選 球 眼
senkyugan  2004.1

2004.1.11

「早い・安い・うまい」や、「51杯プレゼント」で人気を博している牛丼チェーン店から牛丼が消えそうだ。牛丼屋から牛丼が無くなると「なに屋」になるんだろう?と思ったりしたが、深刻な事態になっている

◆12月24日に米国で発見されたBSE(牛海綿状脳症)感染牛の影響は、輸入品に頼る日本に大きな影響を与えている。感染した牛はカナダ産との発表もあるが、感染経路など分からない点もあり輸入解禁にはほど遠い

◆BSEはウイルスや細菌が原因ではなく、タンパク質の一種が異常変異したものを含む飼料を牛が食べることで感染する。脳がスポンジ状となり死にいたる病気で、人に感染する危険性もあることから非常に恐れられている

◆農林水産省は、日本での感染確率はきわめて低いとしているが、可能性はゼロではなく牛丼屋や焼肉店から足が遠のいてしまう。食べられなくなると思うと食べたくなるのが人情で、筆者はいま牛丼が食べたくて仕方がない。(K)
2004.1.21

就職してすぐの頃、上司や先輩の教育的指導を受けながら「あ〜あ、こんな職場に何年おらなアカンねん。あと40年か?」などと考え、漠然と60歳まで仕事を続なければならないと考えていた

◆厚生労働省の労働政策審議会が65歳までの雇用継続を企業に義務付ける内容の報告をまとめた。対象年齢は06年度から段階的に引き上げ、13年度に完全実施する

◆定年制は、年功序列や終身雇用を前提とした日本特有の労務管理手法で約9割の企業が採用している。60歳定年制への移行は79年からで、鉄鋼労連・私鉄など労働組合の粘り強い運動の成果だった

◆雇用延長は、高齢者の働く機会を確保するためにも必要だが、労政審の報告では「個別企業の事情で継続雇用の対象者を限定することが可能」とするほか、雇用の流動化が進む中で今回の報告が影響力を持つか疑問だ。それにしても、筆者が65歳になる30年以上先には、いったい何歳まで働かなくてはならないのだろう。(K)