選 球 眼 |
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2003.9.1 昨年度、大阪府に寄せられた労働相談は1万1千件を突破し、過去最多となった。大阪府総合労働事務所が7月に発表した「労働相談報告・事例集」は民間の厳しい現実を示している ◆「解雇・退職干渉」や「賃金未払い」といった深刻な相談が全体の3割を占め、労働組合の無い職場からは「有給休暇」や「退職金」といった基本的な労働条件の相談が多く寄せられており、労働組合の必要性を改めて感じる ◆先月横浜で開かれた自治労定期大会では21世紀宣言案が否決され、議論も同案件に集中しがちだが、民間の中小零細企業に勤務する労働者を組織する全国一般労組との組織統合に向けた動きも大会で示された ◆失業者の増加や働き方の多様化から、労働組合が本工主義の特権階級的に見られている面は否定できない。統合には多くの議論が必要だが、厳しい状況だからこそ、民間労働者との強い連携が自治労再生に必要だと思う。今後の統合にむけた動きに注目したい。(K) |
2003.9.11 ついに産まれた。待望の赤ちゃんが誕生した。しかも双子の赤ちゃんとくれば喜ばないはずが無い。何が産まれたかって? 白浜で双子のパンダが誕生したのだ ◆白黒の模様と愛らしい動きで人気を博しているパンダだが、その発見はかなり昔で、紀元前の中国の古代書にすでに登場している。西洋に渡ったのは近世に入ってからで、19世紀に宣教師がヨーロッパに伝えたのが最初とのこと ◆見た目は熊に近いが分類が明確でなく、生態も知られていないことから謎が多いパンダだが、乱獲や自然環境の悪化などで現在は絶滅寸前に陥っており、双子誕生のニュースはうれしい限りだ ◆しかし、パンダの赤ちゃんが成長することは、なかなか難しいらしく、母親の下敷きになって圧死してしまう場合もあるらしい。今回産まれた双子パンダが大きくなって可愛い姿を見せるようになることを願う。余談だが、この号が出るころには甲子園の白黒の虎も大喜びをしてるかな。(K) |
2003.9.21 瀬戸内海に浮かぶ島で約20年に渡り住民を苦しめてきた産業廃棄物を撤去・無害化する処理が始まった。島は、国内最大の産廃不法投棄事件で全国的に有名になった豊島だ ◆業者は「ミミズの養殖」と県に申請し、県も指導監督を住民に約束したが、業者は廃車などを持ち込み野焼きや埋め立てをはじめた。県は住民に「合法・安全」を繰り返し、住民の訴えに耳を傾けたのは業者が不法行為を摘発された後だった ◆県が実態として業者を擁護してきた結果、不法投棄された産廃は約50万トン、処理には500億円と10年の歳月がかかる。最新のリサイクル施設での処理は循環型社会への試金石との見方もあるが、産廃と隣り合わせだった住民の苦しさは計り知れない ◆振り返って大阪府を見ると「4年で他の職場に異動する」と問題を先送りしていないだろうか。府民と向き合った行政を行うためにも、労働組合がしっかりと仕事をチェックする必要性を感じる。(K) |