「新行財政計画」検討委員会オープン学習会
企業局会計を語る講師:関守(民主党府会議員) 2月発表の大阪府行財政計画骨子(案)には府の財政がこのまま推移すると、2006年に破綻する試算が出た。この試算には企業局会計の収支が盛り込まれず、その収支によっては府の財政破綻が早まる可能性が濃厚だ。 ******************************************************************************** ご紹介いただきました関守と申します。議員に出るにはうってつけの名前だと、どこに行っても言われまして、これだけは親に感謝して活動しております。 私が堺の市会議員をやっているときから、堺市は泉北ニュータウンという企業局に開発していただいた大きな土地を抱えておりまして、それがいろいろなところで疑問がたくさんあったものですから、府会議員になったときに、企業水道常任委員会に所属させていただきました。
公表されていなかった企業局全体の決算まずどう思ったかといいますと、企業局は何をやっているのかさっぱりわからなかった。資料はたくさんもらいましたが、中身がわかりにくかった。もちろん、一般の官公庁の会計と違いまして、企業会計をやっていることとか、土地を造成して売って借金を返しているというぐらいのことはわかっておりますが、どこでどうなっているかがわからない。よく聞いてみますと、泉北ニュータウンはあれだけ完全にできているけれども、大阪府として決算をやっていない。 私自身は、ちょっとだけ財務諸表を読むことができますから、ふたをあけにかかったわけです。 不動産を商っている会計と企業局の会計は、まさに一緒なんです。不動産屋さんも、土地を買って家を建てて売る。全部売れなかったら決算しないんです。不動産屋さんというのは、もうかっているか、もうかっていないか、全くわからない。私は2年間しか企業局を見ておりませんから、企業局どうなってんねんと先輩に聞きますと、「しんどい言うてるけど、企業局はもうかってまっせ」と。ことしの正月が明けても、まだそんな声が本庁の中にようけありました。 地元に帰ったら、まだみんなそう信じています。「関さん、あんたごまかされてんねんで。絶対どこかに銭持ってる。泉北ニュータウンで 1,000億もうけたという話やないか。どこに隠してんねん」と。先般行われた堺商工会議所の会頭と府会議員の懇談会でも、「新聞見たら、企業局大変やと言うてるけれども、泉北ニュータウンで稼いだお金は残してくれてまんな。あれは堺でもうけたんやから、堺で使うてもらわな困る。企業局ができんかったら、大阪府は堺に 1,000億ぐらい投資してくれんと困りまっせ」と言われるわけです。私たちは、自民党から共産党まで全党の10人の議員が来ていますから、「もうおませんねん」と言うと、「あんたら一緒になってだましてる」と、いまだに商工会議所の会頭さんは、私らがうそを言っていると思っているんです。 企業局はもうかっているという話と、財務諸表と損益計算書と借金の大きさを比べますと、理解に苦しむんです。そこでどうなっているのかと疑問を持ち出したんですが、企業水道常任委員会では、1期目は自民党の森山さんが委員でしたから、うわあっと質問して、企業局も四苦八苦して答弁している。そのときに、海の会計、山の会計と。最初何の話をしているのかわからなかった。けれども、ここに企業局の府民に対するごまかしがあったと思うんです。要は不動産屋と一緒で、決算をしないものは表に出さない。おまけに事業部制で、海と山は会計が別で、企業局全体では何もない。だから、議員も勉強して突っ込んでいくんですが、貸し借りをやっていたり、見返り勘定があったり、何やかやとごまかされて、最後は「企業局が大変になっているのはようわかっておりますから、13年夏までに海と山の会計を一緒にいたします。泉北ニュータウンの決算も二色ノ浜の決算もちゃんとやります」という答弁で終わっている。 私がふたをあけるきっかけになったのは「海の会計と山の会計を一緒にする」という言葉だったんです。私も議会で最初のころに「なぜ海の会計と山の会計を一緒になさるんですか」と質問したんですが、やはり今のような答弁なんです。私は、会計の統合ぐらい、おれにバランスシートをくれたら1週間でしてやると内心思っていた。会社なら、事業部制でいろいろ事業をしていても、事業部のバランスシートを1つにしたら、会社のバランスシートにならないとおかしいんです。これは会計原則で決まっているんですから、なぜそんなに時間がかかるのかわからなかった。それで、平場で企業局の幹部に聞くと、「実は泉北ニュータウンの決算は時間がかかりますねん」と言うから、「何を言うてまんねん。あれだけの土地をお金をかけて造成して、ほとんど売り切って、残地を堺市に移管して、あと何を計算するんですか。差し引きしたら 1,000億もうかってまっしゃろ。それを出したらよろしいじゃないですか。なぜ出せないんですか」と。
住宅供給公社等も大問題そこで、皆さんに、私が箱のふたをあけて前へ進んだのと同じ形で見てほしいんですが、今、私自身の頭の中は企業局を抜けて、住宅供給公社、土地開発公社、道路公社の方に行っております。これは、ひょっとしたら、企業局以上にとんでもないんです。 私は、責任者出てこいということはしなくていいと思っているんです。先ほど委員長がおっしゃったように、今大阪府は未曾有の財政危機だから何とかしようと。3階さん(審議室、財政課)は一般会計のことばかりで走っておられるから、私は、「ちょっと待ってください。一般会計の赤字はたったの 1,000億ほどでしょう。企業局がぐらっと来たら数千億、土地開発公社や住宅供給公社が大変な負債を抱えていたらどうするんですか。だから、全部表へ出して、治療が延びる病気のやつはちょっと後に回して、今どうしても手術せないかぬところからやって、みんなが知った上で前へ行きましょうや」と攻めているんです。 しかし、大阪府の中には部門間のあつれきがあって、私は困ったなと思っています。どんなことかといいますと、私が建築都市部へ行って、府営住宅でどのぐらいの資産を管理しているのかと聞いたら、13万戸ですと。大阪府の府営住宅管理は戸数管理なんです。持っている敷地の面積と、それを公示価格にかけたら何ぼの財産やと聞いても言わない。それで、何やったらおれが計算してやろうかと言うと、実はと出てくるんです。安く見積もって約1兆 7,000億円。 府営住宅は、昔の中高層耐火の前の簡易耐火のころのをまだ建てかえをしていますが、府営住宅は、収入基準の関係で、今は年金生活者ぐらいしかしか入れません。そうしたら、府営住宅の古いやつは、玄関を車いすが通れないから、変えてあげないといけない。そうすると、エレベーターをつけて、14階ぐらいの建物にしないといけないでしょう。だから、悪いけど、駅前一等地から離れて、安い土地に高層を建てるということで、駅前一等地の府営住宅を全部売りさばいて建てかえ資金にしたらどうかと言うと、そんなばかなことはできませんわと言っておられた。 ところが、昭和40年から48年のたった8年間に、約9万戸の中高層耐火住宅を建てているんですが、東京のは階段があって廊下型ですから、エレベーターをつけやすいけれども、大阪は階段があって両方部屋型だから、エレベーターを1つの建物に4つも5つもつけなければいけない。それも全部できるじゃないですかと言うと、今度は手のひらを返したように、建設都市部の皆さんは、「わかりました。全部データを出します。本会議で言うてください。うちもやりますと言います」と。 なぜこう変わったかというと、3階がその土地に目をつけたんです。大阪府の財政危機で、あの土地を売ってやろうと思い出したから、建設都市部はそれは困る、わしらの建てかえ資金に回したいんやということで、みずから建てかえ計画をやると。それで、大阪府全体みんな仲間じゃないですか、一回考えて出しましょうと。これがスタートで、箱をあけてきた。そういう気持ちになったら、もっとフランクに出せるでしょうと言って、企業局の幹部と議論をして、データは、私が勉強したんじゃなくて、当局の皆さんから1個ずつとって、組み立てていったんです。
不可解な損益計算書企業局の本論に入ります。海の会計、山の会計の損益計算書とバランスシートが載っている表1(略)を見てください。左に土地造成事業損益計算書、右側に住宅地区開発事業、下にそれぞれの貸借対照表が載っております。これが今までずっとまかり通っていたやり方です。私もこの数字からスタートしたんです。 これを合算しないと何もわからないと言うものですから、表2(略)に、同じ平成12年3月31日までの決算の分を合算したんです。これは簡単な話で、企業局の担当者が1日でやってくれました。これはうそはないと思います。上には合算と書いていますけれども、要は、企業局の損益計算書と企業局の貸借対照表です。 これをもらって、私は唖然としたんです。まず、損益計算書の左の一番下に当年度純利益が45億 9,800万何がしと載っているでしょう。ところが、この年の企業局の収支は52億のプラスなんです。これは6億狂っている。それで、計算を間違っているんじゃないかと言ったら、間違っていませんと。実際、年度の資金の流れを追っていくと、52億なんです。もう1つ、右側の営業利益の土地売却収益71億 8,400万円というのがあります。これは分譲収入ですが、この1年間に売った土地の分譲収入総額は 183億円なんです。何で損益計算書に正直に載っていないのかという疑問が出てきて、絶対うそをついていると思った。 ところが、ここからが問題です。公務員の皆さんが自分のところでやっている事業の損益計算書にうそを書いたら罪になりますが、これは、非常に微妙なところですが、うそじゃないんです。こう書かざるを得ない過去の累積があって、こうなってしまった。今の企業局は、損益計算書と貸借対照表を上手に読んで初めてすべてがわかるようになっているわけです。 ついでに言っておきますけれども、52億のプラスが正しいとしても、純利益が45億 9,800万円でも計上されたということは、会社で言えばもうかったということです。収入があって、経費を差し引いて、営業外収益をやってというのが損益計算書ですから、その結果もうかったと出されたわけです。過去にさかのぼって損益計算書の純利益を調べたら、昭和52年までずうっともうかっているんです。後で調べると、その前からもプラスだった。累積の利益だけでも恐ろしいお金になっている。それで、私はここで希望がわいて、これはどこかにあると思ったんです。 そこでふと疑問になったのは、損益計算書にその年の借金返済額が載っていないんです。これは載せなくていいという解釈もできるらしいです。収入があった年にお金を返したら、普通の会社なら、経費で支出です。この年に企業局は、それまでの借金を 179億円返しています。もちろんこの年に起債で金も借りている。ところが、返したお金が載っていない。 損益計算書は、1年間営業活動をして、幾ら収入があって、経費がどれだけあって、営業外収益をして、最後どうなったのかという流れを示すものです。貸借対照表は、1年間活動した後、平成12年3月31日という1点で企業局の資産状況がどうだったかをあらわす指標です。
1兆円強の資産?そう思って見ますと、やっぱり企業局はもうかっていると思ったんです。通常、一般の企業では、借方というのが資産の部です。それの合計に1兆 299億円という数字が載っているでしょう。要は企業局の総資産は1兆 299億円だと発表しているわけです。右側の貸方が一般企業で言う負債の部ですが、資本金の企業債に 2,658億 2,530万円と載っていますでしょう。これが借金残高の元金です。 2,600億円の借金で、資産が1兆円あれば、大もうけの会社です。ああ、大したものだと思ったんです。 それで私は、企業局に「資産1兆 299億円ほんまにありまんねんな」と聞いたんです。そうしたら、「実は1兆 299億円のうち 215億円はちょっとおかしくなってますねん。海と山が貸し借りしていて、こう計上しないと数字が合わないんでこうしていますけれども、本当は1兆円強なんです」という答えが来た。しかし、いずれにしても資産ようけあるから、安心やと思った。 ところが、この全部の項目を1つずつ調べていくと、会計法による項目でないのがいっぱいあるんです。それで、私の友達の公認会計士に見せると、「こんなもんよう分析せん。わけわからん。一体何でんねん」と、こうなんです。 保有土地の資産価値は2200億円ここからが時間がかかりまして、約1カ月議論と勉強を繰り返して解き明かしたのが図1です。この貸借対照表はこのように見て正解なんです。両方横に並べて見ていただいたらよくわかるんですが、貸借対照表の借方の資産の部で、正しい数字が載っているのは・・これはごまかしていると思わないでください。泉北ニュータウンとか二色ノ浜とかは、ずっと決算をしていないんです。数千億の事業をやったものの決算をしてないのがすべてここに入ってしまっているから、膨らんでいるんです。これは、大もうけしている不動産屋がある日突然不渡りで倒れて、負債何十億になるのと同じです。 企業局は年々決まった収入のない事業体です。つくった土地を売らない限りお金は入ってこない宿命なんです。今私が勉強している住宅供給公社は、家賃収入で毎年莫大なお金が入って、住宅金融公庫にものすごく借金を返している。一方で宅地造成事業をやって、役に立たぬ土地を高いときに買って、抱いて、金利を払って、それを家賃収入とごっちゃにして返している。一見いけるように見えますけれども、どこかでとめたら爆沈です。 ところが、企業局は、つくった土地を売って返さない限り返せない。左側の資産の保有土地は、ここには 2,200億円と書いてありますけれども、これは載っていないんです。りんくうタウンの売却残の土地、阪南スカイタウンの売却残の土地、その他の土地が幾らあるかということを正しく見ないといけない。企業局の企業監理課の台帳には、かかった経費で資産が載っているんです。そんなばかなことないでしょう。会計法では、かかった経費は資産と違うんです。資産というのは、幾らでお金になるかです。かかった経費で上積むから、これだけ莫大に広がるんです。 りんくうタウン、阪南スカイタウン、その他が幾らのお金になるかということで、私が一方的に言うと、それは先生が勝手にやったので、仮定の条件があるので、事実と言えませんと官庁の人は答弁したんです。それで、こういう条件で計算したら何ぼになるかと質問したら、企業局は、りんくうタウンは 1,400億円、阪南スカイタウンは 600億円、その他全部合わせて 200億円ですと。要は 2,200億円の資産でんなと言うと、今の公示価格でいくとそうなりますという答弁で、初めて 2,200億円の資産しかないことがわかったんです。
関空への貸付金は返還されるか?ほかに、12年3月31日時点で現金 282億円、プラス長期貸付金というのが 474億円あって、これは人に貸しているお金です。貸したものは返ってくるんですが、そのうちの 397億円は関空に貸しているんです。関空の1期工事のときに、当時だれがどう決定されたか、責任は問いませんけれども、国際空港を地域の税金を使ってつくったわけです。成田や羽田なんか全部国費です。何で関西人だけこんなにばかにされるのかと思ったけれども、そうしないとつくってやれへんと言うから、我慢して出そうかと。しかし、税金を使うのは嫌だから、もうかっている企業局から持っていけというので、ぼんとつぎ込んだ。これをつぎ込んだときに、既に企業局は火の車で、これをつぎ込んだために 400億円けつまずいた。それでお金が回らなくなって、もう一回借金した。それでまた金利負担になって、あっぷあっぷになった。これはわかっていてやったと思います。そういうことで、資産総額はざっと 2,956億円です。 だったら、借金はどれぐらいあるかというと、返すお金が 2,658億円プラス利息(473億円)の3131億円。これが企業局の正味の経理状態なんです。単純差し引き(2200億円−3131億円)すると、931億円の赤字になります。今年、13年3月31日では大分変化していますが、去年の3月31日時点ではこういう状況です。 関空は絶対返ってきません。もっと金くれと言っているんですから。関空の返還がないとすると、土地を全部処分して、現金にかえて、保有資金の現金を入れて、借金を払っても、去年の3月時点で 525億円の赤字です。
2126億円の債務超過ところが、今のりんくうタウンとか阪南スカイタウンとか、このときは箕面の開発もちょっと入っていますが、そんなものには新たにお金をつぎ込まないと売却できない。資産価値とは別に、新たな経費が発生するんです。それに何ぼ見ているかというと、 1,554億円まだつぎ込まないといけないとおっしゃるから、借金額3,131億円に足したら 4,685億円のお金が要るわけです。 企業局は、今持っている資産と現金で 2,956億円しかない。だから、ぱんと店じまいしたら 2,126億円の債務超過状態です。 ただ、企業局は動いていますから、この次の年にまた起債を起こして金を借りている。どんどん現金が入ってくるから、麻痺しているんです。ところが、いつか切れる。そこで、これは知事質問で知事さんに見てもらうためにつくった資料ですが、「知事さんね、12年から16年だけ見たって、遠い借金の返済期日じゃないんですよ。たったこれだけの期間に 1,800億円返さなあかんのです、企業局は」と。もう起債の返還時期が来ているんです。「問題は、総額の 3,000億円じゃなくて、当面の 1,800億円なんです。大阪府はどうしてお金返しますか。現金 282億円でしょう。どういう手を打つんですか」ということが議論になったんです。
りんくうタウンへの投資の増額企業局がもうかっていたという神話がどういうものであったかというと、平成11年決算、先ほど言いました損益計算書の平成12年3月31日で利益が出たという46億円は当年度純利益です。これは、ずっとプラスです、昭和52年まで。だから、少なくとも昭和52から平成11年まではずっと利益が出たと企業局は報告してきたんです。それはもうかっているとうわさになりますね。 ところが、実際の収支は、ずっとマイナスなんです。それも巨大な数字です。これは何を物語っているかというと、1つは関空のときのお金です。もう1つは、これはうわさの域なので、企業局は確かにもうかっているという感じが非常に高まった時期があります。最初りんくうタウンの募集をしたときには、わしも買う、わしも買うと行列ができた。当時のりんくうの販売価格は、平米 131万円ですか。これは平米88万円以下で売ったら赤字になるんです。坪二百数十万円です。そんな土地だれが買いますか。しかし、当時は 131万円ぐらいでわんさと来た。このままずっと土地は上がり続けるから、これを売ったら、りんくうタウン事業で恐ろしい利益が出ると。当時、机上の計算で1兆円近い利益を見込んだんです。 ところが、バブルで一気に崩れ出した。そのときにブレーキを踏まずに、企業局はこのまま行ったら大変な利益を残してしまう、そうしたら高く売り過ぎたと言われるという恐怖感があったと思うんです。それと、この際、世界に冠たる関空の玄関口のりんくうタウンをグレードアップしようという動きと、2つが重なって、りんくうタウンは、ご承知のように、総事業費が何回も変更になっています。これは議会で決議していますから、我々議員も同罪なんですが。 りんくうタウンに行くと、道路の下に、ちょうどこの部屋ぐらいのごっつい共同溝があって、物すごいハイテクが入っています。ごみなんか、部屋で捨てたら、しゃあっと真空で吹いて、あっちの方で固めて処分する装置とか、光ファイバーはもちろん、いろんなものがついている。その投資に、だれかが号令して、一気に上げたわけです。それは責任追及するのは嫌だから、余り過去のことは言わずに前へ行っていますが、そこにどんとお金をつぎ込んでしまった。同時に、バブルでどんと土地の値段が下がって売れなくなった。工事を発注して、やってしまった後で売れなくなったものだから、一気に格差が拡大したというのが現実です。 不要になった過大な設備あのときのりんくうタウンの完成想像図を見ると、高層ビルが建って、それは華やかな、香港がそのまま来たぐらいの感じでかいてある。りんくうタウンの共同溝へ入って一番感心したのは、K社というポンプの専門メーカーが設計施工しているんですが、すばらしい超合金の配管で、恐ろしい金額なんです。そんなのも湯水のごとく使っている。何でもいいという感じだったんでしょうね。何でこんな超合金が要りましてんと聞いたら、ごみですから、瓶でも何でも・・本当は分別して入れるんですけれども・・真空で引き込むから、カンカンカーンと当たって、普通の鋳鉄管だったらひびが入るというので、どんなものがぶつかっても絶対割れない超合金でできているんですと。それを使わないんですから。それで私は、もったいないから、あれを掘り出して何かに使ったらどうですかと言ったんですが、ごみの収集基地も工場も間もなく閉鎖して、泉佐野市のごみ収集車が来て回収するということに落ちついたようです。 人工基盤・・デッキも、あんなことよう考えたなと思うんですけれども、ちゃっかりしていまして、ビルの前のデッキは法律で施主さんが設置義務を持っているんです。当時はそんなものでもやった時代なんです。ところが、それが原因でビルを建てない人がいるので、これから交渉する人は、人工基盤のエリアでも基盤なしで結構ですと。あれは歩道が全部2階建てになっているので、交差点を渡るところは企業局がやりましょうという契約になっていたんです。 それから、地熱は、きっと損害賠償請求を起こされるでしょうね。エネルギーはようけあるのに、ビルが建たぬものだから、いつまでたっても採算がとれない。それで、新しいところに地熱の装置をやりなさいと言っても、吸収式冷凍機を買ってきて、ファンコイルか何か置いたら格安でできますから、個別空調で結構ですとみんな思っている。そんなので、一気に価値を高めて、地盤改良やらみんなやってしまったものだから、上下でだめになったということです。
H15年度に約400億円の不足そういうものが各年度ごとに、収支が思い切り赤字になった年に行われているんです。要は、借りてきたお金で筒いっぱい投資した。例えば、事業費を見ていただいても、恐ろしいお金があります。昭和63年で 623億円、平成2年 651億円、平成3年 726億円、平成4年 699億円と。このごろ企業局の発注担当をしていたら、麻痺したと思うんです。1部門で1年間に 700億円も発注するんですから、今なら考えられぬでしょう。それが毎年毎年なんです。これだけのお金を何に使ったのかと思うぐらいのお金が間違いなくいって、それを全部借金で穴埋めしてきたんです。そのツケが大量償還が始まる来年から一気に来るんです。これが企業局の実態でして、今の企業局はそういうふうに見ていただきたい。 しからずんば、これからどうしていくかということですが、起債の償還予定、要は毎年毎年こういうふうにお金を返していかないといかぬのです。もうこれは待ってくれない。裏書きを旧自治省がやっていまして、大阪府の借金になっているんです。企業局の借金じゃないんです。借金は知事の印鑑が入っています。すべて当時の自治省に起債の了解をとって、起こして、銀行が肩がわりしています。だから、返さないといけないんです。 これだけの借金が毎年あるのに、実は企業局は、今年度で手持ち資金がなくなります。ことしの 157億円は返せるんです。そして来年もう1年起債を起こせるんです。議会の決議と国とのあれで、りんくうタウンの総事業費の起債枠というのが決まっておりまして、総枠 3,566億円まで借金してよろしいということなんですが、その 3,566億円に、いよいよいくんです。いよいよお金がなくなるんです。14年は借金できるんですが、この借金をして、なおかつ数十億円欠損になって、15年からは全く返せなくなる。 それで、私どもは、一般会計の皆さんは1月のときはいまだに企業局はもうかっていると公式な話で言っていたけれども、違うんですよと。一般会計の10年先の収支見通しを出して、準用再建団体になるというけれども、平成15年に約 400億円ここにまだ積みまんねんでと。一般会計ではそんなん払いませんとおっしゃるけれども、同じ大阪府でしょうと。
税金で償わない方法は?企業局はまだ資産を持っていますから、平成15年に 400億円売ればいいんです。それで、損を覚悟で今売りにかかっているんです。りんくうタウンもきっと平米88万円とは言いませんわ。公示価格でいったら坪60万円ですから、60万円を切ったら売れるというんです。だから、これからは政策的な判断です。 こういうところから、ぜひ皆さん方の知恵を出していただかないと、資産を公示価格で全部処分したら、 2,200億円までは返せるけれども、借金総額は 3,000億円ですから、あと 1,000億円一般会計を入れないといかぬ。府民の皆さんは、事業の失敗に税金をつぎ込むと必ず言いますから、損のないように何とか工夫がないか。これからが正念場なんです。 今回、7月に発表されるものについては、あれだけ約束したから、間違いなく企業局は加味してくれます。企業局をどうしていくか、当面の借金返済をどうするか、事業の失敗を税金で償うことのないような形はとれないものか。 これはいろいろな方法があるんです。大阪府本体が借金を穴埋めしてしまうというのが1つのやり方で、これはそのままやったら税金をつぎ込んだと言われる。企業局の持っている土地を公共物として切りかえていく。例えば、道路とか公園用地とか、府営住宅用地とか、湾岸南部下水処理場用地とか、そんなことで大阪府は既に 1,200億円ほどは企業局に銭を渡しているんですが、それをまた新たにできないか。工場用地は、公示価格で売り出したら、結構募集が来ていますから、お金にかわっていくと思います。 りんくうタウンは、そんなことをやっていって、残ったものは負債で抱えないと仕方がないなという感じです。阪南スカイタウンは住宅事業ですから、例えば住宅供給公社と一緒にしてしまって、同じ膿の中でどうするかを考える。
府立大学移転のアイデア私も余り知恵はありませんけれども、この前の議会は、企業局のこの債務をどうしていくかということに重点を置いて、ああしたらどうや、こうしたらどうやとずっと思っていたものですから、知事質問のときに、私の住んでいる堺市に大阪府立大学がありますけれども、老朽化して困っているので、りんくうタウンに持っていって新築してやと言ったら、府立大学移転かと新聞に書かれて、堺市議会からえらい怒られました。 しかし、府立大学をよくしようと思ったら、現地建てかえでは無理です。今、財政当局は、府立大学の寮を建てかえるなら土地を売れと言っているんですが、大阪府立大学は結構名門ですから、もうちょっとちゃんとしてあげてよと。大阪女子大も同じ堺市にあるんですが、これも学部の問題を含めて再編したいと今やっていますでしょう。あれの前身は堺農学校ですが、大仙公園という立派な公園ができたのも農学校跡地で、堺農学校にはお世話になっていますから、例えば堺で農学部だけを新築して、新たに投資して世界一の農学部をつくって、あと工学部やらはりんくうタウンに移すとか、そんなことは考えられるんです。大阪府の土地ですから、大阪府が新たに投資するものに関して、土地を買わずに、りんくうタウンの土地を利用する。関空の玄関という世界に発信する場所ですから、知恵が出ないかと、こんなことを含めて、あれやこれやと考えているところでございます。
無責任な土地の借地そんなことで、企業局を端折ってみていきますと、間違いなく企業局はこういう状態で、来年40億円の現金しか残りません。ことし起債を起こした分のお金が入ってくるのは年度末ですが、それを入れて、来年の借金返済にかつかつなんです。来年の分譲収入予定は、今のところゼロです。今引き合いが来ている大きな物件はないんです。 あわせて、私はこれは本会議でも委員会でも言いまして、賛否両論ありますが、原価のたくさんかかった土地を企業局は定借にしたんです。私は、これは反対だと口を酸っぱくして言っているけれども、民主党の中でも理解していただけない。これは簡単なことなんです。企業局みずからが全部の資産を売りさばいても、全部の借金を返せないのに、これを貸してしまったら、20年間、50年間借金返済を放棄したことになるでしょう。ところが、今の担当の人たちには関係のない話です。この責任は公務員の皆さんにとっていただかなければいけない。今はいいけれども、後の人は大変です。売るものもなくなってくる。阪南スカイタウンは50年で貸す。りんくうタウン商業区のカルフールの土地なんか、一番お金がかかったところですが、20年間で貸すんです。チェルシーのアウトレットモールも、にぎわいを創出して、土地の売却に誘導するときれいごとをおっしゃっているけれども、一回貸したら、次の人も貸してくれと言うのは当たり前の話です。民間の経済論理というのはそんなもので、にぎわってきて人が来るから、うち土地買おうかと、そんなばかな人は一人もおりません。 それで、私は、貸したらだめと言ったんですけれども、議会は、 111人賛成、私1人反対です。これはきっとツケが来ます。だから、私は本会議で知事に嫌みを言ったんです。こんなのを貸し続けるということは、今や大阪府や企業局は借金返済を放棄したのと違いますかと。こんなことやってて、さあ、みんなで改革しましょうと言っても、だれがついてきますか、どう思いますかと言ったら、これだけ答弁なしです。
問題の残る「水と緑」の処理策企業局の問題は、本当はこれにもう1つ、水と緑の健康都市の問題がくっついているんです。だけど、これは、私たちの指摘を全部受けとめて、ずばっと切り離していただいた。これは地元のいろんな問題がありまして、たまたま民主党では地元箕面から中島議員が出ておりますので、これはちょっと引こうと。確かに、箕面市や止々呂美の人たちの感情もあるので、余り四角四面に言えないけれども、あんなとんでもない計画ようやりましたなと。と言っても、議会で決めたんですから、もう言いませんと。 今回の処理策は一歩前進だと思っていますが、問題はようけ起こっています。例えば、今道路公社がトンネルを掘っておりまして、有料にして 600円で通すと言っていますけれども、あれの資金負担で企業局は 145億このお金の中から出す予定だったんです。しかし、今回の負の遺産の整理という提案の中では、企業局は放棄していまして、どこが持つか決まっていない。例えば、これを道路公社に持たせたら、道路公社は大変です。 600円の通行料なんかにはできませんから。試算したら 1,000円超えますと言ったら、止々呂美の人は怒りますよ。 これはすべて7月の行財政見直しのときに出すとおっしゃっているから、私たちは待っています。 ほかにも、 1,300戸のまちを山の上で本当に実現できるか。大体、 1,300戸家を建てて、まちと言えますか。それも区画整理でやるんです。区画整理は造成事業と違って、ぱあっと土地造成して、さあ買うてくれと言って、ばっと家を建てるんと違うんです。仮換地をやって、地主さんが一つ一つ建てていく。おれは第二名神ができるまで土地置いといたろうという人がほとんどだと思いますから、現実的には荒れ地です。 私は、企業局はああいう形をつくりながら、地主さんの手をかりて、全部自然に返す気でいるのと違うかと思っているんです。あれだけ削ってしまったら、土砂崩れとか山の崩壊を防がないといかぬから、道だけつけて、あとは自然に戻す。しかし、崩れないために企業局で全部金をやったらいかぬから、区画整理でやって、地主の権限にしておいて、草ぼうぼうにして、自然に戻すと。そこまで考えていたら、仲野課長はえらい人やと冗談を言いながら、成り行きを見守っております。 ただ、建設省のダムはとんでもない。ダムというのは、川をせきとめて、水をためて、水量調整をして、ついでに電気を起こすんですが、あのダムは、わざわざ余野川の水を水緑のところに持ってきて、トンネルを掘って水をためるんですよ。ダムの要らぬところにダムをつくるために、苦し紛れにつくっている。ただ、建設省・・国土交通省は、こっちの水をコントロールするのに、上流で水をとってやったらコントロールできると。一つのへ理屈ですけれども、果たしてあのダムもできるかどうか、私もわかりませんが、そんな時代じゃない。時代がきっと勝つのだろうという気はしております。
企業局の皆さんと対峙した流れでも少しわかっていただけたら幸いかと思って、お話しさせていただきました。熱心にご清聴いただきまして、ありがとうございました。 (拍手) 質疑応答○中垣 (総務) この間、財プロでずっと財源不足が言われて、赤字がますます拡大する、2006年、7年には財政が破綻して、再建団体に転落の危険性があると。しかし、今のお話を聞くと、それが前へ倒れるということで、非常に危機感を強く持ったわけです。 金がないからといって、労働組合の立場からは、協力したくはないけれども、せざるを得ぬと。 13年、14年という起債の償還に向けて、税収の好転はない、大阪府の土地財産は管財課で売り食いしています、府営住宅を含めて何とかもうちょっと金できるからと。そうやって絞って絞って、売るところは皆売って、結局は昔の資産家のように、井戸塀になってしまう。そんな状況になって、若い人材が育つのかどうか。13年、14年の起債償還が一般財源からということが通るのかどうかお聞きしたいんです。
大阪府は絶対生き残る○関 必ず質問が出るだろうと思って、あえてそれを言わずに、結論を言ったんですが、私は、労働組合の役員の皆さんには、いろいろな条件をのむときに、もっと事実を聞くべきだと言いたい。みんなが実態を知らな過ぎる。私は楽観主義でして、質問して攻めながら、大阪府はまだまだいけると思っているんです。これだけの資産があって、これだけの陣容と人材を持っているんだから、やれますよ。 日本の国という国家で考えたときに、大阪府という位置づけは無視できません。国だって放置できないです。だから、関空に今 1,600億円府からお金をつぎ込んでいますが、そんなものも含めて、帳じり合わせて、国庫から返してくれと。国だってお金がないといって、現時点では自民党さんは抵抗していますけれども、小泉さんみたいな総理が出る時代ですから、変わると思います。 大阪府の人口は 900万で、 900万人が金稼いで所得税を国に納めているんです。私は、鳥取県米子市の生まれですが、鳥取県の人口は60万です。隣の島根県は80万弱ですが、例えば国からの交付金は大阪府とほぼ同額です。これは国庫の分配の仕方を大阪府が犠牲になって変えさすべきだと思っています。 国は絶対大阪府をつぶしません。つぶれたら大変です。大阪府下の市町村全部連鎖しますから。これを乗り切っていくためには、お金を穴埋めせないかぬ。一般会計と僕らは言っているけれども、要は税金の使い道なんです。 企業局がむだなことをしてきたかというと、私はしてないと思います。ケース・バイ・ケースでいろんなことをやってきた。何が問題だったかというと、時期を見るのがへただった。そして、ブレーキの踏み方が遅い。これは、公務員の組織では仕方がないです。私は、民間企業との違いはそこだと思うんです。 経営者は知事かというと、そうなっていないでしょう。企業局長かというと、そうなっていない。企業局長がどれだけのことを知っていたかということになるんです。だれが責任を持って数千億のお金を扱ったのかというと、それは過去からこうしてきたという安心感の中でみんなやったんです。だから仕方がないんです。これは何ぼ府民が文句を言ってきても、府民もそれをよしとしてきた。問題は、過去の責任を言うよりも、これからどうしていくかです。 私は、大阪府は絶対生き残るし、準用再建団体の話だって、何%と国が言っているだけで、あの数字がひっくり返ればいいわけです。
国との対峙が必要今は、党派のエゴとか、労働組合もいろいろなことを言っている時代じゃなくて、いみじくもおっしゃいましたが、議会も当局も幹部も職員さんも、大阪という1点で1つになることだと。そうして、関空の対応とかも国に対峙してほしい。 民主党も、知事さん東京に負けたらあかんでと。一生懸命言っているのはそのことなんです。別に東京都民を敵に回しているんじゃなくて、1つは国、1つは東京都なんです。東京都に余りええかっこされると、大阪はつぶれますねん。教育の問題でも東京方式でいろいろやられると、大阪にはなじまない。空港のことを何回も言いますけれども、千葉県も東京都も神奈川県も血税を1円も使わずに、あれだけの大空港をつくっている。大阪はえげつないほど銭とられて、なおかつやめたろうかとおどかされて、着陸料までおまえら税金で払えと、とんでもないことに誘導されかねない。 大阪府は、政策そのものを根底から変えないと、乗り越えられないことはありますけれども、楽観部分で見ますと、長期的には絶対やれる。短期的にどうするかというと、総務省と勝負です。それしかありません。超法規的に金を貸してもらわぬと回らない。これは貸すと思います。 例えば宮崎のシーガイアなんか立派に救っているじゃないですか。宮崎県は県として頼みに行ったんです。大阪府は、財政課長が大阪府代表で、大阪府こんな状況やから何とかしてくれと、ただの一回も行ってない。知事も行ってない。一般会計の話では行っているんです。そして、うちがやっている出資法人や企業局にこんな問題がありますねんということは言いはったらしいです。そうしたら、まとめてちゃんとして持ってこいと言われたんです。だから7月なんです。国に向かっての作業も続いていると思いますB 私たちが言うのは、今回は1回こっきりでしか勝負できない。だから大体のものを全部出して持っていかないと、来年住宅供給公社が吹っ飛んだら、実はもう 2,000億円足りません、その次に土地開発公社に塩漬けしている土地がどないもこないもならぬようになったから、また要りまんねんということでは、国も大阪府の職員さんの能力を問うでしょう。 だから、私は、国から来ている人に、あんた責任重いよと。何年に準用再建団体になるというようなことを議員の前でしゃあしゃあと説明する暇があったら、全部局を回って、胃袋の中を見るカメラを各部局に突っ込んで、中の中まで見る勇気があるのかと。 企業局には、「企業局さん、新しい局長さんにお願いします。7月に見通しを出さないかぬから、それまでに企業局としてどうするか持ってきなさい」と言っているんです。企業局本位でさせるべきかどうかというのは、議論の分かれるところです。 大阪府全体としていち早く全員がやらないと、これは政治的部分がありますから、考え方はいろいろあると思いますが、私は、今回の財政見通しをまとめるのが唯一最後のチャンスになると思います。それでなかったら、次にあれもこれもと言ったら、皆さんばかにされます。出せば、救うという言葉は悪いですが、皆さん方労働条件を削ってまで何とかせないかぬということはないですよ。
定数管理の問題を議論私はそのために毎週水曜日に勉強会をしておりまして、大分通過しました。それで、当局に、3階があんたらに手を突っ込まなかったら、わしら突っ込んでやると言って、順番に議会に呼んで、私たちが要求する資料を全部出せと言って、出資法人も供給公社も全部終わって、資料をどっともらっています。 たまたまきのう定数管理の問題を議論したんですが、教育委員会も含めて来ていただいて、今の大阪府職員の人員配置全部のプロットをいただきましたので、どこの部局のどんな職種に何歳の人が何人分布しているか一目でわかる。私は52歳ですが、私ぐらいのところから上がごっついおって、それを見ただけで、退職金大丈夫かなと思ったんです。へたをしたら、自民党のおっちゃんらが、退職金の支給額を減らせと言いかねない。それは最後の最後であって、簡単に言わせたらいかぬ。 この前の 3,000人だって、平成23年までに自然退職で、今52歳以上の全職員 5,600人がやめるんですから、 3,000人減らそうと思ったら、 2,600人新たに採用できますがな。再任用枠を入れても、約 1,600人の余裕がある。ところが、ここにまだいろいろマトリックスの不確実さがあって、例えば出向者、出資法人に出ている人たちも巨大な数がいる。出資法人が抱えているプロパーさんも入れたら、数千人です。これがないといかぬということで、きのうはそれも新たに持ってきなさいと。 そういうことで、げっぷが出るほど資料が来まして、8班編成で分かれてやっております。私は出資法人とかの経営分析チームの大将を仰せつかっております。定数削減についてどれが正しいかを研究する部隊もあります。これが勝負だと私たちは思っております。それで、「予算議会は7月まで終わらない」を合い言葉に、「7月プロジェクト」という名前で私たちの会派は勉強しております。
紀ノ川利水のムダ知れば知るほど大変ですけれども、大変や思っていたら夢も希望もない。大阪府は4兆円の借金なんです。こんなものを入れたら、ざっと5兆円ぐらいですか。しかし、総資産ぎょうさんありますから、最後は店畳んでね。可能性はあるんですよ。例えば、道州制の問題とか、大阪都構想とか、まことしやかな話があるでしょう。僕はあれは大阪市が消滅すべきやと思っています。大阪府が面倒見てやらないといかぬ。そんなことも含めて、大なたを振るわれるでしょう。 島根県と大阪府が同じ交付金をもらっている。 900万人と90万人としても、10分の1じゃないですか。なぜ同額なんですか。国からの交付金の基準はそうなってますねん。だから田舎では自民党が強い。僕らの田舎では、1日に車が10台も通らぬようなところに70億円かけてトンネルを掘ってくれている。今までも立派な道路があるのに、15分短縮するために70億円です。 いろんなところでむだなお金を使っております。この近辺では、紀の川利水に、導水管も含めて、大阪府はこれから一千数百億円お金が要るんです。今、これ以上水道料金を上げたら、府民の皆さんは怒ってきますよ。ですから、琵琶湖総合開発が終わる23年まで紀の川のおいしい水は待つべきですね。そうしたら、減価償却どんと落ちますから、値下げしてもいけるくらいです。 それをだれかの圧力で、今すぐダムをつくれとか、今すぐ導水管を入れろとかいうようなことをやると、きょうまた事情聴取されているOのような目に遭うということですので、我々議員も気をつけないといかぬなという気持ちも含めて、ざんげの念と、今は知恵を合わせるときやなという感じを持ちます Bピンチやけど、逆にチャンスやと思います。今までの膿を全部出して、すっきりきれいな形にしましょう。そうしたら、若い人たちも夢ありますがな。大阪では最高の公務員さんですから、自信を持ってやってもらったらいい。日本で2番目の大阪府だから、日本で2番目の給料をもらって当たり前ぐらいのことになって、おれも大阪府に勤めてみたいという人がどんどん出るぐらいになればと思っております。 ○門e (建設) 私も平成8年から10年まで企業局に在籍したことがございまして、そのときから、いずれ企業局は店じまいせなあかんのやなという議論は、組合員、非組合員、別の組合員も含めてしておりました。それは、何も企業局が悪いことをしたとか、失敗したからじゃなしに、今まで基盤整備を行って、その上で、千里泉北まではほどほどの収支をとって、立派に役割を終えて店じまいをせないかんのかなという認識を僕は今でも持っておりますB そもそもりんくうタウンは、大阪府の南北間のバランスを考えて、あえて空港を南に持ってきて、それとあわせて基盤整備をしていかなければいけないと。私は、りんくうタウンの役割とか当初の理念がそんなに間違っていたとは思っていません。 もう1つ、今大阪府は産業再生プログラムで一生懸命企業を引っ張ってこないといかんと。りんくうタウンの問題は、ただ単に収支の問題だけじゃなくて、空港との結節点で、本来ならあそこに企業が張りついて、産業拠点となっていなければならないのが、ならなかったというところに、案外光が当てられていない。
関空の株式会社方式が元凶○関 そのことは、私は、大阪府みずからの政策の失敗でやってしまったと見ています。なぜかというと、おっしゃるとおりなんです。りんくうタウンは、関空をつくるために必要なものです。あれのない関空なんかあり得ない。 何が問題で企業局が売れなくなったかというと、まずは橋の値段の高さです。企業局の土地を買いに来た人の中には、空港関連事業の人がたくさんおられるんです。りんくうタウンに工場や事務所を置いて、橋を渡って空港で仕事をしようと思っていた。ところが、橋が高いために、そんなものようつくらんわということで、とまってしまっている。 これは、企画調整部を中心とした大阪府のトップが関空を株式会社としてスタートさせたことに重大な欠点があるんです。株式会社にしたために、関空会社は、本来りんくうタウンに配置すべき設備を関空本島に全部とった。例えば、日航ホテルを建てたでしょう。株式会社でなかったら、空港はもっとようけ設備が要るんだから、ホテルなんか入れませんよ。ゲートタワーのもう一方に日航ホテルができていてもいいぐらいの話です。ところが、関空株式会社は1兆円の減価償却をかぶせられたから、とにかく商売せなしゃあない。貨物とか、機内食の工場とか、みんな空港本島にできた。あれが成田とか羽田のような国営空港だったら、全部りんくうタウンに来て、りんくうタウンは、民間の投資がなくても、バブルで落ちても、空港関連で土地が売れて、きちっと張りついたはずなんです。だから、そもそれ株式会社方式がりんくうタウンの首を絞めた。 今からいろいろ言っても、議会も含めて大阪府がすべて意思決定しているわけですから、企画調整部の機能と企業局の売っていく機能がうまくいっていなかったんでしょう。こっちは空港をつくるために奔走する。企業局は任されたけれども物を売ることと原価主義ばかりに走って、気がついたら、平米 131万円でだれが買いますかと言われて、知事さんは一緒だから、よう文句を言わぬ。 問題はこういうことの情報開示なんです。当時あれをもっと府民に見せたらよかった。関西国際空港をつくるために、大阪府の企業負担、いろんな生のデータをつぶさに見せたときに、大阪府民がどう判断したか。僕らだって府会議員になってやっとわかったので、堺の市会議員をやっていたら、ずっとわからなくて、いまだに企業局はもうかっている、うそをついていると言っているかもわかりません。
○司会 きょうはどうもありがとうございました。(拍手)
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資産 | 負債 | |
保有土地 2,200億円 (りんくうタウン 1,400億円) (阪南スカイタウン 600億円) (その他 200億円) |
△931億円 | 起債残高 3,131億 |
保有資産 282億円 | ||
長期貸付金 474億円 (うち関空特別貸付金397億円) |
△175億円 (関空特会の返済がない場合 △572億円) |
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△1,729億円 (関空特会の返済がない場合 △2,126億円) |
今後の事業費1,554億円 | |
合計 2,956億円 | 合計 4,685億円 |