機関紙「自治労府職」

 2006年8月21日号

中央委員会
中央本部の定期大会は方針に
賛成の立場で臨むことを確認


 自治労府職は21日、職員会館分館の2階会議室で第7回中央委員会を開き、第1号議案「自治労第78回定期大会に臨む態度について」、第2号議案「2006年度補正予算(案)について」を提案し、すべての議案が執行部原案どおり可決・決定された。
 24日から25日にかけてさいたま市で行なわれる自治労第78回定期大会に対し、自治労府職は「自治労運動推進の立場で府本部の一員として運動を進めており、今大会についても、これらの方針を大阪の地で実践する立場」として「賛成の立場で臨む」とした。
 本年は2年に一度の中間年大会で、役員改選の時期ではないが、第6回中央委員会で確認された自治労府職特別執行委員の平岡伸さん(社保労組副執行委員長)が中央執行委員に選出される予定となっている。すでに中央で奮闘している植本副中央執行委員長(自治労府職特別執行委員)と併せ、単組から、2人を全力で支援していくことを確認した。
 なお、代議員は、大橋敏博執行委員長と西岡裕副執行委員長とし、現地での対応は一任することとした。


小泉首相の靖国参拝を許さない8・10大阪集会
憲法違反は明白


 「アジア民衆とともに8・15を問う!小泉靖国参拝を許さない8・10大阪集会」が、大阪市北区民センターで850人を集めて、大阪平和人権センター・日朝日韓民衆連帯8月行動実行委員会の主催で開かれた。
 61回目の「8・15」を迎えるにあたって、被害・加害の両面から歴史を問い直し、改めて不戦の誓いを内外に明らかにしていくことが求められている。01年小泉首相は、国内外の反対の声を無視して靖国神社を公式参拝し「違憲」の判断と損害賠償を求める裁判が全国6地裁で始まった。
 戦前は軍が靖国神社を管理し、天皇制=国家神道のもとに「靖国で会おう」と戦場に人々を追いやっていった。その反省から憲法20条には「政教分離」規定が定められている。韓国や中国に言われてではなく、日本の憲法に違反していることは明白であるが、小泉首相はその後も毎年参拝を続け、過去の清算をしない日本の軍国化をめざす象徴的な行為として、世界中からの抗議の声があがっている。
 集会では、小泉首相の靖国参拝は、東アジアの周辺国の憂慮を何ら気にかけない。8・15の靖国参拝は、到底容認できないと締めくくられた。
【執行委員 井上忠宏】


本庁ブロックが定期総会開く
人任せではなく主体的な活動参加を


 中央地区評本庁ブロックは9日、以和貴荘ハーモニーで第16回定期総会を開いた。総会には本庁周辺の分会役員を中心に40人が集まった。
 地域からはユニオンひごろ、ユニオンぼちぼちの仲間が参加し連帯のあいさつを行なった。
 山口議長(総務支部)は「私たちを取り巻く状況は厳しく、地区評がしっかり活動していく必要がある。今日の総会を皮切りに全体で議論を進め、人任せの運動ではなく、個々人が主体的に活動に参加していくことができる運動・組織をつくるため、さまざまな意見を出し、議論していただきたい」とあいさつした。


労働支部・総務支部・直属支部がイベントを共催
マジック&海遊館で夏を満喫


 子どもたちの夏休みも終わりに近づく19日、労働支部・総務支部・直属支部は合同で、家族参加型「夏イベント」を天保山のホテルシーガルで開いた。マジックショーを見ながらのホテルでのランチバイキングと似顔絵サービス、おなかが膨れたあとは海遊館、観覧車までのイベントに、支部の枠を越えた178人の参加者は、たっぷりと遊びを満喫した。
 労働支部の橋本支部長による「オィッス…」と「●●だよ全員集合」をほうふつとさせるあいさつで始まったイベントは、参加者がバイキングを楽しむ一方で、後藤副支部長からの「海遊館で魚を楽しく見るための学習会?」ともいえる説明を皮切りに、参加者を十分に楽しませるよう、マジシャンの「リチャード・シブヤ」さんを招き、子どもたちとの掛け合いで会場をわかせながら、バルーンマジックなどを行なった。
 また、同時進行で似顔絵コーナーを設け、似顔絵師の前田まちゃ彦さんに「かいてもらう権利」をゲットした子どもたちの似顔絵をかいてもらい、特徴を捉えた可愛い似顔絵に、かかれた参加者も大満足だった。
 バイキングは総務支部の中垣支部長のあいさつで終わり、参加者は海遊館と観覧車に移動し、夕方まで遊びを満喫した。


劇団『ふるさときゃらばん』ミュージカル

地震カミナリ火事オヤジ

きみは災害列島のヒーローだ


価  格  4,000円(通常前売り価格5,000円)
      ※お支払い方法は、お申込みの方に自治労府職からご連絡いたします。

申込締切  9月1日(金)まで

会  場  シアターBRAVA!
      大阪市中央区城見1−3−2

公演日時  9月12日(火)、15日(金)、
        19日(火)、20日(水)、
        上記は、いずれも午後7時開演
      9月17日(日)午後2時開演

申込方法  電話かFAX、メールでお申込みください。お申込みの際は@お名前、A希望枚数、B希望公演日時(上記日時から選んでください)、C職場名、D連絡先電話番号、をご記入またはお教えください。

申 込 先  自治労府職本部教宣部
      電 話 06−6945−4056(直通)
      FAX 06−6945−1315
      メール jichifu@j-fusyoku.jp


 自治労府職では、連合大阪や大阪府が後援している「劇団ふるさときゃらばん」のミュージカル「地震カミナリ火事おやじ」の趣旨に賛同し、組合員に限り特別価格でチケットのあっせんを行ないます。
 ご希望の方は、自治労府職本部までお申込みください。

 ミュージカル「地震カミナリ火事オヤジ」は、防災と地域コミュニティがテーマです。「いざというとき、地域を守るのは誰?」「地域の子どもたちを守るのは?」
 心を許し、心を寄せ合い同じ地域に生きる人びと…。子どもたちに残し、伝えたい地域の夢…。地域を守り、地域をつなぐ消防団が、歌やダンスナンバーとなって舞台に登場します。


きれいな水といのちを守る合成洗剤追放第29回全国集会
水の都大阪で考えよう
いのちと水を守ること

きれいな水といのちを守る合成洗剤追放第29回全国集会現地実行委員会事務局長 辻谷 貴文

 第29回きれいな水といのちを守る合成洗剤追放全国集会を10月8日〜9日にエルおおさかで開くこととなりました。
 合成洗剤追放全国集会は、2年に1回開かれていますが、今年は、合成洗剤追放運動の原点である琵琶湖・淀川水系につながる大阪で開かれることになりました。大阪は、水を淀川に100%頼る土地柄にあって、水問題にかかわる市民運動も活発に行われています。大阪の実行委員会では、そうした特色を生かした集会にしようと、メインスローガンを「水の都 大阪でいのちの水を考えよう」としました。
 全国集会の内容については、初日に全体集会を開き、記念講演は世界水フォーラム市民ネットワークの神田浩史さんから「世界の水環境」にかかわって、広い視野に立った「水」にかかわる話をしてもらうことを予定しています。その後特別報告として、環境科学研究所の中地重晴さんから「世界的な化学物質規制の新たな動きと市民の役割」という表題での報告提起を受ける予定となっています。環境問題を含めて、水や合成洗剤の問題を考えるには最良のテーマだと考えています。
 2日目の分科会は、「『入門編〜石けんをじょうずに使いこなす〜」「運動の歴史、そしてこれから」「合成洗剤と環境(教育)問題」「水循環 琵琶湖〜淀川〜大阪湾の環境」などのテーマとともに、各分科会の検討を進めている状況です。また、フィールドワークも実施する予定で「川面から見る〜水の都大阪」として、水上バスを活用した内容の検討を進めています。
 21世紀は「環境の世紀」といわれ、何としても20世紀に破壊された環境を取り戻さなければなりません。そのためには、環境問題について幅広く地球全体で考え、あらゆる生命を含めた「循環型社会」の構築が必要です。その中で、この運動を原点から見つめ直し、どう位置付け、どう広げていくのか。運動に大切な「理論と実践」を、それも情報化社会に適したものが必要となります。きれいな水といのちを守るため、あらゆる角度から合成洗剤、せっけんを考え、そして学習を深めることが必要不可欠だと考えます。
 わたしたちの運動は、誰でも、家庭でも職場でもどこでも始められます。四半世紀を超える歴史と実績があり「合成洗剤追放」「石けんも上手に、少しだけ」「やさしい暮らしを」と訴えてきました。きれいな水といのちを守るためこれからも全力で頑張りますので、ご協力をお願いします。


ちょっぴり不思議な親子
旅の中で見つけたものは


映画
トランスアメリカ


2005年アメリカ映画/ 監督・脚本=ダンカン・タッカー/1時間43分/配給=松竹/2006年度ゴールデングローブ賞ドラマ部門主演女優賞受賞

 主人公のブリー(フェリシティ・ハフマン)に、ドクターが語る。アメリカ精神医学界では医学的診断として性別適合手術が認められたとき、性同一性障害は精神障害者であることを宣言することである、と。
 ブリーは男性として生活してきたが、男に異質を感じていた。精神的にも肉体的にも性転換を願った。通院しホルモン療法を続け、目前に手術が迫ってきた。
 だが、夢は簡単にかなえられない。夢想だにもしなかった報告が刑務所から伝えられた。17歳の息子を引き取りに来いと。ブリーにも青春時代があった。つきあっていた女の子と、一度だけ過ちをおかした時にできた息子であるらしい。名はトビー(ケヴィン・ゼガーズ)。肉体的に女性になれる寸前の男・ブリーに突然現われた試練。しかもトビーの母は亡くなっていた。ブリーとトビーは面識がない。ブリーは真相を隠しトビーに臨む。
 コミカルな物語で処理される喜劇的なストーリーなのだが、「トランスアメリカ」(ダンカン・タッカー監督)は、一味違う作品となっている。
 ブリーは、トビーの父親でありたくなかった。だがトビーの家を訪ねた時、ブリーを待ち受けていたのは冷酷な現実だった。トビーが母から幼い時から知らされてきた写真の男は、まぎれもなくブリーだった。だが、容姿が変わったブリー。トビーは写真の男と同一視できなかった。幸いなことに母には、死ぬまで一緒に生活していた男(継父)がいた。それがトビーの父親だとブリーは主張し、嫌がるトビーと「父親」探しの旅に出た。
 旅をする2人はエピソードを重ね親密度を増すが、トビーにとってブリーは、教会から派遣されたボランティアの女性だった。だがブリーは、手術を目前にしているのに中途半端だった。レストランで、少年に男なのか女なのかと疑われるし、トビーもブリーの性器を見てしまう。旅の途中、ブリーの家族に会い、性同一性障害(GID)であり、女になることを告発する。錯乱状態になる母親。だがトビーが孫であることを知ると、両親はトビーをでき愛する。
 トビーの継父と出会うことにより、トビーの秘密が暴露された。継父に幼児の時から虐待され犯されてきたトビー。家出し、稼ぐためにクスリに手を出し体を売る。アメリカではよくある話だった。日本でも、幼児虐待暴行は日常化されつつある。
 そのトビーは、父親に何を期待し、あこがれるだろうか。男を放棄し女になる父親と、トビーは心が触れ合えるだろうか。ブリーの苦闘を理解することができるだろうか。ダンカン・タッカー監督・脚本は「親と子・家族の絆(きずな)についての昔ながらの話が根底になっている」と話しているが―。
 今年5月18日に性同一性障害(GID)について画期的判断が発表された。兵庫県の小学校2年生の男児が性同一性障害と診断され、女児として学校生活を送っているという事実だ。全国的に極めて珍しい診断で、男児の心を優先した保護者、学校、医師が一体となって取り組んでいる。
 だが、性同一性障害の原因については、さまざまな仮説があるもののいまだに明らかになっていない。男性3万人に1人、女性の10万人に1人に発現すると推測されている。日本では2003年に一定条件の下、成人した性同一性障害者が戸籍の性別を変更できるようになった。
 ブリーの男性名は、スタンリー。彼女は手術前からブリーと名乗っていた。女となったブリーの心が満たされるように。
▼上映予定/〈大阪〉梅田ガーデンシネマ(TEL06・6440・5977)9月2日(土)から、〈京都〉京都シネマ(TEL075・353・4723)9月9日(土)から、〈神戸〉シネカノン神戸(TEL078・367・3868)9月9日(土)から