機関紙「自治労府職」

 2006年9月1日号

現業職員の副主査任用で一定前進
合格の有効期間は満額回答、主査選考制度にも連動か


 府労連は、副主査闘争のヤマ場となった8月29日の団体交渉で、府労連要求に対する回答を当局から引き出した。
 最大の課題である『現業職員の任用問題』に対し松江人事室長は「より業務実態を踏まえた円滑な業務執行や職員の士気高揚等にも配慮した任用を行う」と回答し、22日の企画厚生課長回答を変更した。府労連は同日闘争委員会を開き、左記のとおり、闘争委員会見解を確認し、職場論議に付すこととした。4日に開く府労連中央委員会で態度決定を行う。
 22日の団体交渉では、府当局から「現業職員の副主査任用は、非現業職員と違い『一定の限界がある』」とする考え方が示され、交渉は紛糾したが、府労連は現業職員の生活設計と士気高揚の観点から当局を追及し、その後、要求署名や事務折衝を積み重ねた。要求署名の提出にあたり田林大阪府従執行委員は「現業職員は永年にわたり、人員と賃金の抑制を受ける一方で『単純作業業務』の枠を超えた業務遂行を意識的に行ってきた、今回の当局提案は断じて許せない」と現業職員の思いを訴えた。
 29日の団体交渉で人事課長は、現業職員の副主査任用については「一人職場であるかどうかに関わらず職場実態を踏まえ任用していく」と回答した。さらに、主査任用も「現状の主査などの配置数を絶対値とするのではなく、業務執行状況を十分勘案し任用していく」と回答している。
 合格の有効期限については、要求どおりの回答である。職務段階別加算5%適用は3級全職員の5%適用を求めたが、3年間の経過措置として提案されていた「年度末年齢35歳以上及び3級在級年数4年以上の副主査は5%」を制度化し、現行から1年早める。主査級の行政職4級昇格基準、及び行政職5級昇格基準については、経過措置を設けるとした。
 府労連は同日、全職場代表者会議を開き、これまでの交渉の細部を報告し、意思統一を行った。府労連はさらに、給与構造改革に伴う、残された懸案事項の「主査級昇任考査の見直しを含む主査選考制度の改善」と「行政職給料表新2級の最高号給の延長」について引き続き、府当局と人事委員会に強く求めて行く。


府労連 闘争委員会見解

 府労連は、2006年度以降の給与構造改革に伴う懸案事項である「新たな任用制度の創設」等について、早急に提案協議を行うことを強く求めてきた。当局提案に対し、8月2日に「新たな任用制度にかかる要求書」を提出し、3回の団体交渉と数次にわたる折衝を重ねてきた。
 この間、全職場代表者会議の開催及び知事あて府労連要求署名の提出など、要求実現に向けた行動を展開した。
本日、午後2時から、第3回団体交渉を行い、人事室長より府労連要求に対する回答が示された。回答内容と回答に対する見解は以下のとおりである。

1.公平・公正な選考⇒職員の士気高揚にも配慮しながら、能力実証により公正・平等に行う。【妥結するが、今後の細部協議を求めるとともに引き続き任用状況を検証し、改善を求める】
2.現業、非現業による較差が生じない配慮⇒現業について、その特性や主査等への任用状況、より業務実態を踏まえた円滑な業務の執行や職員の士気高揚等にも配慮した任用を行う。また、今後の環境変化等も踏まえつつ、将来のあり方について研究。学校技術職員については別途提案。【現時点における到達点として妥結するが、今後の任用状況等を検証し、改善を求める。また、今後の現業職のあり方等について十分な協議を求める。なお、学校現業職員については、現時点では継続課題とする。】
3.合格の有効期間⇒2年間とするが、産休、育児休業等の期間については除算する。【妥結する】
4.期末・勤勉手当の職務段階別加算5%適用⇒「年度末年齢35歳以上の副主査又は副主査の3級在級年数が4年以上の者」は5%加算とする。【不満であるが、現時点の到達点として妥結する】
5.主査の行政職4級への昇格基準⇒「主査級在級2年超え」とするが、平成18年4月1日現在、行政職給料表の3級及び医療職給料表(二)(三)の4級に在級している主査については、経過措置を設ける。【不満であるが、妥結する】
6.主査の行政職5級への昇格基準⇒「主査級在級7年超え」とするが、平成18年4月1日現在、行政職給料表の4級に在級している主査については、平成19年4月1日から平成25年3月31日までの6年間の昇格にあっては「主査級在級7年超え又は年齢53歳以上の主査」とする。【不満であるが、妥結する】
7.細部事項の府労連との十分な協議⇒必要に応じて、誠意を持って府労連と十分協議。【妥結し、引き続き協議する】

 以上のとおり、当局の回答は、府労連要求に十分に応えた内容ではなく不満な点もあるが、現時点における到達点として妥結する。
 今後、当局に対し、回答の履行と細部協議を求めるとともに、今後の任用状況等を検証し、問題点の解決を求めて行くこととする。とくに、現業職員の副主査任用等については、抜本的な対策を含め処遇改善に向けた取組を強める。
 また、給与構造改革に伴う残された懸案事項である「主査級昇任考査の見直しを含む主査選考制度(知事部局技術系職員・現業職員、学校栄養職員・事務職員・技術系職員)の改善」及び「行政職給料表新2級の最高号給の延長」については、引き続き、府当局及び人事委員会に強く求めて行く。

2006年8月29日
大阪府労働組合連合会闘争委員会


現業評議会が要求書提出、9月中回答を求める
苦情処理
36協定  重点項目の解決求め

 現業評議会は8月22日「労働条件及び人員確保等に関する要求について」を知事あてに提出した。これは、大阪府が今年度の新規事業に関わる具体化や来年度の予算編成方針などを着手する時期を前に、現場の要求を反映させるため毎年行っているもので、9月中の回答を行うよう府当局に求めていく。
 中村議長は人事室に要求書を手交するとともに、重点8項目について趣旨説明を行った。
 第1には、従前からの労使慣行を尊重し、労働条件の改変、現業職場のあり方について事前協議の遵守を求めた。
 第2には、現業職員のもつ団体交渉権、協約締結権を尊重したうえで、府庁内の要求の主旨を徹底すること、第3では、労働基準法を遵守した「時間外労働および休日労働協定」の締結(36協定)、第4では、「苦情処理共同会議」の早期具体化を求めた。
 第5は、現在行われているESCO事業の経過と勤務労働条件について協議すること、第6には研究機関などの独法化やPFI、ESCOなどの事業導入からの協議を行うことを求めた。
 第7には府庁舎の耐震問題から建て替えなどが検討されているが、労組との協議とともに、府民の視線に立った府施設の耐震診断及び耐震補強などを強く求めた。
 第8は「副主査」の任用について、公平・公正な選考はもとより、現業・非現業の格差を生じさせない制度を求めた。
 説明をうけて府当局は「考え方をまとめて、日程を調整し、お答えしたい」とした。


本庁ブロック主催 ユニオンシネマ上映会
「パッチギ!」 
監  督:井筒和幸2004年/日本/119分
9月6日(水)18:30〜 旧職員会館2階
仕事帰りにホッと息抜きできるよう、飲み物も用意しています。
参加を希望される方は、自治労府職本部までお申込みください♪


アメリカの臨界前核実験に抗議
連合・原水禁・核禁会議・連合東京が申し入れ


 8月31日 連合は、アメリカが強行した臨界前核実験(日本時間8月31日午前3時、現地30日午後2時)に抗議するため、原水禁、核禁会議、連合東京とともにアメリカ大使館前で抗議集会を実施した。
 同時に各団体代表者によるアメリカ大使への申し入れを行い、対応した科学・技術・環境部、ジョイス・レイベンズ公使にブッシュ大統領宛抗議文(左記のとおり)を手渡し、核実験を抗議するるとともに、北朝鮮・イランの核問題が懸念される中、アメリカ政府のCTBT(包括的核実験禁止条約)批准と核兵器廃絶に向けた取り組みを強く要請した。
 これに対しジョイス・レイベンス公使は「実験は核兵器の性能を維持するためのデータ収集であり、核爆発を伴うものではない。また、アメリカは核兵器の適切な数に向けて削減の努力をしている。」などと説明し、「今日戴いた申入書は、本国のワシントンに確実に届くよう手続きする。」と述べるに止まった。
 自治労府職も、自治労府本部と大阪平和人権センターの要請を受け、ブッシュ大統領への怒りの抗議文を在日アメリカ大使館あてに送った。


2006年8月31日

アメリカ合衆国大統領
ジョージ・ウォーカー・ブッシュ閣下

日本労働組合総連合会
原水爆禁止日本国民会議
核兵器禁止平和建設国民会議
日本労働組合総連合会東京都連合会

臨界前核実験への抗議の申し入れ

1.貴国は、臨界前(未臨界)核実験を日本時間8月31日未明(現地時間8月30日)、英国と共同で貴国ネバダ州の地下核実験場で行ないました。今回実施される臨界前核実験は通算23回目にあたり、貴政権下では10回目となります。被爆国の市民として強くこの実験に抗議します。

2.貴国はこの実験について、核爆発を伴わずに備蓄核兵器の安全性と信頼性を保つため臨界前核実験は欠かせないと説明しています。しかし、いかなる理由があろうとも人類を殺し尽くす核兵器の実験に違いはありません。

3.また、実験の目的が貴国の保有する核兵器の性能維持にあるとして、さらに、そのねらいがテロ撲滅のための米軍の軍事力誇示であるならば、世界平和を求める国際世論に対する重大な挑戦であると言わざるを得ません。ましてや、いかなる理由があろうとも核兵器使用は絶対にあってはなりません。「使える兵器」としての核兵器は、人類絶滅への道です。

4.私たちは昨年、ニューヨークにおけるNPT(核拡散防止条約)再検討会議の支援行動を実施し、850万人にのぼる核兵器廃絶の署名を国連本会議場でデュアルテNPT再検討会議議長に手渡し、恒久平和の願いを伝えました。しかしながら、会議は、最終文書を採択できないまま閉会しました。とりわけ核兵器超大国である貴国のCTBT(包括的核実験禁止条約)批准を拒む姿勢には多くの国から批判があがり、世界平和の流れを逆行させた責任は大きいと言わざるをえません。

5.貴国がCTBTの理念に立ち返り、条約の発効促進に努力することを強く求めます。
  核兵器廃絶を求める世界中の声に真摯に耳を傾け、臨界前核実験をはじめすべての核実験を即時中止するよう求めます。


泉南ブロック発
ビアパーティが参加者年々増加

 泉州地区評泉南ブロック協議会は8月4日、恒例のビアパーティを開催しました。この日も気温が36度近くまで上昇する暑い日でしたが、日も暮れ、海から吹く風は気持ちよく、眼下の夜景もすばらしい絶好の「ビール日和」となりました。
 会場はここ数年開催し、おなじみのりんくうゲートタワーホテル28階のビアサロン。組合員とその家族が総勢61名参集し、80品目のお料理をあてに、生ビール、ジュース等を飲みながら、日頃のストレスを解消し、職場や家庭の中とはまた一味違った雰囲気の中で、組合員、家族の交流を深めました。
 おかげさまで、年々参加者が増えている泉南ブロック協議会の恒例行事です。ほろ酔い気分で、来年の再開を誓って、2時間のビアパーティは終了しました。
【議長 西野 容子】


シネマはやっぱりおもしろい
―9月公開の映画


 46億年の恋

 閉ざされた監獄の中で、1人の少年、有吉純が香月史郎に馬乗りになってひたすら首を絞めていた。香月はすでに息絶えていたが、有吉は涙さえ浮かべながら首を絞め続けていた。
 この奇妙な殺人事件を担当した警部と警部補。彼らの捜査が進むほど有吉の動機は謎に包まれていく。
 偶然、同じ日に投獄された有吉と香月は全く正反対のタイプだった。寡黙で誰にも心を開かない有吉、反対に誰でも殴り倒してゆく凶暴な香月。しかし2人の間には濃密で暖かい空気が流れていた。
 刑務所内での世渡りのために模範囚と簡単に寝る雪村は、有吉と香月の間に肉体関係があったのではと証言する。他の囚人たちの証言もそれぞれ好き勝手なことばかり。そんな中、捜査線上に妻が香月に暴行され、自殺に追い込まれたという過去を持つ刑務所長の存在が浮かび上がる…。
 徹底して男しか登場しないこの作品。
 松田龍平と安藤政信を主演に迎え、世にも美しく官能的な少年たちのラブストーリーに仕上がっている。
▼9月2日ロードショー▼2006年日本/監督=三池崇史/出演=松田龍平(有吉淳)、安藤政信(香月史郎)、石橋凌(刑務所長)
▼上映館/〈大阪〉シネマート心斎橋TEL06(6282)0815、天六ホクテンザ2TEL06(6351)2833