選 球 眼
senkyuugan  2001.3

2001.03.01

 3月13日から18日ごろ、宇宙から隕石ではなく人間が作ったもんが落ちてくんねんて。なんでも宇宙ステーションやったデッカイもんらしいで。そんなもん突然落ちてきて人にでも当たったらどないすんねんな

◆旧ソビエトが1986年に打ち上げた宇宙ステーション・ミールは、世界各国の協力で運用され、宇宙開発のため人類が長期滞在して地球を含む宇宙観測や、様々な科学実験などが行われた。いろんな施設が数年にかけて増設され、巨大な施設になっている

◆今回、その任務を終了したミールは地球の大気圏突入による高熱での廃棄処理が行われる。地球の表面にはまったく何も降ってこないかというと、そうでもなく燃えきらない最大の落下物は700キロにもなると報道されている。落下地点はニュージーランドの東3000キロの南太平洋の見通し

◆アメリカでは飛行機で9000メートル上空まであがり「燃えるミール」を見学するツアーがあるとか。なんとも脳天気なもん多いなアメリカは。落ちた燃えカスは誰か拾いに行くんやろか。地球の外にあるときは星みたいにきれいやけど、帰って来たらただのゴミや。ちゃんと拾わな地球のゴミまた増えるで。(T)

 
2001.03.11

 オーストラリアで開幕した自動車レース・F1(フォーミュラー1)グランプリは、モータースポーツファンにとっては、眠たい目をこすりながらも夜な夜なテレビに釘付けになる楽しみが始まった

◆自動車の持てる能力やスピードを極限まで追及した怪物マシンは、約3000CCのエンジン(トヨタで言えばクラウンクラス)で時速300キロを超える速度を記録する。タイヤむき出し1人乗り、ドライバーの首も外にむき出し。字に書くと何ともけったいな車のようだが

◆世界の(主にヨーロッパ)自動車関係メーカーがその技術力の進歩や、市販車への技術活用のために巨額の投資で作り上げるマシン。レースに事故は付き物だが、ドライバーを守るための工夫が随所に施され、高速で激突しても死に至るケースは飛躍的に減少している

◆ただ、開幕戦では壁に激突したマシンのタイヤや部品が飛び散って、コースマーシャルと呼ばれる公認審判員1人がタイヤを胸に受けて死亡。観客数十人もけがをした。その現場では、人を助けるどころか部品を集めるために群がった非常識人間がいたことは、F1ファンの1人としてというより、人間として情けない限りだ。(T)
2001.03.21

 ラッキーな出来事は、いくつかの偶然が重なって起きた。仕事を終え「軽く一杯」で心地よい帰路についた南海新今宮駅。駅では滅多にタバコを吸わないが、その日はなぜか喫煙コーナーへ。突然、かばんを蹴られ振り向くと、そこには同期の友人とその後輩がニッコリ

◆駅でバッタリ会うことは珍しく、友人が「岸和田駅前でラーメン食おう」と提案。手前の春木駅で降りる後輩は先輩に逆らわず乗り越し、はるか樽井までの切符を持つ自分は、途中下車で300円ほどを南海電車に寄付してラーメン屋に

◆ラーメン・半チャン焼飯・ビールに舌鼓、楽しい話でひとときを過ごした。店内にはカウンター並びに1人の紳士。今思えば、こちらの様子をうかがっていたような気もする。その紳士が店を出る際、親しそうに友人の肩をポンと叩いて出て行った

◆友人は突然のことに「?」顔。それを見た店主は「知り合いでは? 皆さんの分も勘定払って帰りはったよ」と。友人はまったく面識がないようで「誰や」との話でもちきり。紳士は酔っ払っており誰かと間違えた様子。3人は給料日前に降って湧いたラッキーな出来事に感激しながら、ただただ紳士に感謝の夜でした。(T)