選 球 眼 |
||||
2000.5.1
「お金」をたくさん持っていて、どんどん使う人に対して「あの人は景気がいいね」と言うことがある。つまり「金まわりの状態がいい」ことであり、日本の景気は日本全体の金まわりの状態を意味する(細野真宏著・経済のニュースが面白いほどわかる本・中経出版より) ◆同書は預貯金などの日本人の個人金融資産は1200兆円を超え米国につぎ世界2位であり「今の景気が悪いのは金を使わない」からと結んでいる。確かに失業率の増大、少子高齢社会の急激な到来などの先行き不安に対し一定の貯蓄も必要だろう。しかし、よく考えると、買い控え行動が強まったのは、まさに「バブル崩壊」がもたらしたものであり、消費税増額もその一翼を担っている ◆貿易黒字は増加の一途をたどっているのに、なぜ景気が良くならないのかと感じる人も多いと思われる。しかし、景気が悪い時には円安に進む可能性が強く、国内でモノが売れないため企業の輸出が損を覚悟の上で行われるためだ ◆いずれにせよこれまでの自民党の失政のツケを国民に肩代わりさせようなんざ、まっぴらゴメン。もう一言、筆者による個人金融資産に基づく内需拡大はまったく期待できず。(N) |
2000.5.11 筍(タケノコ)……初夏に竹の地下茎から出る若芽で、幾重にも皮に覆われ、皮を脱ぎながら伸び育つ。柔らかいうちは食用。続々と現われ出ることを「雨後のたけのこ」と言う(岩波国語辞典より) ◆タケノコの成長スピードはモウソウチクで1日に119a、マダケで1日121aも伸びたケースがあるが、成長の秘密はペジレリンという植物ホルモンの一種であることが解明されている。しかしいったん大きくなったタケは夏の間はほとんど成長せず光合成に励み、地下茎にその養分を蓄えることに集中する。冬になって地下茎の節に誕生したタケノコは、この光合成と土からの栄養分で驚くべき成長を遂げる ◆もっともタケノコのすべてがタケになるほどの栄養分は親ダケも作り出せないため、3割強がタケに、残りは30¥外字(8041)くらいで成長を止めてしまう。タケが花を咲かせるのは一生の最後の瞬間で、小さな穂に2〜3個の花をつけて枯れていく
◆かつてメーデーのデコレーションを作るために地主に断って竹籔でタケを切っていたら警官の職務質問を受けたことがある。タケノコドロと間違われたためである。初夏のこの時期、竹籔に入るときは気をつけよう。(N) |
2000.5.21 いつも利用しているからという訳ではないが、一昔前の南海電車は、泉州と高野山をイメージする緑のカラーで利用者に親しまれてきた ◆30数年前、極端に揺れたが濃緑の箱型電車「直行」が走りだし、通勤時間もグーンと短縮。さらに薄緑の流線型急行も登場。当時の河内長野以南は単線で、4輌でないとカーブが曲がれないなどの困難も抱えながら、新型スタイルに見惚れていたものだ。そういえば相互乗り入れで白浜と難波を結んでいたディーゼルカーはどうなったんだろう ◆関空開港とともに登場したラピートのコンセプトはダンディで速く、力強く。やはり鉄人28号のイメージはあるが、乗り心地はなかなかのもの。さらに特急サザンは指定席のみ有料で通勤車と連結しており、これからの都市型特急のあり方を示している
◆今では当り前の冷房車も出現当時は感動の拍手で迎えられたなど時代のニーズに合わせて進化してきた交通手段であるが、南海と言えばホークス。あのせっまい大阪球場を駆け回った鷹の勢い。観客席が急勾配で、一番上からの野次が筒抜けになって、選手も一緒に笑ったりもした。そんな時代も良かったなと思うこの頃である。(N) |