選 球 眼
senkyugan  2003.11

2003.11.1

11月に入って秋も深まり、季節は確実に冬に向かっている。朝夕は肌寒くなっており、こんな季節には鍋料理が恋しくなってくる

◆寒い季節に欠かせない鍋料理だが、名前の由来を調べるだけで面白い。たとえば、すき焼きは農家が肉を食べる時に使い古した鋤(すき)の上で肉を焼いたことから来ているし、ちゃんこなべは「ちゃん」は父、「こ」は弟子のことで、親子が一つの鍋を囲むことからこの名がついたとのこと

◆江戸時代以前の封建的な社会では、夫と妻、親と子の間でさえ食事の場所や食べ物が違った。鍋を囲んで同じものを食べられるようになったのは、対等な家族関係や社会・人間関係が作られた成果だ

◆そんな鍋にも鍋奉行という仕切り屋さんがいる。この鍋奉行のさじ加減で味は大きく変わる。いまは選挙真っただ中だが、日本をどんな味付けにするか、鍋奉行を選ぶチャンスが来ている。鍋でもつつきながら、誰を選ぶか考えてみようっと。(K)
2003.11.11

ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず」これは、鴨長明の「方丈記」冒頭の一節だ。いつもと変わらないように見える河が、我々の前で大きく動き始めている

◆先日行われた衆議院選挙でマスコミ報道は「与党安定多数」とするものや「自民党実質敗北」「民主党躍進」まで様々だ。こうしたなか、政治の表舞台から姿を消そうとしている政党がある。かつて「総評・社会党ブロック」として自治労とも密接な関係があった社民党だ

◆土井党首も小選挙区では落選し、党勢衰退の流れは止まらないでいる。今回の選挙では民主党が躍進し、2大政党制実現が近づいてきたが、多様な声を吸収する素地が無くなっていくことには若干の危機感を感じる

◆年間自殺者が3万人にのぼり、雇用の流動化で将来に不安を抱えながら働かなければならない社会はあまりにも厳しい。ゆとりを持って暮らし、働ける社会に向けて新たな国会の枠組みで多いに議論してもらいたい。(K)
2003.11.21

「年貢の納め時」「人生の墓場」と言われる一方で、みんなから祝福される奇妙なイベントがある。いま筆者はそのイベントに直面し、未経験の緊張と調整に疲れている。文章が乱れても、ご容赦願いたい

◆12月に結婚することになったのだが、新生活の準備では、いままで気付かなかったことを気付かせてくれる。実家にいて一人暮らしもしたことの無い筆者は、アイロンがけやご飯の炊き方さえ知らず、相手と話し合うと「朝ごはんどうしよう」から行き詰まってしまった

◆組合活動では「ジェンダー」だ「セクハラ」だ「男女が共に働き方を考えなくては」などと叫んでいても、いざ家を出ることになって考えると頭でっかちで実体が伴っていないことに気付いた

◆労働組合も学習だけではなく、実体の伴った取り組みを進めなくては、かけ声で終わってしまう。新生活の準備で自分の意識を高めることの必要性を痛感した。とりあえず仕事あとに料理教室でも行っとこかな。(K)