選 球 眼
senkyugan  2003.1

2003.1.1

2002年は日本を含むアジアでの出来事が相次いだ。中国瀋陽の日本領事館への中国武装警官侵入や、サッカーワールドカップの日韓合同開催、日朝首脳会談実現・拉致事件への謝罪と日朝国交正常化交渉などは新たに歴史に刻まれる。国内でも、ノーベル賞のダブル受賞などは今後の発展に大きく寄与する快挙

◆2003年はどんな年になるのか。アメリカによるイラク攻撃の動向は依然危うく、日本はとうとう自衛隊艦船を派遣した。緊張の度合いを増す情勢だが、戦時にだけは至らないよう願うのみだ

◆平和が危ぶまれる一方、人類が生き続けるための水資源にも世界的な危機が押し寄せている。当たり前のように蛇口をひねれば水が出る日本にいて、その実感はない

◆しかし確実に森林破壊や水質汚染が進み水源が減り続けている。今年、世界的な話し合いと行動を起こす取り組みが大阪でも行われる。未来に向けた取り組みに期待したい。(T)

2003.1.11

今年は、日本でテレビ放送が始まって50年を迎える節目の年だそうだ。白黒、カラーと発展し、世界各地の出来事・情報は人工衛星により、茶の間にいながら認識できる。今やテレビのない家庭生活は考えられない状況

◆毎日新聞の特集で、テレビのこれからを語る3人の寄稿があった。その1人、神奈川大学教授の田畑光永さんの「頭を使わぬニュースは危険」との論に同感。眼前の出来事が瞬時に画像として流されるが、そこに言葉が足りず考える時間を与えないほど、技術面が先行しすぎているといった内容

◆いま起こっているアメリカとイラク、北朝鮮の危険な関係でも、画像優先の報道から「けしからん」との世論を導きかねない怖さがある。なぜ、そんなことになっているのか、の真義をテレビから読みとるのは難しい

◆情報を伝えるとの広い意味で、機関紙の編集にも意義ある内容。活字として伝える時、そこに「考え」が存在する。その「考え」を大切にしたい。(T)

2003.1.21

新年号クロスワードパズルへの応募も締め切り間近。多くの組合員の皆さんから続々と寄せられている。新年号の感想や組合への意見などコメントも多い

◆1面の写真の感想ではどこの木との問いも。この木は秋田県白神山地にあるブナ。力強さや自然の雄大さが表現された迫力ある写真。2面の世界水フォーラムの記事にも「水」資源の大切さや重要な課題との感想が多い。自然を守ることは人間としての責務。労働組合も環境保護活動などに取り組む

◆一方、賃金・労働条件が長引く景気の低迷で悪化の一途をたどる現状。労組のたたかい方も問われる昨今。自身の生活の先行き不安が募るなか、余裕を持って自然保護に力を入れられる状況にはない。今春闘での取り組みが重要

◆人々の生活と自然の営みが、密接な関係にあるのは周知の事実。人々の生活・心に余裕がほしい。自然をみつめなおす気持ちの余裕がもてる社会に。そんな思いも今春闘に重ねたい。(T)