機関紙「自治労府職」
2006年7月1・11日号
第6回中央委員会
平岡さん再び中央で奮闘
平岡伸さんを特執に選出 7月から中央本部へ
自治労府職(関係労組)は6月23日、第6回中央委員会を開き、社保労組の副執行委員長の平岡伸さんを関係労組の特別執行委員に選出した。
平岡さんは「われわれに求められているのは、利用者としっかりと説明責任をはたし『将来を託したい』と思われる組織を作ることだ。大阪をはじめ、全国の社会保険事務所で歯を食いしばって業務に奮闘している組合員の先頭に立ち、社会保険庁改革推進のため、再び中央で頑張らせてもらう」と決意表明した。
中央では国費評議会担当となり、任期は2006年7月1日から07年8月の自治労大会終了までとしている。
7月5日に開かれた自治労府本部中央委員会でも平岡さんを特別執行委員に選出することが満場一致で確認された。
自治労府職も平岡さんの中央での活躍に向けて、組織を挙げて活動に参加していく。
【府費労組中央委員会】
自治労府職(府費労組)は、関係労組の中央委員会に先立って第5回中央委員会を開き、2006年府労連夏季闘争での闘争委員会見解について賛成の立場で臨むことを確認した。
公務員連絡会がブロック別上京行動
拙速な官民比較方法の
見直し阻止に向けて取り組み強化
公務員連絡会は3日から5日に「官民比較方法の拙速な見直し阻止」など2006人勧期要求実現を求め、ブロック別上京行動を実施した。
ブロック別上京行動は、地域・職場の怒りの声を直接人事院に届けることを目的に、連続的な行動として設定したもので、大阪をはじめとする近畿ブロックは4日に上京し、決起集会や人事院交渉、人事院前での支援行動などを実施した。
決起集会で山本事務局長が「7月7日に閣議決定される予定の骨太方針2006では、公務員総人件費を2・6兆円削減することが盛り込まれる。政府・与党は、無原則で一方的かつ無謀な政策を実施しようとしている。われわれは、政治による労使関係の否定に断固抗議し、政府の構造改革・財政再建路線を転換させる闘いに粘り強く取り組むとともに、当面の官民比較方法などの闘いに全力で決起していかねばならない」と、中長期の構造改革路線に対する闘いと併行して当面の人勧期闘争に全力で決起することを訴えた。
交渉は、各ブロック毎に構成組織地域代表が参加し「企業規模の見直しは地方により大きな影響を及ぼす。昨年の地域給与に続く給与引下げは認められない」「景気上昇局面といわれているが、地域経済はまだ疲弊している。地域の公務員給与が引き下げられれば、さらなる中央と地方の格差拡大となる」「人事院は政治の圧力に屈せず第三者機関として毅然と対応せよ」と、企業規模の拙速な見直しを行わないよう求めた。これに対して参事官は「人事院は経済政策や財政事情を考慮して勧告を行うわけではない。官民比較方法の検討は政治の圧力に屈して始めたわけではなく、昨年の秋の国会で与野党を問わず議論があり、これまでの公務員給与に対するコンセンサスが崩れつつあると認識したためだ」などと、これまでの人事院の公式答弁を繰り返すのみで、地域の切実な声に応える姿勢を見せなかった。このため、参加者は口々に人事院の頑なな姿勢に抗議し、今後の交渉で誠意ある回答を示すよう強く迫った。
公務員連絡会は、ブロック別上京行動の成果を確認しつつ、7・19第2次中央行動、8・1第3次中央行動をヤマ場に設定し、拙速な官民比較方法の見直し阻止に向けて取り組みを強めていく。
リレーで平和をつなぐ
自治労府職が府庁前で出迎え
6月27日から7月4日にかけて府内で取り組まれた「反核平和の火リレー(日本青年学生平和友好祭大阪府実行委員会主催)」が3日、府庁向かいの大阪城公園ロータリーでセレモニーを行い、自治労府職がランナーを出迎えた。
「戦争による犠牲者をこれ以上増やしてはならない」との原爆被害者の声に広島の青年らがこたえての活動で、今年で19年目となっている
沖縄平和行進参加者レポート…終
平和を考える輪が広
がれば何かが変わる
職場からのご支援に感謝
稲嶺知事が政府案に基本合意するなど米軍再編の動きが急展開するなか、今回で29回目の5・15平和行進が5月12日に、全国から集まった1100人が東・西・南の3コースに分かれて名護市、本部町、那覇市からスタートした。
自治労府職行進団の初日は、本部町から今帰仁村を行進。近くに「ちゅら海水族館」があるが、レンタカーで訪れると感じることができない基地の無い沖縄、昔ながらのゆったりした時間が流れる沖縄の集落を、地に足をつけることで体感できた。
2日目、3日目は、基地のある読谷村、嘉手納町、北谷町、宜野湾市を「新基地建設は許さない」「新沿岸案を撤回せよ」などシュプレヒコールをして行進。最終的には沖縄の大学生らも大勢参加し、行進団も大規模になった。平和行進について、地元新聞では毎日、五大紙でも九州の面で取り上げられていた。
基地の近くでは軍用機が飛び交い、道路では軍用車を見かけることが容易である。戦闘機が近くを通ると雷に似た大きい音がし、私たちは驚くのだが、地元の人はその音を聞いても慣れているのか反応しない。そのすぐ近くには住宅地があり、基地の中で働いている人もそこの住人であり、軍と町は共存している。
沖縄でも、基地に反対する人、賛成する人、さまざまな立場や主張があると思う。しかし、基地の無い暮らしをしている私の目からみれば、やはり米国の基地が町の真ん中にある生活や戦闘機の音に慣れている生活はおかしいと感じる。
平和行進をすることで軍が沖縄から撤退することが急におこることは無いと思うが、参加者が平和行進の意義や参加者の目から見た沖縄の現状を伝えていき、平和について一緒に考えることが、その輪が広がれば何かが変わると思う。
このような貴重な体験を業務多忙の中にさせていただきました職場、組合員の皆さんに感謝の気持ちを申し上げます。
【社保労組 長谷昌紀】
映画
本当の兄弟愛に向け
それぞれの内面に迫る
ゆれる
2006年日本映画/原案・脚本・監督=西川美和/出演=オダギリジョー、香川照之、伊武雅刀/1時間59分/配給=シネカノン
かつて私たちは家族を描いたドラマに義理の仲の親子や兄弟が、何らかの出来事を乗り越えて、本当の親子、本当の兄弟になっていく話に涙したが、いまや、ただ血がつながっているというだけで信じていた愛はなんだったのか、と考えさせられる事件が毎日のごとく起こっている。
映画「ゆれる」では本当の兄弟愛、家族愛を取り戻すこと、作っていくということはどういうことかを、西川美和監督は兄と弟の内面をぎりぎりまで追い詰め描く。
温和で誠実で、故郷に残って父とガソリンスタンドを経営する兄の早川稔(香川照之)と、東京で写真家として、忙しいが自由で気楽な生活をしている次男の猛(オダギリジョー)。
仕事の都合で母の葬儀に出席することができなかった猛は一周忌のために帰郷する。喪服にも着替えず、革ジャン姿で遅れて法事の席に着く。頑固で寡黙な父・勇(伊武雅刀)といさかいを起こすが、稔が懸命に止める。法事を終えて、客とのトラブルを治めるためガソリンスタンドに行く稔についていった猛は、そこで働く幼なじみの智恵子に会う。食事がてら送っていくと連れ出し、智恵子のアパートに上がりこむ。真夜中に帰ると、稔は一人洗濯物を畳んでいる。
翌日、家族でよく行った渓谷に兄弟と智恵子の3人で行く。つり橋から渓流へ智恵子が落ちる。橋の上にいたのは稔だけだ。
智恵子の死は事故だったと決着がついたが、ある日、言いがかりをつけてきた客に逆上した稔は警察の取り調べを受け、そこで、智恵子を自分が突き落としたと口走ってしまう。
猛は父の兄で東京で弁護士をしている早川修(蟹江敬三)に稔の弁護を依頼し、拘置所の稔に面会する。稔は言う。「お前の人生は素晴らしいよ。自分にしかできない仕事をして、いろんな人に会って、いい金稼いで。俺みろよ。仕事は単調、女にはモテない、家に帰れば炊事洗濯に親父の講釈、で、そのうえ人殺しちゃったって、何だよそれ」
東京でカメラマンとして活躍する弟が自慢でもあるが、うらやましく、ねたましくもある兄。自慢に思う気持ちは、自分を惨めにする。
この関係は父・勇とその兄・修のもうひとつの兄弟にもあてはまる。父は家のことを弟の自分に押し付けて兄は東京で好き勝手なことをしてきたと、不満に思っていたのだ。
変わってしまった兄、自分の知らなかった一面を見せ始める兄にゆれる心を演じきるオダギリジョー。複雑な思いを笑顔で閉じこめ、その内面を目線一つで見事に表現する香川照之。
そして、この映画がこれでもかというほど感情を追いつめ、緊張を強いているのに、切なくて、いとおしい気持ちにさせるのは、稔が洗濯物を畳み、稔の服役中、父が洗濯物を干すなどの場面。兄と父、故郷に残った者の日常の生活を描くことで普遍性を獲得しているからかもしれない。
西川美和監督の言葉「この映画は間違いなく私にとって最良の友人として今ここに完成してくれました」
私たちにも良き友人となる映画だ。
▼7月15日(神戸は22日)ロードショー▼上映館/〈大阪〉シネ・リーブル梅田TEL06(6440)5930、〈京都〉京都シネマTEL075(353)4723、〈神戸〉シネカノン神戸TEL078(367)3868
労災事故のウラオモテ
確実に防げる熱中症
熱中症の季節である。まさか今どき、運動クラブの練習中に「水を飲んだら根性が鍛えられない」などという指導者はいないだろうが、ほんの少しの注意で避けられたであろう熱中症による死亡が新聞をにぎわせることがある。
だいたい炎天下のグラウンドで激しい練習を計画しているというのに、体調管理に気を配らないなんていうのは最低だ。そして10分から20分に一度の水分補給タイムは不可欠である。人間は体温の上昇を防ぐために汗をかき、その気化熱で調節するようになっている。だから汗をかいて体の水分が不足するとのどが渇く。熱中症対策で大切なのは、この「のどが渇く」という状況への対応だ。
のどが渇いている状態は、脱水を来しているということで、すでに時は遅い。心拍数も上昇し始め、運動のパフォーマンスは落ち始めている。炎天下の激しい運動や、重労働をやっている状況であれば、熱中症の一歩手前になっている。
激しい運動や炎天下作業に入る半時間ぐらい前に、渇いていなくても水分をとり、運動や作業に入ってからは、20分おきぐらいに水分をとる必要がある。とにかく「渇いた」と感じない状況を継続する必要がある。
補給する水は塩分が必要だ。昔は、水のそばに塩や塩昆布、梅干しが置かれていたりしたが、今はスポーツドリンクという便利なものがある。
ところで自分の水分補給が適当かどうか確かめる簡単な方法がある。運動や作業の前後に体重を計ることである。前後で減少が体重の2%を超えていたら水分補給は足りていない。だいたい3%以上の水分が失われると体温調節機能に影響がでるといわれている。
仕事で熱中症になり死亡する人の数は、平成11年以降、年間20人前後となっている。もっとも多いのが7月で、次いで8月、9月となっている。梅雨明けで、湿度が高い時期に熱中症は多発しているのである。時間では午後2時台から4時台で半分強が発生している。気温が高い上に、疲労が蓄積している時間帯ということなのだろう。
暑さの中で仕事をするときは、通常時より体調に気を配り、水分補給がときに生死を分けるということを作業者自身が知っておく必要がある。管理者は、その条件を確実に整えておかなければならない。労災としての熱中症は、ほんの少しの注意で防げるのだから。
連合大阪労働安全
衛生センター 参与
西野方庸