機関紙「自治労府職」
2006年8月1・11日号
月例給はマイナス勧告回避へ
人勧期闘争最大のヤマ場 第3次中央行動を実施
人事院 比較企業規模見直しを回答
公務員連絡会は1日、2006人勧期闘争最大のヤマ場となる第3次中央行動を東京で実施した。日比谷大音楽堂で行われた中央集会には4千人の仲間が参加し、勧告に向けて最後まで闘う決意を固めた。
中央行動を背景に行われた交渉で、人事院は、@勧告日は7日の週の前半、A比較対象企業規模の50人以上への拡大など官民比較方法の見直しを行う、B月例給は大きなマイナスとはならず、俸給表の改定を行わなくても良い見通しであり、一時金については最小限の引下げとなるかどうかの状況、C広域異動手当など給与構造の見直し関係の勧告を行う、D勧告日にあわせて育児の短時間勤務制度、自己啓発等の休業制度の意見の申出を行うよう努力、などと回答した。
回答に対して公務員連絡会は、企業規模の見直しについて「納得のいく説明もなく一方的に見直しを強行することは到底認められない」として、この回答に強く抗議し撤回するよう求めたが、人事院側がこれに応ぜず、交渉は物別れに終わった。公務員連絡会は、4日にも委員長クラス交渉委員による人事院総裁との交渉を予定し、勧告内容に関わる最終回答を引き出すことにしており、勧告日のギリギリまで、官民比較方法の拙速な見直しを行わないことや月例給・一時金の「維持・改善」を求め交渉・協議を強めるとしている。
日比谷大音楽堂で開かれた中央集会で丸山議長は「06人勧期は企業規模見直し反対を最大の課題に取り組みを進めてきたが、本日がヤマ場である。仮に、政府の要請を受けて人事院が賃金水準を引き下げるための企業規模見直しを行うとすれば、基本権制約の代償機能は『機能せず』と批判しなければならない。情勢は厳しく勧告日まで残り少ないが、最後まで拙速な見直し反対の姿勢でがんばろう」と、06人勧期の最終盤の闘いに決起することを訴えた。
激励に駆けつけた連合の高木会長は「連合は人勧期の皆さんの闘いを全面的に支持する。骨太方針の総人件費削減策の決定は公務の労使関係を否定するものだ。企業規模は社会的な枠組みであり人事院が一方的に見直せるものではない。仮に政府が公務員給与を引き下げたいというのであれば、小泉総理が私のところに直接話をもってくるべきだ」と、政府、人事院の姿勢を批判し、行革推進本部の下に設置された「専門調査会」の審議を通じて労働基本権問題や決定システムの抜本解決に向けて闘いを進める、と力強く決意を述べた。
連合中央
公務員給与に関連して人事院に申し入れ
人事院は「政治」の力に屈するな
連合は7月24日、人事院に対し公務員給与に関する申し入れを行なった。この申し入れは、7月7日に議決定された「骨太方針2006」の「歳出・歳入一体改革方針」で、政府が人事院に対し公務員の総人件費削減のために比較企業規模の引き下げなどを求めていることに対し、連合は、公務員労働者の労働条件を「政治」が一方的に方向付けることは認められないとの立場から、人事院に労働基本権制約の代償機関、中立・公正な第三者機関として毅然とした姿勢を貫くことを求めて実施されたもの。
連合から人事院に対し、申入書(下記参照)を手交し「比較対象企業規模など官民比較方法の基本的な枠組みに関わる問題は「池田・太田会談」をはじめ公務員給与の社会的基準として歴史的・制度的に形成されてきた経緯を踏まえ、変更には「公・労・使」はもとより、社会的合意に基づくべきであり、06勧告では当該組合と十分協議を重ね、慎重に対処することこと」などを求めた。
これに対し人事院は「歴史的な積み重ねと、今日的に見てさまざまなファクターがあるなかで本当に難しい問題であるが、公務員連絡会とは引き続き誠実に協議してまいりたい」とした。
連合は「労働基本権制約の代償機関であり、中立・公正な第三者機関である人事院は政治の圧力に屈することなく毅然とした姿勢を貫くこと」を重ねて求めこの日の申し入れを締めくくった。
2006年7月24日
人事院総裁
谷 公士 様
日本労働組合総連合会
会長 高木 剛
公務員給与に関する申し入れ
常日頃から、公務における中立・公正な人事行政の推進に向けてご努力頂いていることに敬意を表します。
さて、政府は去る7月7日、 2011年度に基礎的財政収支を黒字化することを眼目とした歳出・歳入一体改革方針を主要な柱とする「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2006」を閣議決定しました。
歳出・歳入一体改革方針は「財政健全化」の名の下に、国民生活の安心・安全を脅かす歳出削減や増税の可能性を示唆し、公務員の総人件費削減を重点項目に位置づけて、月例給、一時金の引き下げなど具体策に言及しています。このことは、公務における労使関係を軽視し、基本的な労働条件である公務員労働者の処遇のあり方を「政治」が一方的に方向付けることとなり極めて問題だといわざるを得ません。
こうした状況の中で労働基本権制約の代償機関である貴院は、本年の人事院勧告で官民比較方法を見直す考え方を明らかにしていますが、かりにも総人件費削減を求める政権与党の要請に従ってこれを行うならば、独立・代償機関の存立意義を危うくするものと考えます。
比較対象企業規模など官民比較方法の基本的な枠組みに関わる問題については、「池田・太田会談」をはじめ公務員給与の社会的基準として歴史的・制度的に形成されてきた経緯に鑑み、その変更に当たっては、「公・労・使」はもとより、社会的合意に基づくべきであります。
連合は、こうした手順・手続きを抜きにして法律的に「可能」であることをもって一方的に強行されるならば、労働組合権に対する重大な侵害と断ぜざるを得ず看過し得ません。
現在、公務員給与についてさまざまな議論が交わされていますが、その際重要なことは社会的な合意を再構築することです。そのためには、公務員の役割や仕事のあり方を含めた骨太の国民的な議論をこそ行うべきだと考えます。
以上の観点から、下記事項を申し入れますので、実現に向けて誠実に努力されるよう要請します。
記
貴院は、労働基本権制約の代償機関、中立・公正な第三者機関として毅然とした姿勢を貫き、官民比較方法の見直しの検討に当たっては、当該組合と十分協議を重ね、慎重に対処すること。
以 上
10日(木)18時30分から北区民センター
アジア民衆とともに8・15を問う
小泉靖国参拝を許さない大阪集会
求職者と求人企業の幸せのために
JOBプラザOSAKA
景気回復が叫ばれる中、大阪府での有効求人倍率も、バブル期に迫ろうとする1倍強となり、雇用も安定の兆しを見せている。しかし、昨今の求職者側での一番の問題は長期安定雇用の問題、いわゆる企業側との「マッチング」ではないだろうか。本当にその企業・業種に就労すべきなのか、今就業するタイミングなのか否か、選ぼうとするものは正しい選択かどうかといったように。
昨年10月3日にオープンした「JOBプラザOSAKA」は、おおむね35歳から55歳の中高年齢者、市町村が実施する地域就労支援事業(※)から誘導のあった障がいのある人、母子家庭の母親といった、就労にあたりさまざまな困難な要因を抱えている人たちの就職をサポートするために誕生した施設だ。
先述のとおりマッチングの問題は「JOBプラザOSAKA」での対象となる人にとっては最も不安な要素となり得るのではないだろうか? 今まで就業してきたことを本当に生かせる場所だろうか? 子育て支援がしっかりしている職場かどうか? 障がいがあってもスキルが自在に生かせる環境か? などなど。
また、求職者自身も再度自分を見つめ直し、スキル、環境、時期、本当に実現したいこと、生活設計などを現在の自身を客観的に直視して判断すること。そして次のステップへ向う材料が必要だと考える。
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求職者、求人企業の可能性を拡大
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その後、具体的な仕事紹介や進路、生活設計に関してカウンセラーがバックアップをする。
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求職者にとって「就業に関する活動」は、とかく迷いがちになるもの。自身の可能性を再発見するためにも、ぜひこの「JOBプラザOSAKA」を有効に活用してほしい。必ず人生のイメージがつかめるだろう。
〈JOBプラザOSAKA〉
▼対象/35歳〜54歳▼場所/エル・おおさか(府立労働センター)3階(大阪市中央区北浜東3―14
)▼開館時間/午前9時〜午後9時(休館日・年末年始のみ)▼TEL0800(123)4109(通話料無料)、FAX0800(700)6949(通話料無料)
※地域就労支援事業…市町村が、障害者や母子家庭の母親、中高年齢者などの中で、働く意欲がありながらさまざまな就労阻害要因を抱えるため、雇用・就労を実現できない就職困難者の雇用・就労支援を実施する事業
特別展 大和川の自然
大阪市立自然史博物館では第35回特別展として、9月18日まで「大和川の自然―きたない川?にもこんなんいるで―」を開いている。
「きたない川」という印象が強い大和川。しかし大和川流域には古くから人々が暮らし、川は人間の生活と深くかかわってきた。水の恵みを受けた水田が広がり、流路や河川敷には人の手が加えられ、そして川でもその周辺でもたくさんの生き物が力強くしたたかに生きてきた。
この特別展は、貝や魚、昆虫や水質など13の調査班に分かれて調査した大和川の姿を展示するもの。思いがけない「大和川」に遭遇できる特別展だ。夏休みのひととき、親子で訪れてほしい。
▼期間/7月29日(土)〜9月18日(月・祝)▼会場/大阪市立自然史博物館ネイチャーホール(花と自然の情報センター2階)▼交通/地下鉄御堂筋線「長居」駅下車3号出口より東へ800b、JR阪和線「長居」駅下車東出口より東へ1`b、長居公園内▼開館時間/午前9時半〜午後4時半、ただし7、8月の土日祝は6時閉館(入場は閉館の30分前まで)▼休館日/月曜日(祝日の場合はその翌日)▼観覧料/一般400円(本館入館とセット券600円)、高・大学生300円(本館入館とセット券400円)、中学生以下・大阪市内在住の65歳以上・障害者手帳を持つ人は無料▼問合わせ/大阪自然史博物館TEL06(6697)6221、FAX06(6697)6225、URL http://www.mus-nh.city.osaka.jp/