選 球 眼 |
||||
2004.8.1 59年目の8月がやってきた。日本に住む者ならば、忘れてはいけない過去の歴史を、8月は否応なしに問いかけてくる ◆沖縄戦で10万人、東京大空襲で10万人、広島・長崎への原爆投下で21万人、その他の地域でも50万人もの民間人が国内で亡くなり、海外では日本軍の兵士として210万人の命が失われた。その大きすぎる数字は、あまりに現実離れして、想像さえできない ◆民主党の岡田代表は、米国高官との会談後「憲法改正をすれば、国連安保理決議を条件に自衛隊の海外での武力行使ができる」と発言。野党第1党の党首でさえ、現行の平和憲法を変える考えを示しており、改憲の動きが世論の大勢となりつつある ◆日本は先の大戦から何を学び、何を望んだのか。唯一の超大国となった「米国が支配する社会」だろうか。それとも「前は負けたが、次の戦争では勝てる」と信じているのか。不安定化する時代の中で、改めて戦争と平和について考える月にしたい。(K) |
2004.8.11 給与・一時金が据え置かれ、まずは一安心と思えば、とんでもないことが一方で進んでいる。結局のところ、中央官僚のための勧告なのか ◆人勧制度は、労働運動が激化していた戦後、運動の中心だった官公労の団体交渉権と争議権を剥奪する代償措置として発足した。しかし、近年は政府による圧力などで中立性が危ぶまれていた ◆確かに給与・一時金も据え置かれたが「民間賃金の低い地域との較差を考慮して全国共通の俸給表を引き下げる」としたほか「本府省における勤務の特殊性、困難性、人材確保の必要性に考慮して本府省手当を新設する」とするなど、霞ヶ関だけが「特殊」で「困難」な仕事をしているとして、給与の上積みを勧告している ◆公務員が国民から信頼されない要素として、特権的な官僚構造がある。霞ヶ関や政府に都合のいい勧告を出すような人勧なら廃止してしまえばいい。もちろん大阪府の人事委員会は、こんな勧告は出さないでしょうけどね。(K) |
2004.8.21 社会経済生産性本部が20日に発表した「産業人メンタルヘルス白書」は、働く者を取り巻く状況が悪化していると分析。約6割の企業で、心の病が増加中で、最も多い疾患が「うつ病」となっている ◆心の病への対策として、管理監督者によるケアを重視する企業が多く、メンタルヘルス向上には「管理職が部下の抱える仕事の難易度や業務の進捗を管理し、育成の視点で支えることが重要」としている ◆また、自殺者の伸び率や精神障害等の労災認定件数の増加が30代で顕著になっていることに注目。分析を行ったところ「将来への希望」「評価への満足感」「仕事の負担感」といった3つ指標が落ち込んでいる ◆府の状況はどうだろうか。「退職金は払ってもらえるのか」「評価基準は信用できない」と言いたくなる今の状況では、心が疲れても仕方がない。新行財政計画は職員のメンタルへルスなど視点に無いだろうが、若年層に負担を押し付けるような計画は止めて欲しい。(K) |