選 球 眼
senkyugan  2001.4

2001.04.01

危機的な財政状況に対して、企業に新たな税の負担を求めた大阪府。2月定例府議会で法人府民税均等割の超過課税にかかる条例案が可決したが府としてのさらなる努力を求められた知事は、この先10年間で一般行政職3000人の職員削減を表明した

◆確かに、減債基金(府債を返すために積み立てた資金)まで手を出さざるを得ず、単年度で5000億円を越える財源不足を生じている府のやりくりは火の車だ。歳出総額の約30%を占める人件費の削減は、民間企業が行うリストラ手段と同様に、一目で内部努力していると見せやすい経費だ

◆だが、現在の府職員は本当に多すぎるのだろうか。きめ細かいサービス提供には人の力が必要不可欠ではないのか。人件費を切りつめるファミリーレストランなどでは、従業員が明らかに足りていない状況で、客に「早くして」と文句を言われて困り果てる従業員の痛々しい姿が目に付くようになった

◆まず、行政サービスの必要性を府民に問い、職員にも問い直すことが先決ではないのか。仕事が減らずに人が減って、四苦八苦するのが公務員に求められる姿なのか。公務員は親方日の丸で甘すぎるのか。誰か答えて欲しい(T)
 
2001.04.11

6回目の1等当選金は4万5313円と低配当になったtoto(トト)。これまでの最低当選金となった今回は、全試合で引き分けもなく順当な試合結果になったということか

◆初回の1等は599万円強。1等当選金限度額はビッグな1億円で3回目に2口の当選。3月末、ついこの間の5回目で5口が1億円の大当たり。1000円(10口)買って大金を当てた人の記事がスポーツ新聞をにぎわせた。一攫千金を夢に購入者は増え続け、前回は29億円を売り上げたトト。サッカーに限らないスポーツ振興のため、スポーツ団体や都道府県に配分して活用される貴重な財源だ

◆「トト」はサッカーが対象のくじを表す国際的な名前。語源は「トトカルチョ」か。イタリア語でプロサッカーの試合の勝敗に賭ける賭博の一種。イタリアではもちろん公認の宝くじ。日本でもスポーツ振興くじとして、昨年11月から13試合の勝敗を予想して一口100円で購入できる

◆試合の勝敗で大金が入るかもしれない割には、テレビの生中継が少ないし、今ひとつ臨場感に欠けるトト。宝くじみたいに当選番号だけ待っているようで、サッカー人気のアップにはもう一工夫が欲しい(T)
2001.04.21

低空で沖縄本島に近づく旅客機。旅行で初めて沖縄を訪れたときには、揺れる飛行機のなかでも特に不思議な感じはしなかった。むしろ真っ青な海が間近に見られて沖縄の自然を実感したものだ

◆2回目、沖縄平和行進に参加するため訪れたときには、なぜ「旅客機が低空で飛ばなければならないか」の理由を知って改めて基地の島・沖縄の現状を突きつけられた。米軍嘉手納基地を抱える沖縄周辺の空域は、基地優先の管制空域で、本島周辺は民間旅客機が低空で飛行しなければならない。緊急時には旅客機着陸の許可も出ないときがある

◆広大な敷地の基地を横目に、70キロ弱を行進した3日間。基地の撤去と県民の怒りをアピールする行動では、沿道から手を振り励ましてくれる子どもたちや、おじいさん・おばあさんの温かい励ましが疲れを癒してくれる。ある種の連帯感を感じながら歩く3日間は参加者にしか体験できない貴重な感激だ

◆5月とはいえ陽射しがきつい沖縄。額に汗して真っ黒に日焼けした顔同士、参加者の熱意も高まっていく。沖縄の現状が日米安保の縮図、いやそのものだ。沖縄・日本に基地はいらない、肌で感じる行進がもうすぐ始まる。(T)