選 球 眼
senkyugan  2002.9

2002.9.1

着陸態勢から地上に降り立つ飛行機の航空灯が夜空に映える。自宅のベランダから見える関西国際空港、その先の明石海峡大橋のライトアップが織りなす夜景が、我が家のささやかな自慢

◆関西国際空港は開港から8年を迎える。2期工事も進み護岸が顔を出した。軟弱な地盤に設けられた空港島は、地盤沈下を続けているが府内経済も地盤沈下を続け、空港運営も国頼みの綱渡り。国の予算が折り合い、関空社長は喜んでいた

◆関空会社に出資する府の財政は、ご承知のとおり。それでも2期工事はもう止まらない。大阪湾にぽっかり浮いた無人島にならないよう、必死の攻防が続けられるはず。いざとなったら、保護された護岸についた豊富な魚が釣れる巨大釣り公園にすることも考えてみては

◆アジアの国際ハブ空港、が関空のお題目。物の流通だけでなく人々のグローバルなつきあいが演出できる場に活用できないか。世界の民衆が集い交流を深める場に。あの橋を渡ろうとしても、気が引ける値段がうっとおしい。(T)

2002.9.11

国内の株価急落で、これからの日本経済はどうなるのかと騒がれている。バブル期以降、下降の一途をたどり、GDP統計でさえ疑いのまなざしで見られる始末

◆日経新聞発行の冊子「きょうのことば」に「バブルジュニア」と聞き慣れない言葉が載っていた。小学校高学年から中学生の女子をアパレル業界がそう呼ぶ。80年代後半のバブル期に多様な消費で楽しんだ、30代後半から40代前半の母親の影響を受け、おしゃれにいそしむらしい

◆ブランド品の洋服を中心にメーカーのイベントで、わんさかと消費しているとか。不景気と騒がれる時代に価値ある物には金を出している。幸い、我が家の愚息たちはおしゃれに気を使い金を使うふうもなく、せがまれないで済んでいる。風呂に入るのもおっくうな態度で、「汚ギャル」ならぬ「汚少年」だ

◆的確な景気対策が重要だと叫ばれているが、当の首相は明確な手立てを打てない。コンサートに行ったとか俗っぽい場所では目立つが、バブルジュニアを見習う積極性がほしい。(T)

2002.9.21

やっと朝晩涼しい風が吹くようになり食欲の秋・読書の秋・スポーツの秋がやってきた。わが家では、テレビ通販で「アブソニック」なる筋肉増強マシンが知らぬ間に購入され、筆者は「腹のたるみを矯正しなさい」の秋を迎えた

◆EMS(電気刺激により筋肉を収縮させる)によって、筋肉増強を図るこの機械。なんと3枚セットで9800円。TVでおなじみのやつ。試した初日、ふくらはぎに巻いてみて刺激モードを最強にしたら思いっきりつりました、アイタタッ

◆運動なしに筋肉増強が図れるとのうたい文句。タイミングのいいことに情報誌「日経トレンデイ」にその効果を試す記事が載っていた。機種により価格帯に幅があり、いまはやりの1万円前後はあまり効果が期待できそうにない。スポーツ選手などが使う物は数十万円もする。刺激を与える電流の質の違いが価格の違い

◆「安もん買いのゼニ失い」、トホホ。だが、わが家ではそんなことも知らず、たるみを気にする嫁はんが結構真剣に取り組んでます。(T)