機関紙「自治労府職」

 2008年2月1号

大阪府知事選

熊谷さんへの支援に感謝
引き続き府労連に結集し、困難に立ち向かう


 大阪府知事選挙が1月27日に投開票され、連合、府労連、自治労府職が推薦した元大阪大学教授、熊谷さだとしさんは知名度の差などを埋めることができず、残念ながら涙の結果となった。
 自治労府職は、厳しい財政状況にあっても、府労連と当局の労使交渉を経て、財政再建団体への転落回避を図りつつ、職員の生活と府民サービスを低下させないため、懸命の取り組みを進めてきたところであり、本気で大阪府政を再生する決意で立候補した熊谷さだとしさんの当選を勝ち取るため、上部団体に結集して奮闘してきた。
 新たに就任する橋下知事は「府庁解体」「職員をけっ飛ばす」「破産会社の従業員という意識を持ってもらう」など、マスコミを通じて報道される言動は、厳しいものとなっており、今後、速やかな労使関係の構築が求められる。
 なお、今回の結果を受けて中垣執行委員長から組合員さん、単組・支部役員の皆さんへのメッセージを掲載いたします。

大阪府知事選挙結果
  熊谷 貞俊  999,082票
当 橋下    徹 1,832,857票
  梅田 章二   518,563票


中垣執行委員長 談話

 自治労府職各単組・支部の役員と組合員のみなさん。私たちが推薦した「熊谷さだとし」候補は善戦及ばず敗北しました。

 熊谷さんは、『府民の生活が第一』を基本に、「大阪の力・優しさ・夢」の実現を訴え、知名度ゼロ対600万からスタートし追い上げましたが、タレント候補との差は最後まで覆せず、当選はかないませんでした。ご支援をいただいた関係各位の皆様に衷心より御礼を申し上げます。

 さて、橋下徹氏が大阪府知事となることになります。橋下氏は早くも、府財政再建のために「府債の借換のみならず、一般会計の府債発行も基本的に認めない」とし、不足する2300億円(2007年度予算)は事業費カットか人件費削減で対応すると発言しました。事業費カットが限界に来ていることは自治体職員であれば常識ですが、仮に全額人件費カットとなれば、警察職員等を含め総収入の25%カットに相当します。

 選挙に勝った橋下氏は、反対する職員はやめてもらうことも選挙中繰り返しました。今後、府民の信託を錦の御旗に強行突破を図ってくることが予想されます。しかし、私たち職員もローンや家族を抱え、霞を食べては生きて行けません。

 知事が変わってもそこに働く労働者の生活が変わるわけではありません。労使関係は厳然と存在しています。自治労府職は府労連に結集し、大阪府に働く職・従業員、教職員の労働条件の維持・向上に取り組む決意です。組合員の皆様には、困難な情勢にひるむことなく、団結を固め、1人の退職者も出さない取り組みをお願いします。

 2008年1月27日

自治労大阪府職員関係労働組合 
執行委員長 中 垣 雅 雄 


春闘が本格スタート
2月13日の中央委員会で方針決定


スト批准投票は2月19日

 自治労は昨年12月18日、19日、東京で2008春闘中央討論集会を開き「賃金改善、公共サービスキャンペーンなどの課題に総力をあげて取り組み『社会的責任を果たす春闘』をめざす」として春闘方針を確立した。
 連合も11月1日、2日に春闘討論集会を開き、、「労働側に対し実質1%以上の成果配分を通じ、内需拡大などマクロ経済への影響力を発揮する」「ワーク・ライフ・バランスのための総労働時間の短縮・割増率の引き上げ」などを基本的枠組とし「積極的な賃金改善」「企業内最低賃金協定の締結・改定」「中小・地場組合の賃金改善・格差是正」「パート労働者等の処遇改善」等を取組課題とした「基本構想」を提起した。対する日本経団連の春闘に臨む方針も決定されており、08春闘が本格的にスタートした。
 自治労府職では、上部団体の決定を受け、春闘方針案を策定。職場討議を経て2月13日の中央委員会で議論・決定する。また、取り組みを実効あるものとするため、スト批准投票を2月19日に設定し取り組むこととしている。生活を維持・向上させる賃金水準の確保と労働条件改善、などの実現にむけ、高率でのスト批准に向けて、組合員の皆さんのご協力・ご支持をお願いします。


プリンスホテルはただちに廃業しろ
日教組教研集会の会場使用拒否を許さない



2008年自治労府職春闘方針

私たちをとりまく情勢

1.戦後最長となる日本の景気回復は6年目に入っています。好調な世界経済を背景とした輸出や設備投資の伸びなどが、景気の牽引力となっているとされています。しかし依然として、家計部門において景気回復の実感は乏しい状況です。内閣府の世論調査では、景気回復の始まった02年以降も、収入見通しや老後の生活設計など、国民生活における悩み・不安はむしろ高まる傾向にあります。
2.その第一の原因は賃金の低下です。国税局の「民間給与実態調査」によると、06年の平均給与は約435万円で、98年以来、実に9年連続も対前年比マイナスとなっています。06年度だけを見ても、主要企業が取締役に支払った報酬は、前年比で21%増加していますが、労働分配率は対前年比0・5ポイント減と逆に5年連続のマイナスで、今回の景気回復から労働者は完全に置き去りにされています。今後、物価上昇と税・社会保険料負担の増大が予想され、労働者の可処分所得の減少が懸念されます。
3.第二の原因は格差の拡大です。ワーキングプア問題は対象者の年齢が進んでおり、むしろ人権問題として深刻化しています。企業規模間格差も拡大しており、こうした格差の拡大は、この間、政府が進めてきた市場万能主義、規制緩和・構造改革路線のもたらした結果です。
4.サブプライムローン問題は原油価格の高騰、世界同時株安、急激な円高とドル安へと波及し、今後世界経済の不安定要因となっています。世界経済に依存した景気回復は、海外動向や金融市場の影響を受けやすく、その基盤は脆弱です。今回の景気回復を確かなものにするためには、内需主導型による国民全体の生活向上が不可欠であり、そのためにも、08春闘での賃金引き上げと生活改善を勝ち取ることが重要となっています。
5.完全失業率は07年4月以降、4%を下回り、7月には3・6%まで改善しました。また、有効求人倍率も06年平均で1・06倍、07年に入っても1倍を超える水準で推移しています。しかし、「正社員有効求人倍率」を見ると、07年8月で0・61倍と、まったく改善されておらず、依然、正規雇用は求職超過状態にあります。非正規労働者の増加傾向は顕著で、07年4月〜6月期は前年比で84万人増え、すでに1731万人と、全雇用者の3分の1(33・2%)にまで達しています。非正規労働者の増加は賃金水準の低下に拍車をかけています。この5年間で年収300万円以下の層は4・4ポイント増加し、全体の38・8%に及ぶなど、年収の低下傾向が顕著になっています。
6.労働時間については、時間外労働が増える傾向にあります。04年6月と06年6月を比較すると時間外労働時間が平均で23・3時間増えています。改めてワーク・ライフ・バランスの実現が求められています。
7.1月11日、新テロ対策特別措置法が衆議院で再議決され、成立をしました。解散含みの政局の次のヤマは、年金の照合終了時期と揮発油税などの暫定税率延長が問題となる3月へと移ります。連合は次期通常国会で「労働者派遣法改正案」の提出を求めています。

【自治体労働者と公共サービスをめぐる情勢】
8.この間、国の三位一体改革と地方交付税の減額措置により、多くの自治体が厳しい財政運営を強いられています。このため、社会保障費をはじめとする予算の削減や安易なアウトソーシングが横行するなど、自治体における公共サービスの提供責任さえ危ぶまれる現状です。08年度地方財政計画では地方交付税の減額傾向はさすがに小休止となりましたが、政府は「集中改革プラン」や「自治体財政健全化法」などにより地方公共サービスの切捨てを誘導しています。
9.12月26日、総務省は「平成19年度地方公務員給与実態調査結果の概要」「平成19年度地方公共団体定員管理調査結果の概要「地方公共団体における福利厚生事業の状況について(概要)」をホームページで公表しました。これによると、地方公務員全体のラスパイレス指数は98・5であり、大阪府は97・0で全国42位である。諸手当を含む平均給与月額では、昨年度国は970円増加したが、地方公務員は3235円減少していることが明らかになりました。また、地方公務員の定員は平成7年から13年連続して削減され、昨年は△47106人(△1・6%)となっています。
10.国の行政改革推進本部専門調査会は、公務員の労働基本権をめぐり「一定の非現業職員について協約締結権を新たに付与する」とした最終報告を行いました。これにより、今後、この報告は、公務員の人事制度全般の課題について検討を行っている「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」に示され、懇談会での議論を経て、懇談会が来年1月にも出す最終結論とともに、次期通常国会に提出予定の公務員制度改革に関する基本法のなかに盛り込まれる予定となっています。08春闘では、労使関係が新たな局面を迎えることを意識し、今まで以上に交渉を重視した取り組みが求められます。
11.自治体における臨時・非常勤等職員の数はすでに45万人を超えています。しかし、法律の整備が不十分なため、その雇用は不安定なままです。また、健康保険や厚生年金などの社会保険については、実質加入要件を満たしているにも関わらず、意図的に加入させていない状況もある。賃金労働条件についても劣悪な状況におかれており、均等待遇の原則に基づく処遇の改善が急務となっています。

【大阪府をめぐる情勢】
12.年末の12月31日、マスコミは府財政危機について「赤字隠し」なる報道を行い大阪府は既に準用再建団体に陥っているとしています。そのことは結果として、1月27日の府知事選において、施策および人件費の過激な切捨てを叫ぶ候補への後押しとなっています。特殊勤務手当の見直しについて府当局は07年6月5日「特殊勤務手当の適正化についての基本的な考え方(H19)(案)」を提案し、具体について年明け提案する姿勢を崩していません。手当の位置づけの経過や職場実態を無視した提案に対しては正面から反対していく必要があります。
13.府立病院機構の給与改定交渉は、未だ決着を見ておらず厳しい局面にあります。独法化後の06年度、府立病院機構は、診療報酬の大幅なマイナス改定(△3・16%)の中で、医業収益は対前年比3・3億円増、資金収支は目標の11・1億円を上回る13・0億円の黒字を計上しました。にもかかわらず機構当局は、府職員との均衡を前面に、一時金0・05は4月遡及するとしたものの、給与改定・扶養手当の改定・2号俸アップは08年4月から、さらに、現給保障から1・72%の削減を提案しようとしています。

【経営労働政策委員会報告】
1.日本経団連は12月19日、08年春闘の経営側の方針となる「経営労働政策委員会報告」を発表しました。賃金決定について「個別労使の協議による」との従来のスタンスは踏襲したものの「恒常的な生産性向上があれば総額人件費の改定原資とする」とし、生産性に見合った賃金決定には理解を示すものとなったのが今年の特徴であるとマスコミ報道されています。その背景には、長期間にわたる低賃金構造の中で、「消費不況」が深刻化していることと、特に中小製造業での技術・技能の伝承ができなっているものづくり産業の危機があると思われます。
2.連合は「見解」を発表し、雇用や賃金などに関する具体論では、「市場原理は万能ではない」と市場万能主義の限界を指摘しながらも、相変わらず「規制改革の一層の推進が必要」「コスト面の競争圧力が増大」としている。そして、そのためには更なる規制緩和の推進とコスト削減によって企業成長を促すことが必要との従来の主張を全く変えておらず、結論的には「国際競争力の強化」に向けた産業・企業における「総額人件費抑制」に終始しています。「報告」は、日本の安定成長にとって企業と家計を両輪とした内需主導の経済構造の実現が必要と論じながら、労働者の可処分所得の低下や深刻化する格差問題などについての言及がされておらず、わが国経済・社会が直面する深刻な問題に正面から向き合い、克服していこうとの姿勢がみられないと酷評しました。
 また、今次闘争において具体交渉を展開する観点から、看過できない点について見解を付しておくこととするとして、以下の点について反論をしています。
@ 労働分配率の低下について是正する気が感じられない。
A 内需拡大について、「我が国の安定した成長を確保していくには、企業と家計を両輪として」としながらも「報告」は、積極的な賃金改善によって消費を拡大させることが重要だとする意識が欠如している。これでは、個人消費の伸びによる景気拡大も、内需主導も到底望めない。
B 同一価値労働・同一賃金について、「日本経団連は同一価値労働・同一賃金の考え方に異を唱える立場ではないことを明確にしておきたい」としながら、処遇に差があっても「熟練度・職能レベル」「責任や見込まれる役割」「就業時間帯や配置転換の有無」に違いがあれば「合理的」であるとしている。では違いがなければ比例賃金とするのか、しなかったではないか。
C 最低賃金制度について、生産性を無視した最低賃金の引き上げは中小企業のコスト構造を決定的に悪化させる」「屋上屋となっている産業別最低賃金は廃止すべきだ」としている。これは昨年1年間かけて纏めた公労使の議論の結果や、改正最低賃金法の成立経過を無視したものであり、暴論と言わざるを得ない。
D ワーク・ライフ・バランスの実現について触れているものの、長時間労働についての言及がなく、割増賃金についても触れていない。しかし、ワーク・ライフ・バランス実現の観点からは、長時間労働の是正は極めて重要な課題である。その一つとして時間外割増率がある。しかも割増率は国際的に見てもっとも低い水準にある。経営側もグローバルスタンダードを標榜するなら、割増率についてもグローバルスタンダードを受け入れるのは当然のことである。
E 国際競争力について、コスト削減=国際競争力強化という単純な発想のもとに、企業業績の好不調に関わらず一貫して賃金抑制を続けていることこそが分配の歪みと消費低迷の最大の原因である。

〈連合・公務労協2008春季生活闘争〉
・連合の春闘方針

 連合は、08春闘を二極化・格差社会の是正をはかる取り組みと位置づけ、生活改善を果たすため、以下の基本的スタンスを示しています。
@ マクロ的に労働側へ実質1%以上の配分の実現をめざす。同時に経済成長に見あった配分の追求を通し、非正規労働者を含むすべての勤労者への適正な成果配分をめざす。
A 月例賃金を重視した賃金改善に積極的に取り組む。とりわけ未組織労働者もふくめ、中小、パートなど低所得者層を重視し、全体の底上げをはかる。
B 法定最低賃金の引き上げにつながる、企業内最低賃金協定の締結・改定をめざす。
C ワーク・ライフ・バランスの実現にむけ、総実労働時間の短縮と時間外労働の賃金割増率の引き上げに取り組む。
D 中小共闘、パート共闘等の強化による共闘体制の構築。
 連合はその上で、すべての組合が取り組むべき、以下のミニマム課題を設定しています。
@ 賃金カーブ維持分を確保したうえで賃金改善に取り組む。
A パート労働者も対象に含め賃金をはじめとする処遇改善に取り組む。
B 連合リビングウェイジの水準を踏まえ企業内最賃協定を締結する。(時給850円を代表とする)
C 長すぎる労働時間を是正するため総実労働時間の短縮に取り組む。
D 時間外・休日労働の割増率の引き上げに取り組む。(時間外50%、休日100%を目標)
 連合はこれらの課題に具体的に取り組むため、最賃引き上げのための社会的キャンペーンの展開、 中小共闘、パート共闘の強化、時間外割増共闘の組織化、ワーク・ライフ・バランス実現にむけた組合による「働き方改革宣言」の取り組み、取引関係の改善と公契約に関わる運動、「労働の尊厳」を取り戻すための「STOP!THE格差社会キャンペーン」第2弾の展開などを提起しています。

〈自治労2008春闘〉
 これらの情勢と連合方針を踏まえ、自治労は2008春闘を公正な賃金・労働条件の実現と地域公共サービスの再構築をめざす闘争と位置づけ、次の3本柱による運動を展開するとしています。
(1) 賃金改善、同一価値労働・同一賃金を実現する取り組み
@ 自治労は、連合の「労働側に実質1%以上の配分をめざす」という方針を踏まえ、1%以上の賃金改善に取り組みます。また、春闘の相場形成機能を重視し、公務・民間を横断する地域公共サービス労働者の賃金形成を図る。
A 自治労大阪府本部は、全国一般や公共民間労組など、春闘決着グループが増えるなか、春闘での相場形成をめざして統一闘争に取り組む。
B 格差是正にむけて、臨時・非常勤等職員、地域公共サービス民間労働者の処遇改善、男女間賃金格差の是正に取り組む。また、すべての地域公共サービス労働者の最低賃金の確立をめざし、自治体単組は自治体最低賃金の協定化をはかる。民間単組はその動きに連動し、企業内最低賃金の書面協定をはかる。
C 地場・中小の賃上げにつながるよう、全国一般、公共民間労組を中心に、連合の中小共闘、パート共闘に結集し、自治労としての取り組みを進める。
(2) 脱「格差社会」にむけ公共サービスを再構築する取り組み
@ 政府の進める市場原理主義路線により地域のセーフティネットである公共サービスが危機的状況にあります。こうしたなか、地域にとって不可欠な公共サービスとは何か、改めて住民とともに考える必要性が高まっています。そのため08春闘では、医療、福祉、環境、食、災害対策を主要課題に、中央と地方による、統一的なキャンペーンを展開します。
A 具体的には、介護問題を中心とした中央集会(東京を予定)、地域医療問題を中心とした本部主催の地方集会を行います。また、各県本部もこれと連動し、医療、福祉、環境、食、災害対策などの課題からテーマを選び、市民・地域に開かれた集会を開催します。
B また、公務労協に結集し、「公共サービス基本法」の制定にむけた、公共サービスキャンペー
ンに積極的に参加します。
C 質の高い公共サービスを確立するため、本部が設定した「公共サービスの充実に関する政策
要求書」に基づき、各県本部・単組における自治体交渉や協力議員への呼びかけを行います。
D 公共サービスに従事する労働者の尊厳ある労働(ディーセントワーク)を確保し、質の高い公共サービスを実現するため、社会的価値の実現に資する入札改革と公契約条例の制定をめざします。
(3) ワーク・ライフ・バランスの実現と職場のワークルールを確立する取り組み
@ 仕事と生活の調和をはかり、働く者の健康を維持するため、総実労働時間1800時間の実現をめざし、所定労働時間の短縮、労働時間管理の徹底と不払い残業の撲滅、36協定の締結など、積極的な労働時間短縮運動に取り組みます。
A 6月の男女平等産別統一闘争を展望し、男女平等の働き方の実現にむけ、職場実態の点検活動と自治体・雇用主要求を進めます。
B 臨時・非常勤等職員の雇い止めを阻止し、任用根拠の明確化、休暇制度、福利厚生における均等待遇の確立、社会保険未加入の一掃に取り組みます。
C 法令遵守の徹底を求め、偽装請負や不払い残業、労働安全衛生など職場の法令違反の点検活動を進めます。
 以上の基本的な考え方に基づき、賃金労働条件の底上げ、公正労働の実現を重視し、自治労08春闘のすべての単組が取り組む重点課題を次の通り設定します。


すべての単組が取り組む重点課題

1.自治体で働くすべての労働者、公共サービス民間労働者の処遇の確保と公正労働の実現にむけ、入札改革と自治体公契約条例の制定に取り組む。
2.自治体最低賃金、企業内最低賃金の協定化をはかり、臨時・非常勤等職員、地域公共サービス労働者の賃金の底上げをはかり、雇用確保と組織化に取り組む。
3.不払い残業の撲滅、総労働時間縮減のため、時間管理のあり方について確認し、協定化をはかる。
4.「働き方改革宣言」を行い、ワーク・ライフ・バランスの実現をめざすとともに、職場における男女格差の解消に取り組む。
5.職場における臨時・非常勤等職員の権利状況、請負(委託)の実態などの調査を進め、雇用の確保と処遇の改善を実現するとともに、職場から法令遵守を徹底する。
6.自治労の示す「公共サービスの充実に関する政策要求書」をもとに自治体交渉を行う。


自治労府職の取り組み

1 連合・自治労に結集した取り組み
 連合・自治労の春闘方針を踏まえ、以下のとおり具体的な取り組みに全力を挙げます。

〈ストライキ批准投票〉
 生活を維持・向上させる賃金水準の確保と労働条件改善、地域公共サービスの質の向上と公正労働の実現のため、公務労協が提出する対政府・人事院要求書の実現をめざす決意を示すため、高率でのストライキ批准をめざします。  
★ストライキ批准投票 
 投票用紙交付日 2月13日(水)
 投票日     2月19日(火)

〈春闘要求の実現に向けて〉
 当局に対し、「春闘要求書」等を提出し、その実現を図る。要求書は2月13日の第4回中央委員会にて決定し、2月18日(月)とする。
自治労府本部が設定する指標
1.現行の賃金水準の改善に努めること
2.臨時・非常勤等職員の雇い止めを行わず、賃金・労働条件の改善に努めること
3.政府のまとめたワーク・ライフ・バランス憲章と行動指針の具体化を図ること
4.自治体が委託する公共サービス関連の事業所について、雇用確保に努め、労働基準法など法令遵守させること。このため委託契約手続きにかかわって、公正労働基準を確保する条項を設けること
5.男女間の個別賃金実態を明らかにし、格差の解消に取り組むこと
6.自治体財政の改善に向けた、労使協議の場を設けること

〈春闘集会等の開催〉
 組合員及び組合役員が、今春闘情勢と課題を共有し、たたかう意思統一を図るため、春闘決起集会等を開催します。併せて、各単組・支部での春闘学習会の開催を支援するため、講師派遣等を行います。
・春闘決起集会
 3月13日(木)18:45  新別館北館多目的ホール

〈自治労・連合の春闘行動への取り組み〉
・自治労統一行動に係る取り組み
 公務員連絡会の設定する統一行動日に中央行動への参加や職場での集会等を行うなど、全国統一行動に結集してたたかいます。行動日は次のとおりです。
★政府、人事院に要求書を提出日 2月19日(火)
    第1次全国統一行動日  2月20日(水)
 〈要求書提出の翌日〉
    第2次全国統一行動日  3月12日(水)
 〈中央行動日に連動して〉
    第3次全国統一行動日  3月21日(金)
 〈回答日翌々日に政府・人事院回答内容報告〉
・連合春闘への参加
 連合は、中小共闘、パート共闘のほか、相場形成に向けた共闘のあり方について検討を進め、相乗効果の発揮によって未組織労働者への波及を図るとしています。自治労府職は、地域労働運動を積極的に担う立場から、府本部の下、連合大阪に結集し、民間の相場形成を支援する行動に参加します。

2 部門別課題に係る取り組み
【賃金・労働条件の改善の取り組み】
@ 連合方針・自治労方針に基づき、個別賃金要求と非常勤職員の賃金底上げための「企業内最低賃金確立」の取り組みを展開します。また、ワーク・ライフ・バランスを実現させるため、「超過勤務手当の割増率の拡大」を求めます。
A 府立病院機構の07年給与改定問題については、府職員の給与改定状況を下限とすることを基本に、提案が予定される「1・72%の現給保障からの引下げ」については、現給保障からの減額は一時金、年金等影響が大きく、再引上げが困難である府給与改定交渉の状況から反対していきます。
B 特殊勤務手当の見直しについては、それぞれの手当が担当業務の「職の確立」を図る上で重要な位置付けを占めていることから、手当の位置づけ経過や職場実態を無視した提案に対しては正面から反対していくとともに、07年6月5日、「特殊勤務手当の適正化についての基本的な考え方(H19)(案)」に基づく精確な労使交渉を展開します。
C 「一定の非現業職員へ労働協約締結権」の付与と、人事院・人事委員会の「勧告制度」の廃止を後退させることを許さない取り組みを、連合・自治労に結集し取り組みます。
D 36協定の締結について、自治労府職の再三の指摘にもかかわらず、大阪府はこの間、違法状態を放置してきました。府人事委員会が指定する職場での36協定の締結を求めます。
【人員要求・機構改革に対する取り組み】
 06骨太方針より、地方公務員の削減が行政目標にあげられています。大阪府では、教員・警察官の増員が図られる中、一般行政職の削減が続き、06年度の人口10万人当たりの職員数は123人となり、2位の神奈川を抜き全国1位となっています。
 当局の一律カットを許さず、2月末に提案が予定される府08年度組織・定数問題では、業務量に見合う人員配置を行なわせることを基本に、各支部・部当局の交渉状況を踏まえ、早期からの取り組みを展開します。

【公共サービス再構築に向けた取り組み】
 社会的格差が拡大する中で、職業紹介・医療・福祉などの「公共サービス」への期待が高まっています。住民の生活を守り、安心・安全な暮らしを実現するためには、質の高い公共サービスの確立が求められています。財政再建主義に反対し「公共サービス基本法」(議員立法)の実現に向けた取り組みを、民主党・連合・自治労とともに取り組みます。

【分権自治の確立と自治体改革闘争の取り組み】
@ 地方分権改革推進委員会は11月21日、「中間的とりまとめ」を明らかにし、国が担う役割について明快な基準を設定し、国による義務付け・関与などを見直し廃止するとともに、国と地方の税収割合を5:5とすることを求めました。しかし、財務省は、移譲税源を示すことなく、移譲される税源には偏在があり、その解消方策としての法人2税の配分方法の変更を打ち出すなど、すり替えの論理を展開しています。これによると大阪府では220億円もの財源が持ち出されることとなります。通常国会における予算案審議では人為的な地方財政危機を許さず、地方財政確立に向けた税源移譲論議を自治労に結集し要請します。
A 夕張市の破産問題から、6月に成立した自治体財政健全化法による自治体財政を把握する4つの指標の算定方法案等が11月15日明らかにされ、財政指標の算定ルール、早期健全化基準、財政再生基準等を内容とする政省令が明らかにされました。これらに基づく大阪府の位置付けを明らかにさせ、労使協議の場を設定させます。
B 公共サービスの質の確保と、公共サービスを支えるすべての労働者の処遇確保・公正労働を求め、業務委託にかかる契約状況の調査や入札制度の改革と公契約条例制定に取り組みます。

【福利厚生活動及び自主福祉活動に係る取り組み】@ 新総合共済基本型への移行、自動車共済・団体生命共済のバージョンアップについて、制度周知と加入促進を取り組みます。
A 互助会事業の改革・以和貴荘の利用促進に向けた議論を春闘学習会等で行います。

【組織拡大に係る取り組み】
 自治労府職としての「組織強化拡大方針」の確立にむけて、組織財政強化対策委員会での論議を進めるとともに、論議・交流を深めるための組織集会などの開催や組織拡大月間を設定した集中的な取り組みを追求し、組織の強化拡大を図ります。当面、下水道事業の大阪府一元化に伴い、大阪府へ身分移管される市町村一部事務組合職員の組織化を図ります。さらに、4月の定例異動時期には、異動職員への働きかけや新規採用職員加入の取り組みを組織拡大闘争委員会を中心に展開します。


職場・分会
活動中♪



生徒の人生に大きく関わる仕事
やりがいある職場で元気に活動


任期付任用職員で組合に結集する仲間の正職員化を強く求める

南大阪高等職業技術専門校

 大阪の南部、「テクノステージ和泉(和泉市)」に平成18年度に開校したばかりの南大阪高等職業技術専門校(以下:南大阪校)に自治労府職労働支部の分会が結成され、元気に活動を展開している。分会長の菅(かん)さんは自動車整備科で技術を教える職業訓練指導員さんだ。その菅さんに分会の紹介や組合活動に望むことなどを聞いた。

 府立6校と国立府営の大阪障害者職業能力開発校で生徒を教える職業訓練指導員の大多数は自治労府職に結集しており、労働支部の中核を占めている。そのなかで、堺と松原の職業技術専門校を統合してできた南大阪校では、情報通信科やネットワークセキュリティ科といった通信分野、環境分析科や空調設備科といった環境分野、自動車整備科や車体整備科といった整備分野の、3分野8科目で就職に向けた実践的な訓練を行っている。
 分会長の菅さん(自動車整備科)をはじめ、副分会長の吉村さん(車体整備科)、書記長の山城さん(空調設備科)の、3人が中心となって分会活動を展開している。
 「国内でも珍しい環境分析科や、近畿ではうちしか教えていない車体整備科など、新しい分野の科目に取り組んでいます」と語ってくれたのは平成13年度に職業訓練指導員として採用され、現在、南大阪校で分会長を務める菅さんだ。
 自身が教える自動車整備科は2年課程の科目で、60人の生徒を6人の指導員が受け持っており、南大阪校では一番の人気科目だ。
 いまの仕事について聞くと「入校して来る生徒さんは、高校を出てすぐの生徒さんもいれば、定年後に入校してきた生徒さんもいるので、それぞれに合った指導方法や、生徒間の年齢的なギャップも考えながら全体をまとめていく必要があり、苦労しています」とする一方「仕事に就いていなかった生徒さんが、僕が教えた技術(技能)を持って卒業し、就職して社会貢献してくれる。生徒の人生に大きくかかわれる仕事は、ものすごくやりがいがある」と語った。
 分会長として、力を入れて取り組んでいることが「自治労府職への加入促進」だ。南大阪校ができて以来、職場では4人が新たに自治労府職へ加入しており、うち一人は任期付任用として採用された職業訓練指導員とのこと。
 菅さんは「任期付任用として採用され、自治労府職に結集してくれている組合員さんは、現在2年目を終わろうとしている。延長は最大でも5年で、このままではそこで雇用を打ち切られてしまう。本人も任期付ではなく、この職場で引き続き指導員として働くことを望んでいる。支部と本部には、任期付任用の組合員さんで、希望する職員は正職員として働けるよう、当局に強く要望・交渉して欲しい」と、分会員すべての思いとして熱く訴えるとともに、まだ組合に未加入の少数指導員への組織拡大を決意している。
 また、支部・本部に望むこととして「近くにあるうえ、同じ商工労働部内の組織なのに、産技総研の組合員さんとの交流がない。支部の違いはあるかもしれないが、もっと交流できるような場を用意して欲しい。そうすれば、同じ地域で同じような課題を共有できると思う」と語った。
 「南大阪校は、指導員はもちろん、事務職、校長まで、組合に理解のある職員が多く、恵まれた人間関係でやりがいを持って働き、組合活動にもがんばっています」と元気に語ってくれた菅さん。この3月には結婚し、マンションを購入するという幸せいっぱいの時期だ。今後の活躍に期待したい。