選 球 眼 |
||||
2001.02.01 今年のプロ野球は、これまでの135試合から140試合制になることが決まった。これまでコミッショナー側と選手側の労使間対立がマスコミをにぎわせたが、労働組合である日本プロ野球選手会(ヤクルトの古田選手が会長)が使用者側の譲歩を評価して決着した ◆「連合2月号」にはタイムリーな内容で同選手会の松原事務局長の談話が載っている。松原さんは選手が試合数の増加だけで反対しているとされる報道に不満をもらす。選手会はむしろ、ファンの要望に応える独自の検討で130試合プラス6チーム×2試合のセ・パ交流試合=年間142試合の提案をまとめている。地方開催なども盛り込みファンが望む方向を見い出しもした ◆一方、使用者側の意向は「収益増のみを追求したことが明らかで選手側の意向は一切組み入れられない状況だった」と松原さん。賃金・労働条件の改悪だけでなくファンを無視する使用者側の姿勢に反発したと強調している ◆自治労でも春闘が始動した。どこの世界でも労使の合意が大前提。一方的な使用者側の態度には毅然とした態度で立ち向かう。公務にも課題が多い今春闘。要求実現にジャストミートといきたいもんだ(T) |
2001.02.11 3月31日に開業することが確定しているUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)。此花区に出現する巨大テーマパークは、その経済効果が3000億円を超えると報道されている。あの東京ディズニーランドに次ぐ、楽しく消費意欲をかき立てる好材料だ ◆仮に阪神タイガースが優勝すると1800億円とされ、その額の違いが際立つ。シンクタンクの予測では開業初年度で1000万人の入場者見込みがあるなど、世界を股にかけるユニバーサル・スタジオへの期待が高いことが伺える。低迷する大阪経済の起爆剤としては大いに歓迎ムードのUSJ ◆でも、これほどの人間が大阪に押し寄せるのだから、その周辺や近隣の交通機関の混雑ぶりを思うと今からうんざりする気持ちにもなる。会場最寄りはJR駅のみ。自動車の乗り入れでも阪神高速湾岸線から進入できるが、いったいどんな渋滞が待っているのか ◆日頃、同道を使う泉南住民としては、これまでの空いている道路が無くなってしまうのはイヤだ。混んでる場所も嫌いなだけに、USJに自分が入場するのは何時になることやら。子どもに「連れていけ」とせがまれると思うと今からゾッとする。(T) |
2001.2.21 中学卒業後、板前修業を積む少年・少女。彼らを叱咤激励しながら一人前の大人・板前に育て上げようとする親方や先輩の板前達。日本料理店で繰り広げられる人間模様は感動の連続だった ◆深夜のテレビ番組には厳しい修行の中で、遊びたい盛りの心の葛藤を繰り返す少年の姿があった。仕事をミスれば容赦なく頭を叩かれ、激しい口調で罵られる。あまりに厳しい修行に耐え切れず辞めていく者が多い中、画面の彼らは懸命に料理に取り組んでいた ◆17歳の少年は修行の厳しさに母親に弱音を吐き、他の友人のように遊びたい心を押し殺していた。ある時、母親が妹を連れて息子が働く店へやってきた。母親は息子の手さばきを眺めながら涙して、息子もまた黙って泣いた。後日、少年はとうとう店から逃げ出したが、自分の意志で悔い改め店に戻り、一からの修行に身を投じた。親方・先輩は厳しい中にも温かく彼の気持ちを受け止め迎え入れた ◆少年のがんばりを見ていて、「えひめ丸」の少年達のことを思い、その無念さや怒りが自分にもこみ上げてきた。自らめざした厳しい修行の場を、突然湧いて出た一隻の潜水艦に台無しにされてしまったのだから。(T) |