝司(中宮病院労組)
執行委員 神宿 正典(羽曳野病院労組)
会計監事 奥野 智美(羽曳野病院労組)
会計監事 堀内 義信(センター病院支部)
府立病院労連の加盟を決定
4単組で自治労運動を前進
副委員長に青木さん(府立病院労連)を選出
自治労府職(関係労組)は3月14日、ヴィアーレ大阪で第88回臨時大会を開き、府立病院労連の加盟を満場一致で決定するとともに、副執行委員長に府立病院労連書記長の青木さんの選出を確認した。また、当面の闘争方針を確立した。
大会は本部書記次長の則定大会書記長あいさつで開会し、議長団に総務支部の竹下知法代議員、中宮病院労組の真田朝子代議員を選出した。また、議事運営委員長に職安労組の芝野紀夫代議員、資格審査委員長には吉留隆代議員が選出され、大会運営に当たった。
大橋委員長は「さまざまな議論を重ね、今日を迎えた。今後は『展望の持てる組織』『府民から求められ、信頼される病院』作りと同時に『安心して働き続けることができるのか』ということを考えながら、これまでの経験を生かしてがんばって欲しい」と新たに自治労府職(関係労組)の構成組織となった府立病院労連を激励した。
議事では、府立病院労連の設立及び自治労府職(関係労組)への加盟について(案)、自治労府職(関係労組)の規約・規則について(案)、自治労府職(関係労組)の役員の確認及び副執行委員長の選出について(案)、当面の闘争方針(案)、を提案した。
質疑・討論では環境農林水産支部の伊藤代議員と社保労組の上廣代議員が発言。社保労組の上廣代議員は、社会保険庁改革の現状と今後の取り組みについて「社会保険庁を廃止し、年金と健保を担う組織を分離する方向で法案が出されている。労組としては、08年にできる新組織には、現行の社会保険職員が引き続き担い、やりがいと誇りを持って働ける職場・組織の確立に向けて精一杯がんばっていく意思統一を行っている。そのためには利用者の立場に立った社会保険改革を私たちが主体的に進めていくことが必要だと考えている」として、組織のあり方も含め、自治労府職に結集し、取り組みを進める決意を語った。
採決では、すべての議案が原案どおり満場一致で決定された。
松山ユース部長からの大会宣言に続き、西岡副委員長の団結ガンバロウで4労組が共闘して取り組みを進めていくことを意思統一した。
当面の闘争方針では組織拡大に向けて、4月1日から30日を組織拡大取り組み強化月間に設定し、異動者・新規採用者に対し、パンフや教宣物を強力に加入の働きかけを行うことが決まった。
府立の病院闘争はこれからが正念場
臨時大会での大橋委員長あいさつ(要旨)
臨時大会に先だち、府立5病院の皆さんの努力で府立病院労連が結成された。約5年間、さまざまな議論を重ね、時には胸ぐらをつかみ合うような厳しい議論を戦わせた場面もあった。各種行動に対し、病院職場ならびに病院職場以外からも、支援・協力をいただきいたことに対し、厚くお礼申し上げる。しかし、これからが本当の正念場になるとも思っており、大阪府立の病院として、どのように『展望の持てる組織』『府民から求められ、信頼される病院』を、どのように作っていくのかということと同時に『自分たちが、いまの職場で定年まで安心して働き続けることができるのか』ということも考えながら運動を進めていく必要がある。しかし、病院の皆さんは、独法化にいたるまでの経験を糧にし、団結を強め、組織拡大を進めながら、さまざまな取り組みをお願いしたい。本日の臨時大会では、全会一致で府立病院労連の加盟について確認をいただきたい。
先日、連合大阪官公労組連絡会の会議に参加したがが、構成員には国家公務員、郵便局、地方公務員とさまざまであるが独法化や民営化の動きに対し、どのように対応していくのかを議論が進められている。いずれも公務員は非常に厳しい環境に置かれつつあるが、これは昨年9月11日の選挙の結果、自公両党で327議席と院内で3分の2を超える大きな与党となったことが大きな原因のひとつであろうと思っている。少しかけ離れている話のように思われるかもしれないが、昨年から府労連闘争を構築して闘いを進めている給与制度改革の問題も『国がこうだから、それに準じてやりたい』という流れになっている。その、国自身の船頭は自公政権にあり、そこを変えなければ状況は改善されないという思いをしている。
本日の大会で確認されれば、これまで関係労組は3つの単組を構成組織として活動してきたが、今後は府立病院労連を含む4単組となる。それぞれの力を結集しながら、自治労府職が力強く発展していくよう、先頭に立って奮闘する。
国費評労働部会第4回学習交流会
職安の民営化・独法化に反対
実効ある雇用対策実現に向け、連合・自治労に結集
規制緩和による雇用不安の増大や市場化テストによるハローワークの民間開放など極めて厳しい情勢の中、連合と自治労の運動を第一線から底上げし、職場の声や組合員の期待に応え実効ある取り組みを展開するため、自治労国費評議会労働部会連絡協議会は、第4回の「学習交流会」を東京で開催した。
3・10学習交流会では、@深刻な雇用不安の中、職業安定行政の充実・強化を求め社会的要請に応えられる第一線機関の行政機能強化を求める、A労働者保護に逆行する雇用・労働分野の「規制緩和」や「ハローワークの民営化や独法化」反対する、B職業安定行政の地方分権をめざし、都道府県の労働行政や自治体の雇用施策と職業安定行政の連携を確保する、C労働を中心とした福祉型社会の実現をめざし、有効な雇用労働政策を展望する、D労働部会連絡協議会の活動を進め、4組合(大阪職安労組、東京職安労組、沖縄国公労働支部、大阪職安支部)の連携・協力を強化するなど、基本的取組の確認、具体的運動を展望しつつ学習と交流を深め、闘う決意を新たにした。
労働部会を代表して山本部会長が開会のあいさつを行い「ハローワーク民営化」に反対し、実効ある雇用対策の実現に向け、連合、自治労への結集し職場からの活動を積極的に進めたいと、参加者全員に激励とよびかけを行った。
次に、高端国費評議会議長から主催者あいさつ、自治労都本部と都庁職からもあいさつをいただき、共に闘うことを再確認した。続いて、芳賀国費評議会事務局長が激励報告として、社会保険庁改革議論の現状、社会保険職場の課題、国費評議会の対応・取組など中央情勢を含めた説明の後、「厳しい現状だからこそ」一人ひとりの組合員が活発に意見を交換し、明るく元気な職場をつくることが重要と結んだ。
基調報告では、駒井副部会長が本学習会の位置付けと目的、市場化テストによるハローワークの民間開放の問題点と、要求実現に向けた具体的戦略を報告し、参加4組合からは、それぞれの代表が活動状況や抱えている課題、今後の取り組みへの決意表明を行った。
最後に、連合総合労働局の長谷川局長から「小さな政府論への対抗軸=雇用労働契約法制の攻防」と題した記念講演を受けました。
講演終了後、参加者との意見交換が行われ「厳しい状況を改めて認識した」「職場段階からの運動が必要だ」「今こそ団結して立ち上がる時」との声が聞かれました。
【職安労組発】