選 球 眼
senkyugan  2006.9

2006.9.1

労働支部と総務支部、直属支部が共催したイベントで、マジシャンを呼んでのショーが行なわれた。子ども向けの分かりやすいマジックがメインだったが、近くで見ても仕掛けはさっぱり分からず、参加者とともに楽しむことができた

◆手品の歴史は古く、古代エジプトの王(ファラオ)の前で「カップとボール」を使うマジックの様子が壁画に記されている。中世では、マジシャンが「悪魔と契約を結んだ者」として、魔女狩りの被害にあうなど、受難の時代もあったという

◆日本では、奈良時代に仏教とともに「散楽」として伝わり、火を吐いたり刀を呑んで見せるなど、大道芸として発展。江戸時代には解説書が多く出版されるようになり、座敷芸や大掛かりな仕掛けのものなど幅広く庶民にも浸透し、発展している

◆マスコミからの労組・公務員へのバッシングやらで、身の縮まる話ばかりだが、手品でも使ってピャピャピャっと状況を根こそぎ代えられへんかなぁ。(K)
2006.9.11

実質的に次期総理を決めることとなる、自民党総裁選の話題で商業紙の紙面は花盛りだ。20日の投票日めがけて、安倍・麻生・谷垣の3候補が火花を散らしている

◆3候補とも格差是正を掲げ、安倍さんは「努力した者が報われ、勝ち組、負け組が固定しない社会」、谷垣さんは「格差を固定化しない社会構造をつくる基盤として、労働市場の流動化を進めることも重要である」、麻生さんは「地域格差の是正」を訴えている

◆大きなお世話だが、候補者のプロフィルをみると、安倍さんは祖父に岸信介首相、その弟に佐藤栄作首相、父は安倍晋太郎外相である。麻生さんも祖父に吉田茂首相、義父に鈴木善幸首相、父も衆議院議員といずれも国政の中心を担ってきた家系だ。谷垣さんも父が文部大臣である

◆3候補のいずれかが、日本の舵を握ることとなる。ひがみと言われれば返す言葉も無いが、こんな人らに私らが感じる将来の不安や格差の痛みって分かるんかいなぁ。(K)
2006.9.21

19日に発生したタイの軍事クーデターは、現在のところ平和裏に進められ、現政権下の政治腐敗に対する政治不信と結合する形で、軍部の国王派(反首相派)の決起で発生した

◆クーデターとは「急激な非合法的手段に訴えて政権を奪うこと。支配層内部での権力移動」で、民衆と支配階層の立場が入れ替わってしまう革命とは区別されている。「ブルータスお前もか」で有名な、ローマのカエサル暗殺や、日本での五・一五などがある

◆暴力によるクーデターや革命は、大きな傷を伴い、絶対に許されるものではない。しかし、多くのタイ国民の不満を糾合しての今回の無血クーデターは、現在のところ一定の支持を得ているようだ

◆日本では小泉政権下で私たちの暮らしには格差と分断が持ち込まれ、監視社会への道を開く共謀罪新設の策動も完全に止まったわけではない。唯一の合法的な権力移動である「選挙」での勝利に向けて、あいはらさんの活躍に期待したい。(K)